トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 作業車
【発明者】 【氏名】吉岡 英隆

【氏名】町田 賢

【氏名】仲井 章平

【要約】 【課題】多数のアクチュエータを制御する配線の長寸化、複雑化を解消して無理のない制御を可能にする。

【解決手段】メータパネルの表示用機器の制御を行う第1制御装置81をメータパネルの近傍位置に配置し、ロータリ耕耘装置の昇降制御とローリング制御とを行う第2制御装置82を車体後部に配置し、夫々の間に通信回線87を形成し、又、第1制御装置81で前輪増速装置の制御を行わせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体に備えた複数の計測手段と、これら複数の計測手段夫々からの計測結果を処理する表示制御が設定された処理手段と、この処理手段での処理結果を運転部近傍において表示する表示手段とを備えた作業車であって、前記車体にアクチュエータを備え、このアクチュエータの作動の制御を行うための作動制御を前記処理手段に設定すると共に、この作動制御と、前記表示制御とが共に行われるように前記処理手段の動作形態が設定されている作業車。
【請求項2】 前記アクチュエータと異なる副アクチュエータと、この副アクチュエータを制御する副作動制御が設定された副処理手段とが、複数種準備されると共に、これら複数種の副アクチュエータと副処理手段と組の1つが備えられている請求項1記載の作業車。
【請求項3】 前記計測手段と異なる副計測手段を備えると共に、この副計測手段の計測信号を前記副処理手段に入力する入力系が形成され、この計測結果を前記表示手段に対して表示させるよう副処理手段からの信号を前記処理手段に伝える伝達経路が形成されている請求項1記載の作業車。
【請求項4】 前記表示手段が文字表示可能な液晶ディスプレイで構成されると共に、この表示手段に制御の状況を表示するよう前記表示制御の形態が設定されている請求項1記載の作業車。
【請求項5】 前記処理手段の表示制御が、ディーゼルエンジンの回転数を計測する前記計測手段としての回転数センサの計測結果に基づいて前記表示手段としてディーゼルエンジンの回転数を示すメータを作動させるよう設定されると共に、この処理手段の作動制御が、ディーゼルエンジンのグロープラグに対する通電時間を制御するよう設定されている請求項1記載の作業車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体に備えた複数の計測手段と、これら複数の計測手段夫々からの計測結果を処理する表示制御が設定された処理手段と、この処理手段での処理結果を運転部近傍において表示する表示手段とを備えた作業車の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のように構成された作業車では、マイクロプロセッサを備えた処理手段に対してエンジン回転数を計測するセンサ、エンジンの冷却水の温度を計測するセンサ、エンジンの潤滑油の圧力を計測するオイルプレッシャスイッチ等から信号が入力する入力系が形成されると共に、この入力信号に基づいてメータパネルに備えられたメータ類を作動させるよう処理手段の表示制御の動作が設定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近の農用トラクタのようにエンジン負荷制御、ロータリ耕耘装置の昇降制御やローリング制御、前輪増速装置等を電気式に制御するもののように多種の機能を備えたものでは、前述した表示制御用の処理手段以外に多数のアクチュエータを制御する専用の制御装置(処理手段)を必要としている。
【0004】しかし、専用の処理手段を備えたものであっても、全てのアクチュエータを制御しようとすると車体前部位置のアクチュエータ、車体後部位置のアクチュエータの何れを制御するにも、制御用の配線とフィードバック用の配線とを制御装置まで形成する必要から配線が長くなり、これと同様に、アクチュエータの作動状況を検出するセンサからの信号を表示用の処理手段に伝える配線も長くなるのが現状であった。又、複数の制御を同時に行うものでは制御装置にウエイトが掛かる結果、制御動作に遅れを生じ適切なタイミングでの処理を行えないこともあり改善の余地がある。
【0005】本発明の目的は、多数のアクチュエータを制御する配線の長寸化、複雑化を解消して無理のない制御を可能にする作業車を構成する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請求項1)は冒頭に記したように、車体に備えた複数の計測手段と、これら複数の計測手段夫々からの計測結果を処理する表示制御が設定された処理手段と、この処理手段での処理結果を運転部近傍において表示する表示手段とを備えた作業車において、前記車体にアクチュエータを備え、このアクチュエータの作動の制御を行うための作動制御を前記処理手段に設定すると共に、この作動制御と、前記表示制御とが共に行われるように前記処理手段の動作形態が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0007】本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項1において、前記アクチュエータと異なる副アクチュエータと、この副アクチュエータを制御する副作動制御が設定された副処理手段とが、複数種準備されると共に、これら複数種の副アクチュエータと副処理手段と組の1つが備えられている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0008】本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項1において、前記計測手段と異なる副計測手段を備えると共に、この副計測手段の計測信号を前記副処理手段に入力する入力系が形成され、この計測結果を前記表示手段に対して表示させるよう副処理手段からの信号を前記処理手段に伝える伝達経路が形成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0009】本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項1において、前記表示手段が文字表示可能な液晶ディスプレイで構成されると共に、この表示手段に制御の状況を表示するよう前記表示制御の形態が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0010】本発明の第5の特徴(請求項5)は請求項1において、前記処理手段の表示制御が、ディーゼルエンジンの回転数を計測する前記計測手段としての回転数センサの計測結果に基づいて前記表示手段としてディーゼルエンジンの回転数を示すメータを作動させるよう設定されると共に、この処理手段の作動制御が、ディーゼルエンジンのグロープラグに対する通電時間を制御するよう設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0011】〔作用〕上記第1の特徴によると、処理手段が計測手段の計測結果を表示制御して表示手段に表示すると共に、この処理手段がアクチュエータを作動制御することになるので、このアクチュエータを制御するための専用の制御装置等を備えなくて済むものとなる。
【0012】上記第2の特徴によると、主アクチュエータと副アクチュエータとを、処理手段と副処理手段とによって独立して制御することになるので、夫々のアクチュエータを同時に制御する場合でも単一の処理手段を用いたもののように処理速度の低下が無く、又、多数のアクチュエータを制御する場合でも処理手段、あるいは、副処理手段のうち近い側のもので制御を行うよう設定することで、アクチュエータを制御するための配線も、作動をフィードバックするための配線も短いもので済むものとなる。特に、複数種の副アクチュエータと副処理手段との組の1つを備えるので、例えば、車体の基本構造を共有して作業に対応したアクチュエータを備えることで性能の異なる複数の車種の作業車を製造する場合でも、基本的な作動を行うアクチュエータの制御を処理手段で行い、作業車の車種に対応したアクチュエータ(副アクチュエータ)の制御を副処理手段で行うよう制御系を構成することで、基本部分を変更すること無く、多種の作業車を容易に製造し得るものとなる。
【0013】上記第3の特徴によると、副計測手段の計測信号を副処理手段に入力する入力系を形成するだけで、この信号が伝達経路を介して処理手段に伝えられ、表示手段に表示し得るものとなる。つまり、副計測手段から処理手段に信号を伝える配線を形成しなくて済み、配線を短くできると共に、副計測手段を複数用いるものでも伝達経路を兼用できるので配線数を低減できるものとなる。
【0014】上記第4の特徴によると、液晶ディスプレイの表示内容によって制御の状況を把握して作業状態を認識できると同時に、作業者の意思に反した不適正な作業が行われている場合には液晶ディスプレイの表示内容に基づいて即座に制御を停止することも可能となる。
【0015】上記第5の特徴によると、エンジンの回転数の表示の制御と、エンジンのグロープラグに対する通電時間の制御とを処理手段で処理手段で行うものとなる。
【0016】〔発明の効果〕従って、表示を行うための処理系にアクチュエータの制御を行わせる改良によって、アクチュエータを制御するための専用の制御装置を備えずに済むものとなる(請求項1)。又、2つの処理系を備えることによって高速な処理を実現すると共に、多数のアクチュエータを制御するものでも配線の長寸化、複雑化を解消して無理のない制御を可能にし、しかも、多種の仕様の作業車も容易に製造し得るものとなり(請求項2)、処理手段から離間した制御対象の作動状態も長い配線を備えることなく表示手段に対して表示できるものとなり(請求項3)、液晶ディスプレイの表示内容から適正な作業を促進するものとなり(請求項4)、エンジンの回転数の表示とエンジン始動時の制御とを従来から備えられている処理手段の簡単な改良で行えるものとなった。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1、及び、図2に示すように、前車輪1及び後車輪2を備えた車体の前部にディーゼル型のエンジン3を搭載すると共に、このエンジン3からの動力が主クラッチハウジング内の主クラッチ4を介して伝えられるミッションケース5を車体の後部に配置し、このミッションケース5の後端上部位置に油圧式のリフトシリンダ6で駆動昇降される左右一対のリフトアーム7,7を備え、又、車体の中央の運転部にメータパネルPとステアリングハンドル8と、運転座席9とを配置して作業車の一例としての農用トラクタを構成する。
【0018】車体の後端位置にトップリンク10と左右一対のロアーリンク11,11とで成る3点リンク機構を介してロータリ耕耘装置12を連結すると共に、左右のロアーリンク11,11と前記リフトアーム7,7とを左右のリフトロッド13,13を介して吊下げ状態で支持し、又、この左右のリフトロッド13,13の一方にローリングシリンダ14を介装して該リフトロッド13を伸縮駆動自在に構成することにより、リフトシリンダ6の駆動によってロータリ耕耘装置12の昇降を行い、又、ローリングシリンダ14の伸縮作動によってロータリ耕耘装置12のローリングを行えるよう構成してある。又、リフトアーム7の揺動量からロータリ耕耘装置12の対車体高さを計測するポテンショメータ型のリフトアームセンサ7Sを備え、ロータリ耕耘装置12の後部に横向き姿勢で揺動自在に備えた接地カバー12Aの揺動量から該ロータリ耕耘装置12の耕耘深さを計測するポテンショメータ型のカバーセンサ12Sを備え、ローリングシリンダ14の伸縮量からロータリ耕耘装置12の対車体ローリング量を計測するポテンショメータ型のストロークセンサ14Sを備え、車体後部に車体のローリング姿勢を電圧信号で出力するローリングセンサRSを備えている。
【0019】又、前記運転座席9の右側部にリフトアーム6を制御するポジションレバー16を配置し、この運転座席9の左側部にミッションケース内の変速装置を変速操作する主変速レバー17と、副変速レバー18と、ロータリ耕耘装置12を駆動する出力軸(PTO軸)19の駆動速度の切換を行うPTO変速レバー20と、この出力軸19の駆動と停止との切換を行うPTOクラッチ(後述する)を制御するPTOクラッチレバー21とを配置してある。又、前記ステアリングハンドル8の左側部位置に車体の走行方向を前後に切換える前後進切換レバー22を配置し、このステアリングハンドル8の右側部にロータリ耕耘装置12の強制的な上昇と強制的な下降を可能にする強制昇降レバー23を配置してある。前後進切換レバー22は中立位置を基準にして前方側の前進位置と、後方側の後進位置とに切換操作自在に構成され、前後方向に切換操作するだけで主クラッチ4を切り操作することなく車体の走行方向の切換を可能にするものとなっている(この変速作動は後述する)。強制昇降レバー23は非操作時には中立位置に復帰するよう付勢されると共に、この中立位置を基準にして上方側の上昇位置と、下方側の下降位置とに切換操作自在に構成され、上昇位置に操作した場合にはロータリ耕耘装置12を強制的に上限まで上昇させ、下降位置に操作した場合にはロータリ耕耘装置12を自動耕深制御のレベル、あるいは、ポジションレバー16で設定されるレベルまで下降させるものとなっている(この制御の概要は後述する)。
【0020】更に、ステップの左側部位置に前記主クラッチ4を切り操作する主クラッチペダル24を配置し、ステップの右側部位置に左右の後車輪2,2に対して独立して制動力を作用させる左右一対のサイドブレーキペダル25,25を配置し、このステップには前車輪1、及び、後車輪2夫々の差動装置の機能を同時に停止させるデフロックペダル26を備えている。又、左右のサイドブレーキペダル25,25は車体を小半径で旋回させる際に旋回内側の後車輪2を制動する際に独立して操作されるものであり、路上走行等、左右の後車輪1,1を同時に制動する必要がある場合には左右のサイドブレーキペダル25,25を連結金具(図示せず)を介して連結して左右のサイドブレーキペダル25,25の同時操作を行えるよう構成されている。尚、前記メータパネルPの右側部位置にはエンジン3の回転速度を設定するアクセルレバー27を備えている。
【0021】図3に示すように前記ミッションケース5に内蔵された変速装置は、前記主変速レバー17、副変速レバー18による変速時には主クラッチ4を切り操作すること無く、変速を行える機能を有するものである。つまり、この変速装置はエンジン3からの動力が主クラッチ4を介して伝えられる伝動系に対して、主変速装置A、変速クラッチB、第1副変速装置C、前後切換装置D、第2副変速装置E夫々を一連に配置すると共に、この変速動力を後車輪2の差動装置2Aに伝える系と、前輪変速装置F、及び、中間伝動軸29を介して前車輪1の差動装置1Aに伝える系とを備えて構成されている。同図、及び、図4に示すように、主変速装置Aはシンクロメッシュ式のギヤ変速機構と、このギヤ変速機構の2つの変速スリーブ30,31をスライド操作する油圧式の2つの変速シリンダ30C,31Cとを備えて成り、変速クラッチBは圧油の供給によって入り状態を維持し排油によって切り状態となるよう構成され、第1、第2副変速装置C,Eはシンクロメッシュ式のギヤ変速機構と、このギヤ変速機構の変速スリーブ32,33をスライド操作する油圧式の変速シリンダ32C,33Cとを備えて成り、前後切換装置Dはシンクロメッシュ式のギヤ変速機構と、このギヤ変速機構を変速スリーブ34を前記前後進切換レバー22で変速する系とを備えて構成されている。
【0022】又、ミッションケース内にはエンジン3からの動力を外部動力変速装置Gと、PTOクラッチHとを介して前記出力軸19に伝える伝動系を備え、外部動力変速装置Gは前記PTO変速レバー20からの操作力で変速操作されるよう構成されている。尚、後車輪2に対する作動装置2Aから左右の後車輪2,2に動力を伝える左右の伝動軸に対して摩擦式のブレーキ35,35を備えており、夫々のブレーキ35,35は前記左右のサイドブレーキペダル25,25の踏み込み操作で独立して制動操作されるようワイヤ、ロッド等を介して機械的に連係されている。
【0023】図4に示すように変速装置の油圧回路が構成され、この回路ではエンジン3で駆動される油圧ポンプ36からの作動油が供給される主油路37に前記4つの変速シリンダ30C,31C,32C,33Cに対する電磁式の変速弁30V,30V,31V,31V,32V,33Vが備えられ、又、油圧ポンプ36から圧が作用するパイロット油路38から分岐して形成した5つの排油路に対して4つ変速シリンダ30C,31C,32C,33C、及び、前後進切換レバー22の作動と連動して機械式に開閉操作されるチェック弁39…が介装され、前記変速クラッチBに対してパイロット油路38からの圧力で切換操作される開閉弁40と、電磁式に供給圧を調節する圧力調節弁41とを介して作動油を供給する系が形成され、前記パイロット油路38にはパイロット圧の変化で入り切り操作される圧力スイッチ42が備えられている。尚、夫々のチェック弁39…は変速作動開始直後に開放操作され、変速作動完了時に閉塞操作されるよう連係関係が設定されている。又、図中にPSで記した油圧装置はステアリングハンドル8と連動するパワーステアリングユニットである。
【0024】又、主変速装置Aを変速操作する変速シリンダ30C,31Cは中立位置Nを得るよう3位置に切換操作自在に構成されている。つまり、この変速シリンダ30C,31Cは図5に示す前記前輪変速装置Fの切換シリンダ59C(後述する)と同じ構成を有しており、同図に示すように、変速シリンダ30C,31Cはシリンダチューブ43に対してスライド作動自在にピストン44を内装すると共に、このピストン44の一方のピストンロッド44Aをシリンダチューブ外に突出させて前記変速スリーブと連係してあり、他方のピストンロッド44Bをシリンダチューブ43に収め、又、シリンダチューブ内のピストンロッド44Bに外嵌する状態で該ピストンロッド44Bとシリンダチューブ43とにスライド移動自在な中立ピストン45とを備えて構成されている。そして、変速弁30V,30V,31V,31Vを介して夫々の変速シリンダ30C,31Cの両端部に圧油を供給した場合には、同図に示すように、中立ピストン45がシリンダチューブ43の段状部に接当した状態で中立ピストン45にピストン44が接当して中立状態を現出し、シリンダチューブ43の小径側に圧油を供給し、大径側から排油を行うことでピストン44に作用する作動油からの圧力でピストンロッド44Aが収縮側に作動し、この逆の状態で作動油を制御することでシリンダチューブ内のピストンロッド44Bの端部に作用する作動油からの圧力でピストンロッド44Aが伸長側に作動するものとなっている。尚、第1副変速装置C、第2副変速装置Eを変速操作する変速シリンダ32C,33Cは中立位置を必要としないので複動型に構成されている。
【0025】尚、この変速装置では、主変速レバー17が操作された場合には、第2制御装置(後述する)が該主変速レバー17の操作位置(変速位置)を電気的に求め、この操作位置に対応した変速弁を電気的に操作して変速を開始すると共に、この変速と連動したチェック弁39の開放作動によってパイロット油路38のパイロット圧が低下し、この低下と連動して開閉弁40が排油位置に作動して変速クラッチBが切り状態となる。この後に変速作動が完了するとチェック弁39の閉塞作動によってパイロット油路38のパイロット圧が上昇し、この上昇と連動して開閉弁40が圧油供給位置に作動して変速クラッチBの入り操作が開始されると同時に、このパイロット油路38の圧力上昇を圧力スイッチ42で検出すると第2制御装置(後述する)が圧力調節弁41の開度を調節して変速クラッチBを所定の特性(変速段や車体の走行速度等に基づく特性)に従って昇圧を行い、変速クラッチBの入り操作時のショックを低減するものとなっている。又、前後進切換レバー22を操作した際には人為的に変速操作が行われるが変速シリンダを使用しない点が異なるだけで変速クラッチBが入り切り制御される点は同じものとなる。
【0026】前記前輪変速装置Fは、前車輪1の周速度を後車輪2の周速度と等しい状態で駆動する標準駆動状態(以下、4駆状態と称する)と、前車輪1の周速度を後車輪2の周速度より増す増速駆動状態と、前車輪1に対して動力を伝えない状態(以下、2駆状態と称する)との3状態に切換自在に構成され、増速駆動状態を、予め選択しておくことにより、前車輪1が所定量以上操向操作された際には第1制御装置(後述する)が前車輪1の周速度を後車輪2の周速度より増大させるものとなっている。
【0027】又、前輪変速装置Fは図5に示すように、後車輪2を駆動する伝動系に備えたギヤ47、前記出力軸19に遊転支承した遊転ギヤ48からの動力が伝えられる第1ギヤ49を備えた前後向き姿勢の中間軸50を備えると共に、この中間軸50と平行姿勢の前輪駆動軸51とを備えており、中間軸50には第1ギヤ49と隣接配置した第2ギヤ52と、この第2ギヤ52より大歯数の第3ギヤ53とを一体回転状態で備え、前輪駆動軸51には第2ギヤ52と咬合する第4ギヤ54と、第3ギヤ53に咬合し第4ギヤ54より歯数の少ない第5ギヤ55とを遊転支承してある。又、前輪駆動軸51には、前記第5ギヤ55と一体回転するクラッチケース56を備え、このクラッチケース56の内部に前輪駆動軸51の軸芯方向に圧接操作されることで第5ギヤ55からの動力を前輪駆動軸51に伝える複数の摩擦板57を備えて増速クラッチJが構成されている。又、前記第4ギヤ54の側面に咬合爪を形成して等速クラッチKが構成され、夫々の中間位置の前輪駆動軸51にスプライン嵌合状態で軸方向にスライド移動自在となるシフト部材58を備えている。更に、シフト部材58に係合するシフタ59を介してシフト部材58を操作する切換シリンダ59C(アクチュエータの一例)を備えている。尚、このシフト部材58のシフト操作で増速クラッチJを入り操作する位置を増速位置Uと称し、シフト部材58のシフト操作で等速クラッチKを入り操作する位置を等速位置Sを称し、何れのクラッチも入り操作しない位置を中立位置Nと称する。
【0028】前記切換シリンダ59Cは、シリンダチューブ43に対してスライド作動自在にピストン44を内装すると共に、このピストン44の一方のピストンロッド44Aをシリンダチューブ外に突出させてシフタ59と連係し、他方のピストンロッド44Bをシリンダチューブ43に収め、又、シリンダチューブ内のピストンロッド44Bに外嵌する状態で該ピストンロッド44Bとシリンダチューブ43とにスライド移動自在な中立ピストン45とを備えて構成され、電磁式に操作される切換弁59V,59Vを介して圧油の給排を行う系が形成されている。そして、切換シリンダ59Cの両端部に圧油を供給した場合には、同図に示すように、中立ピストン43がシリンダチューブ44の段状部に接当した状態で中立ピストン45にピストン45が接当してシフト部材58を中立位置Nに操作し、シリンダチューブ43の小径側に圧油を供給し、大径側から排油を行った場合にはピストン44に作用する作動油からの圧力でピストンロッド44Aが収縮側に作動してシフト部材58を増速位置Uに操作し、この逆の状態で作動油を制御した場合にはシリンダチューブ内のピストンロッド44Bの端部に作用する作動油からの圧力でピストンロッド44Aが伸長側に作動してシフト部材58を等速位置Sに操作するものとなっている。
【0029】図6に示すように、前記メータパネルPにはタコメータ61、燃料残量メータ62、水温メータ63を備えると共に、液晶ディスプレイ64、ローリング制御ランプ65、自動耕深制御ランプ66、エンジン負荷制御ランプ67、2駆動ランプ68、4駆ランプ69、前輪増速ランプ70、強制上昇ランプ71、バックアップランプ72、駐車ブレーキランプ73、ブレーキ連結ランプ74、前後進レバー中立ランプ75、デフロックランプ76、警報ランプ77、前輪駆動モード設定スイッチ78夫々が備えられると共に、エンジン3を始動するキースイッチ79が備えられている。又、液晶ディスプレイ64には、後述するように変速段、エンジン3の潤滑油の情報、バッテリーに対する充電情報、車体の走行速度等を表示できるよう構成されると共に、作業状況を示すメッセージ、作業手順やトラクタに備えた機器の使用方法が文字で表示されるものとなっおり、図面には表さないが第1制御装置81の基板に対してブザーが取付けられ、スイッチ類を操作した際、警報時にはこのブザーで電子音を発生させるものとなっている。
【0030】このトラクタでは図1、図2、図8に示すように、メータパネルPのメータ類、ランプ類の制御と、前輪変速装置Fの制御と、エンジン3のグロープラグの制御とを行うために処理手段としてマイクロプロセッサを備えた第1制御装置81をメータパネルPの近傍位置に配置してあり、前記変速装置の変速制御と、ロータリ耕耘装置12の昇降制御とローリング制御とを行うために副処理手段としてマイクロプロセッサを備えた第2制御装置82を運転座席の下方位置に配置してあり、又、ロータリ耕耘装置12の制御形態等を設定するコントロールボックス83を運転座席9の右側部に配置してある。
【0031】具体的には図8に示すように、前記第1制御装置81に対して前記エンジン3の回転速度を計測するエンジン回転センサ、燃料の残量を計測する燃料残量センサ、エンジン冷却水の温度を計測する水温センサ、エンジン3の潤滑油が適正に循環している場合に潤滑油の圧力でON操作されるオイルプレッシャスイッチ、エンジン3で駆動されるオルタネータの端子、走行系の伝動軸の回転速度を計測する推進軸回転センサ、前記左右のサイドブレーキペダル25,25同士を連結して一体化する前記連結金具が連結位置にあることを検出するブレーキ連結スイッチ、変速装置のギヤに係合して走行系の回転を阻止する駐車ブレーキが制動状態にあることを検出する駐車ブレーキスイッチ、前後進切換レバー22が中立位置にあることを検出する中立スイッチ夫々からの信号をパネル表示情報として入力する系(煩雑化を避けるためセンサ類は図示せず)が形成されると共に、前記前輪駆動モードスイッチ78、前記サイドブレーキペダル25が制動側に操作されたことを計測するブレーキスイッチ80、前記前車輪1の操向操作量を計測するポテンショメータ型の操向角センサ84、前記エンジン3の始動と電気系の稼働とを行うキースイッチ79夫々からの信号を入力する系が形成されている。又、この第1制御装置81からは前記メータ類ランプ類を含めたパネル、前記2つの切換弁59V,59V、エンジン3のグロープラグ85に対する電力の制御を行うグローリレー86夫々に対して信号を出力する系が形成されている。尚、駐車ブレーキは前記主変速レバー17を駐車位置への設定と連動して制動状態となり、駐車位置からの離脱で制動が解除されるよう構成されている。
【0032】又、前記第2制御装置82に対して、前記主変速レバー17の操作位置を検出する主変速センサ、副変速レバー18の操作位置を検出する副変速センサ、前後進切換レバー22の操作位置を検出する前後進切換センサ、作動油の油温を計測する油温センサ、前記圧力スイッチ42、前記オルタネータの端子、前記エンジン回転センサ、前記推進軸回転センサ夫々からの信号を変速制御情報として入力する系(煩雑化を避けるためセンサ類は図示せず)が形成されると共に、前記ポジションレバー16の操作位置を計測するポジションセンサ、前記リフトアームセンサ7S、前記ストロークセンサ14S、前記ローリングセンサRS、カバーセンサ12S、前記強制昇降レバー23の上昇側への操作を検出する上昇スイッチ、該レバー23の下降側への操作を検出する下降スイッチ、前記前後進切換レバー22の操作位置を検出する前後進切換レバースイッチ夫々からの信号を昇降・ローリング制御情報として入力する系(煩雑化を避けるためセンサ類は図示せず)が形成されている。又、この第2制御装置82から前記変速装置の6つの変速弁30V,30V,31V,31V,32V,33Vと圧力調節弁41とを制御する信号系、前記リフトシリンダ6を制御する電磁式の昇降弁6Vを制御する信号系、ローリングシリンダ14を制御する電磁式のローリング弁14Vを制御する信号系夫々が形成され、更に、第1制御装置81と第2制御装置82との間、第2制御装置82とコントロールボックス83との間に信号を相互に伝達する通信回線87が形成されている。
【0033】図7に示すように、前記コントロールボックス83には、ポテンショメータ型の耕深設定器89、ローリング制御の起動と停止との選択、及び、前記3点リンク機構の形態に起因するローリング制御のモードの切換を行うローリングスイッチ90、目標ローリング角設定用のローリング角設定器91、耕深制御の起動と停止との選択、及び、耕深制御の形態の選択と、自動耕深制御の感度の設定とを行うモードスイッチ92、前記強制昇降レバーによる強制上昇時、あるいは、車体の後進時の自動上昇(以下、バックアップと称する)時のロータリ耕耘装置12の上昇高さを設定する上限設定器93、バックアップ制御の選択を行うバックアップ選択スイッチ94、ロータリ耕耘装置12を強制ローリングさせる強制ローリングスイッチ95夫々を備えている。
【0034】前記第1制御装置81と第2制御装置82とは独立した制御処理を行うプログラムが設定され、以下に夫々のプログラムの制御処理の概略を説明する。
【0035】図9のフローチャートに示すように、第1制御装置81の制御が開始されるとイニシャライズを行った後に、キースイッチ79によるエンジン3の始動操作の有無を判別し、始動操作があった場合にはグローリレー86をON操作してグロープラグ85に通電すると共に、この通電を冷却水温が設定温度以上まで上昇したことが前記水温センサで計測されるまで継続し(#101〜#105ステップ)、次に、パネル表示ルーチンと前輪変速ルーチンとを制御がリセットされるまで継続するものとなっている(#200、#300、#106ステップ)。
【0036】前記パネル表示ルーチン(#200ステップ)と、前輪変速ルーチンと(#300ステップ)とはサブルーチンの形でセットされ、パネル表示ルーチン(#200ステップ)は図10のフローチャートに示すように、まずセンサ類からの信号を入力して必要な表示処理を行う(#201、#202ステップ)。この処理は前記エンジン回転センサ、前記燃料残量センサ、前記水温センサ、オイルプレッシャスイッチ、オルタネータ端子、前記推進軸回転センサ、前記ブレーキ連結スイッチ、前記駐車ブレーキスイッチ、前記中立スイッチ、デフロックスイッチ、前記前輪駆動モードスイッチ78夫々からの信号を入力して、前記エンジン回転センサで計測されるエンジン3の回転速度(単位時間内の回転数)を示すようタコメータ61を制御し、燃料残量センサで計測される燃料の残量に対応する値を示すよう燃料残量メータ62を制御し、水温センサで計測される冷却水の温度を示すよう水温メータ63を制御し、オイルプレッシャスイッチがOFF状態にある場合には潤滑油の異常を、オルタネータの端子電圧が低い場合にバッテリーに対する充電異常を夫々液晶ディスプレイ64に表示すると同時に、警報ランプ77を点灯させる制御を行い、推進軸回転センサで計測される走行速度を液晶ディスプレイ64に表示する制御を行い、ブレーキ連結スイッチでサイドブレーキペダル25,25が連結状態にあることを判別した場合にはブレーキ連結ランプ74を点灯させ、駐車ブレーキスイッチで駐車ブレーキが制動状態にあることを判別した場合には駐車ブレーキランプ73を点灯させ、中立スイッチで前後進切換レバー22が中立位置にあることを判別した場合には前後進レバー中立ランプ75を点灯させ、デフロックスイッチでデフロック状態にあることを判別した場合にはデフロックランプ76を点灯させ、前輪駆動モードスイッチ78からの信号に基づいて2駆ランプ68、4駆ランプ69、前輪増速ランプ70の何れかを点灯させる制御を行うものとなっている。
【0037】次に、通信回線87を介して第2制御装置82から伝えられる信号、及び、コントロールボックス83から第2制御装置82を介して伝えられる信号に基づいて必要な表示処理を行う(#203、#204ステップ)。この処理は、変速装置の変速段を液晶ディスプレイ64に表示する制御を行うと共に、モードスイッチ93の設定位置に基づいてローリング制御モードにある場合にはローリング制御ランプ65を点灯させ、自動耕深制御モードにある場合には自動耕深制御ランプ66を点灯させ、エンジン負荷制御モードにある場合にはエンジン負荷制御ランプ67を点灯させ、バックアップスイッチ94がON状態にある場合にはバックアップランプ72を点灯させ、更に、強制昇降レバー23の操作でロータリ耕耘装置12が上昇状態にある場合には強制上昇ランプ70を点灯させる制御を行うものとなっている。
【0038】又、前輪変速ルーチン(#300ステップ)は図11のフローチャートに示すように、前輪駆動モード設定スイッチ78が操作された状況でスイッチ78で2駆状態が選択されている場合には前輪増速装置Fのシフタ59を中立位置Nに設定して2駆走行状態に設定すると共に、4駆状態あるいは前輪増速状態が選択されている場合には前輪増速装置Fのシフタ59を等速位置Sに維持して等速クラッチKの入り操作で4駆走行状態に設定し(#301〜#304ステップ)、次に、操向角センサ84からの信号に基づいて前車輪1が設定角度以上操向操作された場合には前輪駆動モード設定スイッチ78で前輪増速モードが選択されている場合にのみ前輪増速装置Fのシフタ59を増速位置Uに操作して増速クラッチJの入り操作で前輪1を増速状態に設定し(#305〜#307ステップ)、更に、ブレーキスイッチ80によって制動操作を検出すると2駆状態にある場合にのみ前輪増速装置Fのシフタ59を等速位置Sに設定して等速クラッチKの入り操作で4駆走行状態に切換えて制動力を高めるものとなっている(#308〜#310ステップ)。
【0039】図12のフローチャートに示すように、第2制御装置82の制御が開始されるとイニシャライズを行った後に、変速ルーチンを実行し、ロータリ耕耘装置12が強制上昇状態(強制昇降レバー23の操作されたこと、あるいは、バックアップスイッチ94がON状態で車体を後進させたことによりロータリ耕耘装置12が強制上昇した状態)にあることが判別された場合にのみ、強制昇降レバー23での強制下降制御を許し、逆に、ロータリ耕耘装置12が強制上昇状態にない場合でも強制昇降レバー23の操作によるロータリ耕耘装置12の強制上昇を許し(#401、#500、#402〜#406ステップ)、更に、ロータリ耕耘装置12が下降状態ある場合にのみ作業装置制御ルーチン(#600ステップ)を実行し、この処理をリセットされるまで繰り返すものとなっている(#407ステップ)。
【0040】前記変速ルーチン(#500ステップ)と作業装置制御ルーチン(#600ステップ)とはサブルーチンの形でセットされ、変速ルーチン(#500ステップ)は図13のフローチャートに示すように、主変速レバー17、あるいは、副変速レバー18が操作された場合には対応する変速シリンダを作動させて変速を開始し、この変速作動が完了するとパイロット油路38のパイロット圧が一旦低下した後に上昇することから、この圧力上昇を圧力スイッチ42が検出した場合には設定された変速段、前記推進軸回転センサからの信号に基づく車体の走行速度、アクセルセンサからの信号に基づくアクセルレバー27の設定位置、エンジン回転センサからの信号に基づくエンジン3の回転速度、油温センサで計測される作動油の温度に基づいて、走行系に作用する負荷や、車体の動慣性や、作動油の粘性を考慮した最適な昇圧特性を得るよう圧力調節弁41の電磁ソレノイドに対する制御電流をデューティ比の設定でPWM式に調節して変速クラッチBの入り操作を行うものとなっている(#501〜#504ステップ)。又、変速装置は主変速レバー17、副変速レバー18が操作されない場合でも前後進切換レバー22の操作でも変速を行えるものであり、この変速時にも同様に適正な特性で変速クラッチBの昇圧を行って入り制御が行われる制御動作が設定され、圧力スイッチ42でパイロット圧の低下が検出された場合には、圧力スイッチ42でパイロット圧の上昇を検出した後に前述と同様に変速クラッチBの入り操作を行うものとなっている(#505ステップ)。
【0041】又、作業装置制御ルーチン(#600ステップ)は図14のフローチャートに示すように、ポジションレバー16の操作位置をポジションセンサで計測して、該ポジションレバー16の設定位置がポジション制御域にある場合にはポジションレバー16の設定位置に対応した高さまでロータリ耕耘装置12の昇降を行うよう、ポジションセンサの信号値を制御目標とすると共に、この制御目標とリフトアームセンサ7Sからの信号とが平衡する制御を行うものとなっており(#601、#602ステップ)、このポジションレバー16がポジション制御域にない場合には、通信回線87を介してコントロールボックス83の機器類の操作状況を入力し、この入力によってモードスイッチ92が自動耕深制御を行う位置にある場合には、モードを判別して自動耕深制御(オート)、若しくは、エンジン負荷制御(Eオート)を行うものとなっている(#603〜#607ステップ)。尚、自動耕深制御は耕深設定器89で設定される耕深を制御目標とすると共に、この制御目標とカバーセンサ12Sの計測値とが平衡するようロータリ耕耘装置12の昇降を行うものであり、エンジン負荷制御は耕深設定器89で設定される耕深と対応するリフトアーム7の揺動角を求め、この揺動角をリフトアームセンサ7Sが計測する耕深までロータリ耕耘装置12を下降させた際のエンジン3の回転数をエンジン回転センサで求め、この回転数を制御目標に設定すると共に、この制御目標とエンジン回転センサの計測値とが平衡するようロータリ耕耘装置12の昇降を行うものとなっている。
【0042】次に、ローリングスイッチ90が入り状態にある場合には、該ローリングスイッチ90で設定されたモードに制御特性を設定し、又、ローリング角設定器91の設定値を制御目標に設定すると共に、この制御目標と、ローリングセンサRSとストロークセンサ14Sとからの信号に基づ求められるロータリ耕耘装置12のローリング姿勢とが平衡するようローリングシリンダ14を伸縮作動させるものとなっており、この制御時に強制ローリングスイッチ95が操作された場合には、このスイッチ95の操作に従ってロータリ耕耘装置12を強制的にローリング作動させるものとなっている(#608、#609ステップ)。
【0043】次に、前後進切換レバー22が後進位置に操作されたことを前後進切換センサで検出するとバックアップスイッチ94が「入」位置に設定されている場合にのみ、上限設定器93で設定された高さまでロータリ耕耘装置12を強制的に上昇させる制御を行うものとなっている(#610、#611ステップ)。
【0044】このように、本発明では、メータパネルPの表示用機器を制御する第1制御装置81をメータパネルPの近傍位置に配置することで表示用機器と第1制御装置81とを短い配線で結線できるものとなっており、変速制御とロータリ耕耘装置12の昇降制御とローリング制御とを行う第2制御装置82を運転座席9の下方位置に配置することによって、これらの制御系と第2制御装置82とを短い配線で結線できるものとなっている。又、第1制御装置81では前輪変速装置Fの制御とグロープラグ85の制御とを行うことにより第2制御装置82に対する制御上のウエイト(負担)を小さくするものとなっており、第2制御装置82とコントロールボックス83との間に通信回線87を形成したことにより第2制御装置82に対する配線の集中を解消し、第1制御装置81と第2制御装置82との間に通信回線87を形成したことによりセンサ類、設定機器類からの信号を一方側に入力する信号系を形成するだけで何れの制御装置もセンサ類、設定機器類からの信号に基づいた制御を行えるものとなっており、夫々の制御装置に対して長い配線を形成しなくて済むものとなっている。
【0045】特に、この種のトラクタでは、車体の基本構成を共通にして仕様の異なる機種を製作することも多く、例えば、前輪増速装置Fとグロープラグ85とを備えた構成を基本として、マニュアル変速型の変速装置を備えたものを製作する場合にも、第2制御装置82の変更、あるいは、プログラムの変更によって仕様の異なるものにも対応できるものとなっている。
【0046】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態以外に、例えば、タコメータ、水温計、燃料残量計等機械的な作動部材を備えたものを用いずに液晶ディスプレイにバーグラフ、あるいは、数字で表示するよう構成することも可能である。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)11月4日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−127608
【公開日】 平成11年(1999)5月18日
【出願番号】 特願平9−301626