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【発明の名称】 目砂すり込み装置のブラシ駆動装置
【発明者】 【氏名】原田 勇

【要約】 【課題】従来の目砂すり込み装置は揺動に偏りがあり、振動が大きく安定したすり込みが困難であった。また、揺動アームの動きも円弧状になるため、ブラシ全体を左右に傾ける力が作用して作業面が波打ち、作業精度が悪かった。

【解決手段】ブラシの毛先部に一定間隔をあけて複数の揺動杆41を配置し、該揺動杆41をロアアーム40に固定し、該ロアアーム40を揺動アーム38に連結して、揺動アーム38の駆動によってブラシの毛先を揺動し、前後に延出した駆動軸35の両端の偏心カム36に位相差を前後間で180度ずらした揺動駆動アーム37の一端を連結し、該揺動駆動アーム37の他端を左右の揺動アーム38の一方の上部に枢支し、該左右の揺動アーム38・38をガイドバー39で連結し、該ガイドバー39をブラシホルダー31で左右摺動自在に支持し、前記駆動軸35の回動によりブラシの毛先を駆動するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ブラシの毛先部に複数の揺動杆を配置し、該揺動杆を左右に揺動させて目砂すり込み装置のブラシの毛先を揺動する構成において、前記揺動杆を水平方向に配置したロアアームに固定し、該ロアアームを左右の揺動アーム下部に連結し、該左右の揺動アームの上部間をガイドバーで連結し、該ガイドバーをブラシホルダーで左右摺動自在に支持し、揺動駆動アームの一端を揺動アームに連結し、該揺動駆動アームのクランク運動によりブラシを左右水平方向に揺動駆動したことを特徴とする目砂すり込み装置のブラシ駆動装置。
【請求項2】 目砂すり込み装置のブラシを前後平行に配置し、このブラシ上方で前後に延出した駆動軸の両端に偏心カムを固設し、該両端の偏心カムに位相差を前後間で180度ずらした揺動駆動アームの一端を連結し、該揺動駆動アームの他端をブラシの毛先を揺動する左右の揺動アームの一方の上部に枢支し、前後のブラシの毛先を左右逆方向に駆動するようにしたことを特徴とする目砂すり込み装置のブラシ駆動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴルフ場、特にグリーン上に散布された目砂のすり込み装置のブラシの毛先を揺動駆動するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】グリーン芝の保守作業として、刈り込みを行った後や通気性を向上するためにコアリング(穴開け)を行った後に、目砂を散布して前記穴内や芝の葉の間に目砂をすり込むようにしていた。この目砂のすり込みはレーキ状のブラシで人手によって行われていたが、人手が多く必要であり、時間がかかり作業性が悪かったので、機械的にすり込みができるようにした技術が公知となっている。例えば、特開平8−89009号に示されるごとくである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の技術では、ブラシを左右方向に配置して該ブラシの毛先を左右揺動させる構成したのであるが、ブラシの毛先を揺動する揺動アームはブラシの前後に配置され、左右数本の揺動アームは前後のロアアームによって連結され、前後のロアアームは毛先部分を前後に通した多数の揺動杆によって連結されて、これらいずれか一つの揺動アームと揺動駆動アームが連結されて、揺動駆動アームの左右揺動によって毛先を揺動する構成としていた。従って、すり込み作業中の揺動駆動アームは押し引きの繰り返し運動下にあるため、振動が大きくなり、さらに、揺動駆動アームは前後片面のみに支持されているため、さらに振動を大きくしていた。安定したすり込みが困難となって目砂にムラが生じていた。また、その際、左右の揺動アームは揺動駆動アームでのみ枢支されているために、揺動アームの動きが水平ではなく円弧状となるため、ブラシ全体を左右に傾ける力が作用して作業面が波打ち、作業精度が悪くなっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。即ち、ブラシの毛先部に複数の揺動杆を配置し、該揺動杆を左右に揺動させて目砂すり込み装置のブラシの毛先を揺動する構成において、前記揺動杆を水平方向に配置したロアアームに固定し、該ロアアームを左右の揺動アーム下部に連結し、該左右の揺動アームの上部間をガイドバーで連結し、該ガイドバーをブラシホルダーで左右摺動自在に支持し、揺動駆動アームの一端を揺動アームに連結し、該揺動駆動アームのクランク運動によりブラシを左右水平方向に揺動駆動したものである。また、目砂すり込み装置のブラシを前後平行に配置し、このブラシ上方で前後に延出した駆動軸の両端に偏心カムを固設し、該両端の偏心カムに位相差を前後間で180度ずらした揺動駆動アームの一端を連結し、該揺動駆動アームの他端をブラシの毛先を揺動する左右の揺動アームの一方の上部に枢支し、前後のブラシの毛先を左右逆方向に駆動するようにした。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について説明する。図1は本発明の目砂すり込み装置の全体側面図、図2は同じく平面図、図3は揺動すり込み部の側面図、図4は同じく正面図、図5は揺動駆動部平面図である。
【0006】図1、図2において、本発明のブラシ揺動駆動装置を装備した目砂すり込み装置Aの全体構成から説明する。目砂すり込み装置Aは走行機体Bの前部に配置されて、牽引されながら作業を行うようにしている。1は走行機体Bの前輪、2は運転部のステップであり、前輪1より前方に牽引アーム3・3とリフトアーム4・4が突出され、該リフトアーム4・4の基部(後部)には図示しない油圧シリンダーのピストンロッドと連結されて、目砂すり込み装置Aを昇降できるようにしている。
【0007】目砂すり込み装置Aは、メインフレーム5・5と該メインフレーム5・5に吊設される複数の揺動すり込み部Cと、該メインフレーム5・5の後フレーム5bにアーム6で連結された複数の均しすり込み部Dとからなり、該メインフレーム5・5は矩形パイプを平面視で左右2個の四角形状に構成され、該メインフレーム5・5の前フレーム5a・5aはアーム7で遊嵌連結されている。また、前記メインフレーム5・5の後フレーム5b・5b上にはリフト台8・8が固設され、該リフト台8・8では逆U字状に構成したリフトフック9・9が上方に突出され、前記リフトアーム4・4の前端に形成した係合部4a・4aが係合できるようにしている。こうして、リフトアーム4を油圧シリンダーによって上方へ回動すると、リフトフック9・9が係合部4a・4aに係合して持ち上がり、メインフレーム5を持ち上げて目砂すり込み装置Aを上昇させることができる。
【0008】前記前フレーム5aの両側には、前接地輪支持フレーム12・12が下方に突設され、該前接地輪支持フレーム12・12の下端には前接地輪10・10が回転自在に配置され、また、前記後フレーム5b・5bの両側からも、下方に後接地輪支持フレーム14が突設され、該後接地輪支持フレーム14・14の下端には後接地輪11・11が回転自在に配置されて、該後接地輪11・11と前記前接地輪10でメインフレーム5を支えているため、地表面の凹凸に追随できるようになっている。
【0009】また、前記前フレーム5a・5aと、前記牽引アーム3・3の前端に形成された逆U字状金具13・13とが枢結され、メインフレーム5・5が牽引できるようにしている。
【0010】前記後フレーム5bから後方には連結アーム6が突設され、該連結アーム6にはブラシホルダー17上部に突出した支持ロッド16の上端が枢結され、さらに、該ブラシホルダー17は前記後フレーム5b・5bとチェーン15によっても連結されて、均しすり込み部Dを牽引できるようにしている。
【0011】また、前記後フレーム5b上には支持台18・18が載設され、該支持台18・18上には油圧または電気で駆動されるモーター19・19が載置固定され、各モーター19には変速装置が付設され、この変速装置の出力軸にはプーリー20が固設されている。一方、モーター19の前方には、後述するギアボックス21の位置に合わせてプーリー22が回転自在に支持され、該プーリー22と前記プーリー20との間にはテンションローラ23を介しベルトが巻回され動力を伝達し、後述するギアボックス21に動力を伝えられるようにしている。
【0012】次に、揺動すり込み部Cの構成を説明する。揺動すり込み部Cはメインフレーム5内に左右方向に複数組(本実施例では2組)配設されており、それぞれ長さの異なる揺動ブラシ24・25を前後一対、左右方向に平行に配設して、端部で隣の組の揺動すり込み部Cの揺動ブラシ24・25と前後方向で重なるように配置して、すり込みムラが発生しないようにしている。
【0013】図3、図4に示すように、該揺動ブラシ24・25の上部側の基部にはそれぞれ前後方向に支持杆26・26が貫通し、該支持杆26・26の前後両端は支持プレート30・30に貫通固定され、該支持プレート30・30の上部には支持ロッド27・27の下端が枢結されている。各支持ロッド27は支持プレート30の上方に配置した支持ブロック32と支持プレート29を上下摺動自在に貫通し、該支持ブロック32と支持プレート29の間の支持ロッド27上には押圧バネ33が外嵌されている。該支持ロッド27上には上下一定間隔でピン孔が開口され、前記押圧バネ33の下部をスナップピン28で係止し、該スナップピン28を挿入するピン孔の位置を変更することによって、揺動ブラシ24・25の接地圧を変更できるようにしている。さらに、スナップピン28を、支持プレート29より上面のピン孔に挿入するときの位置を変更することによって、揺動ブラシ24・25の毛先高さを変更できるようにしている。
【0014】次に本発明の揺動駆動機構について説明する。図5に示すように、前後ブラシホルダー31・31の前後左右中央部上にはギアボックス21が載置され、該ギアボックス21の入力軸には前記プーリー22が固設され、該ギアボックス21から前後に延設した出力軸35の両端には偏心カム36・36が固設されている。該ギアボックス前後の偏心カム36・36にはそれぞれ揺動駆動アーム37・37の一端が位相差を180度ずらして連結されている。各揺動駆動アーム37の他端は前記ブラシホルダー31の左右に配置された揺動アーム38・38の一方の上部に枢支されており、偏心カム36の回動時には前後の揺動アーム38が逆方向に往復するようにしている。
【0015】そして、前記揺動アーム38は側面視で逆U字状に構成され、各ブラシの左右に揺動アーム38・38が配置され、該左右の揺動アーム38・38はガイドバー39・39で連結されており、該ガイドバー39・39の中途部は前記ブラシホルダー31上に設けたボス部31a・31aに挿入されて、左右摺動自在に支持されている。また、前記左右の揺動アーム38・38の下端には前後平行にロアアーム40・40が締結され、この揺動アーム38・38とロアアーム40・40とガイドバー39・39によって枠状に一体的に構成され、前記偏心カム36が回動されて揺動駆動アーム37がクランク運動すると、ボス部31a・31aにガイドされて左右揺動が水平となるようにしている。
【0016】そして、前記前後のロアアーム40・40には左右方向に一定間隔をあけて前後水平方向に揺動杆41・41・・・を横架して、該揺動杆41・41・・・は前記揺動ブラシ24・25の毛先部分を等間隔に区切るごとく貫通させて配置され、前記ロアアーム40・40の左右揺動により揺動ブラシ24・25の毛先部分が左右に揺動されるようにしている。
【0017】このようにして、前記モーター19を駆動することによって、変速装置、プーリー20、ベルト、プーリー22、ギアボックス21を介して、偏心カム36が回転駆動され、該偏心カム36に枢結された前後の揺動駆動アーム37・37が位相差180度でクランク運動することによって、ガイドバー39で連結された左右の揺動アーム38・38は水平に、しかも前後のブラシ24・25は左右逆方向に往復回動し、前後で振動を打ち消し合うように駆動している。そして、該揺動アーム38・38下端に締結したロアアーム40が前後で左右逆方向に揺動され、前後の揺動ブラシ24・25の毛先部分が前後で左右逆方向に揺動され、撒かれた砂は前後で逆方向に移動されて拡散が効率よく行われるようにしている。
【0018】前記均しすり込み部Dは、図1、図2に示すように、前記後フレーム5bから突設した連結アーム6にブラシホルダー17上部に突出した支持ロッド16の上端が枢結され、さらに、該ブラシホルダー17自体も前記後フレーム5b・5bとはチェーン15によって連結されており、前記揺動すり込み部Cの前進に追従して該均しすり込み部Dが安定して牽引されるようにしている。
【0019】また、揺動すり込み部Cと同様に、該支持ロッド16上には押圧バネ42を外嵌して、該押圧バネ42の下部を係止するスナップピンを該支持ロッド16上に開口したピン孔に挿入できるようにし、該ピン孔への挿入位置を変えることで均しブラシ43・43の接地圧を変更できるようにしている。
【0020】このような構成において、リフトアーム4・4を下降回動して目砂すり込み装置Aを下降させると、前接地輪10と後接地輪11が接地して、揺動すり込み部Cと均しすり込み部Dの自重はこの前接地輪10と後接地輪11が受け、揺動ブラシ24・25及び均しブラシ43の下端は押圧バネ33・42の付勢力によって付勢されて地表面に接地する。
【0021】この状態で走行機体Bを前進させながら、モーター19・19を駆動して作業を行うと、目砂すり込み装置Aは牽引アーム3によって牽引され、揺動すり込み部Cはメインフレーム5を介して牽引され、均しすり込み部Dは連結アーム6・6およびチェーン15を介して牽引される。そして、モーター19・19の駆動によって揺動ブラシ24・25の毛先部分が前後で左右逆方向に揺動され、同時に、押圧バネ31の付勢力によって地面側に付勢されて、芝生上に撒かれた目砂を分散させ、厚く撒かれた部分を均等化してすり込む。そして、均しすり込み部Dは均しブラシ50が前後方向平行で、各均しブラシ43との間には一定の空間が設けられているので、牽引したときに、撒いた目砂の厚い部分は押されて均しブラシ43の前部に溜まり、薄い部分になると埋められて均平化される。
【0022】そして、グリーン上に凹凸が存在しても、揺動すり込み部C及び均しすり込み部Dは接地輪10・11と近接しているため、それぞれの毛先は地表面に追随して、常に接地するのである。また、揺動ブラシ24・25の毛先高さを変更できるようにしているので、ブラシ24・25・43の毛先の磨耗に伴う接地圧の低下や格納時のブラシの損傷を防ぐことができる。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、ブラシの毛先を揺動する左右の揺動アームがガイドバーで連結され、該ガイドバーはブラシホルダー上で左右摺動自在に支持されているため、ブラシの毛先は水平方向に揺動してして傾かず、砂のはね上げや砂の偏りがなくなり均平に仕上げることができるようになったのである。
【0024】また、前後にブラシホルダーを左右方向に配置して、それぞれブラシを保持し、該前後のブラシの毛先を左右逆方向に往復駆動するようにしたので、前後のブラシは振動を打ち消し合うように駆動され、振動や騒音等が小さくなり、安定したすり込みができ、さらに、前後で互い違いにすり込むことから、砂が前後で同方向に移動することがなく、前後で左右拡散されて、すり込み性能を向上することができたのである。
【出願人】 【識別番号】000198330
【氏名又は名称】石川島芝浦機械株式会社
【出願日】 平成9年(1997)10月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開平11−113309
【公開日】 平成11年(1999)4月27日
【出願番号】 特願平9−285775