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【発明の名称】 移動収穫機
【発明者】 【氏名】小松 正寛

【氏名】永島 新治

【要約】 【課題】油圧パイプが前処理部と支持フレームとの間に挟まれないようにするとともに、油圧パイプの配管作業を容易に行えるようにする。

【解決手段】走行機体1の一側方にオイルタンク15を配設し、支持フレーム8に穿設された孔8a,8bにオイルタンク15と油圧変速装置12および油圧ポンプ11とをそれぞれ接続する油圧パイプ16a,16b,17a,17bを貫通させるようにした。これによりオイルタンク15からのオイルを油圧ポンプ11に給排させて走行機体1や、前処理部2などを作動させるとともに、オイルタンク15からのオイルを油圧変速装置12に給排させて、この油圧変速装置12によってトランスミッション13の回転を変速してその出力を走行クローラ14に伝達する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体と前処理部との間に配置され、該前処理部を昇降駆動する油圧シリンダ装置と、エンジン出力軸と走行部との間に介在し、前記エンジン出力軸の回転を変速して前記走行部に伝達する油圧変速装置と、前記油圧シリンダ装置および前記油圧変速装置にオイルを給排するオイルタンクと、を備えた移動収穫機において、前記走行機体の前部に、前記前処理部を支持する支持フレームを配置するとともに、その一側方に前記オイルタンクを配置し、前記支持フレームに孔を穿設し、該孔に、前記オイルタンクと前記油圧変速装置とを接続する油圧パイプを貫通させて配設した、ことを特徴とする移動収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンバインなどの移動収穫機に係り、詳しくはエンジン出力軸の回転を変速して走行部に伝達する油圧変速装置を有する移動収穫機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、移動収穫機は、脱穀装置を有する走行機体と、この走行機体に対して油圧シリンダ装置によって昇降される前処理部とを備えたもので、走行機体に搭載されるエンジンの出力軸とクローラ走行装置などを有する走行部との間には、エンジンの出力軸の回転を変速して走行部に伝達する油圧変速装置(以下「HST」という)が介在されるともに、油圧シリンダ装置およびHSTにオイルを給排するオイルタンクが設けられている。
【0003】すなわち、エンジンの動力は、エンジンプーリから走行ベルトでHSTの入力プーリに伝達され、このHSTからトランスミッションを経てトランスミッションのドライブシャフトによりクローラ走行装置が駆動される。
【0004】ところで、HSTは、閉回路で接続された一対の油圧ポンプと油圧モータとの間に、オイルフィルタ、チャージポンプ、低圧リリーフバルブおよびチェック&高圧リリーフバルブを組合せて構成され、これらをトランスミッションケースに直結されたものである。
【0005】そして、オイルタンクからHSTにオイルを供給させるために、HST駆動用の油圧パイプおよびオイルの供給を制御する配線を、穀稈を刈取り搬送する前処理部を支持する支持フレームの前側を通して配設させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の移動収穫機は、HST駆動用の油圧パイプおよびその配線を支持フレームの前側を通して配設させているので、前処理部を支持するメインフレームと支持フレームとの間に油圧パイプやその配線が挟まれないようにするために、油圧パイプを複雑に屈曲させる必要があり、油圧パイプの配管作業が煩雑であるという問題があった。
【0007】また、油圧パイプの垂れ下がりを防止する保持部材を備える必要が生じ、構造および製作手数が掛るという問題点があった。
【0008】この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、油圧パイプが前処理部と支持フレームとの間に挟まれないようにし、油圧パイプの配管作業を容易に行えるようにした移動収穫機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、上記目的を達成するため、この発明に係る移動収穫機では、走行機体(1)と前処理部(2)との間に配置され、該前処理部(2)を昇降駆動する油圧シリンダ装置(10)と、エンジン出力軸(13)と走行部(14)との間に介在し、前記エンジン出力軸(13)の回転を変速して前記走行部(14)に伝達する油圧変速装置(12)と、前記油圧シリンダ装置(10)および前記油圧変速装置(12)にオイルを給排するオイルタンク(15)と、を備えたものであって、前記走行機体(1)の前部に、前記前処理部(2)を支持する支持フレーム(8)を配置するとともに、その一側方に前記オイルタンク(15)を配置し、前記支持フレーム(8)に孔(8a,8b)を穿設し、該孔(8a,8b)に、前記オイルタンク(15)と前記油圧変速装置(12)とを接続する油圧パイプ(17a,17b)を貫通させて配設したことを特徴とする。
【0010】[作用]以上の構成に基づき、走行機体(1)の一側方にオイルタンク(15)を配設し、支持フレーム(8)に穿設された孔(8a,8b)に前記オイルタンク(15)と油圧変速装置(12)とを接続する油圧パイプ(17a,17b)を貫通させる。これにより前記オイルタンク(15)からのオイルを前記油圧変速装置(12)に給排させて、該油圧変速装置(12)によってエンジン出力軸(13)の回転を変速してその出力を走行部(14)に伝達する。
【0011】なお、上述の括弧内の符号は、図面を対照するためのものであって、この発明の構成を何ら限定するものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1は、この発明の第1の実施の形態に係る移動収穫機を示す側面図、図2は、同上の要部を拡大して示す側面図、図3は、移動収穫機の走行機体前方からみた正面図、図4は、図3の平面図である。
【0014】図1において、移動収穫機は、走行機体1の前部に走行機体1に対して昇降自在に前処理部2を備え、この前処理部2によって穀稈の引起こし、刈取りおよび搬送を行い、走行機体1に搭載されている脱穀装置3により穀粒の脱穀を行うようにしている。
【0015】すなわち、一方の前処理部2には、引起こし装置4、刈取装置5および穀稈搬送装置6が備えられている。そして、走行機体1の左右方向に伝動ケース7を延出させており、この伝動ケース7内を挿通する図示を省略した動力伝達機構によって引起こし装置4や刈取装置5などが動力を伝達されるように構成されている。
【0016】伝動ケース7は、走行機体1の前部に取り付けられた支持フレーム8に支持されるとともに、伝動ケース7に連設されているメインフレーム9によって前処理部2を支持させている。そして、このメインフレーム9と走行機体1との間には、図2に示すように前処理部2を昇降させる油圧シリンダ装置10が配置されている。
【0017】また、他方の走行機体1には、グレンタンク(図示省略)の回動や走行機体1の方向制御時にオイルを給排する油圧ポンプ11と、エンジン(図示省略)の回転を変速する油圧変速装置としてのHST12と、このHST12によって変速された回転がエンジン出力軸としてのトランスミッション13を介して伝達される走行部としての左右一対の走行クローラ14と、油圧ポンプ11およびHST12にオイルを給排するオイルタンク15とが備えられ、HST12には油圧ポンプ(図示省略)および油圧モータ(図示省略)が内蔵されている。
【0018】すなわち、HST12は、閉回路で接続された一対の油圧ポンプと油圧モータとにオイルフィルタ、チャージポンプ、低圧リリーフバルブおよびチェックアンド高圧リリーフバルブを組合せて構成されたものである。
【0019】このオイルタンク15は、走行機体1の一側方に配置され、HST12は支持フレーム8を挟んだ他側方に配置されている。そして、オイルタンク15と油圧ポンプ11およびHST12との間には、支持フレーム8に穿設された孔8aおよび孔8bを貫通して油圧ポンプ作動用の油圧パイプ16a,16bおよびHST作動用の油圧パイプ17a,17bがそれぞれ接続されている。
【0020】本実施の形態の移動収穫機は、上述のように構成されているので、HST12がエンジンからの入力回転をHST油圧ポンプで油圧に変換して油圧モータを作動させることにより出力回転を得る。そして、この出力回転は、トランスミッション13を介して走行クローラ14に伝達される。
【0021】また、オイルタンク15に接続された油圧パイプ16a,16bは、グレンタンクの整備点検時に回動させたり、走行機体1の方向を制御させたり、油圧シリンダ装置10にオイルを給排して前処理部2を昇降駆動させる際に、油圧ポンプ11にオイルを給排する。同様に、オイルタンク15に接続された油圧パイプ17a,17bは、トランスミッション13の回転を変速する際に、HST12にオイルを給排する。
【0022】トランスミッション13の回転を変速して伝達するHST12にオイルを給排する際の油圧パイプ17a,17bを支持フレーム8の孔8a,8bを貫通させて配設するとともに、油圧ポンプ11にオイルタンク15からオイルを給排する際の油圧パイプ16a,16bを支持フレーム8の孔8a,8bを貫通させて配設しているので、前処理部2と支持フレーム8との間に油圧パイプ16a,16b,17a,17bが挟まれることがなくなるとともに、油圧パイプ16a,16b,17a,17bが前処理部2の昇降の妨げとならないことになる。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなようにこの発明によれば、走行機体の一側方にオイルタンクを配設し、支持フレームに穿設された孔に前記オイルタンクと油圧変速装置とを接続する油圧パイプを貫通させるようにしたので、油圧パイプが前処理部と支持フレームとの間に挟まれず、また油圧パイプの配管作業を容易に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成9年(1997)6月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】近島 一夫
【公開番号】 特開平11−3
【公開日】 平成11年(1999)1月6日
【出願番号】 特願平9−155572