| 【発明の名称】 |
レーザプラズマX線用真空紫外分光器 |
| 【発明者】 |
【氏名】川村 朋晃
【氏名】ジェイ・ジェイ・ドロネー
【氏名】林 孝好
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| 【要約】 |
【課題】高強度のX線を簡便に得る。
【解決手段】集光したレーザ光をターゲット1に照射すると、ターゲット1上のレーザ照射点6からX線が放射状に発生し、中空型ミラー2はこのX線を集める。ミラー2で集められたX線は平面回折格子3に導かれる。回折格子3によって分光されたX線は反射型回転放物面ミラー4によって出射スリット5上に集光される。こうして、所望の波長のX線を取り出すことができる。中空型ミラー2をレーザ照射点6の近傍に配設して、ミラー2の内面でプラズマX線を反射させることにより、放射状に発散するX線をより多く集めることができ、高強度のX線を簡便に得ることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 レーザ光をターゲットに照射して誘起されるプラズマからX線を発生させるX線発生装置と、真空紫外線及び軟X線を分光して出射スリットに入射させる反射型回折格子とを備えたレーザプラズマX線用真空紫外分光器において、前記ターゲットのレーザ照射点近傍に、発生した真空紫外線及び軟X線を収集して反射型回折格子に導く中空型ミラーを配設したことを特徴とするレーザプラズマX線用真空紫外分光器。 【請求項2】 請求項1記載のレーザプラズマX線用真空紫外分光器において、前記反射型回折格子と出射スリットの間に集光用ミラーを配設したことを特徴とするレーザプラズマX線用真空紫外分光器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光をターゲットに照射して誘起されるプラズマからX線を発生させるX線発生装置をX線源として、このX線から特定波長の真空紫外線及び軟X線を分光するレーザプラズマX線用真空紫外分光器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】集光したレーザ光を物質に照射すると、レーザ光が発生する熱によって生じたプラズマからX線が放射される。このX線から特定波長のX線を取り出す真空紫外分光器については、従来より種々の装置が知られている。例えば、入射スリットと出射スリットを用いたローランドタイプの真空紫外分光器を用いた例[Y.Horikawa,et al.,Optical Engeneering33巻5号、1721頁−1725頁(1994年)]、二枚の凹面ミラーを用い、ビームの集光と分光特性評価を狙った例[Yamamoto et al.,SPIE2010巻、152頁−159頁(1993年)]等がある。 【0003】図3は従来よく用いられている真空紫外分光器のブロック図である。この分光器は、基本的に入射スリット11、回折格子12、出射スリット13からなっており、入射スリット11から取り出した白色光を回折格子12で分光して出射スリット13上に結像させ、特定の波長を取り出す。取り出す波長を変えるためには、回折格子12を回転させる。ただし、この分光器をレーザプラズマX線源に用いる場合、利用できるX線量は入射スリット11の幅によって決まり、高強度のX線を得ることは難しい。 【0004】図4は従来の他の真空紫外分光器のブロック図である。この分光器は、レーザプラズマX線源のサイズが小さいことを利用した比較的高効率のものであり、レーザプラズマX線光源14から発した真空紫外線を反射型集光ミラー15で集めて、ミラー後方に設置した回折格子16で分光する。回折格子16で分光された真空紫外線は出射スリット17を通して取り出される。レーザプラズマX線源14のサイズは通常数百μm程度であり、このことを利用することにより、通常の分光器で必要な入射スリットを省くことができ、比較的強度の強いX線を得ることができる。しかし、この分光器では、トロイダルミラーや円筒ミラーからなる集光ミラー15がプラズマX線チャンバーとは別のチャンバー内に設けられており、レーザプラズマから放出されるX線を全て集めることは困難である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のレーザプラズマX線用真空紫外分光器では、発散X線の収集効率が悪く低強度のX線しか得られないという問題点があった。本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、高強度のX線を簡便に得ることができるレーザプラズマX線用真空紫外分光器を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記載のように、ターゲットのレーザ照射点近傍に、発生した真空紫外線及び軟X線を収集して反射型回折格子に導く中空型ミラーを配設するようにしたものである。このように、中空型ミラーをターゲットのレーザ照射点近傍に配設して、中空型ミラーの内面でプラズマX線を反射させることにより、レーザ照射点から放射状に発散するX線をより多く集めることができる。また、請求項2に記載のように、反射型回折格子と出射スリットの間に集光用ミラーを配設するようにしたものである。 【0007】 【発明の実施の形態】図1(a)は本発明の第1の実施の形態を示すレーザプラズマX線用真空紫外分光器のブロック図である。本実施の形態で扱うX線は、真空紫外線から軟X線にまたがる波長領域にあるが、以下の説明では単にX線として記述する。このレーザプラズマX線用真空紫外分光器では、レーザプラズマ発生チャンバー(不図示)中にターゲット1、内面が回転放物面である中空型ミラー2が設置され、レーザプラズマ発生チャンバーとは別のチャンバー(不図示)中に平面回折格子3、反射型回転放物面ミラー4、出射スリット5が設置されている。 【0008】集光したレーザ光をターゲット1に照射すると、このターゲット1上のレーザ照射点6からX線が放射状に発生し、中空型ミラー2はこのX線を集める。本実施の形態では、中空型ミラー2として、非球面ミラーである回転放物面ミラーを用いている。これは、図1(b)に示すように、軸Xに対して対称な放物線を切断し(破線が切断された部分)、軸Xを回転軸として360度回転させたものである。 【0009】また、他の中空型ミラー2として、円筒ミラーを用いてもよいし、非球面ミラーである回転楕円ミラーを用いてもよい。回転楕円ミラーは、放物面ミラーと同様に2箇所を切断し、長軸Xを回転軸として360度回転させたものである。また、非球面ミラーであるトロイダルミラーを用いてもよい。さらに、ミラーの表面に多層膜コーティングを行うことにより、X線の反射率を向上させてもよい。 【0010】中空型ミラー2で集められたX線は、ミラー2の後方に設置された平面回折格子3に導かれる。この平面回折格子3には、X線を分光する機能はあるが、分光したX線を出射スリット5上に集光する機能はない。そこで、平面回折格子3の後方に反射型回転放物面ミラー4を配置し、回折格子3によって分光されたX線を出射スリット5上に集光する。こうして、所望の波長のX線を取り出すことができる。このとき、取り出すX線の波長を変えるには、回折格子3を回転させればよい。 【0011】なお、本実施の形態では、反射型回折格子として平面回折格子を用いているが、凹面回折格子を用いてもよい。次に、従来の真空紫外分光器及び本発明の真空紫外分光器のX線利用効率を表1に示す。 【0012】 【表1】
【0013】表1において、真空紫外分光器I 、真空紫外分光器IIは、それぞれ図3、図4に示す従来の真空紫外分光器であり、真空紫外分光器III が本発明の真空紫外分光器である。何れの場合も回折格子は、溝本数1200本/mm、大きさ50mm×50mmのものが用いられ、出射スリットは、分解能200程度の10nmのX線が得られる条件に調整されている。 【0014】従来の分光器I の場合は利用効率が10-7(srad)程度、分光器IIの場合は10-4(srad)程度であるのに対し、本発明の分光器III を用いると、10-2(srad)の利用効率が図れ、従来と比べると102 〜105 倍強いX線が得られることが分かる。 【0015】そこで、次に本発明の真空紫外分光器を用いることにより、X線強度の向上がどの程度可能かを実験的に確認した。図2に従来の真空紫外分光器及び本発明の真空紫外分光器によって取り出した波長10nmのX線の強度を示す。ここでは、プラズマX線発生ターゲット1としてタンタル箔を用い、集光用レーザーにはNd:YAGの2倍波を用い、焦点距離400mmのレンズを用いてターゲット1上にレーザーを集光した。 【0016】従来の真空紫外分光器は、入射スリットを用いない図4の高効率型のものであり、集光用ミラー15には幅10mm、長さ300mmのものを用いた。そして、本発明の真空紫外分光器においては、中空型ミラー2の内径及びターゲット1と中空型ミラー2との距離を変化させて、ビーム強度の変化を調べた。 【0017】図2から明らかなように、実線で示す本発明の真空紫外分光器では、中空型ミラー2の内径が4mm程度まではそれほどX線強度が変化しないことが分かる。また、中空型ミラー2をターゲット1に0.1mm程度まで近づけることにより、距離が1mmの場合に比べて5倍程度のビーム強度が得られることが分かる。このように本発明の真空紫外分光器では、光学系の最初に設置する中空型ミラー2をターゲット1の近くに置けば置くほど集光効率は向上し、高強度のX線が得られる。 【0018】また、本発明の真空紫外分光器によると、何れの場合でも従来の真空紫外分光器と比べて一桁以上強いビームが得られることが分かる。従来の真空紫外分光器でこのような高効率を実現しようとすると、幅数千mm、長さ数mのミラーを使う必要があり現実的ではないが、本発明の場合はたかだか直径10mm、長さ100mmの小さな中空型ミラーを用いた小型の装置で同等の性能を出すことができ、高強度のX線を用いた実験を通常の実験室で容易に行うことができる。 【0019】 【発明の効果】本発明によれば、中空型ミラーをターゲットのレーザ照射点近傍に配設して、中空型ミラーの内面でプラズマX線を反射させることにより、レーザ照射点から放射状に発散するX線をより多く集めることができるので、高強度のX線を簡便に得ることができる。その結果、レーザプラズマによるX線を簡便に利用することが可能となり、X線リソグラフィ技術、X線顕微鏡技術への貢献を図ることができる。 【0020】また、反射型回折格子と出射スリットの間に集光用ミラーを配設することにより、X線を分光する機能はあっても出射スリット上に集光する機能はない例えば平面回折格子のような反射型回折格子を用いた場合でも、回折格子によって分光されたX線を出射スリット上に集光することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004226 【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
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| 【出願日】 |
平成8年(1996)8月30日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】山川 政樹
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| 【公開番号】 |
特開平10−73698 |
| 【公開日】 |
平成10年(1998)3月17日 |
| 【出願番号】 |
特願平8−230212 |
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