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【発明の名称】 |
スパッタリング装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】竹之内 正樹 |
【課題】高品位の光記録媒体を作成するマグネトロンスパッタリング法によるスパッタリング装置を提供する。
【解決手段】マグネトロンスパッタリング法により、カソードマグネットを回転させながら基板上に薄膜層を形成し、ディスク状記録媒体を作成するスパッタリング装置において、前記カソードマグネット20、21の回転を、カソードケース11の外部から非接触で行う。その実施例としてカソードケース11の外部に、カソードマグネット21に対向してモータ14の回転軸に取り付けられた回転用マグネット18を配置し、この回転用マグネット18を回転させることにより回転用マグネット18とカソードマグネット21との間の磁気的結合力で回転力を伝達し、カソードマグネット20、21を非接触で回転させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マグネトロンスパッタリング法により、カソードマグネットを回転させながら基板上に薄膜層を形成し、ディスク状記録媒体を作成するスパッタリング装置において、前記カソードマグネットの回転を、カソードケースの外部から非接触で行う手段を設けることを特徴とするスパッタリング装置。 【請求項2】前記カソードケースの外部に、前記カソードマグネットに対向して回転力伝達用マグネットを配置し、該回転力伝達用マグネットを回転させることにより前記カソードマグネットを非接触で回転させることを特徴とする、請求項1に記載のスパッタリング装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は光磁気ディスク等の製造に係わるマグネトロンスパッタリング法によるスパッタリング装置に関し、更に詳しくはエロージョン領域の発生の偏りを改善するカソード部の構成に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来のマグネトロンスパッタリング法によるスパッタリング装置の構成と、この装置によるターゲット材のエロージョン領域の発生と、このエロージョン領域の偏りを改善する従来例について図3ないし図5を参照して説明する。図3はスパッタリング装置の概略の構成を示す図であり、図4はマグネトロンスパッタリング法によるスパッタリング装置のカソード部であって、同図(a)はその断面図であり、同図(b)はターゲット材のエロージョン領域を表す図である。また、図5は従来のエロージョン領域の偏りに対処した、マグネトロンスパッタリング法によるスパッタリング装置のカソード部の構成を示す断面図である。 【0003】基板上に記録膜等の機能薄膜を形成して光磁気ディスク等の記録媒体を形成する場合、一般にスパッタリング装置が使用される。このスパッタリング装置とは、カソードに設置されたターゲット材料にイオン化したアルゴンガスを衝突させ、その衝撃で飛び出した原子等をアノード側に設置されたディスク基板等に積層させる装置である。 【0004】一般にスパッタリング装置は図3に示すように、成膜室である真空チャンバー1と、その室内の真空度を制御する真空制御部2と、プラズマ放電用の電源3と、この電源3が電源ケーブル4によって接続されているカソード部5と、カソード部5と所定距離を持って対向配置されているアノード6と、スパッタガスであるAr等を真空チャンバー1内に供給するためのスパッタガス供給部7とを主な要素として構成されている。 【0005】通常、光磁気ディスク等の記録媒体を形成する場合、その薄膜中に不純物の混入を避けるため低圧ガスで安定な放電が得られ、また成膜速度も高いマグネトロンスパッタ法が用いられる。 【0006】このマグネトロンスパッタ法によるスパッタリング装置のカソード部5は図4(a)に示すように、冷却水入口12と冷却水出口13が設けられ、冷却水の循環が行われるカソードケース11の内部に、カソードマグネット20およびカソードマグネット21を配設したカソードマグネットパック17を配置し、更に、ターゲット材9をボンディングしたバッキングプレート10を、前記カソードケース11の開口部にネジ止め等により固定して封止した構造が一般に用いられている。 【0007】このようなカソード部を用いたスパッタリング装置では、放電により発生するアルゴンイオン等のプラズマ31を、カソードマグネット20、21によりターゲット材9の表面に形成する漏れ磁界30中に閉じ込めることができる。これによりスパッタリング効率を高め、また、低ガス圧で安定な放電状態が得ることができ、成膜速度が早く、純度の高いスパッタ膜が得られることになる。 【0008】しかしながら、上述したスパッタリングでは図4(b)に示すように、漏れ磁界30の分布によりプラズマ31が捕獲され、これに応じてターゲット材9が消費される領域(以下、「エロージョン領域」と称す)に偏りが生じ、ターゲット材9の使用効率はよくない。このエロージョン領域32が狭いという欠点を改善するため、ターゲット材9の中心に対して非対象に配列したカソードマグネット20、21を回転させるロータリーマグネット方式が採用されるようになってきている。 【0009】上述したロータリーマグネット方式ではエロージョン領域32が広く、ターゲット材9の使用効率が向上する利点があるが、一方、カソードマグネット20、21の回転のための機構が複雑となり、また、部品の磨耗などで障害を起こす虞れがあった。また、放電によりカソードは高温になるため水冷を行うが、水漏れ防止のシール処理が必要となり、その部分の腐食等による水漏れ事故の発生が危惧されてきた。 【0010】図5は従来のロータリーマグネット方式スパッタリング装置を示し、カソードマグネットパック17の回転軸19をカソードケース11の外部まで突き出させ、プラスチック製のギア15等を介してモータ14の回転をカソードマグネットパック17に伝達する構成になっている。この場合、カソードケース11の冷却水シール16が必要になるが、上述したように、この部分の腐食等による水漏れは漏電事故を起こす虞れがあり、また、回転摺動部の磨耗等による回転不良の発生はカソードマグネット20、21の均一な回転を阻害し、基板8上の膜厚分布に変化を与え、品質を劣化させるものであった。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題は、ロータリーマグネット方式の利点である広いエロージョン領域(高い材料使用効率)を確保すると共に、その欠点である機構部品の磨耗や冷却水シール部からの水漏れ等の発生を極力抑え、安定して稼働するマグネトロンスパッタリング法によるスパッタリング装置を提供しようとするものである。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、マグネトロンスパッタリング法により、カソードマグネットを回転させながら基板上に薄膜層を形成し、ディスク状記録媒体を作成するスパッタリング装置において、前記カソードマグネットの回転を、カソードケースの外部から非接触で行う手段を設ける。 【0013】また、前記カソードケースの外部に、前記カソードマグネットに対向して回転用マグネットを配置し、該回転用マグネットを回転させることにより前記カソードマグネットを非接触で回転させるマグネトロンスパッタリング法によるスパッタリング装置を構成して上記課題を解決する。 【0014】本発明は上述したように、カソードマグネットに対向して配置した回転用マグネットを回転することにより、そのカソードマグネットを非接触で回転することができ、従って、従来では必要であった回転軸回りの水漏れシールが不要となり、水漏れ等の事故の発生を防止する。また、カソードマグネットの回転軸を少ない部品で構成することができるため、回転不良の発生を低減でき、従って均一な膜厚を基板上に形成することができる。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態例について図1および図2を参照して説明する。図1は本発明による、マグネトロンスパッタリング法によるスパッタリング装置のカソード部の構成を示す断面図であり、また、図2はこのマグネトロンスパッタリング法によるスパッタリング装置のカソードマグネットパックの構成の一例を示す断面図である。 【0016】本発明は、図5に示す従来例とはカソードマグネットパック17の回転手段の構成において異なるものであって、その他の構成については従来例と同一であり、同一の構成部位には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。 【0017】本発明の特徴を成すカソードマグネットパック17の回転手段の構成は図1に示すように、カソードマグネット21に対向したカソードケース11の外部に、回転用マグネット18をモータ14に固着して設けている。この構成によりモータ14の回転は回転用マグネット18とカソードマグネット21の磁力結合によりカソードマグネットパック17に伝達され、非接触でこのカソードマグネットパック17を回転させるものである。従って、従来例のようにカソードマグネットパック17に回転用の軸を通す孔を設ける必要はない。 【0018】図2は本発明に用いるカソード部の構成の一例を示す断面図であって、センターシャフト22を有するカソードケース11の内部にカソードマグネット20、21を保持したマグネット固定用スペーサ24がベアリング23を介してセンターシャフト22に回転自在に支持されている。カソードマグネット21に対向してカソードケース11の外部にモータ14と回転用マグネット18を設定し、モータ14を回転させて、カソードマグネット20、21を回転させている。 【0019】尚、使用するベアリング23等は耐蝕性の高い材質のものを用いることが好ましい。また、マグネットは永久磁石であっても、電磁石であってもよい。更に、マグネットの回転数は一回のプロセス中に10回転以上することが好ましい。 【0020】 【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発明によるとカソードマグネットに対向して配置した回転用マグネットを回転することにより、そのカソードマグネットを非接触で回転することができ、従来では必要であった回転軸用孔をカソードケースにあける必要がなく、この部位からの水漏れによる事故発生の虞れを解消する。従って、ロータリーマグネット方式のスパッタリング装置を安定して稼働することができ、光磁気ディスクの製造を高品質で効率よく行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
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| 【出願日】 |
平成8年(1996)7月3日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平10−21591 |
| 【公開日】 |
平成10年(1998)1月23日 |
| 【出願番号】 |
特願平8−173408 |
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