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【発明の名称】 作業機の尾輪支持装置
【発明者】 【氏名】竹内 正志

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体(1)の後部に、尾輪ユニット(4)を着脱自在に取り付けてなる、歩行型作業機において、前記尾輪ユニット(4)は、機体(1)の後部に昇降可能に支持される支持部材(16)に、尾輪(17)を回転自在に軸架した取付ステー(18)を左右方向に転向自在に設け、支持部材(16)と取付ステー(18)との間に前記尾輪(17)を直進方向に弾発付勢する付勢部材(28)を設けて構成されることを特徴とする作業機の尾輪支持装置。
【請求項2】 前記付勢部材(28)は、前記支持部材(16)と、前記取付ステー(18)との間に設けられるコイルスプリングであり、このコイルスプリングは、前記取付ステー(18)を支持部材(16)に支持するとともに前記尾輪(17)を直進方向に弾発付勢することを特徴とする、作業機の尾輪支持装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歩行用耕うん機等の作業機の尾輪支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来歩行用耕うん機等の作業機では、作業機自体の移動、耕耘等の作業を容易にするため、機体の後部に尾輪が自由に転舵できるように支持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来の歩行用耕うん機等の歩行型作業機では、尾輪は左右に自在に転舵できるように機体に支持されるので、平坦でない圃場や畦道等を走行するとき、尾輪は凹凸地面からの反力をうけてオペレータの意に反して左右に容易に転舵したり、左右に転舵した尾輪が元の位置に復元するのが遅れたりする等の理由により、機体を所望の走行姿勢に制御しながら直進走行させるには、相当の熟練を必要とし、特に経験の浅いオペレータでは、機体を意のままに直進姿勢に導くように制御するのが難しく、作業能率を悪くする原因になるという課題がある。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、尾輪を直進位置に付勢するとともにその直進方向への復元性を高めて、作業機の直進安定性を向上させ、作業能率を大幅に改善した、新規な作業機の尾輪支持構造を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的達成のため、本請求項1記載の発明によれば、機体の後部に、尾輪ユニットを着脱自在に取り付けてなる、歩行型作業機において、前記尾輪ユニットは、機体の後部に昇降可能に支持される支持部材に、尾輪を回転自在に軸架した取付ステーを左右方向に転向自在に設け、支持部材と取付ステーとの間に前記尾輪を直進方向に弾発付勢する付勢部材を設けて構成されることを特徴としており、かかる構成によれば、尾輪は機体に対して常に直進方向に付勢されて地面からの反力等によるもオペレータの意に反して左右に転向することが抑えられて、直進安定性が確保され、またオペレータによる機体の左右転舵操作により、尾輪の転舵は支障なく行なわれるとともにその転舵操作力の解除後は、尾輪は速やかに直進位置に復元される。
【0006】また前記目的達成のため、本請求項2記載の発明によれば、前記請求項1記載のものにおいて、前記付勢部材は、前記支持部材と、取付ステーとの間に設けられるコイルスプリングであり、このコイルスプリングは、前記取付ステーを支持部材に支持するとともに前記尾輪を直進方向に弾発付勢することを特徴としており、かかる構成によれば、コイルスプリングは、尾輪の機体への支持機能と、その直進方向への付勢機能とを有して尾輪ユニット全体の構成の簡素化を図ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0008】この実施例は、本発明を歩行型耕うん機に実施した場合であって、図1は、本発明を備えた歩行型耕うん機の全体側面図、図2は、その耕うん機の全体平面図、図3は、耕うん機のパワーユニット部の側面図、図4は、耕うん機の耕うん部の側面図、図5は、耕うん機の耕うん部の平面図、図6は、図4の6線矢視の尾輪ユニットの後面図、図7は、尾輪ユニットの分解斜視図である。
【0009】図1,2において、歩行型耕うん機Cは、フレームの枠組により構成される機体1の前部に、パワーユニット2が支持され、またその中央部の下端に、ロータリ作業爪3が着脱可能に回転自在に軸架され、さらにその後部に、本発明尾輪ユニット4が昇降調節可能に支持されている。
【0010】図3に明瞭に示すように、前記パワーユニット2は、バーチカル型エンジン5の下部に、これにクラツチを介して連動される歯車伝動装置6を収容した伝動ケース7を一体に懸吊して構成され、この伝動ケース7には前記歯車伝動装置6の出力軸に連結される車軸8が回転自在に横架され、この車軸8に一対の駆動輪9が固着される。また前記歯車伝動装置6の動力取出部61 は、機体1の下部フレーム内に設けられる駆動軸11および動力分配機構12を介して複数のロータリ作業爪3に連結される。そしてパワーユニット2の駆動によれば、歯車伝動装置6を介して駆動輪9が回転駆動され、また作業クラツチのオン作動により複数のロータリ作業爪3を図3矢印方向に回転駆動することができる。
【0011】前記機体1上部には、操作ハンドル10が支持されており、この操作ハンドル10は、前記ロータリ作業爪3および尾輪ユニット4の上方を後上がりに傾斜し後方に延長されている。そして地上を歩行するオペレータがその操作ハンドル10を操ることにより、耕うん機Cを直進走行させ、また左右に転舵走行させることができる。
【0012】図4に明瞭に示すように、機体1の後部には、上下に開口するパイプフレーム13が溶接等により一体に固着されている。このパイプフレーム13の軸線l1−l1 は、鉛直軸線h−hに対して若干後向きに傾斜しており、そのパイプフレーム13に、前記尾輪ユニット4が昇降調節可能に支持される。前記パイプフレーム13の後面には、ハンドル141 を有するロックねじ14が設けられ、パイプフレーム13に昇降自在に挿通される、後述する尾輪ユニット4の支持部材16を、このロックねじ14の締付により固定することができる。
【0013】次に前記尾輪ユニット4の構造について主に図4〜7を参照して詳細に説明するに、機体1後部のパイプフレーム13には、支持部材16が昇降自在に挿通される。この支持部材16は、鋼管等の直状のパイプ部材により構成され、その上下両端が開口されている。
【0014】また尾輪17を回転自在に軸架する取付ステー18は、鋼板等の金属板材をアングル状に屈曲して形成されて、略水平な上辺部181 と、その一側より略鉛直に垂下される下辺部182 とよりなり、その上辺部181 の上面には、直状の支持棒19が一体に立設され、この支持棒19はスラストワッシャ20を介して支持部材16に回転自在に挿入され、支持部材16の下端にスラストワッシャ20を介して取付ステー18の上辺部181 が当接される。取付ステー18の下辺部182 には、取付孔21が穿設され、この取付孔21に尾輪軸すなわちボルト22が横向きに挿通され、このボルト22には、前記上辺部181 の直下において、ゴム等の弾性材により構成される尾輪17がスラストワッシャ23を介して回転自在に嵌合支持され、このボルト22の端部にナット24が締着される。これにより取付ステー18に、尾輪17がボルト22を介して片持状に回転自在に支持され、下辺部182 の内面と尾輪17の側面間にスラストワッシャ23が介在される。 前記支持部材16には、尾輪17の支持軸線すなわちボルト22の軸線l3 −l3 と略平行に係止軸26が一体に突設され、また前記取付ステー18の下辺部182 には、その係止軸26の軸線と同方向に係止孔27が穿設されており、前記係止軸26と係止孔27との間には、付勢部材としての引張コイルスプリング28が張架される。このコイルスプリング28は、その中心縦軸線l2−l2 が尾輪17の操向縦軸線s−sと略平行であり、前記尾輪17を取付ステー18とともに支持部材16に操向可能に牽引支持すると共に尾輪17がその自由状態で直進方向すなわち機体1の前後軸線方向を向くように弾発付勢する。
【0015】なお、図中、符号30は、ロータリ爪3の上半部を覆うロータリ爪カバー、31は、そのロータリカバー30の後部に支持されるならし板である。
【0016】次にこの実施例の作用について説明する。
【0017】機体1のパイプフレーム13には、前記のように構成される尾輪ユニット4の支持部材16を挿入してその上下位置を調節し、また尾輪17の機体1に対する左右位置を調整してロックねじ14の締付により、尾輪ユニット4は機体1の後部に取り付けられる。
【0018】そして尾輪ユニットの上下位置の調整によれば、尾輪17の設置により耕うん機Cが所望の走行姿勢を保つように、機体1の上下位置が決められる。また前記尾輪ユニット4の左右位置の調整によれば、尾輪17はその自由状態で、スプリングの弾発力により直進方向を向くように、すなわち尾輪17の回転方向が機体1の前後方向軸線と一致するようにセットされる。
【0019】操作ハンドル10を把持したオペレータが、パワーユニット2を駆動し、走行クラッチをオン作動すれば、パワーユニット2の動力は、駆動輪9を回転駆動して耕うん機Cを走行することができ、またオペレータによる作業クラツチのオン作動によれば、パワーユニット2の動力はロータリ作業爪3に伝達され、そのロータリ作業爪3を回転して耕うん作業等を行なうことができる。
【0020】ところで尾輪17は引張コイルスプリング28の弾発力により直進位置に弾発付勢されているので、尾輪17は、圃場等の凹凸地面からの反力等により左右方向への転舵力を受けてもオペレータの意に反して妄りに転舵することがなく直進位置に保持されて耕うん機Cの直進性が確保されてその姿勢制御が容易になる。またオペレータが機体1を左右に転舵すべく転舵力を加えれば、コイルスプリング28には捩じり力が作用して機体1をオペレータの意のままに左右に操向操作することができる。そしてその操向操作力を解除すれば、コイルスプリング28の捩じり復元力により速やかに尾輪17を直進位置に復元させることができ、耕うん機Cを直進走行姿勢に戻すことができる。
【0021】図8には、この耕うん機Cの一使用例が示される。この使用例によれば、尾輪ユニット4は、最も高い位置で機体1に固着され、機体1は尾輪17により最も高い位置に保持されて複数のロータリ作業爪3を地上より浮上させたまま耕うん機Cの走行が可能になる。
【0022】以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。たとえば前記実施例では本発明尾輪装置を歩行型耕うん機に実施した場合を説明したが、これを他の歩行型作業機にも実施することができる。また付勢部材は、引張コイルスプリングに代えて他のスプリング、弾性部材等従来公知の同効物を用いてもよく、さらに尾輪を機体に対して直進方向へ付勢する機能を有すればよく、支持部材と取付ステー間の連結位置を限定しない。
【0023】
【発明の効果】以上のように請求項各項記載の発明によれば、尾輪は機体に対して常に直進方向に付勢されて地面からの反力等によるもオペレータの意に反して左右に転舵するのを抑えることができ、またオペレータによる機体の転舵操作は支障なく行なわれるとともにその転舵操作力の解除後は、尾輪は速やかに直進位置に復元され、その結果作業機の直進安定性を大幅に改善することができる。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)7月24日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
【公開番号】 特開平11−32510
【公開日】 平成11年(1999)2月9日
【出願番号】 特願平9−198181