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【発明の名称】 作業車両の昇降制御装置
【発明者】 【氏名】佐藤 良昭

【要約】 【課題】作業機の昇降制御を設定する設定器を容易に操作することができる機構を提供する。

【解決手段】作業機を昇降自在に連結した作業車両の運転席6のステアリングハンドル13近傍に上記作業機を昇降させる昇降レバー9を設けるとともに、該昇降レバー9に作業機の昇降制御の設定を行う設定器18を一体的に取り付けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業機を昇降自在に連結するとともに、該作業機の昇降を制御する制御装置(11)を備え、上記作業機を昇降させる昇降レバー(9)を運転席(6)におけるステアリングハンドル(13)の近傍に設けた作業車両において、上記制御装置(11)側に接続された作業機の昇降制御の設定を行う設定器(18)を上記昇降レバー(9)に一体的に取り付けた作業車両の昇降制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は作業機の昇降を制御する作業車両の昇降制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来トラクタ等の作業車両には、作業機の高さを設定するポジションレバーが設けられていると共に、該ポジションレバーの設定とは無関係に作業機を上昇させる昇降レバーが設けられているものがあり、この種の作業車両には昇降レバーによる作業機の昇降高さを設定する高さ設定ボリューム等の昇降制御を設定する設定器が備えられている。しかし一般的に該設定器は運転席側の操作パネル内に設けられており、ステアリングハンドルや昇降レバー側から手の移し換え等を行い操作する必要があり、操作性が比較的悪いという欠点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するための本発明の作業車両の昇降制御装置は、作業機を昇降自在に連結するとともに、該作業機の昇降を制御する制御装置11を備え、上記作業機を昇降させる昇降レバー9を運転席6におけるステアリングハンドル13の近傍に設けた作業車両において、上記制御装置11側に接続された作業機の昇降制御の設定を行う設定器18を上記昇降レバー9に一体的に取り付けたことを特徴としている。
【0004】
【発明の実施の形態】以下図面に従って本発明の1実施形態について説明する。図1は本発明を応用した作業車両であるトラクタの左側面図であり、従来同様前後輪1,2に支持されている機体フレーム3上に機体4が形成されているとともに、該機体4の略中央位置には運転席6が設けられており、この機体4後方に三点リンクヒッチ7を介して耕耘作業等を行う作業機(図示せず)が連結され、機体4(トラクタ)側に設けられた油圧シリンダ(図示せず)の伸縮動作によって上記リンクヒッチ7を上下揺動せしめることで上記作業機がトラクタに対して昇降され、圃場に対して高さ調節される構成となっている。
【0005】このとき上記運転席6内には作業機の高さを所定のポジションに設定するためのポジションレバー8と図2,図3に示されるように該ポジションレバー8の設定に無関係に作業機を昇降させることができる昇降レバー9とが設けられており、上記ポジションレバー8によって作業機を所定の高さに設定して耕耘作業等を行わせることができるとともに、回向(回行)時等に昇降レバー9によって作業機の昇降を行うことで、ポジションレバー8の設定を変えることなく一旦作業機を上昇させた後に、ポジションンレバー8で設定した高さまで下降させることができる構造となっている。
【0006】なお上記ポジションレバー8及び昇降レバー9は、機体4内に収容されている図4に示されるマイコン制御型の制御装置であるコントロールユニット11の入力側に接続されており、該コントロールユニット11がポジションレバー8及び昇降レバー9側からの情報(データ)等に基づいて出力側に接続されている前述の油圧シリンダ用のソレノイド12を制御して、上記作業機の上下昇降動作が行われている。
【0007】一方上記昇降レバー9は運転席6におけるステアリングハンドル13のコラム部分14から右側に突出せしめられて上下及び前後揺動自在に設けられており、通常上下方向は上下に揺動可能な中立状態となっているが、オペレータ(作業者)が中立状態である昇降レバー9を手等によって上方又は下方に揺動することができるとともに、上方又は下方に揺動した手等を離すと中立位置に戻る構造となっている。
【0008】そして作業機は昇降レバー9の上方への揺動によって上昇スイッチ16(図4参照)がONされて上昇(ポジションレバー8とは無関係に)させられ、昇降レバー9の下方への揺動によって下降スイッチ17(図4参照)がONされ下降(ポジションンレバーで設定した高さまで)させられる。つまり昇降レバー9は上昇スイッチ16及び下降スイッチ17がコントロールユニット11の入力に接続されてコントロールユニット11側に接続されている。
【0009】また本実施形態では上記昇降レバー9はウインカーレバーも兼ねており、つまり前方に揺動させることで左側のウインカーを、後方に揺動させることで右側のウインカーを点滅させるように構成されている。これにより運転の操作系をよりシンプルに構成することができ、運転操作性をより向上させることができる。なお昇降レバー9を左側に突出させ、前方に揺動させることで右側のウインカーを、後方に揺動させることで左側のウインカーを点滅させるように構成してもよい。
【0010】一方昇降レバー9の先端には、昇降レバー9の上方への揺動操作(作業機の上昇操作)によって上がる作業機の高さを設定するための高さ設定ボリューム18(ポテンショメータ)が一体的に回転操作自在(回転操作によって値が変化する)に設けられており、該高さ設定ボリューム18は上記コントロールユニット11の入力側に接続されて、コントロールユニット11側に昇降レバー9による上昇高さの設定情報を入力している。
【0011】つまり上記高さ設定ボリューム18は作業機の昇降制御の設定を行う設定器の1つであり、これによりコントロールユニット11は昇降レバー9の上方への揺動(上昇スイッチ16のON)時に、上記高さ設定ボリューム18からの情報に基づいた高さに作業機を上昇せしめる。
【0012】以上に示す構造によりステアリングハンドル13の近傍に設けられた昇降レバー9によってポジションレバー8の設定とは無関係に、つまりポジションレバー8の設定を変えることなく一旦作業機を上昇させることと、ポジションンレバー8で設定した高さまで作業機を下降させることができ作業機昇降の作業性が向上するだけでなくポジションレバー8の設定ミスも少なくなる。
【0013】そしてこのとき高さ設定ボリューム18が昇降レバー9側(先端)に取り付けられているため、作業機上昇時の高さ設定をステアリングハンドル13又は昇降レバー9からの手の移し換え等を行わずに容易に行うことができ、昇降レバー9による昇降の操作性がより向上する。なお昇降レバー9の先端部分の形状を、図5に示すように設定ボリューム18の回転操作部18aの先端側に昇降レバー9操作時の握り部19を設けたものとし、昇降レバー9の操作時の上記回転操作部18aの誤操作がより少なくなるようにしても良い。
【0014】一方図4に示されるようにコントロールユニット11の入力側には上記以外に、運転席6側でポジションレバー8による作業機の下降位置を設定する下限高さ設定ボリューム(ポテンショメータ)21,作業機の水平制御時の傾斜角度を設定する傾斜設定ボリューム(ポテンショメータ)22,耕深自動制御時の耕耘深さを設定する耕深設定ボリューム(ポテンショメータ)23や感度を設定する耕深感度設定ボリューム(ポテンショメータ)24又は切換スイッチ26,ローリング制御時のローリング感度設定ボリューム(ポテンショメータ)27又は切換スイッチ28等の作業機の昇降制御の設定を行う設定器が接続されている。
【0015】そして前述の高さ設定ボリューム18の代わりに、上記下限高さ設定ボリューム21又は傾斜設定ボリューム22又は耕深設定ボリューム23又は耕深感度設定ボリューム24又は耕深感度切換スイッチ26又はローリング感度設定ボリューム27又はローリング感度切換スイッチ28等を昇降レバー9の先端側に設けても良い。このとき耕深感度切換スイッチ26又はローリング感度切換スイッチ28等のスイッチ類は操作上回転切換式であることが望ましいが、シーソー式等他の形式のスイッチでも良い。
【0016】また昇降レバー9の先端側に1つ又は複数の設定ボリューム(ポテンショメータ)を設けるとともに、運転席側に切換用のスイッチ(図示せず)を設け、上記設定ボリュームが運転席6側の上記スイッチによる切り換えで上記いずれかの設定機能を有するように構成してもよい。以上のように上記各設定ボリュームや切換スイッチ等の設定器を1つ又は複数昇降レバー9に取り付けることで、昇降レバー9に取り付けられている設定器によって行う昇降制御の設定をステアリングハンドル13等から手の移し換え等を行わずに容易に行うことができ、昇降制御設定等の操作性がより向上する。
【0017】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造によれば、ステアリングハンドル近傍に設けられた昇降レバーによって作業機を昇降させることができるが、このとき作業機の昇降制御を設定する設定ボリューム等の設定器が昇降レバー側に一体的に取り付けられているため、該設定器によって行う昇降制御の設定をステアリングハンドル等を持ったまま手の移し換え等を行わずに容易に行うことができ、昇降制御設定の操作性がより向上するという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月20日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
【公開番号】 特開平11−9009
【公開日】 平成11年(1999)1月19日
【出願番号】 特願平9−180682