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【発明の名称】 耕作具
【発明者】 【氏名】富田 博之

【要約】 【課題】鍬やシャベルに比して耕作作業を一層簡易に行うことができる操作性・作業能率性に秀れた画期的な耕作具を提供すること。

【解決手段】握柄1の先端部に取付部2を連設し、この取付部2の先端部に薄板状の土掻き部3をその板面方向が前記握柄1の長さ方向に対して直角若しくは傾斜状態となるようにして付設し、この土掻き部3をその中央が最も握柄1の先端側へ凸となる湾曲板状に構成すると共に、この湾曲板状の土掻き部3の少なくとも湾曲方向に沿った下縁部に所定長さの接地縁4を形成した耕作具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 握柄の先端部に取付部を連設し、この取付部の先端部に薄板状の土掻き部をその板面方向が前記握柄の長さ方向に対して直角若しくは傾斜状態となるようにして付設し、この土掻き部をその中央が最も握柄の先端側へ凸となる湾曲板状に構成すると共に、この湾曲板状の土掻き部の少なくとも湾曲方向に沿った下縁部に所定長さの接地縁を形成したことを特徴とする耕作具。
【請求項2】 前記取付部を棒杆状に構成し、この棒杆状の取付部の先端部を折曲してこの先端折曲部の中央が最も握柄の先端側へ凸となる湾曲杆状に形成すると共に、この湾曲状先端部の湾曲度合を前記湾曲板状の土掻き部の湾曲度合に略合致せしめ、この取付部の湾曲状先端部に前記土掻き部を重合して付設したことを特徴とする請求項1記載の耕作具。
【請求項3】 前記湾曲板状の土掻き部の湾曲方向に沿った上下縁部に所定長さの接地縁を形成し、この土掻き部の中間よりも上縁若しくは下縁寄りの位置に、前記取付部の湾曲状先端部を重合して付設したことを特徴とする請求項2記載の耕作具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地面を耕したり馴らしたりするために使用する耕作具に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、この種の耕作具としては、柄の先端に掘り起こし刃板部を連設して成る構造の鍬やシャベルが代表的である。
【0003】この鍬やシャベルで土を耕す場合、先端の掘り起こし刃板部を土面に挿して掘り起こしする作業を繰り返し行うものであった。
【0004】本発明者は、このような鍬やシャベルよりも、もっと耕作作業を簡易に行えないかと種々思考を巡らし実験を繰り返した結果、鍬やシャベルよりも操作性・作業能率性が著しく向上する本発明の耕作具を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0006】握柄1の先端部に取付部2を連設し、この取付部2の先端部に薄板状の土掻き部3をその板面方向が前記握柄1の長さ方向に対して直角若しくは傾斜状態となるようにして付設し、この土掻き部3をその中央が最も握柄1の先端側へ凸となる湾曲板状に構成すると共に、この湾曲板状の土掻き部3の少なくとも湾曲方向に沿った下縁部に所定長さの接地縁4を形成したことを特徴とする耕作具に係るものである。
【0007】また、前記取付部2を棒杆状に構成し、この棒杆状の取付部2の先端部を折曲してこの先端折曲部の中央が最も握柄1の先端側へ凸となる湾曲杆状に形成すると共に、この湾曲状先端部2Aの湾曲度合を前記湾曲板状の土掻き部3の湾曲度合に略合致せしめ、この取付部2の湾曲状先端部2Aに前記土掻き部3を重合して付設したことを特徴とする請求項1記載の耕作具に係るものである。
【0008】また、前記湾曲板状の土掻き部3の湾曲方向に沿った上下縁部に所定長さの接地縁4を形成し、この土掻き部3の中間よりも上縁若しくは下縁寄りの位置に、前記取付部2の湾曲状先端部2Aを重合して付設したことを特徴とする請求項2記載の耕作具に係るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0010】握柄1を握持して土掻き部3の上縁若しくは下縁の接地縁4を地面aに接地するが、この際接地縁4が地面aに対して一点だけで接触するように傾けて持つ【0011】この接地縁4が点接触している状態で、地面a(土面)に対し土掻き部3を地面aに強く押し付けて挿し入れ、そのまま図3に示すように移動の軌跡が下方に弧を描くように手前側に動かすと、地面aの表面の土が土掻き部3によって掘り起こされ、この掘り起こされた土は土掻き部3の内面に沿って移動し、土掻き部3の上縁から地面aの掘り起こし面上に落下帰化して、結果地面aの表面が掘り返されて耕される。この動作を繰り返して地面aを耕す。
【0012】従って、例えば鍬やシャベルのような従来の耕作具においては、地面aを耕すに当たって、■地面に挿す。■掘り起こす。という二回の動作を伴うものであったが、本発明の耕作具によれば、上記したように土掻き部3の接地縁4を地面に挿し入れてそのまま手前側に移動させる一回(一連)の動作で掘り起こすことができるため、それだけ作業が簡略化して容易に行えることになり、連続した掻き抜き作業をも極めて容易に行える作業性・操作性に秀れた耕作具となる。
【0013】また、土掻き部3を薄板状に形成しているため地面aに対して挿し込みし易く、その上土掻き部3を湾曲形成しているために接地縁4の地面aに対する接地角度を変更することで接地縁4の接地長さ範囲が変化するが、上記のように一点だけが接する状態で土掻き部3を押圧して地面aに挿し入れすると、この点接触している接地縁4の地面aに対する挿し込み抵抗が少なく、土掻き部3を地面aに対して簡単に挿し入れできることとなる。
【0014】請求項2の発明においては、請求項1の発明の作用効果に加えて、湾曲杆状に加工した取付部2の湾曲状先端部2Aと、同じく湾曲板状に加工した土掻き部3との面合わせが非常に容易にでき、この容易に面合わせして重合した湾曲状先端部2Aと土掻き部3とを適宜な手段により簡単に付設できるため、製作が非常に容易に行われて安価に提供できることとなる。
【0015】請求項3の発明においては、請求項2の発明の作用効果に加えて、湾曲板状の土掻き部3内面の湾曲状先端部2Aを境にした上縁側若しくは下縁側の広内面部3A側の接地縁4が耕作用の接地縁4としての使用に適した構成となり、また、この広内面部3Aと湾曲状先端部2Aを境にした反対側の狭内面部3B側の接地縁4が地面a馴らし用の接地縁4としての使用に適した構成となる。
【0016】即ち、広内面部3A側の接地縁4は、この接地縁4から湾曲状先端部2Aまでの幅が広いために接地縁4を地面aに挿し込む際に湾曲状先端部2Aが邪魔になりにくく、地面aより掘り起こされた土は湾曲状先端部2Aを乗り越えることとなるから耕作用に適した構成となり、また、図4に示すように狭内面部3B側の接地縁4を下に向けて地面aに接地し、そのまま手前側に引動することで地面aを馴らすことができるが、この際、接地縁4より上方の狭内面部3Bに溜まる土がこの狭内面部3Bのすぐ上に位置する湾曲状先端部2Aによってそれより上方へ移動することを遮られるから、この狭内面部3Bに溜まる土が地面aに帰化し易く馴らし用に適した構成となる。
【0017】
【実施例】本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0018】棒状の握柄1の先端部に取付部2を連設し、この取付部2の先端部に薄板状の土掻き部3をその板面方向が前記握柄1の長さ方向に対して直角若しくは傾斜状態となるようにして付設している。
【0019】取付部2は、長さのある角形の棒杆で構成している。この長さのある取付部2を図1に示すように棒状の握柄1に対して図面右側に傾斜した状態で握柄1先端部より突設し、この取付部2の途中部を左側に折曲してその先端側折曲部分を中央が最も握柄1の先端側へ凸となる湾曲杆状に形成している。
【0020】土掻き部3は、横長の長方形板をその中央が最も凸となる湾曲板状に構成し、上下の平坦縁を地面aに接地する接地縁4としている。また、この土掻き部3は、その湾曲度合を前記取付部2の湾曲状先端部2Aの湾曲度合に略合致させると共に、横方向の長さ幅を湾曲状先端部2Aの長さ幅に略合致させた構成としている。
【0021】取付部2の湾曲状先端部2Aと,土掻き板3との付設構造は、土掻き部3の凸湾曲面側を握柄1の先端方向外側に向けてその内面を湾曲状先端部2Aの外側面に当接し、湾曲状先端部2Aの左右の上下部を土掻き部3の内面に溶着することにより固定している。
【0022】また、本実施例では、土掻き部3内面の中間部よりも上縁側寄りの位置に湾曲状先端部2Aを重合当接して溶着固定しているもので、この土掻き部3内面の湾曲状先端部2Aを境にした上縁側の部分を狭内面部3Bとし、下縁側の部分を広内面部3Aとしている。
【0023】次に、作動について説明する。
【0024】地面aを耕作する場合は、握柄1を握持して土掻き部3の下縁の接地縁4を地面aに接地するが、この際接地縁4が地面aに対して点接触するように傾けて持つ。
【0025】この接地縁4が点接触している状態で、地面a(土面)に対し接地縁4を地面aに強く押し付けて挿し入れ、そのまま図3に示すように移動の軌跡が下方に弧を描くように手前側に動かすと、地面aの表面の土が土掻き部3によって掘り起こされ、この掘り起こされた土は土掻き部3の内面に沿って移動し、土掻き部3の上縁から地面aの掘り起こし面上に落下帰化するから、結果地面aの表面が掘り返されて耕される。この動作を繰り返して地面aを耕す。
【0026】また、接地縁4で地面aを引っ掻くようにして耕すこともできる。
【0027】また、地面aを馴らす場合は、土掻き部3の上縁の接地縁4を下に向けて地面aに接地し、そのまま手前側に引動して地面aを馴らす。
【0028】本実施例では、上述のように構成したから、以下のような効果を奏する。
【0029】土掻き部3の湾曲度合を湾曲状先端部2Aの湾曲度合に合致させた上、湾曲状先端部2Aを角形の棒杆で構成したから湾曲状先端部2Aと土掻き部3の内面との面合わせが非常に容易にでき、しかもこの容易に面合わせして重合した湾曲状先端部2Aと土掻き部3とを単に溶着するだけの簡易な付設手段を採用したため、製作を非常に容易に行うことができ、安価な製品を提供できることとなる。
【0030】また、湾曲状先端部2Aの左右両端の上下部の四箇所を土掻き部3の内面に溶着した構成のため、湾曲状先端部2Aに対して土掻き部3が安定的に固定されることとなる上、作業時に接地縁4に掛かる押圧力も接地縁4に均等に掛かることとなる秀れた構成となる。
【0031】また、地面aを耕作する時には、上記作動説明のように広内面部3A側の接地縁4を下に向けて使用すると、この接地縁4から湾曲状先端部2Aまでの幅が広いために接地縁4を地面aに挿し込む際に湾曲状先端部2Aが邪魔になりにくいから、挿し込みし易く、その後接地縁4を挿し込むことによって地面aより離れた土が湾曲状先端部2Aを乗り越えて反対側の接地縁4方向に移動することになるから、やはり湾曲状先端部2Aが土の移動の邪魔にもなりにくく、よって、耕作用に適した構成となる。
【0032】また、地面aを馴らす時には、狭内面部3Bの接地縁4を下に向けて使用すると、この接地縁4から湾曲状先端部2Aまでの幅が狭いために、この狭内面部3Bに溜まる土がすぐ上にある湾曲状先端部2Aによってそれより上方へ移動することを遮られるから、この狭内面部3Bに溜まる土が馴らし作業の引動作動に伴って地面aに帰化し易く、よって、馴らし用に適した構成となる。
【0033】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、地面(土面)に対し接地縁を強く押し付けて挿し入れ、例えばそのまま図3に示すように移動の軌跡が下方に弧を描くように手前側へ動かすと、地面の表面の土が土掻き部によって掘り起こされ、この掘り起こされた土は土掻き部の内面に沿って移動し、土掻き部の上縁から地面の掘り起こし面上に落下帰化して、結果地面の表面が掘り返されて耕されることとなる。
【0034】従って、例えば鍬やシャベルのような従来の耕作具においては、地面を耕すに当たって、■地面に挿す。■掘り起こす。という二回の動作を伴うものであったが、本発明の耕作具によれば、上記したように土掻き部の接地縁を地面に挿し入れてそのまま手前側に移動させる一回(一連)の動作で掘り起こすことができるため、それだけ作業が簡略化して容易に行えることになり、連続した掻き抜き作業をも極めて容易に行える作業性・操作性に秀れた画期的な耕作具となる。
【0035】また、土掻き部を薄板状に形成しているため地面に対して挿し込みし易く、その上土掻き部を湾曲形成しているために接地縁の地面に対する接地角度を変更することで接地縁の接地長さ範囲が変化するが、例えば接地縁が一点だけで接するように傾けて持ち、この状態で土掻き部を押圧して地面に挿し入れすると、この点接触している接地縁の地面に対する挿し込み抵抗が少なく、土掻き部を地面に対して簡単に挿し入れできることとなるなど実用性に秀れた耕作具となる。
【0036】請求項2の発明においては、請求項1の発明の作用効果に加えて、湾曲杆状に加工した取付部の湾曲状先端部と、同じく湾曲板状に加工した土掻き部との面合わせが非常に容易にでき、この容易に面合わせして重合した湾曲状先端部と土掻き部とを適宜な手段により簡単に付設できるため、製作が非常に容易に行われて安価な製品を提供できることとなる。
【0037】請求項3の発明においては、請求項2の発明の作用効果に加えて、湾曲板状の土掻き部内面の湾曲状先端部を境にした上縁側若しくは下縁側の広内面部側の接地縁が耕作用の接地縁としての使用に適した構成となり、また、この広内面部と湾曲状先端部を境にした反対側の狭内面部側の接地縁が地面馴らし用の接地縁としての使用に適した構成となる。
【0038】即ち、広内面部側の接地縁は、この接地縁から湾曲状先端部までの幅が広いために接地縁を地面に挿し込む際に湾曲状先端部が邪魔になりにくく、地面より掘り起こされた土は湾曲状先端部を乗り越えることとなるから耕作用に適した構成となり、また、例えば図4に示すように狭内面部側の接地縁を下に向けて地面に接地し、そのまま手前側に引動することで地面を馴らすことができるが、この際、接地縁より上方の狭内面部に溜まる土がこの狭内面部のすぐ上に位置する湾曲状先端部によってそれより上方へ移動することを遮られるから、この狭内面部に溜まる土が地面に帰化し易く馴らし用に適した構成となる。
【出願人】 【識別番号】597020085
【氏名又は名称】株式会社 富田刃物
【出願日】 平成9年(1997)10月21日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛 (外1名)
【公開番号】 特開平11−123001
【公開日】 平成11年(1999)5月11日
【出願番号】 特願平9−288837