| 【発明の名称】 |
水文調査トレーサ及び水文調査法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡村 正紀
【氏名】小野 孝
【氏名】松岡 信明
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| 【要約】 |
【課題】本発明は水文調査トレーサを安価に製造し、地表水や地下に注入したトレーサの検出には研究用原子炉を用いることはもちろんのこと、さらに既存の誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)を用いて簡便にトレーサの検出を行うことのできるトレーサを得ることを目的とする。
【解決手段】インジウム及び希土類元素のいずれか1からなるトレーサ元素を硝酸及び塩酸で溶解してA液となし、該A液に、水酸化ナトリウム溶液に溶かしたジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)よりなるB液を混合し、該混合液のpHを8に保ち冷却してなるものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インジウム及び希土類元素のいずれか1からなるトレーサ元素を硝酸及び塩酸で溶解してA液となし、該A液に、水酸化ナトリウム溶液に溶かしたジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)よりなるB液を混合し、該混合液のpHを8に保ち冷却してなる水文調査トレーサ。 【請求項2】 請求項1に記載したトレーサを地表水や地下水に注入し、地下水や湧水等を採取してこれを試料水となし中性子放射化分析法によってトレーサを分析検出することを特徴とする水文調査法。 【請求項3】 中性子放射化分析法に代り、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)によってトレーサを分析検出する請求項2記載の水文調査法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はダム建設、トンネル掘削、農用地整備、地熱利用、大規模土地開発等に伴う水文調査(地下水の影響調査)法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来アクチバブルトレーサ法が用いられたが、トレーサには市販品を利用し、トレーサの検出(分析)には中性子放射化分析法が用いられている。 【0003】トレーサとして利用する市販品は非常に高価であるため水文調査に使用する十分量(〜1kg)(1gが1万円を超え、1kg1千万円を超える場合がある)を準備することは困難であったし、トレーサの検出には高感度分析法である中性子放射化分析(原子炉)を用いる必要があり、研究用原子炉を必要とするため、分析スケジュールは原子炉の運転・利用状況に左右された。 【0004】上記研究用原子炉(原子力発電所に較べると小さい)には東海村日本原子力研究所等のものが利用できるが、放射能管理を厳重にする必要があり、運転期間が制限されたり、利用度合が密であったりして必要に応じて分析できない場合がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明はトレーサを原料から安価に製造し、該トレーサの検出(分析)には研究用原子炉を用いた高感度分析である中性子放射化分析法はもちろんのこと、さらに改善された方法として誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)を用いることによって安全簡便にトレーサの検出を行うことを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため本発明はインジウム及び希土類元素のいずれか1からなるトレーサ元素を硝酸及び塩酸で溶解してA液となし、該A液に、水酸化ナトリウム溶液に溶かしたジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)よりなるB液を混合し、該混合液のpHを8に保ち冷却してなる水文調査トレーサ上記第1発明に記載したトレーサを地表水や地下水に注入し、地下水や湧水等を採取してこれを試料水となし中性子放射化分析法によってトレーサを分析検出することを特徴とする水文調査法中性子放射化分析法に代り、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)によってトレーサを分析検出する上記第2発明記載の水文調査法によって構成される。 【0007】 【発明の実施の形態】トレーサ元素にはインジウム(In)、ランタン(La)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ディスプロシウム(Dy)およびホルミウム(Ho)その他の希土類元素を選び、これらの塩化物や酸化物の市販品を原材料とする。 【0008】そしてジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)の市販品をキレート剤(錯化剤)として上記トレーサ元素を陰イオン化合物とするものである。 【0009】詳細に説明するとトレーサ元素を硝酸及び塩酸で溶解してA液とし、これに水酸化ナトリウム溶液に溶かしたDTPAのB液を混合してトレーサとするものである。 【0010】両液の混合時には、アンモニア水で混合液の水素イオン濃度(pH)を8に保ち、冷却することが必要である。この方法によって溶液状のトレーサが得られる。 【0011】上記トレーサ元素ではユーロピウム(Eu)は1kg約30万円と比較的高価であるが感度が最も良好である。因みにディスプロシウム(Dy)は1kg当り約4万円である。A・B液の混合割合は重量比でA:B=1:3.5とする。 【0012】上記トレーサを地表水に注入し或はボーリング孔地下水によって注入し、下流各所において水を採取し、各試料水を前処理したのち、研究用原子炉又は誘導結合プラズマ質量分析装置〔既存の元素の定量分析器(ICP−MS)〕を用いて分析し、トレーサ元素を定量検出することができる。 【0013】研究用原子炉を用いた放射化分析では、トレーサ元素を水酸化第二鉄に共沈させて、これを分析用試料とする。この時、試料水に硝酸と硫酸を加えてpH1として、鉄5mgを添加して100mlに濃縮した後、アンモニア水でpH8として水酸化第二鉄沈殿を生成させ、これにトレーサ元素を共沈させろ紙上に集めて乾燥させる前処理を行う。 【0014】ICP−MSでは採取水の前処理として採取水(試料水)をろ過(0.45μmメンブランフィルター)するのみで上記6種のトレーサ元素を0.001μg/リッターのレベルで検出可能とすることができる。 【0015】 【発明の効果】本発明は上述の方法によったので安価なトレーサを必要量に応じて迅速に提供し得る効果がある。このトレーサ元素は研究用原子炉を利用した中性子放射化分析によって高感度検出が可能となる。 【0016】さらに又トレーサの検出(分析)に際し既に普及しているICP−MS分析を行い得て分析操作の簡略化と多数試料の分析ができ、かつ安価なトレーサの提供によって地下水の調査費用への負担が軽減され、しかもICP−MS分析によってデータ提供が迅速される効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592021124 【氏名又は名称】財団法人九州環境管理協会
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)4月3日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】藤井 信行 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開平10−280378 |
| 【公開日】 |
平成10年(1998)10月20日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−84774 |
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