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S−ニトロソ化合物検出装置 - 特開平10−293125 | j-tokkyo
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【発明の名称】 S−ニトロソ化合物検出装置
【発明者】 【氏名】赤池 孝章
【氏名】西野 博仁
【課題】S−ニトロソ化合物を簡便且つ信頼性よく検出すること。

【解決手段】試料注入後の移動相を分離カラム5に通じてS−ニトロソ化合物を分離し、前記分離されたS−ニトロソ化合物を触媒反応流路6において金属銅と接触させ、反応流路6内において同化合物よりHNO2 を遊離させるとともに、このHNO2 に試薬供給源8よりグリース試薬を添加してジアゾ化合物を生成し、そのジアゾ化合物の濃度を吸光光度計9により測定する。前記HNO2 に蛍光試薬を添加して蛍光体ジアゾ化合物を生成し、その蛍光体ジアゾ化合物の濃度を蛍光光度計により測定することも可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 S−ニトロソ化合物を含む試料を移動相に注入し、前記試料注入後の移動相を分離カラムに通じてS−ニトロソ化合物を分離し、前記分離されたS−ニトロソ化合物の溶出バンドを金属銅と接触させてHNO2 を遊離させ、このHNO2 にグリース試薬を添加してジアゾ化合物を生成し、生成されたジアゾ化合物の濃度に応じた吸光光度を測定することを特徴とするS−ニトロソ化合物の検出方法。
【請求項2】 移動相に注入された試料中のS−ニトロソ化合物を分離するための分離カラムと、分離カラムの溶出口に接続された金属銅接触用の触媒反応流路と、前記触媒反応流路の下流端に接続された試薬反応流路と、前記試薬反応流路の上流端よりこの流路にグリース試薬を導入するための試薬供給源、及び前記試薬反応流路からの流出相に光を照射し、同相中のジアゾ化合物の吸光度を測定するための吸光光度計を備えたことを特徴とするS−ニトロソ化合物検出装置。
【請求項3】 前記触媒反応流路が金属銅粒子を充填したカラムからなること特徴とする請求項2記載の検出装置。
【請求項4】 前記触媒反応流路が金属銅パイプからなること特徴とする請求項2記載の検出装置。
【請求項5】 S−ニトロソ化合物を含む試料を移動相に注入し、前記試料注入後の移動相を分離カラムに通じてS−ニトロソ化合物を分離し、前記分離されたS−ニトロソ化合物の溶出バンドを金属銅と接触させてHNO2 を遊離させ、このHNO2 にジアミノナフタレン又はジアミノナフタレンに類似した物質からなる蛍光試薬を添加して蛍光体ジアゾ化合物を生成し、その蛍光光度を測定することを特徴とするS−ニトロソ化合物の検出方法。
【請求項6】 移動相に注入された試料中のS−ニトロソ化合物を分離するための分離カラムと、分離カラムの溶出口に接続された金属銅接触用の触媒反応流路と、前記触媒反応流路の下流端に接続された試薬反応流路と、前記試薬反応流路の上流端よりこの流路にジアミノナフタレン又はジアミノナフタレンに類似した物質からなる蛍光試薬を導入するための試薬供給源と、前記試薬反応流路の下流端に接続された発蛍光流路と、前記発蛍光流路の上流端よりこの流路に発蛍光化剤を導入するための発蛍光化剤供給源、及び前記発蛍光流路からの流出相に光を照射し、同相中の蛍光体ジアゾ化合物が発する蛍光の強度を測定するための蛍光光度計を備えたことを特徴とするS−ニトロソ化合物検出装置。
【請求項7】 前記触媒反応流路が金属銅粒子を充填したカラムからなること特徴とする請求項6記載の検出装置。
【請求項8】 前記触媒反応流路が金属銅パイプからなること特徴とする請求項6記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体中で生成され、S−ニトロソ化された一酸化窒素(NO)を測定するための方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生体内では、一酸化窒素(NO)が細胞間伝達物質として認識され、特に血管系では血管内皮細胞及び支配神経から遊離されるNOがヘモグロビンと結合し、さらにヘモグロビンからS−ニトロソ化されたNOが解離して血管拡張作用を発揮するという仮説が提唱され、注目を集めている。
【0003】周知の通り、NOは反応性が強く、単体としての存在時間が1〜2秒程度ときわめて短いため、特に血管系内では上述したようにS−ニトロソ化合物として存在し、持続的なNO源になると考えられている。そのため、生体内でのNOの挙動の解明に当たってはS−ニトロソ化合物の測定が不可欠であるが、現在とられている方法は、感度もしくは簡便性等の点で問題が多い。
【0004】すなわち、ニトロソ体は320nmの吸収ピークを有するが、この特性を用いて直接吸光測定しても感度が低く、挟雑物によるノイズやバックグラウンドの影響を排除できないため、信頼できる測定値を得ることはできないと考えられる。またニトロソ体からNOが分解する際の化学発光を測定する方法も存在するが、オゾン発生源を必要とするほか操作が煩雑で、実際的ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有効且つ簡便なS−ニトロソ化合物の測定方法及び装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明は第1に、S−ニトロソ化合物を含む試料を移動相に注入し、前記試料注入後の移動相を分離カラムに通じてS−ニトロソ化合物を分離し、前記分離されたS−ニトロソ化合物の溶出バンドを金属銅と接触させてHNO2 を遊離させ、このHNO2 にグリース試薬を添加してジアゾ化合物を生成し、生成されたジアゾ化合物の濃度に応じた吸光光度を測定することからなるS−ニトロソ化合物の検出方法を構成したものである。
【0007】本発明は第2に、S−ニトロソ化合物を含む試料を移動相に注入し、前記試料注入後の移動相を分離カラムに通じてS−ニトロソ化合物を分離し、前記分離されたS−ニトロソ化合物の溶出バンドを金属銅と接触させてHNO2 を遊離させ、このHNO2 にジアミノナフタレン又はジアミノナフタレンに類似した物質からなる蛍光試薬を添加して蛍光体ジアゾ化合物を生成し、その蛍光光度を測定することからなるS−ニトロソ化合物の検出方法を構成したものである。
【0008】上記第1及び第2の構成において、ニトロソグルタチオン、ニトロソシステイン等のS−ニトロソ化合物を、金属銅に接触させることにより、それらのS−ニトロソ化合物からHNO2 が遊離する。検出器として吸光光度計を利用する場合(第1の構成)には、グリース試薬の添加により生成されたジアゾ化合物の吸光光度を測定し、広い濃度範囲において測定感度及び直線性を得ることが可能となり、蛍光光度計を利用する場合(第2の構成)には、ジアミノナフタレン又はジアミノナフタレンに類似した物質からなる蛍光試薬の添加により生成された蛍光体ジアゾ化合物の蛍光発光を測定することによりより高感度で実用的なS−ニトロソ化合物の検出が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図に従って本発明の好ましい実施例を説明する。
【0010】
【実施例】図1は、本発明の第1構成の実施例を示す流路ブロック線図である。図1のフロー順において、1はカラム移動相用の液溜め、2は送液用ポンプ、3は送液流路中の移動相に試料を注入するためのインジェクタ、4は移動相に注入された試料から次のS−ニトロソ化合物分離用カラム5(以下「分離カラム」という。)で分離・溶出できないタンパク等の成分を除去するためのプレカラム、6は分離カラム5の溶出口に接続された、溶出相を金属銅と接触させるべき触媒反応流路としての金属銅粒子を充填したカラム(以下「金属銅カラム」という。)、7は金属銅カラム6の下流端に接続された試薬反応流路としての反応コイル、8はこの反応コイル7の上流端よりこのコイル流路にグリース試薬を導入するための反応液ポンプ、9は前記反応コイル流路からの流出相に光照射し、波長540nm付近をピークとする吸光光度を測定するための検出器(吸光光度計)である。
【0011】上記実施例において、移動相としては塩化アンモニウムと、エチレンジアミン─4ナトリウムを含むPH8.0の液が、ポンプ2より0.3ml/minの流量で送られる。分離カラム5は逆相系カラムであって、この移動相により試料を展開してS−ニトロソ化合物のバンドを含む溶離液を溶出することができる。
【0012】金属銅カラム6は、表面の銅イオンによりS−ニトロソ化合物の溶出バンドに作用してHNO2 を遊離させる。このような触媒反応流路としては金属銅カラム6の他、直線状又はコイル状の金属銅パイプを用いてもよい。なお、カラム充填材として金属銅粒子の代わりに、銅被覆カドミウム還元粒子を用いても、S−ニトロソ化合物の、HNO2 への変換効率は2〜3%ときわめて低いため、このような代替充填材の使用は推奨できない。
【0013】本発明においては基本的に、遊離したHNO2 を利用するため、反応液ポンプ8よりグリース試薬として0.5%のスルファニルアミドと0.0125%のナフチルエチレンジアミンを含む0.25%の塩酸溶液を供給し、反応コイル7内で触媒反応後の流出相と合流させる。ここでHNO2 はグリース試薬と反応して例えば容量0.25mmφ×4mのコイル7内でジアゾ化合物を生成する。ジアゾ化合物は赤色を呈し540nm付近の吸収帯を有するため、吸光光度計9によりその吸収ピークの大きさを測定する。実験結果によれば、10-8〜10-3Mという微量のS−ニトロソ化合物について直線性ある応答が得られた。図2はこのようにして分析したS−ニトロソ化合物であるニトロソグルタチオンのクロマトグラム(カラム5からの溶出ピーク測定曲線)を示している。
【0014】図3は第2構成の装置実施例を示すものであり、要素1〜8までの物理的機能は図1における同一参照数字のものと同様であるが、検出器9’は最終コイル流路からの流出相に光照射(365nm励起)し、これによって流出相中の蛍光体ジアゾ化合物が発する光(450nmピーク)を測定する蛍光光度計であり、10は試薬反応コイル7からの流出相に発蛍光化処理するための反応コイル、11は発蛍光化剤を供給するためにそのコイル10の上流端に接続されたポンプである。
【0015】上記蛍光光度計を用いる方法においては、移動相として塩化アンモニウムと、エチレンジアミン─2ナトリウムを含むPH8.0の液を、ポンプ2により0.3ml/minの流量で送ることが望ましく、この場合も分離カラム5は先の実施例と同様、試料を含む移動相を展開してS−ニトロソ化合物のバンドを含む溶離液を溶出する。この溶離液を受け入れてS−ニトロソ化合物からHNO2 を遊離せしめた銅カラム6の流出相は、反応液ポンプ8より供給されるジアミノナフタレン又はジアミノナフタレンに類似した物質からなる蛍光試薬と、反応コイル7内で合流する。銅カラム流出相中の遊離HNO2 はジアミノナフタレン等の蛍光試薬と反応して蛍光体ジアゾ化合物を生成し、このコイル7の流出相にはさらにポンプ11によりカセイソーダ(NaOH)0.1M程度のアルカリ性液(PH12)が発蛍光化剤として添加され、発蛍光流路としての反応コイル10内で合流させられる。従って、吸光光度計9に代えて蛍光光度計9’を用いるこの実施例においては、流出相中の蛍光体ジアゾ化合物が発する光(450nmピーク)を測定し、S−ニトロソ化合物量を決定することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明は以上のとおり、生体内においてS−ニトロソ化したNO量をオンライン測定により簡便且つ信頼性よく測定するための方法及び装置を提供するものであり、安定性を重視する場合にはどちらかと言えば遊離したHNO2 をジアゾ化合物として吸光測定する第1の方法を用い、感度を重視する場合には遊離したHNO2 を蛍光体ジアゾ化合物として蛍光測定する第2の方法を用いることが推奨される。
【出願人】 【識別番号】391063499
【氏名又は名称】株式会社エイコム
【識別番号】396009540
【氏名又は名称】赤池 孝章
【出願日】 平成9年(1997)4月17日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】武石 靖彦 (外1名)
【公開番号】 特開平10−293125
【公開日】 平成10年(1998)11月4日
【出願番号】 特願平9−116452