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【発明の名称】 作業高さ制御装置
【発明者】 【氏名】吉川 研治

【氏名】中川 貴夫

【氏名】杉本 吉昭

【氏名】堀江 文治

【氏名】井村 弘

【要約】 【課題】センサの入射目標位置でレーザ光を受信するよう昇降制御するものにおいて、基準光線の受信が不能になった場合に基準光線を迅速に探知する。

【解決手段】センサSでレーザ光Lを受信が不能になった場合には、この状況の直前でのセンサSに対するレーザ光Lの受信位置を判別し、入射位置が入射目標位置Aより上方側であると整地ブレード9を上昇させ、下方側であると整地ブレード9を上昇させるよう昇降方向を設定し、この入射位置と入射目標位置との偏差が大きいほど整地ブレード9の昇降速度を増大する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体に対して昇降自在に備えた対地作業装置に対して地上に接地した発信部から水平方向に発信された基準光線を受信する受信部を備えると共に、この受信部に対する上下方向での中間位置に基準光線の入射目標位置を設定し、この入射目標位置より上方側に基準光線が入射した場合には対地作業装置を上昇作動させ、この入射目標位置より下方側に基準光線が入射した場合には対地作業装置を下降作動させ、この入射目標位置に基準光線が入射した場合には対地作業装置の昇降作動を停止させる制御動作を行う作業高さ制御装置であって、前記受信部で前記基準光線を受信できない状況に陥った場合には、この状況に陥る直前における受信部に対する基準光線の入射位置を判別し、この入射位置が入射目標位置より上方側であると対地作業装置を上昇させ、下方側であると対地作業装置を下降させるよう制御方向を設定し、かつ、この入射位置と入射目標位置との偏差が大きいほど対地作業装置の昇降速度を増大するよう制御速度を設定して探知作動を行う作業高さ制御装置。
【請求項2】 前記探知作動による対地作業装置の昇降作動によって受信部で基準光線を受信できない場合には、前記探知作動による昇降作動量が予め設定された値に達すると対地作業装置の昇降を停止するよう制御動作が設定されている請求項1記載の作業高さ制御装置。
【請求項3】 前記探知作動による対地作業装置の昇降作動によって受信部で基準光線を受信できない場合には、前記探知作動による昇降作動時間が予め設定された値に達すると対地作業装置の昇降を停止するよう制御動作が設定されている請求項1記載の作業高さ制御装置。
【請求項4】 前記探知作動による対地作業装置の昇降を停止し、この停止状態において受信部で基準光線を受信できない場合には、対地作業装置を予め設定された高さまで上昇させて停止するよう制御動作が設定されている請求項2又は3記載の作業高さ制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体に対して昇降自在に備えた対地作業装置に対して地上に接地した発信部から水平方向に発信された基準光線を受信する受信部を備えると共に、この受信部に対する上下方向での中間位置に基準光線の入射目標位置を設定し、この入射目標位置より上方側に基準光線が入射した場合には対地作業装置を上昇作動させ、この入射目標位置より下方側に基準光線が入射した場合には対地作業装置を下降作動させ、この入射目標位置に基準光線が入射した場合には対地作業装置の昇降作動を停止させる制御動作を行う作業高さ制御装置に関し、詳しくは、受信部で基準光線を受信出来なくなった際の制御動作に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のように構成された作業高さ制御装置として特公昭62‐25824号公報に示されるものが存在し、この従来例では受信部(受光器)で基準光線(レーザ光)を受信できなくなると、基準光線(レーザ光)の受信前のレベルに設定時間だけ対地作業装置(ブレード)の高さを固定するよう構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来例では基準光線が遮断された場合には一時的に昇降作動を停止することで対地作業装置の対地高さが下降し過ぎる、あるいは、上昇し過ぎる現象を回避すると共に、基準光線を再度受信した場合に昇降制御を再開できるものとなっている。しかし、従来からの発信部は三脚等を介して地上に設置されており、風で転倒して基準光線を発信できないことがあり、又、駆動にバッテリーを用いているので、バッテリーの消耗によって基準光線を発信できないこともある。更に、対地作業装置を備えた車体は常に平坦な地面を走行するものでなく、地面の凹凸面の部位で車体が大きく傾斜することに起因して受信部で基準光線を受信できない状況に陥ることもあり、このような状況下においても適切な制御を行うことが望まれている。
【0004】つまり、従来例のように受信部で基準光線を受信できない状況で対地作業装置の昇降作動を所定時間停止した後、制御を開始する時点で受信部で基準光線を受信できない状況が継続している場合に、例えば、対地作業装置の昇降を停止させる状態を維持する制御を行うものであっても、この状態を長時間継続すると適正なレベルでの制御を行えず改善の余地がある。特に、車体の傾斜に起因して受信部が大きく上下動して受信部の上方あるいは下方に基準光線が位置する状態に陥った場合を考えるに、従来例のように受信部で基準光線を受信できなくなった際に対地作業装置の昇降作動を所定時間だけ停止させるものでは対地作業装置の高さが適正な高さから外れた状態を維持するものとなるという不都合を生ずる。
【0005】本発明の目的は、前述のように基準光線に基づいて対地作業装置を昇降するものにおいて、基準光線の受信が不能になった場合に適切な対処を可能にする制御装置を合理的に構成する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請求項1)は冒頭に記したように、対地作業装置に備えた受信部に対する基準光線の入射位置に対応して該対地作業装置の昇降を行うよう構成された作業高さ制御装置において、前記受信部で前記基準光線を受信できない状況に陥った場合には、この状況に陥る直前における受信部に対する基準光線の入射位置を判別し、この入射位置が入射目標位置より上方側であると対地作業装置を上昇させ、下方側であると対地作業装置を下降させるよう制御方向を設定し、かつ、この入射位置と入射目標位置との偏差が大きいほど対地作業装置の昇降速度を増大するよう制御速度を設定して探知作動を行う点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0007】本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項1において、前記探知作動による対地作業装置の昇降作動によって受信部で基準光線を受信できない場合には、前記探知作動による昇降作動量が予め設定された値に達すると対地作業装置の昇降を停止するよう制御動作が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0008】本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項1において、前記探知作動による対地作業装置の昇降作動によって受信部で基準光線を受信できない場合には、前記探知作動による昇降作動時間が予め設定された値に達すると対地作業装置の昇降を停止するよう制御動作が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0009】本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項2又は3において、前記探知作動による対地作業装置の昇降を停止し、この停止状態において受信部で基準光線を受信できない場合には、対地作業装置を予め設定された高さまで上昇させて停止するよう制御動作が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0010】〔作用〕上記第1の特徴によると、受信部で基準光線を受信している状態では、基準光線を入射目標位置で受信する方向へ対地作業装置を昇降させる昇降作動を行うことによって対地作業装置の対地高さを目標とする高さに維持できるものとなり、又、受信部で基準光線の受信ができない状況に陥った場合には、受信できない状況に陥る直前において受信部に対して基準光線が入射した位置と入射目標とに基づいて対地作業装置の昇降方向を設定すると共に、この基準光線の入射位置と入射目標との偏差に基づいて対地作業装置の昇降速度を設定して探知作動を行うものとなる。
【0011】つまり、例えば、荒れた圃場で作業を行う場合のように車体の姿勢が短時間のうちに大きく変化した際には、受信できない状況に陥る直前の基準光線が入射位置と入射目標との偏差が大きいので対地作業装置を高速で作動させることで受信部で基準光線を受信するまでの時間を短縮するものとなり、又、例えば、対地作業装置を小さく昇降させる制御状態において基準光線が雨によって遮断された場合のように一時的に基準光線を受信できない際には、受信できない状況に陥る直前の基準光線が入射位置と入射目標との偏差が小さいので対地作業装置は低速で僅かに昇降作動した後に基準光線を受信できるものとなり対地作業装置を大きく昇降させることもない。
【0012】上記第2の特徴によると、探知作動によって基準光線を受信できない場合に予め設定された昇降作動量だけ対地作業装置を昇降させて停止させることで無駄な昇降作動を抑制するものとなる。
【0013】上記第3の特徴によると、探知作動によって基準光線を受信できない場合に予め設定された時間だけ対地作業装置を昇降させて停止させることで無駄な昇降作動を抑制するものとなる。
【0014】上記第4の特徴によると、探知作動の後に対地作業装置の昇降を停止させた状態において設定された時間内に基準光線が受信できない場合には、車体が異常なレベルに位置する等、基準光線に基づいて対地作業装置を昇降させる制御が不能な状況にある、若しくは、発信部の側の故障で基準光線を発信できない状況が発生したと考えられるので、対地作業装置を設定高さまで上昇させることで、車体に対する作業負荷を軽減すると同時に作業装置の上昇によって作業者に対して適正な作業が行われていないことを認識させ得るものとなる。
【0015】〔発明の効果〕従って、基準光線が受信不能になった場合でも短時間のうちに基準光線を探知し、基準光線を基準とした対地作業装置の昇降制御に移行できる制御装置が構成されたのである(請求項1)。又、基準光線が受信不能になった場合には無駄な昇降作動の抑制で昇降エネルギーの浪費を小さくし(請求項3,4)、基準光線に基づく制御が不能な状況ではエンジンに対する負荷を軽減し乍ら、敢えて不適正な作業高さまで対地作業装置を上昇させることで、作業が不能な状態にあることを作業者に認識させると共に、無駄な作業時間を短縮するものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、前車輪1及び後車輪2を備えた走行車体3の前部にエンジン4を搭載すると共に、走行車体3の後部位置にエンジン4からの動力を前後車輪1,2に伝えるミッションケース5を備え、走行車体3の中央位置にステアリングハンドル6と運転座席7とを備え、走行車体3の後端位置にリンク機構8を介して昇降自在に対地作業装置としての整地ブレード9を連結して農用トラクタを構成する。
【0017】ミッションケース5の上部にはアクチュエータとしてのリフトシリンダ10を配置してあり、このリフトシリンダ10で昇降操作される左右一対のリフトアーム11と前記リンク機構8とをリフトロッド12を介して連結することでリフトシリンダ10の作動で整地ブレード9を昇降自在に構成してあり、リフトアーム11の基端部には該リフトアーム11の揺動量からロータリ耕耘装置9の対車体高さを計測するポテンショメータ型のリフトアームセンサ13を備え、整地ブレード9の上面には支柱14を介して受信部としてのレベルセンサSを備えている。
【0018】又、運転座席7の側部には整地ブレード9の昇降制御を行うポジションレバー15を配置し、このポジションレバー15の基端部には該レバー15の操作位置を計測するポテンショメータ形のポジション設定器16を備えている。そして、ポジション制御モードで整地ブレード9を昇降制御する際には、ポジションレバー15を人為操作することで該レバー15の設定位置と対応する位置までリフトアーム11が昇降したことをリフトアームセンサ13で計測するまでリフトシリンダ10を駆動する動作が行われるものとなっている。
【0019】前記レベルセンサSは図2に示すように、縦長姿勢のケース21の外面の周方向で3箇所以上の部位に対し縦方向に250ミリメートル程度の域に亘って多数のフォトダイオード、フォトトランジスタ等で成る受光素子22を帯状に配置することで、基準光線としてのレーザ光Lが水平面上の何れの方向から入射しても受信できるよう構成されると共に、その受信位置を縦方向で5ミリメートル程度の分解能で感知する性能を有し、感知結果を電圧信号に変換して出力するよう構成されている。又、このレベルセンサSでは受光素子22が配置された上下方向の領域で受信域Zが形成され、この受信域Zの中間位置に入射目標位置Aが設定されるものとなる。
【0020】図1に示すように、前記レベルセンサSが受信するためのレーザ光Lを水平方向に送り出す発信部としてレーザ灯台Tが構成され、このレーザ灯台Tは三脚23に支持される本体24にビーム状のレーザ光Lを水平方向に発信する発光源(図示せず)を備えると共に、該本体24内の反射鏡、あるいは、プリズムを縦向き軸芯Y周りで回転させて発光源からのビーム状のレーザ光Lを旋回させる電動モータ(図示せず)を備えている。尚、このレーザ灯台Tはレーザ光Lを1分あたり600回旋回させる(600rpm)もの、あるいは、1分あたり300回旋回させる(300rpm)ものとの何れかが使用される。
【0021】図4に示すように、マイクロプロセッサを有した制御装置25を備えて前記整地ブレード9を昇降制御するための制御系が形成されている。この制御系では制御装置25に対して前記レベルセンサS、ダイヤル26で回動操作されるポテンショメータ型のレベル設定器27、ダイヤル28で操作されるポテンショメータ型の感度設定器29、前記ポジション設定器16、リフトアームセンサ13、起動スイッチ30夫々からの信号の入力系が形成されると共に、前記リフトシリンダ10を制御する電磁操作形の制御弁V、表示装置D、ブザー31夫々に対する出力系が形成されている。又、制御弁Vは電磁ソレノイドに供給される電流値に対応した開度を得る、所謂、電磁比例型のものが用いられ、該制御装置25は制御弁Vの電磁ソレノイド(図示せず)に供給する間歇信号のデューティ比の変更(PWM式の制御)で制御弁Vに供給する電力を調節し得るよう構成されている。尚、前記表示装置Dは同図に示すように、中立ランプ32と、上昇ランプ33と、下降ランプ34と、作業状態ランプ35とを備えて構成されている。
【0022】そして、作業を行う際にはポジションレバー15の操作で整地ブレード9の整地高さを目標とする値に設定しておき、この状態でレベルセンサSの上下方向の中央に設定された入射目標Aに対してレーザ灯台Tからのレーザ光Lが入射するようレーザ灯台Tの対地高さを調節して起動スイッチ30をON操作することで、作業時に整地ブレード9の高さが多少変動しても制御装置25がレーザ光LをレベルセンサSの入射目標位置Aで受信するよう制御弁Vを操作して整地ブレード9の昇降を行う結果、広い圃場を精度高く水平面に整地できるものとなっており、以下に昇降制御動作を説明する。
【0023】つまり、制御動作の基本動作が図5のフローチャートに示すように設定され、この制御が開始されると前記レベル設定器27からの信号に基づいてレベルセンサSにおける入射目標位置Aを設定し、感度設定器29からの信号に基づいて制御感度を設定する処理を行う(#101,#102ステップ)。具体的には、レベル設定器27のダイヤル26を「標準」の位置に設定した場合には図3(イ)に示す如く、レベルセンサSの受信域Zにおける縦方向の1/2の位置Hが入射目標位置Aとなり、該レベル設定器27のダイヤル26を「深」側に操作した場合には図3(ロ)に示す如く、位置Hを基準にして入射目標位置Aが上方に変位し、該レベル設定器27のダイヤル26を「浅」側に操作した場合には、前述とは逆に位置Hを基準にして入射目標位置Aが下方に変位するよう制御装置25の制御動作が設定され、又、感度設定器29のダイヤル28を「標準」の位置に設定した場合には図3(イ)に示す如く、入射目標位置Aを基準に上方と下方とに等しい域で形成される不感帯の幅Uが標準の値となり、制御感度設定器29のダイヤル28を「敏」の位置に設定した場合には図3(ロ)に示す如く、入射目標位置Aを基準に形成される不感帯の幅Uを狭くし、該制御感度設定器29のダイヤル28を「鈍」の位置に設定した場合には前述とは逆に入射目標位置Aを基準に形成される不感帯の幅Uが拡大するよう制御装置25の制御動作が設定されている。
【0024】次に、レベルセンサSでレーザ光Lを受信しているかを判別して、受信状態にある場合には昇降作動ルーチンを実行し、前記表示装置Dに対して整地ブレード9の作動状況を表示する(#103,#200,#104ステップ)。又、昇降作動ルーチン(#200ステップ)は図6に示すようにサブルーチンの形に設定され、その作動はレベルセンサSでレーザ光Lを受信した位置が入射目標位置Aを基準に形成された不感帯Uの域内に存在するかを判別し、域内に存在する場合には昇降制御を行わず、域外に存在する場合には入射目標位置Aに対応する電圧値(目標電圧値)とレベルセンサSの検出値(検出電圧値)との比較から偏位方向と偏差とを求め、偏位方向からリフトシリンダ10の作動方向を設定すると共に、偏差から制御弁Vの開度を設定する(#201〜#205ステップ)。又、制御弁Vの開度は偏差が大きいほど大きい値となるよう比例関係が設定され、開度を設定する際には電磁弁Vを駆動する間歇信号のON時間を調節(デューティ比を調節)するものとなっており、間歇信号のON時間を長くした場合には制御弁Vの開度が大きくなって昇降速度が高まり、ON時間を短くした場合には制御弁Vの開度が小さくなって昇降速度が低下する。
【0025】又、このようにレベルセンサSがレーザ光Lを受信して適正な昇降制御が行われている場合には、表示装置Dの作業状態ランプ35が継続的に点灯すると共に、整地ブレード9の昇降が停止している場合には中立ランプ32が点灯し、整地ブレード9の上昇作動時には上昇ランプ33が点灯し、整地ブレード9の下降作動時には下降ランプ34が点灯して作業者に対して作動状況を認識させるものとなっている(#104ステップの処理)。
【0026】次に、#103ステップでレーザ光Lが受信されていないと判別した場合には、受信不能状態に陥ってから10秒間経過する以前においては、受信不能状態に陥ってから設定時間(1秒以下の短時間)が経過するまで、若しくは、受信不能状態に陥ってからリフトアーム11が設定量(作動限界に達しない程度)だけ作動したことをリフトアームセンサ13で計測するまでは探知作動ルーチンを実行し、表示装置Dによる表示作動を行うものとなっている(#105〜#107,#200,#108ステップ)。
【0027】前記探知作動ルーチンは図7に示すようにサブルーチンの形に設定され、この処理では受信不能に陥る直前におけるレベルセンサSの受信位置を判別すると共に、この受信位置と入射目標位置Aとの比較によって、受信位置が入射目標位置Aを基準に形成された不感帯Uの域内に存在するかを判別し、域内に存在する場合には昇降制御を行わず、域外に存在する場合には偏位方向と偏差とを求め、前述の昇降作動ルーチンと同様に、偏位方向からリフトシリンダ10の作動方向を設定すると共に、偏差から制御弁Vの開度を設定する(#301〜#306ステップ)。つまり、前記探知作動はレーザ光Lが存在すると推定される方向への昇降制御でレベルセンサSでレーザ光Lを受信するための処理であり、その制御動作はレベルセンサSでレーザ光Lを受信できなくなった直前におけるレベルセンサSに対するレーザ光Lの入射位置がレベルセンサSの感知域Zの上端側、下端側の何れの側でレーザ光Lを受信していたかを判別し、例えば、感知域Zの上端側で受信していた場合には、レーザ光LがレベルセンサSの上方に存在する可能性が高いので整地ブレード9を上昇側に作動させ、逆に感知域Zの下端側で受信していた場合には整地ブレード9を下降側に作動させるよう作動方向が設定され、この受信位置と入射目標位置Aとの偏差が大きいほど高速度で昇降を行うことで短時間のうちにレーザ光Lを受信し得るものとなっている。
【0028】又、このように探知作動を行う場合には前記表示装置Dの作動状態ランプ35が点滅状態に切換ることで、レーザ光Lが受信不能状態に陥っていることを作業者に認識させると同時に、整地ブレード9の作動に応じて中立ランプ32、上昇ランプ33、下降ランプ34の何れかを点灯させることで整地ブレード9の作動状況を作業者に認識させ得るものとなっている(#108ステップの処理)。
【0029】尚、この探知作動ルーチンの処理によってレーザ光LをレベルセンサSで受信した場合には#103ステップから#200ステップ(昇降作動ルーチン)の処理に流れて適正な処理に移行するものとなっている。これとは逆に、#106ステップの設定時間が経過した場合、#107ステップの設定量だけ作動した場合の何れかの条件が成立した場合には制御弁Vを中立位置に設定して整地ブレード9の昇降を停止させ、この停止が行われるまで整地ブレード9を下降させる処理が行われていた場合にのみ、下降量の1/2だけ整地ブレード9を上昇させる戻し処置を行い、表示装置Dによる表示作動を行うものとなっている(#109〜#111ステップ)。
【0030】この処理は整地ブレード9の過剰な昇降を抑制するものであり、整地ブレード9が下降作動して停止した際には、整地ブレード9が目標耕深より深い位置に維持される状況を回避する目的と、エンジン4に対する過負荷を回避する目的から下降量の1/2だけ整地ブレード9を上昇させるものとなっており、このように昇降作動を停止させた場合には前記表示装置Dの作動状態ランプ35を点滅状態に切換え、上昇ランプ33と下降ランプ34とを同時に点滅させることで整地ブレード9の昇降が停止していることを作業者に認識させ得るものとなっている(#111ステップ)。そしてこれらの処理はリセットされるまで継続するものとなっている(#112ステップ)。
【0031】次に、レベルセンサSでのレーザ光Lの受信不能状態が10秒間経過した場合には(この時点で整地ブレード9の昇降は停止している)、整地ブレード9を高速で上限まで強制的に上昇させる処理を行うと共に、表示装置Dによる表示作動を行い前記ブザー31による警報作動を行い、この後に、レベルセンサSにレーザ光Lが入射することがあっても昇降作動を行わないものとなっている。
【0032】つまり、レーザ光Lの受信不能状態が10秒以上継続した場合には、レーザ灯台Tが故障した状態にあるか、圃場が作業に不適当な高さにあるものと判断できるので異常な状態での作業を中断する目的と、整地ブレード9が不適正な高さに長時間設定維持される弊害を除く目的から作業を中止するものとなっており、この中止を行う場合にも整地ブレード9を比較的高速で上昇させることで上昇停止時のショックを作業者に感じさせて作業が中断されたことを体感的に捉えさせ得るものとなっている。又、整地ブレード9を強制的に上昇させる場合には前記表示装置Dの作動状態ランプ35と上昇ランプ33とを同時に点滅させ、この強制的な上昇の後にも、この表示状態を継続させ、更に、ブザー31を作動させることで、前述の体感的な認識以外に、視覚的にも聴覚的にも整地ブレード9が強制的に上昇制御されたことを作業者に認識させるものとなっている。
【0033】このように、本発明では、レベルセンサSでレーザ光Lを受信できなくなった場合には、短時間、若しくは、所定量だけレーザ光Lを探知する側への昇降作動を受信不能に陥った直前の受信位置の偏差に基づく速度で行うので、迅速な探知を可能にするものとなっており、この探知作動でレーザ光Lを探知できた場合には適正な制御動作に移行することで制御を中断することなく作業を継続でき、又、この探知のための昇降作動によってもレベルセンサSでレーザ光Lを受信できない場合には、設定された時間(10秒)が経過した時点で整地ブレード9を上限まで高速で上昇させるので整地ブレード9が不適正な高さに維持される不都合を迅速に回避すると同時に整地ブレード9の上昇作動によるショックを体感的に作業者が感じてレーザ光Lの受信が不能になったことを容易に認識できるものとなり、更に、表示装置Dのランプの点滅、ブザー31の作動によって作業者がレーザ光Lの受信が不能になったことを必然的に認識できるものとなっている。
【0034】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態以外に、例えば、対地作業装置としてロータリ耕耘装置、プラウ等を用いることも可能である。
【0035】又、制御形態として昇降作動ルーチンにおいて偏差に対応する制御弁Vの開度と、探知作動ルーチンにおいて偏差に対応する制御弁Vの開度とが一致するものであって良く、偏差が等しい場合でも昇降作動ルーチンにおける制御弁Vの開度より探知作動ルーチンにおける制御弁Vの開度が大きくなるよう設定することも、逆の関係になるよう設定することも可能である。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成9年(1997)9月5日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開平11−75421
【公開日】 平成11年(1999)3月23日
【出願番号】 特願平9−240723