トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 整畦機
【発明者】 【氏名】皆川 功

【氏名】飯岡 毅

【要約】 【課題】畦の表面に畦の長手方向に亙って被覆シートを敷設して整畦された後の畦の表面を被覆シートにより覆うことができる。

【解決手段】整畦機構12は畦の一方側面及び畦の上面を整畦可能な回転整畦体13と回転整畦体を回転させる回転機構14とからなり、畦の表面に畦の長手方向に亙って被覆シートを敷設可能なシート敷設機構23を設けてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体に連結機構により機枠を連結し、該機枠に旧畦上に土を盛り上げる盛土機構を設け、該盛土機構の進行方向後方位置に整畦体を設け、該整畦体を整畦動作させる整畦機構を設けてなり、上記整畦機構は畦の一方側面及び畦の上面を整畦可能な回転整畦体と該回転整畦体を回転させる回転機構とからなり、上記畦の表面に畦の長手方向に亙って被覆シートを敷設可能なシート敷設機構を具備したことを特徴とする整畦機。
【請求項2】 上記シート敷設機構は、上記被覆シートを巻回した巻反ロールを装着可能な装着部材と、畦の表面に敷設された被覆シートの縁部分を土面に押込み可能な押込部材と、該押込部材により押し込まれた被覆シートの上面に土掛け可能な土掛部材とからなることを特徴とする請求項1記載の整畦機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば畦の造成作業や修復作業等に用いられる整畦機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の整畦機としては、特開昭51−141212号公報、実公昭51−47785号公報、実開昭53−102411号公報、実開昭53−20316号公報、特開昭51−100409号公報、実開昭60−119209号公報、実開昭61−175905号公報、特開昭61−47103号公報、特開昭61−212202号公報、実開昭62−1507号公報、実開昭61−158105号公報、実開平3−79605号公報、実開平5−60207号公報に示す構造のものが知られている。
【0003】これらの従来構造にあっては、走行機体に連結機構により機枠を上下動可能に連結し、機枠に盛土機構としての旧畦上に土を跳ね上げる回転ロータをその回転軸線を畦造成方向と平行又は交差する方向に設け、機枠に回転ロータの上方及び畦の上方にカバー部材を設け、回転ロータの進行方向後方位置に畦の上面及び畦の一方側面に合わせた形状の整畦体を設け、かつ該走行機体の動力取出軸を駆動源として整畦体を往復畦叩動作させるクランク式又は油圧式の畦叩機構を設け、走行機体を旧畦に沿って走行させ、回転ロータで圃場中の泥土を旧畦上に盛り上げ、この盛土を整畦体の畦叩き動作により叩き付けるようにして構成したものである。
【0004】また他の従来構造にあっては、整畦機構として、走行機体の動力取出軸を駆動源として整畦体を振動動作させる振動機構を設けて構成し、旧畦上に盛り上げられた盛土を整畦体の振動動作により締め付けるように構成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来構造の場合、整畦後の畦の表面は露呈したままの放置状態となっているので、短期間に畦の表面に草が繁茂することになり、このため畦の草刈り作業を余儀なくされると共に風化現象により畦土は崩れ易くなり、それだけ良好な整畦作業を行い得ないことがある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、走行機体に連結機構により機枠を連結し、該機枠に旧畦上に土を盛り上げる盛土機構を設け、該盛土機構の進行方向後方位置に整畦体を設け、該整畦体を整畦動作させる整畦機構を設けてなり、上記整畦機構は畦の一方側面及び畦の上面を整畦可能な回転整畦体と該回転整畦体を回転させる回転機構とからなり、上記畦の表面に畦の長手方向に亙って被覆シートを敷設可能なシート敷設機構を具備したことを特徴とする整畦機にある。
【0007】又、請求項2記載の発明は、上記シート敷設機構が、上記被覆シートを巻回した巻反ロールを装着可能な装着部材と、畦の表面に敷設された被覆シートの縁部分を土面に押込み可能な押込部材と、該押込部材により押し込まれた被覆シートの上面に土掛け可能な土掛部材とからなることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図1乃至図9は本発明の実施の形態例を示し、図1乃至図7は第一形態例、図8は第二形態例、図9は第三形態例である。
【0009】図1乃至図7の第一形態例において、1は走行機体であって、この場合トラクタが用いられ、走行機体1の後部に三点リンク式の連結機構2により機枠3を上下動可能に連結している。
【0010】4は盛土機構であって、この場合回転ロータからなる盛土体5から構成され、この盛土体5はロータ胴5aの外周に複数個の掻上刃5bを突設すると共にロータ胴5aに取付軸5cを突設してなり、上記機枠3に盛土体5をその回転軸線を畦造成方向と平行にして回転自在に取付け、機枠3に走行機体1に設けられた動力取出軸6により回転する主軸7を軸受し、盛土体5を主軸7より変向用ギヤ列8及びチェーン機構9を介して回転させ、盛土体5により畦際の圃場面の土を削出して旧畦に向けて跳ね上げて盛り上げるように構成している。
【0011】10はカバー部材であって、この場合上記機枠3に取り付けられ、上記盛土体5の上方及び畦Wの上方を覆う形状に形成され、カバー部材10の畦側に側部カバー部材11が上下動自在に取り付けられている。
【0012】12は整畦機構であって、この場合回転整畦体13と回転機構14とからなり、回転整畦体13は畦Wの一方側面W2を整畦可能な外周面13a及び畦Wの上面W1を整畦可能な円筒状の外周面13bを有すると共に回転軸線P1を畦Wの一方側面W1の側方から畦W側へ斜め上方に向かう所定角度θの上向き方向に配置され、この回転整畦体13は回転機構14により回転軸線P1を中心として図中矢印方向に強制回転される。
【0013】この場合、上記機枠3にブラケット15を突設し、ブラケット15に軸受筒16を長穴17a及びボルト17bからなる上下調節機構17により取付け、この軸受筒16に駆動軸18を所定角度θをもって斜め上向き状に回転自在に軸受し、上記機枠3の後部側面に枠体19を垂設し、枠体19内にチェーン機構20を設け、チェーン機構20と主軸7とを歯車機構21により伝導連結すると共にチェーン機構20と駆動軸18とを伸縮自在な自在継手22により連結し、上記駆動軸18を六角棒状に形成し、回転整畦体13の中心に六角穴状のソケット体13cを放射状に配置したリブ板13dを介して取付け、駆動軸18をソケット体13cに挿通固定して構成している。
【0014】しかして、主軸7の回転により回転整畦体13を図中矢印方向に回転させ、回転整畦体13の回転接触により畦Wの一方側面W2を締圧整畦すると共に畦Wの上面W1を締圧整畦するように構成している。
【0015】23はシート敷設機構であって、この場合畦Wの表面としての上面W1及び畦Wの一方側面W2の長手方向に亙って、合成樹脂フィルム等からなる被覆シートFを敷設可能に形成されている。
【0016】この場合、上記シート敷設機構23は、上記ブラケット15の後面に取付部材24を長穴25a及びボルト25bからなる上下調節機構25により取付け、取付部材24に軸受体26により軸状の装着部材27を回転自在に横設し、装着部材27に被覆シートFを巻回した巻反ロールRを挿通装着し、取付部材24に巻回ロールRから繰り出されてくる被覆シートFを畦Wの表面としての上面W1及び一方側面W2に畦の長手方向に亙って案内可能なゴムやスポンジ材からなる案内ロール28a・28bを有する案内部材28を突設し、案内部材28に支持杆29を突設し、支持杆29に畦際の土面に敷設された被覆シートFの縁部分F1を畦の表面に押込み可能な車輪状の押込部材30を取付けると共に支持杆29に押込部材30により押し込まれた被覆シートFの上面に土掛け可能な湾曲皿盤状の土掛部材31を進行方向に対して稍傾けて遊転自在に取り付けて構成されている。
【0017】32は反力受け機構であって、この場合上記カバー部材10の後面に反力受け体33を設けてなり、この反力受け体33は板材にして進行方向前部が弧状部33aに形成されると共に弾圧用バネ33bにより逃動可能に設けられ、反力受け体33の下部が畦の基部近傍の盛土機構4による削出跡位置Nの圃場M内に穿入し、整畦機構12による整畦動作によって生ずる整畦反力を受け得るように構成されている。
【0018】34は土漏れ防止カバーであって、上記カバー部材10の後面に取り付けられ、カバー部材10の弧状下縁と削出跡位置Nとの間から進行方向後方に土が漏れることを防ぐように構成したものである。
【0019】35は安定部材であって、この場合車輪状に形成され、上記機枠3の後部に上下調節自在に支持杆36を取付け、支持杆36に上下摺動自在に摺動杆37を取付け、摺動杆37に安定部材35を取付け、摺動杆37を緩衝バネ部材38により下方に弾圧し、圃場M上に接地して機枠3の安定走行を図るものである。
【0020】この実施の第一形態例は上記構成であるから、走行機体1を旧畦に沿って走行し、動力取出軸6を回転すると一方では盛土体5としての回転ロータが畦際の圃場泥土を旧畦上に連続的に跳ね上げて盛り上げ、カバー部材10は盛土体5の上方及び畦側方への泥土飛散を防止し、跳ね上げられた泥土は外方飛散を防がれて自重落下し、他方では走行機体1の動力取出軸6を駆動源として整畦機構12が駆動され、回転整畦体13は回転機構14により回転し、旧畦上に盛り上げられた土は畦Wの一方側面W2を整畦可能な外周面13a及び畦Wの上面W1を整畦可能な円筒状の外周面13bを有する回転整畦体13の回転接触により畦Wの一方側面W2及び畦の上面W1を締圧整畦することができ、構造を簡素化することができると共に回転整畦体13の回転すべり接触により畦Wの一方側面W2及び畦Wの上面W1を円滑に締圧整畦することができ、かつ、シート敷設機構畦23により、畦Wの表面としての畦Wの上面W1及び畦の一方側面W2に畦Wの長手方向に亙って被覆シートFを敷設することができ、このため整畦された後の畦Wの表面を被覆シートFにより覆うことができ、畦の表面の草の繁茂を抑制することができると共に風化現象による影響を抑制することができ、堅牢な畦を維持することができ、それだけ良好な整畦作業を行うことができる。
【0021】又、この場合、上記シート敷設機構23として、上記被覆シートFを巻回した巻反ロールRを装着可能な装着部材27と、巻回ロールRから繰り出されてくる被覆シートFを畦の表面に畦の長手方向に亙って案内可能な案内部材28と、畦の表面に敷設された被覆シートFの縁部分F1を畦の表面に押込み可能な押込部材30と、押込部材30により押し込まれた被覆シートFの上面に土掛け可能な土掛部材31の排土作用によって構成しているから、走行機体1の走行に伴って、被覆シートFを良好に繰出案内して畦の表面に敷設することができると共に押込部材30及び土掛部材31の押し込み覆土によって被覆シートFの風による捲れ現象を抑制することができ、それだけ耐久性の高い畦を得ることができる。
【0022】又、この際、回転整畦体13の回転軸線P1は畦Wの一方側面W1の側方から畦W側へ斜め上方に向かう所定角度θの上向き方向に配置しているので、回転整畦体13の外周面13aによりなされる畦Wの一方側面W2への土の押し付け送り長さを長くすることができ、それだけ土の締圧を良好なものとすることができると共に回転整畦体13の垂直方向の高さを低くすることができ、それだけ装置全体の機高を低くすることができて小型化を図ることができる。
【0023】図8の第二形態例は幅の広い被覆シートFを巻回した巻反ロールRを用い、畦の両側面W2及び上面W1の全体を覆うように構成されている。
【0024】図9の第三形態例は回転整畦体13の先端部に剥離ロール39を着脱自在に取付け可能な構成され、回転整畦体13の回転により畦や畝に敷設された被覆シートFを剥ぎ取りつつ巻き取り可能に構成している。
【0025】尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、例えば盛土機構4として、畦造成方向に対して交差する方向の回転軸線をもつ回転ロータを採用することもでき、又、上記実施の形態例における回転整畦体13を油圧式や偏心ウエイト方式の振動機構により振動させたり、又、クランク方式や油圧方式からなる畦叩き機構により畦叩き運動させる付加構造を採用することもあり、又、回転整畦体13を畦Wの一方側面W2を滑り接触回転する下部回転整畦体と畦Wの上面W1を滑り接触回転する上部回転整畦体の二分割構造や多分割構造にしたり、回転整畦体13の回転軸線P1を畦に交差する水平軸線方向に配置にする構造にも適用することができ、又、これら回転整畦体13を多面角錐形状に形成したり、回転整畦体13を偏心運動させ、この偏心運動により畦面を脈動的に押圧する構造を採用することもある。
【0026】又、シート張設機構23の構造も適宜選択され、例えば被覆シートFの両縁部分F1・F1を畦の表面に押込み可能な車輪状の二個の押込部材30及び二個の土掛部材31を左右に配置したり、案内部材28により被覆シートFを畦面に押圧する構造を採用することもある。
【0027】
【発明の効果】本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、走行機体を旧畦に沿って走行すると一方では盛土機構が圃場泥土を旧畦上に連続的に跳ね上げて盛り上げ、カバー部材は泥土飛散を防止し、他方では整畦機構が駆動され、回転整畦体は回転機構により回転し、旧畦上に盛り上げられた土は回転整畦体の回転により畦の一方側面及び畦の上面を締圧整畦することができ、構造を簡素化することができると共に回転整畦体の回転接触により畦の一方側面及び畦の上面を円滑に締圧整畦することができ、かつ、シート敷設機構によって、畦の表面に畦の長手方向に亙って被覆シートを敷設することができ、このため、整畦された後の畦の表面を被覆シートにより覆うことができ、畦の表面の草の繁茂を抑制することができると共に風化現象による影響を抑制することができ、堅牢な畦を維持することができ、良好な整畦作業を行うことができる。
【0028】又、請求項2記載の発明にあっては、走行機体の走行に伴って被覆シートを畦の表面に敷設することができると共に押込部材及び土掛部材の押し込み覆土によって被覆シートの風による捲れ現象を抑制することができ、それだけ耐久性の高い畦を得ることができる。
【0029】以上の如く、所期の目的を充分達成することができる。
【出願人】 【識別番号】395008849
【氏名又は名称】株式会社富士トレーラー製作所
【出願日】 平成9年(1997)9月16日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 勇治
【公開番号】 特開平11−75412
【公開日】 平成11年(1999)3月23日
【出願番号】 特願平9−250796