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【発明の名称】 ロータリ耕耘具の残耕処理装置
【発明者】 【氏名】相沢 良一

【氏名】金並 清二

【氏名】石丸 雅邦

【氏名】武智 敏男

【氏名】島田 康

【要約】 【課題】従来の残耕処理機構は、単に回転式耕耘爪の外側未耕地の泥土を回転式耕耘爪側に案内する、専用部品である犂やプラウ的な掘削具を一側に取り付けたものであって、このような掘削具においては、掘削時の荷重の作用方向が押圧式のため掘削具が変形し易く、このためには複雑な形状の専用部品としなければならず、コストの高い掘削具となっていた。

【解決手段】複数の回転式耕耘爪1,1...を取り付けた耕耘パイプ2の左右端部を伝動ケース15又は支え板16等の側枠下端部間に回転自在に軸装し、これら側枠の内少なくとも一方の外方前下部にホルダー34を配設し、該ホルダー34に、残耕処理爪7の突出下端部8が進行方向後方側に後退角を有しながら、さらに、耕耘爪1,1の回転掘削軌跡外径近傍に位置するように、残耕処理爪7の基端7c部を取り付けることを特徴としたロータリ耕耘具の残耕処理装置とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の回転式耕耘爪1,1...を取り付けた耕耘パイプ2の左右端部を伝動ケース15又は支え板16等の側枠下端部間に回転自在に軸装し、これら側枠の内少なくとも一方の外方前下部にホルダー34を配設し、該ホルダー34に、残耕処理爪7の突出下端部8が進行方向後方側に後退角を有しながら、さらに、耕耘爪1,1の回転掘削軌跡外径近傍に位置するように、残耕処理爪7の基端7c部を取り付けることを特徴としたロータリ耕耘具の残耕処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロータリ耕耘具の残耕処理装置に関するものである。この発明は、一定耕耘幅で回転掘削する耕耘爪の外側方に設ける残耕処理装置であって、外側の未耕側泥土部で残耕処理爪を牽引しながら走行することによって、回転式耕耘爪の作用しない側枠下部の未耕耘側泥土を機体進行に伴って掘削しようとするものである。
【0002】
【従来の技術、及び、発明が解決しようとする課題】従来の残耕処理装置は、実開昭48−100707号公報や実開昭51−127402号公報で示すものがあり、これらの残耕処理機構は、単に回転式耕耘爪の外側未耕地の泥土を回転式耕耘爪側に案内する、専用部品である犂やプラウ的な掘削具を一側に取り付けたものであって、このような掘削具においては、掘削時の荷重の作用方向が押圧式のため掘削具が変形し易く、このためには複雑な形状の専用部品としなければならず、コストの高い掘削具となっていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】この発明は、従来装置のこのような不具合を解消しようとするものであって、次のような技術的手段を講じた。即ち、複数の回転式耕耘爪1,1...を取り付けた耕耘パイプ2の左右端部を伝動ケース15又は支え板16等の側枠下端部間に回転自在に軸装し、これら側枠の内少なくとも一方の外方前下部にホルダー34を配設し、該ホルダー34に、残耕処理爪7の突出下端部8が進行方向後方側に後退角を有しながら、さらに、耕耘爪1,1の回転掘削軌跡外径近傍に位置するように、残耕処理爪7の基端7c部を取り付けることを特徴としたロータリ耕耘具の残耕処理装置の構成とした。
【0004】
【発明の実施の形態】図例は、ロータリ耕耘具5の一側に取り付ける残耕処理装置である。説明中の前後左右の方向は、ロータリ耕耘具5の進行方向「イ」に対しての方向である。ロータリ耕耘具5は、農用トラクターの機体10前部や後部に配設される作業機取付用の三点リンク11等の昇降リンクに取り付けられ、農用トラクターの運転者の操作や自動制御操作により昇降する。そして、農用トラクターの外部動力取出装置であるPTO軸12の駆動力を自在継手13を介して入力軸14に入力し、伝動ケース15を経た駆動力を耕耘パイプ2に伝えている。
【0005】伝動ケース15がロータリ耕耘具5の左右方向中央部に位置しているものをセンタードライブ式耕耘装置と称し、伝動ケース15がロータリ耕耘具5の左右方向一側部に位置しているものをサイドドライブ式耕耘装置と称しており、図例のものは左側に伝動ケース15を配設したサイドドライブ式耕耘装置である。左方の伝動ケース15と右方の支え板16間には耕耘パイプ2がベアリング等を介して軸承されており、この耕耘パイプ2に放射状に複数個取り付けた爪ホルダー17,17....に耕耘爪1,1....を着脱変更自在に取り付けている。耕耘パイプ2の駆動回転により耕耘爪1,1..が、ダウンカットである矢印「ロ」方向に回転する。それにより、圃場表面泥土「A」は掘削され後方に飛散する掘削飛散泥土「B」となる。
【0006】耕耘パイプ2と耕耘爪1,1..の回転部上方には、前後方向に一定の長さを有した主カバー3が、伝動ケース15と支え板16間に取り付けられている。この主カバー3の後縁部には主カバー3と略同幅のゴム板や軟質樹脂材等から成る弾性板18の前縁部が取り付けられており、該弾性板18の後縁部にリヤーカバー19の前縁部が取り付けられている。
【0007】リヤカバー19の上面には、幅方向中央前方に突出する中央揺動部20を先端部に設けた二又状の支持アーム21,21の後端部が一体的に取り付けられている。また、リヤカバー19の左右側端部には補強を兼ねた保持枠22,22が設けられており、該保持枠22上端と主カバー3後縁との間を、バネ板23,23で揺動可能に規制しながら連結している。これにより、リヤカバー19は主カバー3に対し、上下や左右や前後方向に揺動可能に取り付けられている。この揺動をさらに規制するために、主カバー3の後縁部左右からそれぞれ支持枠24,24が上方に向かって突設され、この突設端と支持アーム21,21後端部リヤカバー19上面に取り付ける取付枠21a,21aの間にプッシュプルロッド25,25が軸着されている。
【0008】プッシュプルロッド25の下端はピン26で支持枠21a側の下部枠45に軸着され、プッシュプルロッド25の上部は支持枠24内のコマ27の孔に軸心方向スライド自由またはロックピン28の押し込みによるロック可能の構成としている。プッシュプルロッド25には、図示しない複数位置にロック孔が設けられており、ロックピン28,28でロックすることにより、主カバー3に対するリヤカバー19の上下動が規制される。29,29はロック環であって、プッシュプルロッド25に取り付けた上下のコイルバネ30,31の加圧力を調整するためのものであり、ロックピン28をフリー状態としたとき、コマ27にロック環29を近付けるほどコイルバネ30,31の加圧力を大きくでき、上コイルバネ30を強くするほどリヤカバー19が、側面視姿勢で上方に吊りあげられて押圧力が軽くなり、下コイルバネ31を強くするほど作業時のリヤカバー19が、均平鎮圧力を大きく増し土移動が多くなる。
【0009】リヤカバー19後部には、図5斜視図で示すように、左右方向中央に二等辺三角形状の中央カバー蓋41と、左右両側端に略台形状のコーナーカバー蓋42,42を着脱自在に取り付けている。例えば、中央カバー蓋41を取外した場合について説明すると、この蓋を外した開口部に、左右方向中央に取り付けた別作業機である畦立て用の倍土板先端部を臨ませて取り付けようとするものであり、このようにロータリ耕耘具5に別作業機である畦立て用の倍土板先端部を近付けて取り付け得ると、複合時の作業装置全長を短くでき、機体から後方に突出するオーバーハング量が小さくできて、旋回や走行が容易に行える。また、この蓋の部分を取り外すことにより、リヤカバー19の下方に中央畦立て用の倍土板先端部を位置させても、リヤカバー19の上下揺動を妨げないから、畦立て器側に土壌上面均平用の大きな均平板が不要となる。
【0010】リヤカバー19廻りを図5の全体斜視図を主体に説明すると、リヤカバー19の後方には均平レベラ43が、リヤカバー19後端縁近傍を揺動中心に上下揺動自在に取り付けられている。この図例の均平レベラ43は、それ自体の自重で泥土表面を加圧するものとしており、均平レベラ43の下方には前後向きに棒状のツース44,44....が横方向に複数本取り付けられており、ツース44の下縁に沿って掘削泥土B側に移動する草や藁を、均平レベラ43の自重とツース44の弾性力により耕耘泥土中に押し込んでいる。
【0011】次にこの発明の要部である、残耕処理装置について説明する。図4では構成を判り易くするため、耕耘パイプ2の側方に設けたサイドカバー4を取り去った左側面図としている。通常は、図5で示すように、耕耘爪1,1,1..や耕耘パイプ2の側方上部は、伝動ケース15の内方に配設する、前サイドカバー4aと後サイドカバー4bから成るサイドカバー4で覆われている。
【0012】図1右側面図と図3の背面図で、支え板16側のサイドカバー4廻りを説明する。残耕処理装置は、畝に対する接近した走行作業を容易とするため、伝動ケース15に対し幅方向の厚みの少ない支え板16側の下部前方から下方に向かって後退しながら外方突出状に取り付けられており、支え板16下方に生じる残耕をなるべく少なくするようにしている。構成を詳述すると、支え板16下部にはベアリング(図示せず。)を内装したメタル32部がボルト33,33..で支え板16に一体的に取り付けられており、このボルト33を利用して前部にホルダー34部を有するブラケット35を共締め取り付けした構成としている。
【0013】ホルダー34は支え板16の進行方向の前方外側方に位置し、残耕処理爪7の上端部7cが一本の取付ボルト36で取り付けられている。残耕処理爪7は中間から下方の前縁部を、正面視で「L」字状としており、この「L」字状の前縁上方から下方を、進行方向先端側を尖らせた掘削刃縁8aとして、泥土中に刺さり込み易くしている。また、この掘削刃縁8aは側面視で後方に向かってゆるやかに後退方向に逃げた曲面としており、前進時にはその曲面が未耕泥土中に安定して刺さりやすくしている。掘削刃縁8aの突出下端の左右方向折り曲部8bの最下端である突出下端部8は耕耘爪1の回転軌跡近傍位置まで下がっており、掘削耕深を略同深さに維持している。
【0014】残耕処理爪7はホルダー34の取付上端部に対し背面視で、上下方向中間部から下方の掘削刃縁8aの部分が外側方に突出して、幅方向外側方の未耕泥土を削るようにしている。また、前後のサイドカバー4a,4bは左側のサイドカバー4と略対称形であるが、右側の後サイドカバー4bには下方に向かって上下スライド可能に、サブサイドカバー6を備えている。37,37は取付ネジであって、サブサイドカバー6を長孔38,38に沿って上下方向スライド自由または固定可能に取り付けている。
【0015】図1,図3で示す残耕処理爪7は、側面視で前縁上方の掘削刃縁8aが最下端の突出下端部8に向かうに連れ、支え板16の下方側まで大きく後下方へ延出しており、この延出側が、背面視の仮想線で示すサブサイドカバー6の前縁側に向かって、内方に傾斜した泥土案内面である左右方向折り曲げ部8bとしている。この左右方向折り曲げ部8bにより、ロータリ耕耘具5が前進して支え板16下方の未耕地側の泥土を削り取ると、削り取られた泥土はサブサイドカバー6の内側に容易に案内され、次に、耕耘爪1,1..で細かく所定の大きさに砕土される際に外方に逃げることもない構成としている。
【0016】図6,図7で示す図は、残耕処理装置の爪の別実施例であり、以下説明する。図6で示す残耕処理爪7aは、通常のロータリ耕耘具5に使用される側方に偏心した回転爪であり、ブラケット35のホルダー34部に基端7c部を取付ボルト36で取り付けることにより、標準品として多数生産され安価と成っている回転爪を、牽引爪として共用使用しようとするものであり、回転爪と共用しているため専用の型や治具が不要であり安価に製作できる。この回転爪を牽引爪として取付けた状態を、図2の側面図で示す。この場合は、爪突出下端部8近傍の左右方向折り曲部8bが、内方への掘削泥土案内面と成っている。
【0017】図7で示す残耕処理爪7dは、図6の強度アップのものであり、背面視「L」字状の残耕処理爪7dの後縁側を補強面板39で接続して補強すると共に、この補強面板39を泥土案内のための曲面として掘削泥土を耕耘爪1側に案内している。図8は、要部右側の平面図であって、残耕処理爪7の基端7cをホルダー34部に取り付けた状態で、残耕処理装置の後方に片培土器40を取り付けて、隣の圃場との仕切りである畦畔近くを走行する場合の構成である。
【0018】畦畔部の片培土作業は、耕耘泥土を耕耘爪1側に移動しながら前進して、畦畔内側に小溝を作るものであるが、前述したように掘削刃縁8aの突出下端部8の横方向折り曲部8bと共に、片培土器40の前側でも未耕泥土をある程度内側方の耕耘爪1側に移動するから、片培土器40に負荷する泥土が少なくなり運転が容易となる。また、耕耘作業に馴れていない運転者が、耕耘爪1で畦畔を破損する恐れがあって離れて掘削作業を行なっても残耕を生じ難い。
【0019】
【発明の作用効果】この発明は、複数の回転式耕耘爪1,1...を取り付けた耕耘パイプ2の左右端部を伝動ケース15又は支え板16等の側枠下端部間に回転自在に軸装し、これら側枠の内少なくとも一方の外方前下部にホルダー34を配設し、該ホルダー34に、残耕処理爪7の突出下端部8が進行方向後方側に後退角を有しながら、さらに、耕耘爪1,1の回転掘削外径軌跡近傍に位置するように、残耕処理爪7の基端7c部を取り付けることを特徴としたロータリ耕耘具の残耕処理装置の構成としたので、農用トラクターの機体10が矢印「イ」方向に前進するに伴い、掘削刃8は側面視で後方に向かってゆるやかに後退方向に逃げた曲面としており、前進時にはその曲面が未耕泥土中に安定して刺さりやすくしているから、ロータリ耕耘具の自重によって効率よく滑らかに、また、回転耕耘爪1,1..と同程度の深さ位置まで泥土を連続して掘削できる。。
【0020】さらに、牽引式のこの掘削刃を、回転可能の回転式耕耘爪と共用化すると、専用部品としていた従来品に比し、コストの安い掘削刃を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)3月27日
【代理人】
【公開番号】 特開平11−28004
【公開日】 平成11年(1999)2月2日
【出願番号】 特願平10−194372