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【発明の名称】 載置装置
【発明者】 【氏名】加藤 哲

【要約】 【課題】作業機器の下に車台を位置させて作業機器が下降すると車台で受け止め、その作業機器を走行車体から外して保管するようになっているが、走行車体から外れた直後に作業機器が乗った車台が思わぬ所に移動するおそれがある。

【解決手段】走行車体1に設けられて駆動装置14で昇降するヒッチ12に作業機器2が着脱自在に取付けられ、走行車体1から外される作業機器2が乗る車台53を備え、ヒッチ12とともに下降した作業機器2が車台53に乗るとその車輪58に制動が加わるように設けられている載置装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行車体1に設けられて駆動装置14で昇降するヒッチ12に作業機器2が着脱自在に取付けられ、走行車体1から外される作業機器2が乗る車台53を備え、ヒッチ12とともに下降した作業機器2が車台53に乗るとその車輪58に制動が加わるように設けられている載置装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、走行車体(トラクタを含む)から取外した苗植装置その他の作業機器を乗せる載置装置に用いるものである。
【0002】
【従来の技術】トラクタその他の走行車体に設けたヒッチが油圧シリンダその他の駆動装置で昇降するように設けられ、苗植装置その他の作業機器が上記のヒッチに着脱自在に取付けられている。そして、ヒッチとともに下降した苗植装置を車台で受止めたのち、苗植装置をヒッチから手動又は自動で外し、外した苗植装置を車台に乗った状態で所定の位置に移動させて保管するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】下降して来る苗植装置との位置合せのため、車台は車輪で自由に移動させることが必要である。しかし、苗植装置が走行車体から外れた後も車台が自由に移動すると、地面の傾斜などで苗植装置が思わぬ所に移動してしまうおそれがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、この発明は、走行車体1に設けられて駆動装置14で昇降するヒッチ12に作業機器2が着脱自在に取付けられ、走行車体1から外される作業機器2が乗る車台53を備え、ヒッチ12とともに下降した作業機器2が車台53に乗るとその車輪58に制動が加わるように設けられている載置装置とした。
【0005】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施例を説明する。走行車体1に苗植装置(作業機器)2が取付けられて田植機となっている(図1、図2)。走行車体1がつぎのように構成されている。フレーム3の前後に主歯車箱4と後輪歯車箱5が設けられ、それぞれの両横に一対の前輪6と後輪7が取付けられている。エンジン8がフレーム3の上に設けられ、その動力が主歯車箱4内の変速機で所定の速度に調整されたのち、前輪6と後輪7に伝わり、これらが水田の耕盤(又は路面)上で回転して走行車体1が進行するように出来ている。座席9がエンジン8の上に設けられ、その前に配置したステアリングハンドル10を操作すると、前輪6が操縦されて走行車体1の進路が変わるようになっている。
【0006】支柱11がフレーム3の後部から上に伸び、これと後のヒッチ12に平行な一対のリンク13の両端が回動自在に取付けられている。油圧シリンダ(駆動装置)14がフレーム3に取付けられ、これから斜後上に突出したピストンロッド14aの突端が、上のリンク13と一体のアーム15の下端に接続し、ピストンロッド14aの出没でヒッチ12が同じ姿勢を保って昇降するように出来ている。ヒッチ12は、上部にV字型の受部16と側部にフック17が設けられて自動式に構成されている。
【0007】苗植装置2は、つぎのようにして育てた苗を用いる。図3のように、可撓性の樹脂板18aと前後左右に並んだ複数のポット18bが一体に出来て苗箱18となっている。それぞれのポット18bは、上向きに開放し、底に押出孔を備えている。前後に並んだポット18bと同じピッチの送孔18cが樹脂板18aの両横に設けられている。なお、図のものは、左右のポット18bが14個で構成され、その中間が開いている。それぞれのポット18bに床土を詰め、その上に2〜3粒のもみを蒔き、覆土して潅水する。そののち、所定の日数が経過すると、それぞれのポット18bに一株分の苗が育ち、床土内で伸びた根がポット18bの内壁に沿って生長して根鉢が形成される。
【0008】苗植装置2がつぎのように構成されている。機枠19がヒッチ12の後面に着脱自在に取付けられている。すなわち、機枠19は、上部のピン20が受部16で支えられ、側部のピン21がフック17で前に引かれて固定されるようになっている。横に長いスリーブ22の中央(図4)が前後方向のローリング軸23でその回りに揺動するように機枠19の下部に取付けられている。主歯車箱4内におけるエンジン8の動力の一部が入力軸24でスリーブ22内に導入されている。苗を左右に移植する苗植ユニット25の4個がスリーブ22に横並びに設けられて8条植の苗植装置2となっている。
【0009】それぞれの苗植ユニット25がつぎのように構成されている。歯車箱26がスリーブ22から前方に突出し、一対のケース27がその両横で上に突出している。苗箱18が載る一対の苗載台28,29が後下りの斜で上下に配置され、それぞれの両横に対向したコ字形のレール30が設けられて苗箱18の両横を抱えるように出来ている。上下のレール30は、苗載台28,29の後下で合流して一本になり、そののち、ほぼ垂直に下降し、ケース27の内側でU字形に曲って、苗載台29の下の受箱31に達している。左右のケース27は、上端が連結され、その連結部から上に伸びた支柱32が前に曲って苗載台28,29と受箱31を支えている。苗載台28,29上の苗箱18は、それぞれのローラ28a,29aで一箱づつ連続するようにレール30の垂直部まで繰り出されるようになっている。
【0010】スリーブ22内の動力で回転する箱送軸33と押出軸34並びにその動力で揺動する苗送軸35が歯車箱26の側面から外に突出している。箱送軸33は、回転すると、そのカムがレバー36と中間軸36aを揺動し、ロッドがベルクランク37を揺動し、爪38が上下に移動して苗箱18を間欠的に送り下げるようになっている。横並びのポット18aと同数の押出ピン39が左右のケース27の間に設けられ、押出軸34の回転がクランクやロッド40などで伝わって前後に移動するように出来ている。そして、後に移動すると、横向の横並びのポット18aにその底から突入して苗鉢を後に押し出すようになっている。レール30の後に配置したキャリア41(図2)の両横が一対の平行リンク42で左右のケース27に取付けられ、押出ピン39で押し出された苗の根鉢がそのホルダで受けられるようになっている。そのキャリア41は、苗送軸35の回転で平行リンク42が揺動すると、同じ姿勢で下降し、下端において上記の苗をつぎのベルトコンベア43(図4)に移すように出来ている。
【0011】一対のベルトコンベア43がレール30の曲り部の下で横並びに設けられ、スリーブ22内の動力でそれぞれの上面が互に外に向って旋回するようになっている。すなわち、それぞれのベルトコンベア43に7個の苗が葉先を後に向けて横並びに乗り、互に外に向って送られる。案内板44(図4)がそれぞれのベルトコンベア43の外側に上下に設けられている。一対の植込ケース45がそれぞれのベルトコンベア43の外でスリーブ22から後に伸び、その後部のドラム46がスリーブ22内の動力で、左から見て反時計方向に回転するように出来ている。植込杆47がドラム46から突出して回転中に起伏し、案内板44に沿って押し下げた苗を下端で起立させるようにして泥土に移植する。そして、移植された苗の前後の間隔が一定になるように、爪38による苗箱18の送り、押出ピン39による苗の押し出し、およびキャリア41によるその苗の送りなどが一定の間隔で繰り返して行なわれる。苗が押し出されて空になった苗箱18は、爪38で順に押し下げられる苗箱18で受箱31に送り込まれる。中央部の植込ケース45は、隣り合った苗植ユニット25と共用される。
【0012】フロート48がベルトコンベア43の下に配置され、走行車体1の前進で泥面を滑走するようになっている。そして、その前部が左右に張り出し、上記の苗が移植される位置をその張出部が予じめ整地するように出来ている。支板49がそれぞれの歯車箱26の側面から上に突出し、横杆50で連結されている。作動軸51がそれぞれの植込ケース45の下腹部に取付けられ、レバー51a(図5)の操作で揺動するようになっている。4本のアーム52が作動軸51から後に伸び、それぞれの後端にフロート48の後部が取付けられ、上記の揺動で植込ケース45の泥面からの高さが変化して苗の植込深さが調節出来るようになっている。
【0013】入力軸24の動力伝達を断ち、油圧シリンダ14に油を送ってそのピストンロッド14aを突出させると、苗植装置2が地面から高く上昇する。車台53がつぎのように構成されている。台54の4角にキャスタ55が設けられている(図6)。後のキャスタ55は、図7のようになっている。すなわち、ホーク56が縦軸57の回りに回動するように取付けられ、その下部に車輪58が車軸59で取付けられて回転するように出来ている。その上で台54から中空の支柱60が上に伸び、V字形の受具61aを有する支杆61が支柱60に上から差し込まれてばね62で押し上げられている。支杆61の下端から下に伸びた押棒63が縦軸57の中心を通ってホーク56内に達している。ばね材で出来たパット64の一端がホーク56に固定され、押棒63が下ると、その下端が中央部に当ってパット64の他端が押し下げられ、車輪58の外周に接触して(又は咬み付いて)その回転を止めるようになっている。
【0014】アーム65が支杆61から後に伸び、支柱60に回動自在に取付けたレバー66の中間とその突端がリンク67で連結されている。アーム65の左右で一対の支持片68が支柱60から後に伸び、それぞれの孔68aにピン69が抜き差し出来るように設けられている。そして、レバー66を、図7で反時計方向に操作してアーム65を上昇させ、孔68aにピン69を差すと、アーム65がピン69で支えられ、パット64による車輪58の制動が阻止される。
【0015】一対の支柱70が台54の前部の左右から上に伸び、それぞれの突端にV字形の受具70aが設けられている。従って、前記の上昇した苗植装置2の下に、ピン69を抜いた車台53を押し込み、フック17をピン21から外し、油圧シリンダ14の油をタンクに戻す。すると、苗植装置2が下降して、その横杆50と作動軸51がそれぞれ一対の受具70aと受具61aで受け止められる。このとき、苗植装置2は、受具70aと受具61aの高さにより、図1の姿勢よりもやや前倒れに傾く。そして、ヒッチ12は、さらに下降してその受部16がピン20から離れ、走行車体1から苗植装置2が分離する。図のような施肥装置を有するものは、予じめホースを離しておく。
【0016】このとき、苗植装置2の荷重で支杆61がばね62を圧縮して下降し、押棒63の下端がパット64を押し曲げ、このパット64の下部が車輪58に接触してその回転を阻止する。なお、苗植装置2が乗った車台53を移動させるときは、レバー66を持ち上げてアーム65の下で孔68aにピン69を差し込む。すると、押棒63の下端がパット64から浮き上った位置で支杆61が止まり、パット64による上記の車輪58の制動が解除される。従って、車輪58が自由に回転して車台53が軽く移動する。所定の位置に来ると、ピン69を抜いて移動を止める。
【0017】図では制御装置を後の受具61aに設けているが、前の受具70a側に設けて前の車輪58を制動させることができる。特に、ヒッチ12を自動式に構成し、これを下げると、受部61aが苗植装置2の後部を支えたのち、苗植装置2が前下りに回ってその前部が受部70aで支えられるようにすると、車台53による支持が完了するまで車台53が移動出来てその位置合わせが円滑になる。
【0018】図8の左半のように構成すると、前記の苗植装置2において、一対の苗植ユニット25における歯車箱26を共用化することが出来る。すなわち、左右の苗載台28の中間でスリーブ22、歯車箱26を固定し、箱送軸33(又は中間軸36a)、押出軸34および苗送軸35を歯車箱26から左右に突出させて左右の苗植ユニット24の所定の部分を駆動させる。すると、歯車箱26およびその中の歯車群が半減されて苗植装置2が軽量・安価に構成される。なお、図8のように、苗植装置2を6条植に構成するときは、上記の各軸を片側に突出させた歯車箱26の1つを用いることが出来る。
【0019】一対のケース27の対向面にレール30が固定され、その間が苗箱18の通路となるため、従来のように、歯車箱26を一対のケース27の間に設けると、この歯車箱26は、前に傾けてレール30に重ならないようにしていたが、図8の構成によると、歯車箱26を直立させて、横から見て、レール30に重ねることが出来る(図9)。すると、苗植装置2が走行車体1に近づいて、田植機の全長が短縮されるとともに、重量バランスが向上する。
【0020】なお、苗植装置2を図8の6条植に構成したとき、ローリング軸23がその中央に位置して左右のバランスが崩れるおそれがあるが、入力軸24を軽い側に偏位させたり、その回転方向を工夫したりして均衡を保つことが出来る。
【0021】
【効果】以上のように、この発明によると、車台53は、作業機器2が乗ると、車輪58に自動的に制動が加えられるから、走行車体1から離れた作業機器2が思わぬ所に移動してしまうおそれが解消される。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月20日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−113319
【公開日】 平成11年(1999)4月27日
【出願番号】 特願平9−287295