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【発明の名称】 情報伝達システム及びその制御方法
【発明者】 【氏名】高沢 秀明
【氏名】武地 永次
【課題】2種以上のシステムを統合した場合にも、朝及び午後の業務開始時刻前に初期情報の送信を完了し、確実に取引情報の送信を行うことができる情報伝達システム及びその制御方法を提供する。

【解決手段】ホストコンピュータ2′が、前取引終了後のメンテナンス時間に初期情報を各分岐局6に送信し、各分岐局6のDCE10,10′が初期情報を受信して記憶部12に記憶し、取引開始直前に、ホストコンピュータ2′が開始コマンドを各分岐局6に送信し、各分岐局6のDCE10,10′が開始コマンドを受信すると記憶部12に記憶しておいた初期情報を各システムの端末4a,4bに出力して表示させる情報伝達システム及びその制御方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 情報を送出するシステムを複数統合して複数システム用の情報を送信する中央装置と、前記中央装置に階層構造的に接続する分岐局と、前記分岐局に接続する各システム用の端末とを有する情報伝達システムにおいて、前記分岐局に記憶部を有する制御装置を設け、前記制御装置が、前記中央装置から送信される取引業務開始に必要な各システム用の初期情報を前記記憶部に格納し、前記記憶部から前記各システム用の端末に対応する初期情報を分配する制御装置であり、前記中央装置が、取引業務終了後に複数システム用の次取引の初期情報を予め前記分岐局の制御装置へ送信し、前記次取引の業務開始前に前記分岐局の制御装置内の記憶部に格納された初期情報を前記各システム用の端末に分配する命令を前記分岐局の制御装置へ送信する中央装置であることを特徴とする情報伝達システム。
【請求項2】 中央装置が、取引業務終了後に複数システム用の次取引の初期情報を分岐局の制御装置に送信し、前記制御装置が、受信した前記初期情報を前記制御装置内の記憶部に格納し、前記次取引開始前に、前記中央装置が、前記制御装置内の記憶部に格納された初期情報を各システム用の端末に分配する命令を前記分岐局の制御装置に送信し、前記制御装置が、前記命令を受信すると、前記記憶部内の初期情報を各システム用の端末に分配することを特徴とする請求項1記載の情報伝達システムの制御方法。
【請求項3】 最上位の分岐局を除く他の分岐局の制御装置は、受信した複数システム用の次取引の初期情報及び命令に対して応答信号を上位の分岐局へ返送する制御装置であることを特徴とする請求項1記載の情報伝達システム。
【請求項4】 最上位の分岐局を除く他の分岐局の制御装置が、複数システム用の次取引の初期情報及び命令を受信すると、前記受信に対する応答信号を上位の分岐局に返送することを特徴とする請求項3記載の情報伝達システムの制御方法。
【請求項5】 最上位の分岐局の制御装置は、表示部を有し、受信した応答信号の内容が初期情報又は命令の送信に異常が発生したことを示す信号である場合、または前記初期情報又は前記命令に対して応答がない場合に、前記初期情報又は前記命令の送受信が異常であると判断し、異常のある分岐局を前記表示部に表示する制御装置であることを特徴とする請求項3記載の情報伝達システム。
【請求項6】 最上位の分岐局の制御装置が、応答信号の有無又は前記応答信号の内容により初期情報又は命令の送受信の異常を判断し、異常のある分岐局を表示部に表示させることを特徴とする請求項5記載の情報伝達システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上位から下位へ単方向に株価等の情報を伝達する情報伝達システム及びその制御方法に係り、特に、2種類以上のシステムを統合した場合にも、初期情報の送信を取引開始時刻前に完了し、確実に取引情報の送信を行うことができる情報伝達システム及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】株価等の情報を単方向に伝達する従来の情報伝達システムとしては、図6に示すようなものがあった。図6は、従来の情報伝達システムのシステム概略図である。図6に示すように、従来の情報伝達システムは、東京、大阪等の各地の証券取引所のシステム1からの情報をホストコンピュータ2によって集計し、集計結果を分配装置3に送出し、分配装置3によって各証券会社等に設けられた単向回線システム用端末(端末)4に情報を分配し、端末4において情報を表示するものがあった。
【0003】図6では、端末4aに表示させるAシステム1aからの情報は、Aシステム用のホストコンピュータ2aによって集計され、単向回線5aを介して分配装置3aに送出され、更に、単向回線5aを介してAシステムの情報専用の各端末4aに分配され、表示される。同様にして、Bシステム1bからの情報は、Bシステム用のホストコンピュータ2bで集計され、単向回線5bを介して分配装置3b、Bシステムの情報専用の端末4bに送出され、端末4bにおいて表示されるようになっていた。
【0004】AシステムとBシステムは、取り扱う主要情報は同一であるが、初期情報、データ配列、単向回線の速度等が異なり、ここでは、Aシステムの回線速度をBシステムの回線速度より高速としている。
【0005】また、図6のシステムでは、表示させる端末4に合わせて、情報システム毎に別個の単向回線5を用いて情報の伝達を行っていたが、回線を共用にして統合したシステムとして、図7に示すような情報伝達システムがある。図7は、A,Bシステムを統合した情報伝達システムのシステム概略図である。図7に示すように、統合された情報伝達システムでは、Aシステム1aのホストコンピュータ及びBシステム1bのホストコンピュータからの情報をどちらもホストコンピュータ2が、それぞれ集計して単一の単向回線5を介して分配装置3へ送出し、分配装置3から各端末4aへ及びBシステムの端末情報に変換する変換装置9を介して端末4bに分配する。ここで、端末4aにはAシステムの情報及びBシステムの初期情報が、端末4bにはBシステムの情報がそれぞれ選択的に送出されるものである。尚、端末4aにおいては、Bシステムの情報は受け捨てるものとする。
【0006】ここで、従来の情報伝達システムにおける情報送信のタイミングについて図8及び図9を用いて説明する。図8(a)は、図6に示した従来の端末Aシステムのホストコンピュータにおける情報送信のタイミングチャート図であり、図8(b)は、従来の端末Bシステムのホストコンピュータにおける情報送信のタイミングチャート図であり、図8(c)は、図7に示した統合システム(端末A、B混在システム)のホストコンピュータにおける情報送信のタイミングチャート図である。また、図9(a)〜(c)は、A,Bシステムを統合した情報伝達システムにおけるシステム利用時間のタイミングチャート図である。
【0007】図8に示すように、従来の情報伝達システムでは、業務開始時刻(t2 )前の初期情報送信開始時刻(t1 )になると、ホストコンピュータ2が管理している最新情報を、初期情報として各端末4に向けて送信する。初期情報は、端末で処理される全ての銘柄についての情報を含むものであるから、情報量が多くなっている。そして、取引業務が開始されると、以後は取引情報をホストコンピュータ2は分配装置3を介して各端末4に送出している。
【0008】図8(a)及び(b)に示すように、ホストコンピュータ2は、端末システム毎に別個に情報を伝達している場合には、時刻t1 から初期情報の送信を始めて、業務開始時刻(t2 )までには初期情報の送信は全て終了し、業務が開始されると何時でも取引情報を送信できる状態になっているものである。
【0009】また、通常、昼休みには取引が一旦中止され、午後から再開されるが、図9(a)(b)に示すように、午後の業務開始時間(t3 )前に、朝の業務開始前の送信と全く同様に、ホストコンピュータ2は、初期情報のバックアップとして各端末4に送信するようにしている。尚、取引業務終了後の時間は、ホストコンピュータ2におけるホストファイルメンテナンス時間に割り当てられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の統合した情報伝達システムでは、単一の単向回線によって端末Aシステムと端末Bシステムの初期情報を各々送信しなければならないため、図8(c)に示すように、時刻t1 から端末Aシステムに対する初期情報の送信を開始したとしても、端末Bシステムでは端末Aシステムへの初期情報の送信が終了してから端末Bシステムに対する初期情報の送信が開始されることになり、図8(c)の場合では業務開始時刻(t2 )前には送信すべき情報の送信が終了せず、業務開始時刻(t2 )に間に合わないという問題点があった。
【0011】また、図9(c)に示すように、午後の取引開始前の初期情報の送信においても、従来の統合した情報伝達システムでは、午後の業務取引開始時刻(t3 )前に端末Bシステムに対する送信すべき情報の送信が終了せず、取引情報を送信できない場合があるという問題点があった。
【0012】本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、2種類以上のシステムを統合した場合にも、朝及び午後の業務開始時刻前に初期情報の送信を完了し、確実に更新情報の送信を行うことができる情報伝達システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記従来例の問題点を解決するための請求項1記載の発明は、情報を送出するシステムを複数統合して複数システム用の情報を送信する中央装置と、前記中央装置に階層構造的に接続する分岐局と、前記分岐局に接続する各システム用の端末とを有する情報伝達システムにおいて、前記分岐局に記憶部を有する制御装置を設け、前記制御装置が、前記中央装置から送信される取引業務開始に必要な各システム用の初期情報を前記記憶部に格納し、前記記憶部から前記各システム用の端末に対応する初期情報を分配する制御装置であり、前記中央装置が、取引業務終了後に複数システム用の次取引の初期情報を予め前記分岐局の制御装置へ送信し、前記次取引の業務開始前に前記分岐局の制御装置内の記憶部に格納された初期情報を前記各システム用の端末に分配する命令を前記分岐局の制御装置へ送信する中央装置であることを特徴としており、初期情報を各端末に分配するのに時間がかからず、次取引の業務開始前までに分配作業が終了するため、業務開始時に取引情報を確実に送信できる。
【0014】上記従来例の問題点を解決するための請求項2記載の発明は、請求項1記載の情報伝達システムの制御方法において、中央装置が、取引業務終了後に複数システム用の次取引の初期情報を分岐局の制御装置に送信し、前記制御装置が、受信した前記初期情報を前記制御装置内の記憶部に格納し、前記次取引開始前に、前記中央装置が、前記制御装置内の記憶部に格納された初期情報を各システム用の端末に分配する命令を前記分岐局の制御装置に送信し、前記制御装置が、前記命令を受信すると、前記記憶部内の初期情報を各システム用の端末に分配することを特徴としており、初期情報を各端末に分配するのに時間がかからず、次取引の業務開始前までに分配作業が終了するため、業務開始時に取引情報を確実に送信できる。
【0015】上記従来例の問題点を解決するための請求項3記載の発明は、請求項1記載の情報伝達システムにおいて、最上位の分岐局を除く他の分岐局の制御装置は、受信した複数システム用の次取引の初期情報及び命令に対して応答信号を上位の分岐局へ返送する制御装置であることを特徴としており、応答信号を管理する最上位の分岐局は初期情報及び命令の送受信状況を容易に把握できる。
【0016】上記従来例の問題点を解決するための請求項4記載の発明は、請求項3記載の情報伝達システムの制御方法において、最上位の分岐局を除く他の分岐局の制御装置が、複数システム用の次取引の初期情報及び命令を受信すると、前記受信に対する応答信号を上位の分岐局に返送することを特徴としており、応答信号を管理する最上位の分岐局は初期情報及び命令の送受信状況を容易に把握できる。
【0017】上記従来例の問題点を解決するための請求項5記載の発明は、請求項3記載の情報伝達システムにおいて、最上位の分岐局の制御装置は、表示部を有し、受信した応答信号の内容が初期情報又は命令の送信に異常が発生したことを示す信号である場合、または前記初期情報又は前記命令に対して応答がない場合に、前記初期情報又は前記命令の送受信が異常であると判断し、異常のある分岐局を前記表示部に表示する制御装置であることを特徴としており、最上位の分岐局は初期情報及び命令の送受信状況を容易に把握できる。
【0018】上記従来例の問題点を解決するための請求項6記載の発明は、請求項5記載の情報伝達システムの制御方法において、最上位の分岐局の制御装置が、応答信号の有無又は前記応答信号の内容により初期情報又は命令の送受信の異常を判断し、異常のある分岐局を表示部に表示させることを特徴としており、最上位の分岐局は初期情報及び命令の送受信状況を容易に把握できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る情報伝達システムでは、複数の情報システムから株価等の情報を取り込み、単方向で送信する1つのホストコンピュータと、ホストコンピュータから送信される株価等の情報を受信して表示する複数の情報システム用の端末とを接続するネットワークを、複数の分岐局を介して階層構造的(ツリー状)に構成し、各分岐局内に情報の送受信、情報の蓄積、分岐局間制御の機能を持つ単向回線制御装置(Data Control Equipment:以降DCEと記述する)を設けている。
【0020】そして、本実施の形態の情報伝達システムの制御方法では、ホストコンピュータは取引終了後のメンテナンス時間に、各情報システム毎に次の取引開始の為の初期情報(単に初期情報と記述する)を各DCEに送信し、各DCEは受信した初期情報を記憶部に蓄積しておく。そして、次の取引開始直前に、ホストコンピュータは開始コマンドを各DCEに送信し、各DCEは開始コマンドを受信すると、DCE内の記憶部に蓄積されている初期情報を接続されている各情報システムの端末に送信するようになっている。
【0021】まず、本発明の実施の形態に係る情報伝達システムの概略構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る情報伝達システムの概略構成ブロック図である。尚、図6,図7と同様の構成をとる部分については同一の符号を付して説明する。
【0022】本実施の形態の情報伝達システムは、従来の情報伝達システムと同様の部分として、Aシステム1a用の端末(以降A端末と記述する)4aと、Bシステム1b用の端末(以降B端末と記述する)4bとから構成され、更に本実施の形態の特徴部分として、ツリー構造のネットワークの分岐点に分岐局6が設けられ、分岐局同士が幹線7で接続され、各分岐局6にA端末4aとB端末4bとがローカル線8で接続され、最上位の分岐局6にホストコンピュータ2′が接続されている。そして、ホストコンピュータ2′にはAシステム1aとBシステム1bとが接続されている。
【0023】次に、本実施の形態の情報伝達システムの具体的構成について、図2を用いて詳しく説明する。図2は、本実施の形態の情報伝達システムの構成ブロック図である。本実施の形態の情報伝達システムは、図2に示すように、基本的に、ホストコンピュータ2′と、最上位の分岐局6-1と、その他の分岐局6-2〜6-6と、各分岐局に接続されたA端末4aとB端末4bとから構成されている。
【0024】そして、最上位の分岐局6-1は、本実施の形態の特徴部分であるホストコンピュータ2′に接続され、最上位の分岐局6-1とホストコンピュータ2′とでセンタを構成している。また、最上位の分岐局6-1は、単向回線制御装置(Data Control Equipment:以降DCEと記述する)10と、従来と同様のAシステム1a用の分配装置(図2では分配A)3aと、Bシステム1b用の分配装置(図2では分配B)3bとから構成されている。
【0025】そして、ホストコンピュータ2′と最上位の分岐局6-1内のDCE10とは従来と同様の単方向の専用線で接続され、DCE10に分配装置3aと分配装置3bとがローカル線8で接続され、更に、分配装置3aにA端末4aがローカル線8で接続され、分配装置3bにB端末4bがローカル線8で接続されている。また、DCE10には下位の分岐局(図2では分岐局6-2)のDCE10が幹線7で接続されている。
【0026】一方、その他の分岐局6-2〜6-6は、DCE10′と、Aシステム1a用の分配装置3aと、Bシステム1b用の分配装置3bとから構成され、DCE10′は上位の分岐局のDCE10′又は分岐局6-1のDCE10と幹線7で接続され、場合によっては下位の分岐局のDCE10′にも幹線7で接続されている。また、DCE10′には分配装置3aと分配装置3bとがローカル線8で接続され、更に、分配装置3aにA端末4aがローカル線8で接続され、分配装置3bにB端末4bがローカル線8で接続されている。
【0027】次に、本実施の形態の情報伝達システムの各構成要素について説明する。まず、本実施の形態のホストコンピュータ2′は、従来と同様に、複数の情報システム1(図1ではAシステム1aとBシステム1b)から株価等の取引情報(以下単に取引情報と記述する)を取り込み、編集して送信する。そして、本実施の形態の特徴部分として、ホストコンピュータ2′は、従来取引開始直前に端末に送信していた各システム1a,1bの初期情報を、前取引終了後のメンテナンス時間に送信し、取引開始直前には、既に送信してある初期情報の出力指示である開始コマンドを送信するようになっている。
【0028】そして、幹線7は、4ワイヤ線(4W)の専用線で、その内の2ワイヤを各種情報送信用に使用し、他の2ワイヤを情報に対する応答用に使用するもので、双方向の送受信が可能となっている。また、ローカル線8は、2ワイヤ線(2W)の専用線で、各種情報送信用に使用し、単方向の送信が行われるものである。
【0029】そして、最上位の分岐局6-1のDCE10は、ホストコンピュータ2′から送信される全ての情報を受信し、その形式、速度を変更せずに下位側の幹線7に出力すると共に、ホストコンピュータ2′から送信された情報の種類に応じた処理を行い、一方、下位側の幹線7から受信した下位側分岐局6-2〜6-6からの上位に送信される信号を監視し、その状態を表示する。これにより、異常が発生した場合には、システム運用者によって対応操作が為されるものである。
【0030】ここで、ホストコンピュータ2′から送信される情報とは、初期情報と、取引情報と、開始コマンドの3種類である。初期情報とは、各情報システムの次の取引開始時にベースとなる銘柄定義等の情報で、比較的データ量の多い情報である。また、取引情報は、取引業務の過程で発生したデータの情報である。そして、開始コマンドは、予め送信しておいた初期情報を各システムの端末に出力する指示を示す情報である。
【0031】そして、ホストコンピュータ2′から送信される情報の種類に応じた処理とは、受信した情報が初期情報の場合は該初期情報を記憶し、受信した情報が取引情報の場合は、一時的に記憶して出力する端末の仕様に合わせて速度等を変換し、分配装置3a,3bを介して端末4a,4bに出力し、受信した情報が開始コマンドの場合は、記憶しておいた初期情報を、出力する端末の仕様に合わせて変換し、分配装置3a,3bを介して端末4a,4bに出力するものである。
【0032】一方、最上位の分岐局6-1以外の分岐局のDCE10′は、上位側分岐局のDCE10又はDCE10′から送信される全ての情報を上位側の幹線7を介して受信し、下位側に分岐局がある場合は、その形式、速度を変更せずに下位側の幹線7に出力すると共に、上位側分岐局から送信された情報の種類に応じた処理を行い、更に、受信結果の応答を上位側の幹線7に送出して上位側の分岐局に送信する。但し、下位側の幹線7を介して下位側分岐局からの応答を受信すると、そのまま上位側の幹線7に送出して、上位側の分岐局に送信する。
【0033】ここで、上位側分岐局から送信された情報とは、上述したホストコンピュータ2′から送信される情報と全く同様である。更に上位側分岐局から送信された情報の種類に応じたDCE10′での処理も、上述したホストコンピュータ2′から送信される情報の種類に応じた最上位の分岐局6-1のDCE10での処理と全く同様である。
【0034】次に、本実施の形態の特徴部分である単行回線制御装置(DCE)10の構成について、図3を用いて詳しく説明する。図3は、本実施の形態のDCE10の内部構成及びその周辺部分の構成ブロック図である。尚、図3では、説明を簡単にするためにセンタの分岐局6-1のDCE10のみの内部構成を詳しく示している。
【0035】本実施の形態のDCE10は、図3に示すように、送受信部11と、記憶部12と、表示部13と、変調部14と、I/O部15と、制御部16とから基本的に構成されている。
【0036】更に、各部の働きを具体的に説明する。送受信部11は、ホストコンピュータ2′の初期情報、取引情報、開始コマンドを受信し、そのまま下位側の幹線7を介して下位側分岐局へ初期情報、取引情報、開始コマンドを送信し、また下位側分岐局から下位側の幹線7を介して確認応答を受信するものである。尚、下位側の分岐局のDCE10′における送受信部は、初期情報等を上位側の分岐局から受信して更に下位側の分岐局へ送信し、また下位側の分岐局からの確認応答等を受信して、上位側の分岐局へ送信するものである。
【0037】記憶部12は、RAM又はハードディスク等で構成され、受信した情報を蓄積、又は一時的に記憶する部分である。具体的には、取引終了後のメンテナンス時間にホストコンピュータ2′から送信された初期情報を蓄積し、そして、次の取引開始直前に、ホストコンピュータ2′から開始コマンドが送信されると読み出されるようになっている。また、取引業務時間中にホストコンピュータ2′から取引情報を受け取ると、表示する端末の仕様に合わせて表示形式や表示速度等を変換するために取引情報を記憶部12に一次的に記憶するようになっている。
【0038】次に、表示部13は、LED(Light Emitting Diode)、ランプ、又はLCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、DCE10又は回線の状態、及び初期情報と開始コマンドの送信状態を表示するものである。
【0039】また、変調部14は、記憶部12に蓄積又は一時記憶された情報を変調してローカル線8に送信する部分である。図3では、DCE10にAシステム用の変調部14a及びBシステム用の変調部14bが設けられている。
【0040】尚、記憶部12、表示部13、変調部14については、センタの分岐局6-1のDCE10内部のそれらと、その他の分岐局のDCE10′内部のそれらとが同様の機能を有するものである。
【0041】次に、I/O部15は、外部モニタ(パソコン、端末)を接続するためのインターフェイス部分である。例えば、センタの分岐局6-1のDCE10で、その他の分岐局における初期情報や開始コマンドの受信状態を監視し、受信異常が発生した場合に、その対応等の操作を行う場合に使用するものである。
【0042】そして、制御部16は、DCE内部の制御を行う部分で、センタの分岐局6-1のDCE10の制御部16と、その他の分岐局のDCE10′の制御部とは、制御方法が異なる点がある。
【0043】まず、センタの分岐局6-1のDCE10の制御部16とその他の分岐局のDCE10′の制御部と共通する点は、ホストコンピュータ2′から送信され、送受信部11で受信した初期情報を記憶部12に格納し、更にホストコンピュータ2′から送信される開始コマンドにより各システム用の端末4a,4bに対応する初期情報を対応する変調部14a,14bに送出する。
【0044】また、ホストコンピュータ2′から送信され、送受信部11で受信した取引情報を記憶部12に一時的に記憶し、各システム用の端末4a,4bに対応する取引情報を対応する変調部14a,14bに送出する。
【0045】次に、センタの分岐局6-1のDCE10の制御部16とその他の分岐局のDCE10′の制御部と相違する点は、その他の分岐局のDCE10′の制御部が、初期情報及び開始コマンドに対して確認応答を上位側の分岐局へ返送するものであり、センタの分岐局6-1のDCE10の制御部16が、下位側の分岐局から返送された確認応答を受信し、初期情報及び開始コマンドに対する応答状態を表示部13に出力するものである。
【0046】つまり、センタの分岐局6-1のDCE10の制御部16は、確認応答の応答信号を管理する手段を有しており、応答信号に付加された各分岐局6のID(固有番号)から各分岐局6での初期情報又は開始コマンドの受信状況を管理把握し、必要に応じて表示部13に表示を行うものである。尚、表示部13での応答状態の表示は、確認応答について為されるが、それ以外でも初期情報及び開始コマンドの送信に対して応答がない場合に、「応答なし」を意味する表示が為されるものである。
【0047】ここで、確認応答とは、初期情報と開始コマンドを正常に受信した場合に下位側の分岐局のDCE10′の制御部から上位側の分岐局のDCE10,10′に返送される応答信号のとこである。また、応答信号には、発信元を識別するために各分岐局6のIDが付加されて返送されるようになっている。
【0048】また、その他の分岐局のDCE10′の制御部は、下位側の分岐局のDCE10′から確認応答の応答信号を受信すると、そのまま上位側の分岐局へ送信するものである。
【0049】次に、最上位の分岐局6-1を除く他の分岐局のDCE10′の制御部の処理について具体的に図4を使って説明する。図4は、本実施の形態の分岐局6-2のDCE10′の制御部の処理フローを示すフローチャート図である。ここでは、説明を簡単にするために、分岐局6-2のDCE10′の制御部の処理を重点的に説明するものである。
【0050】分岐局6-2のDCE10′の制御部の処理は、図4に示すように、送受信部11で受信したデータの種別を判別し(101)、「初期情報」であれば初期情報が正常に受信されたかどうかの判定が為され(110)、初期情報が正常に受信されたならば、記憶部12に初期情報を格納し(112)、上位側の分岐局に「確認応答」を送受信部11から送信して(113)、処理を終了する。
【0051】処理101で、受信データが「取引情報」であれば、記憶部12に取引情報を格納し(120)、その後、対象システムの端末4に対応する変調部14に取引情報を送出して(121)、処理を終了する。
【0052】処理101で、受信データが「開始コマンド」であれば、開始コマンドが正常に受信されたかどうかの判定が為され(130)、開始コマンドが正常に受信されたならば、記憶部12から初期情報を読み込み(132)、その後、対象システムの端末4に対応する変調部14に初期情報を送出し(133)、上位側の分岐局に「確認応答」を送受信部11から送信して(134)、処理を終了する。
【0053】処理101で、受信データが「下位からの応答」であれば、上位側の分岐局に当該応答信号を送受信部11から送信して(140)、処理を終了する。但し、本実施の形態では、自分岐局の応答信号も下位側の分岐局の応答信号もそれぞれ独立したタイミングで送信しているが、自分岐局の応答信号に下位側の分岐局の応答信号を付加してまとめて上位側の分岐局に送信しても構わない。また、処理113,134における応答信号には、上位側の分岐局が当該応答信号の発信元を認識できるように、分岐局のID(固有番号)を付加して送信するものである。
【0054】上述のように、分岐局6-2のDCE10′の制御部で処理が為されるものである。そして、分岐局が最下位の分岐局であれば、「下位からの応答」がないため、図4での処理140はないことになる。また、分岐局が最上位の分岐局であれば、上位側へ応答信号を返送する必要がないが、最上位の分岐局における「初期情報」「開始コマンド」の受信状態を管理する必要はあるので、分岐局6-1のDCE10の制御部16内の受信状態を管理する手段に応答信号を出力することになる。つまり、処理113,134,140では、上位側の分岐局に対してではなく、受信状態を管理する手段に対しての出力となるものである。
【0055】次に、本実施の形態の情報伝達システムの制御方法について図5を使って説明する。図5は、本実施の形態の情報伝達システムの制御方法を示すタイミングチャートであって、特に本実施の形態の分岐局6-2での処理のタイミングチャート図である。尚、図2の構成のシステムをモデルとしている。取引等が行われた業務時間終了後のホストファイルメンテナンス時間に、ホストコンピュータ2′は、次の取引開始のための初期情報をツリー状に接続する分岐局に送信するものである。図5(a)では、ホストコンピュータ2′からの初期情報(システムA,B用の初期情報)が分岐局6-1を介して分岐局6-2へ送信された例が示されている。
【0056】そして、分岐局6-3は、DCE10′内の記憶部で初期情報を格納し、分岐局6-2へ応答信号(ACK)を返送することになる(図5(b)参照)。同様に、分岐局6-5,6-6からも分岐局6-4へACKが返送され、更に分岐局6-4から分岐局6-4,6-5,6-6のACKが分岐局6-2へ返送されるものである(図5(c)参照)。すると、分岐局6-2は、最上位の分岐局6-1に分岐局6-2,6-3,6-4,6-5,6-6のACKを返送するものである(図5(d)参照)。
【0057】更に、翌日又は休息等で業務中断後の業務開始時間の直前に、ホストコンピュータ2′は、全ての分岐局6に対して開始コマンドを送信する(図5(a)参照)。この開始コマンドにより分岐局6-2は、DCE10′の記憶部12に記憶されていた各システム用の初期情報を各システム用の端末4に分配する。具体的には、Aシステム用の端末4aにはそのシステム用の初期情報を分配し(図5(e)参照)、Bシステム用の端末4bにはそのシステム用の初期情報を分配する(図5(e)参照)。
【0058】また、開始コマンドの送信に関しても、初期情報の送信と同様に、分岐局6-2は、下位側の分岐局から応答信号(ACK)を受信し(図5(b)(c)参照)、更に最上位の分岐局6-1に自己のACKも含めてこれらACKを返送するものである(図5(d)参照)。ここで、ACKは、確認応答の応答信号を意味している。
【0059】本実施の形態の情報伝達システム及びその制御方法によれば、ホストコンピュータ2′から取引業務終了後のホストメンテナンス時間に予めそれぞれのシステム用の次取引の初期情報を全ての分岐局6に送信し、分岐局6のDCEでは受信した初期情報を記憶部12に格納し、更にホストコンピュータ2′から次取引の業務開始前に開始コマンドが全ての分岐局6に送信され、この開始コマンドを分岐局6のDCEが受信すると、記憶部12に格納していた初期情報を各システム用の端末に分配するものであるから、2種類以上のシステムを統合した場合にも、朝及び午後の業務開始時刻前に初期情報の送信を完了させることができ、取引業務開始後に確実に取引情報の送信を行うことができ、システムの信頼性を向上させることができる効果がある。
【0060】また、本実施の形態の情報伝達システム及びその制御方法によれば、ホストコンピュータ2′から送信される初期情報と開始コマンドについて、各分岐局6のDCEは正常に受信したかどうかの応答信号(確認応答又は無応答)を上位側の分岐局6に返送し、最上位の分岐局6-1のDCEが応答信号を管理して初期情報等の送信状態を表示部13に表示するようにしているので、システムの送受信状況を容易に把握でき、異常応答又は応答がない場合に最上位の分岐局6-1のDCE10内のI/O部15に接続できるにパソコン(外部モニタ)等で個別に下位の分岐局6に初期情報の再送を行えば、異常時に容易に対応でき、システムの保守を容易にできる効果がある。
【0061】また、従来の株価情報の伝達を行う情報伝達システムでは、業務開始前に初期情報を複数回送信していたが、本実施の形態の情報伝達システム及びその制御方法では、初期情報の送信に対する応答信号を最上位の分岐局6-1で管理しているので、初期情報の送信をエラーがない限り基本的には1回で済ませることができ、情報の送信量を低減できる効果がある。
【0062】
【発明の効果】請求項1,2記載の発明によれば、中央装置が、取引業務終了後に予め次取引の初期情報を分岐局の制御装置に送信して制御装置内の記憶部に格納し、次取引開始前に初期情報を分配する命令を中央装置が分岐局に送信すると、制御装置が、記憶部内の初期情報を各システム用の端末に分配する情報伝達システム及びその制御方法としているので、初期情報を各端末に分配するのに時間がかからず、次取引の業務開始前までに分配作業が終了するため、業務開始時に取引情報を確実に送信でき、システムの信頼性を向上させることができる効果がある。
【0063】請求項3,4記載の発明によれば、最上位の分岐局を除く他の分岐局の制御部は、初期情報及び命令を受信すると、上位の分岐局へ応答信号を返送する請求項1記載の情報伝達システム及びその制御方法としているので、応答信号を管理する最上位の分岐局は初期情報及び命令の送受信状況を容易に把握でき、システムの保守を容易にできる効果がある。
【0064】請求項5,6記載の発明によれば、最上位の分岐局の制御装置が、応答信号の有無又は前記応答信号の内容から初期情報又は命令の送受信の異常を判断し、異常のある分岐局を表示部に表示させる請求項3記載の情報伝達システム及びその制御方法としているので、最上位の分岐局は初期情報及び命令の送受信状況を容易に把握でき、システムの保守を容易にできる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000001122
【氏名又は名称】国際電気株式会社
【出願日】 平成8年(1996)7月3日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏 (外1名)
【公開番号】 特開平10−22998
【公開日】 平成10年(1998)1月23日
【出願番号】 特願平8−173685