| 【発明の名称】 |
農業用整地装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】林 聰
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| 【要約】 |
【課題】一度に多量の土を移動可能とすることにより、田面整地の作業効率を向上させる。
【解決手段】動力車輌により牽引可能な基台に整地用のハイド板を配設し、該ハイド板を昇降動させてハイド板の高さ調整を行う農業用整地装置で、ハイド板15の下端部に当該ハイド板の回動軸16を設けると共に、該回動軸を介してハイド板を少なくとも0度から90度の範囲で首振り運動させる角度調整手段17を設ける。ハイド板前面部を閉塞できる蓋体18を配設し、この蓋体を、上縁側を回動軸として揺動可能に構成すると共に、駆動手段20を設けることがある。またハイド板および蓋体の下端縁に沿って長尺の回転翼21を設け、この回転翼の回転数を制御できる駆動手段を設けることがある。さらにレーザ光を入力して後段へ出力できる受光手段14を配設し、該受光手段から出力される上下位置信号に基づいてハイド板15の高さ調整を行う駆動制御部を設けることがある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】トラクタによって牽引する基台に整地用のハイド板を配設し、基台およびハイド板のいずれか一方を昇降動させて当該ハイド板の高さ調整を行う整地装置において、ハイド板の下端部に当該ハイド板の回動軸を設けるとともに、該回動軸を介してハイド板を少なくとも0度から90度の範囲で首振り運動させる角度調整手段を設けたことを特徴とする農業用整地装置。 【請求項2】前記ハイド板の前方位置にハイド板の前面を閉塞できる蓋体を配設し、この蓋体を、上縁側を回動軸として揺動可能に構成するとともに、該回動軸を介して蓋体を首振り駆動する駆動手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の農業用整地装置。 【請求項3】ハイド板の前方位置に蓋体を備える請求項2記載の整地装置において、ハイド板および蓋体のいずれか一方の下端縁に沿って長尺の回転翼を配設するとともに、蓋体の閉塞時に当該回転翼の回転数を制御できる駆動手段を設けたことを特徴とする請求項2記載の農業用整地装置。 【請求項4】前記基台およびハイド板のうち少なくとも一方に、レーザ光を入力して後段へ出力できる受光手段を固定するとともに、該受光手段から出力される上下位置信号に基づいて前記ハイド板の高さ調整を行う駆動制御部を設けることを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の農業用整地装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は地面を整地するための装置に係り、特に田圃の土を掻きあげ、これを低地箇所に移して田面を均一にならす整地装置に関する。 【0002】 【従来の技術】水稲の栽培は、近時、折衷直播法という方式が導入され、農業効率を向上させるものとして期待されている。これは、種苗をビニルハウスで生長させていた従来の方式と異なり、種籾を直接田に播種し、その後、比較的早期に入水する方法が採られる。種苗をビニルハウスで生長させる場合には、種苗をケースに入れて搬出入する手間や、ビニルハウスの建設維持費用など、経済的にも作業効率的にも農家にとっての負担が重かったが、直播法はビニルハウスでの育成を要しない。 【0003】しかし直播法では、田面の上下高さを出来るだけ均一にして、田に水を張ったときに水が均等の高さになるよう正確に整地をしておく必要がある。地面の上下高さに狂いがあると、苗に対して水の浅いところや、苗より水面が高くなるところが出来てしまい、予定通りの収穫を得ることが出来ないからである。 【0004】そこで出願人は、田面を均一にならす整地装置を先に提案した(特願平6−225751、特願平8−156038号)。これらの装置は整地対象となる農地の端部に発光装置を設置し、発光装置から照射されるレーザ光を基準としてハイド板の高さ調整を行うもので、ハイド板の高さ調整を高精度に行うことで直播法で要求される正確な整地を実現可能とする。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、レーザ光を利用したかかる整地装置は、整地精度の点では優れているが、対象となる田圃の表面状態によっては作業に時間がかかる場合があり、作業効率をさらに向上させる余地を残している。 【0006】例えば、従来移植法を実施していた田圃に直播法を導入する場合には、田面全体が傾斜していたり段差があるなど、広範囲の、従って多量の土を移動させる必要が生じることがある。このような凹凸は、ある程度の背丈まで成長させた後に苗を植え付ける移植法では問題とならなかったものである。 【0007】ところが従来の整地装置では、一度に移動できる土の量には限界があり、このような広範囲にわたる傾斜や段差がある場合には整地作業に手間を要する。特に田圃面積が大きい場合には、作業に要する日数/労力は一層増大する。 【0008】そこで本発明の目的は、一度に多量の土を移動可能とすることにより、田面整地の作業効率を向上させることにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成して課題を解決するため、本発明に係る農業用整地装置は、トラクタにより牽引する基台に整地用のハイド板を配設し、基台またはハイド板を昇降動させて当該ハイド板の高さ調整を行う整地装置を技術的前提として、前記ハイド板の下端部に当該ハイド板の回動軸を設けるとともに、該回動軸を介してハイド板を少なくとも0度から90度の範囲で首振り運動させる角度調整手段を設けた。 【0010】また、前記ハイド板の前方位置にハイド板の前面を閉塞できる蓋体を配設し、この蓋体を、上縁側を回動軸として揺動可能に構成するとともに、該回動軸を介して蓋体を首振り駆動する駆動手段を設ける場合がある。 【0011】さらに、ハイド板および蓋体のいずれか一方の下端縁に沿って長尺の回転翼を配設するとともに、蓋体の閉塞時に当該回転翼の回転数を制御できる駆動手段を設ける場合がある。 【0012】さらに前記基台およびハイド板のうち少なくとも一方に、レーザ光を入力して後段へ出力できる受光手段を固定するとともに、該受光手段から出力される上下位置信号に基づいて前記ハイド板の高さ調整を行う駆動制御部を設けることがある。 【0013】 【作用】本発明に係る整地装置は、ハイド板を昇降動させて高さ調整を行う整地装置を技術的前提としたもので、ハイド板の下端部に回動軸を設けるとともに、この回動軸を中心としてハイド板を少なくとも0度から90度の範囲で首振り運動させる角度調整手段を設けることにより、従来より多量の土を移動できるようにしたものである。尚、ハイド板の高さ調整はトラクタに三点支持させた基台を上下動させるか、或いはハイド板を直接上下駆動することによって行う。 【0014】ハイド板を倒し(寝かせ)、地面に対する傾斜角を緩やかにすればハイド板の上に土を載せ置くことが可能となるから、田圃の高地箇所(凸状部、段差高部等)からより多くの土をハイド板上に掻きあげてこれを持ち去ることが出来る。一方、田圃の低地箇所(凹状部、段差低部等)に来た場合には、ハイド板を起こして傾斜角を急にすれば、ハイド板上の土を地面に滑り落とすことができ、ハイド板下端で地面をならして田面を均一に整地することが可能となる。 【0015】本発明の整地装置では、ハイド板下端部に設けた回動軸を介してハイド板の回動(首振り運動)を行うようにしたから、ハイド板下縁の高さ位置を一定に保ったままハイド板の傾斜角を自由に変えることが可能であり、ハイド板の傾斜状態(傾斜角)にかかわらず、整地面の高さを一定レベルに保って正確な整地を行うことが出来る。尚、本装置の走行は、トラクタ等の動力車輌によって牽引することにより行う。 【0016】請求項2に記載した装置は、ハイド板の前方位置に蓋体を設けたもので、土を掻きあげた後、ハイド板の前面部を閉塞できるようにしたものである。蓋体は上縁側を回動軸として揺動可能に配してあり、当該回動軸を中心として例えば油圧装置等の駆動手段によって蓋体を開閉駆動する。蓋体を設けることで、走行時の振動等によりハイド板上の土が不用意にこぼれ落ちることを防ぐことが出来る。また、蓋体の開閉量を調整することにより、ハイド板から地面に落下させる土の量を微妙に調節することが出来る。 【0017】さらに請求項3に記載した装置では、ハイド板および蓋体のいずれか一方の下端縁に沿って長尺の回転翼を配設した。この回転翼は籾殻等の肥料を田面に散布するためのもので、蓋体を閉塞(回転翼駆動時に肥料を排出できる程度の隙間がハイド板と蓋体との間にあって構わない)した後、ハイド板内部に籾殻等の肥料を投入し、回転翼を駆動すれば、ハイド板内部の肥料を適量ずつ田面に送り出してこれを散布することが出来る。また回転翼の速度(回転数)は変更可能であり、回転数を加減することで肥料の排出量を制御することが可能となる。 【0018】請求項4の装置は、レーザ光を入力して後段へ出力できる受光手段と、該受光手段から出力される上下位置信号に基づいて前記ハイド板の高さ位置を調整する駆動制御部を設けたもので、一定の高さレベルにあるレーザ光を基準としてハイド板の高さ調整を行うことにより、高精度の整地を効率よく行うことが可能となる。受光手段は、例えば上下方向に所定間隔をおいて複数の受光素子を配設して構成することができ、かかる受光手段を基台またはハイド板に固定しておく。整地対象となる農地の端に発光装置を設置し、これから照射されるレーザ光の入力位置の変化を前記受光素子で検出すれば、受光素子の配列間隔に応じた精度でハイド板の変動量(地面高さの変化量)を検出することが出来る。 【0019】 【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の実施例を説明する。図1から図5は本発明に係る農業用整地装置の一例を示すものである。図に示すようにこの整地装置11は、トラクタ等で牽引可能な基台12に受光装置14とハイド板15とを配設してなり、整地対象となる農地30の端部に発光装置25を設置し、この発光装置25から照射されるレーザ光26を受光装置14に入力してハイド板15の高さ調整を行うものである。 【0020】受光装置14は、図5に示すように上下方向に所定間隔をおいて配した複数の受光素子14a〜14cを備えており、ハイド板15の高さ位置が変動するとレーザ光の入力位置(素子)が変化し、上下位置信号を出力する。そしてこの上下位置信号に基づいて油圧アーム(図示せず)が中央の連結点50を牽引または押圧し、基台を上下動させることによって基台後部のハイド板15を上下動させる。また左右の調整軸51,52に連結させた油圧アーム35,36を牽引または押圧駆動させれば、基台12の左右の傾きバランスを調整することが出来る。尚、かかるハイド板の駆動機構(三点リング方式)は一例として示したものであってこれに限定されるものではない。 【0021】ハイド板15は、地面を掻き進む先端ブレード15aと、先端ブレード15aによって掻きあげられた土を保持する本体ブレード15bとからなる。本体ブレード15bは回動軸16を中心として後方に回動可能に配してあり、地面に対し垂直に起立した直立状態15bと、地面と略平行になった水平状態15cとの間で傾斜角を自由に変えられるようにしてある。本体ブレードの駆動は、油圧装置17によって行う。 【0022】一方、ハイド板15の前方位置には、ハイド板前面部を閉塞できる蓋体18を設ける。この蓋体18は上縁の回動軸19を中心として揺動可能に基台12に設置してあり、油圧装置20により開閉駆動する。蓋体18の回動角(開蓋状態18から閉蓋状態18aまでの回動角)は、例えば30度から60度の範囲で適宜の回動角に設定する。尚、蓋体18を基台12から取り外し可能に構成して構わない。 【0023】またハイド板15の下縁部には、回動翼21を設けてある。この回転翼21は、ハイド板15と略同一の長さ寸法を有する回転軸22の周囲に羽根23を設けたもので、モータやエンジン等の動力手段により駆動する。蓋体を閉塞した後、ハイド板内部(ハイド板15と蓋体18aとの間)に例えば籾殻等の肥料を投入し、回転翼21を駆動すれば、ハイド板内部の肥料を適量ずつ送り出し、ハイド板と蓋体との隙間Sから田面に落下させて散布することが出来る。また、回転翼21の速度(回転数)は変更可能としてあり、回転数を増加または減少することによって肥料の散布量を制御できるようにしてある。尚、羽根23の形状や配設枚数はハイド板内部の肥料を送り出すことが出来るものであれば特に問わず、図に示した配設形状以外のものであっても構わない。 【0024】本装置によれば、ハイド板の上下位置調整だけを行っていた従来の装置に較べ、一度に多量の土を移動することが出来る。従来の整地装置は地面に対し略垂直に配されたハイド板によって土を前方に押し進め移動させるだけであるのに対し、本装置では、ハイド板(本体ブレード15b)を適宜後方に倒すことによりハイド板の上に土を掻きあげ、ハイド板の上に土を載せて運搬することが出来るからである。また、蓋体18でハイド板前面部を閉塞する(18a)ことにより掻きあげた土が走行中にこぼれ落ちることを防ぐことが出来る。 【0025】一方、田面に土を排出するには、本体ブレード15bを起こせば良い。積載された土は本体ブレード15bの傾斜角に応じて田面に滑り落ちることとなる。またその際、蓋体18の開閉量を調節することで、落下する土の量を加減することが出来る。また、本装置では田面をならすハイド板下縁(先端ブレード15a)は、本体ブレード15bの傾斜角にかかわらず、常に一定(所定の高さ位置)に保たれるから、ハイド板15の回動操作によって整地高さに誤差が生じることがない。さらに本装置は自走させるための動力機構(エンジン等)を設けないから、装置自体を軽量に構成することが可能であり、従って作業に伴い整地地面の土が装置重量によって固まることもない。尚、本発明は実施例に限定されるものではない。例えば実施例では基台に車輪を設けていないが、適宜車輪を設けても構わない。また、ハイド板や蓋体、回転翼手段、基台の形状/駆動機構等については前記実施例のほか必要に応じて適宜設計変更が可能である。 【0026】 【発明の効果】以上説明したように本発明に係る農業用整地装置によれば、一度に多量の土を移動することが可能で、田面整地の作業効率を向上させることが出来る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】394019923 【氏名又は名称】林 聰
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)10月13日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小林 滿茂
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| 【公開番号】 |
特開平11−113306 |
| 【公開日】 |
平成11年(1999)4月27日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−296283 |
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