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【発明の名称】 河川管理システム
【発明者】 【氏名】鈴木 逸郎
【課題】河川情報管理の一元性を高める。

【解決手段】イメージデータを主とする河川地図データ及び文字データを主とする河川台帳データを記憶するマスター側サーバコンピュータ並びに多数の端末装置とスレーブ側サーバコンピュータとを備えてLANシステムを構成する。本社のマスター側サーバコンピュータは、河川地図データを更新時にスレーブ側サーバコンピュータに送信し、各工事事務所の端末は、各工事事務所のサーバコンピュータの地図データを受信し画面表示し、端末上でデータが変更される河川台帳データは、本社から受信し、変更分を本社に送信することにより、河川地図データを要求し受信する応答時間を短縮し、かつ河川台帳データをマスター側サーバコンピュータにて一元的に管理する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 イメージデータを主とする河川地図データと変更可能な文字データを主とする河川台帳データとを記憶するマスター側サーバコンピュータと、多数の端末装置とスレーブ側サーバコンピュータとを備えてLANシステムを構成し河川管理の現場である複数の工事事務所に配設された複数のLANシステムとを有し、前記マスター側サーバコンピュータと前記LANとを通信回線にて接続した河川管理システムにおいて、前記マスター側サーバコンピュータは、前記河川地図データの更新があると当該更新された河川地図データを前記スレーブ側サーバコンピュータに送信する河川地図データ送信手段と、前記河川台帳データの送信要求と河川識別子を前記端末から受信すると河川識別子に対応する前記河川台帳データを当該端末に送信する河川台帳データ送信手段と、前記河川台帳データの変更データを前記端末から受信すると、前記河川台帳データを更新する河川台帳データ更新手段とを有し、前記スレーブ側サーバコンピュータは、前記マスター側サーバコンピュータが送信した前記河川地図データを受信すると記憶装置に記憶する河川地図データ記憶手段と、端末から河川地図データの送信要求を受信すると当該河川地図データを送信する河川地図データ端末送信手段とを有し、前記端末は、前記スレーブ側サーバコンピュータの河川地図データ記憶手段にて記憶された河川地図データの当該端末自身への送信を要求し受信する河川地図データ要求・受信手段と、前記河川地図データ要求・受信手段にて受信した河川地図データを画面表示して画面上で指定した河川の識別子とともに河川台帳データの送信要求を前記マスター側サーバコンピュータに送信することにより要求した河川台帳データを受信する河川台帳データ要求・受信手段と、前記河川地図データ要求・受信手段にて受信した河川台帳データを変更するとマスター側サーバコンピュータに変更した河川台帳を送信する河川台帳データ変更・送信手段を有し、端末に河川地図データを画面表示し指定した河川の河川台帳を表示する際に、河川地図データを要求し受信する応答時間を短縮し、かつデータ量が少ない文字データを主とし更新可能な河川台帳データをマスター側サーバコンピュータにて一元的に管理することにより、LAN及び通信回線を効率的に利用したことを特徴とする河川管理システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ホストコンピュータに登録した河川地図などの河川情報を、通信回線を介して接続された遠隔地のLANシステムの端末に表示する河川管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来において河川情報例えば河川地図を画面表示するデータでありイメージデータを主とする河川地図データや、河川に関する様々な情報を記述をしておくデータであり更新可能な文字データを主とする河川台帳を画面表示するデータである河川台帳データなどの河川情報を管理するためのコンピュータを使用した河川管理システムにおいては、各特定地域毎にオフィスコンピュータ(以下オフコンと称する)と呼ばれる、1台のホストコンピュータに複数の端末を接続した形態のコンピュータにより管理していた。そして、例えば本社と複数の工事事務所がある場合、その各々の場所にオフコンを配置し、その各々のオフコンのホストコンピュータに河川地図データ及び河川台帳データを設定していた。そして本社にて河川地図データ及び河川台帳データを管理し、それらのデータに変更があった場合、その変更された河川地図データあるいは河川台帳データを各工事事務所にフロッピーディスクや光磁気ディスク等の記憶媒体に記憶させたものを配送し、各々の事務所にて前記記憶媒体からホストコンピュータに設定する作業を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、河川情報を記憶媒体に記憶し、本社から各工事事務所に配送する形態であると、河川情報を記憶媒体に複写して配信する作業及び各工事事務所にて記憶媒体の河川情報をホストコンピュータに設定する作業を要し、それらの作業に要する時間の浪費はかなりのものである。
【0004】また、本社に河川管理システムの全体を管理するサーバコンピュータを設置し、また複数の工事事務所の各々にLANシステムを構築し、本社のLANシステムのサーバコンピュータと各工事事務所のLANシステムを通信回線を使用して接続する形態にし、本社のサーバコンピュータコンピュータに河川情報を設定し、各工事事務所のLANの端末に河川地図を表示しようとした場合、河川地図データの様なイメージデータを主とするデータ量の多い情報を通信回線、特に公衆回線により送信するのに時間を要し、河川地図を全部表示するまでには相当の時間を要するというレスポンスの低下を生じる。また前記レスポンスの低下を回避するために、河川情報を全部各工事事務所のサーバコンピュータに通信回線を介して送信し、各工事事務所の端末から文字データを主とし変更可能な河川台帳データを更新する場合、前記端末は各工事事務所のサーバコンピュータに更新データを送信し、次に各工事事務所のサーバコンピュータが更新データを通信回線を介して本社のサーバコンピュータに送信するため、LANシステムの一部のコンピュータがダウンすることを考慮すると、本社及び各工事事務所の各々のサーバコンピュータや端末の更新データの不整合が生じる恐れがあり、河川情報を本社にて一元的に管理する上で良いものではない。
【0005】本発明は、上述した従来の問題に鑑みなされたもので、イメージデータを主とするデータ量の多い河川地図を各工事事務所の端末に画面表示する際のレスポンスの低下をなくし、かつ文字データを主とし変更可能な河川台帳データが、LANシステムの一部のコンピュータがダウンすることによる更新データの不整合を生じないよう河川情報データの管理の一元性を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明においては、イメージデータを主とする河川地図データと変更可能な文字データを主とする河川台帳データとを記憶するマスター側サーバコンピュータと、多数の端末装置とスレーブ側サーバコンピュータとを備えてLANシステムを構成し河川管理の現場である複数の工事事務所に配設された複数のLANシステムとを有し、前記マスター側サーバコンピュータと前記LANとを通信回線にて接続した河川管理システムにおいて、前記マスター側サーバコンピュータは、前記河川地図データの更新があると当該更新された河川地図データを前記スレーブ側サーバコンピュータに送信する河川地図データ送信手段と、前記河川台帳データの送信要求と河川識別子を前記端末から受信すると河川識別子に対応する前記河川台帳データを当該端末に送信する河川台帳データ送信手段と、前記河川台帳データの変更データを前記端末から受信すると、前記河川台帳データを更新する河川台帳データ更新手段とを有し、前記スレーブ側サーバコンピュータは、前記マスター側サーバコンピュータが送信した前記河川地図データを受信すると記憶装置に記憶する河川地図データ記憶手段と、端末から河川地図データの送信要求を受信すると当該河川地図データを送信する河川地図データ端末送信手段とを有し、前記端末は、前記スレーブ側サーバコンピュータの河川地図データ記憶手段にて記憶された河川地図データの当該端末自身への送信を要求し受信する河川地図データ要求・受信手段と、前記河川地図データ要求・受信手段にて受信した河川地図データを画面表示して画面上で指定した河川の識別子とともに河川台帳データの送信要求を前記マスター側サーバコンピュータに送信することにより要求した河川台帳データを受信する河川台帳データ要求・受信手段と、前記河川地図データ要求・受信手段にて受信した河川台帳データを変更するとマスター側サーバコンピュータに変更した河川台帳を送信する河川台帳データ変更・送信手段を有し、端末に河川地図データを画面表示し指定した河川の河川台帳を表示する際に、河川地図データを要求し受信する応答時間を短縮し、かつデータ量が少ない文字データを主とし更新可能な河川台帳データをマスター側サーバコンピュータにて一元的に管理することにより、LAN及び通信回線を効率的に利用したことを特徴とする河川管理システムを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る河川管理システムの実施の形態について図に基づいて説明する。
【0008】ここで図1は、河川管理システムの全体の構成図を示す。図2は、河川地図送信手段による地図データの送信を示す。図3は、河川図から河川台帳を表示するときの河川地図データ及び河川台帳データの流れを示す。図4は、各工事事務所の端末を起動時に表示される河川図(全域図)の一例を示す。図5は、河川図の表示の切り替えを示し、図5(a)は全域図、図5(b)は都市計画図、図5(c)は河川区域詳細図を示す。図6は、河川図の表示の拡大(縮小)を示す。図7は、河川名による河川区域詳細図の検索を示す。図8は、河川図からの河川台帳の検索を示す。図9は、本社のサーバコンピュータの動作をフローチャートにて示す。図10は、各工事事務所のサーバコンピュータの動作をフローチャートにて示す。プログラムの動作を示す。図11は、各工事事務所の端末の動作をフローチャートにて示す。
【0009】まず図1を参照し河川管理システムの全体の構成を説明する。例えば本社にこの発明である河川管理システム全体を管理するマスター側サーバコンピュータとなるサーバコンピュータ1が設けられ、そのサーバコンピュータ1には、そのLANシステムの端末である完成図書登録端末2を設ける。その本社のLANシステムと通信回線とはNIU3(Network Interface Unit)にてLANと通信回線とを接続している。また、河川管理の現場である各工事事務所Aには、LANシステムのサーバコンピュータ4aが設けられ、その端末である検索端末4a1が設けられるが、検索端末は工事事務所のサーバコンピュータ4aに複数接続可能である。工事事務所B、工事事務所C、及び工事事務所Dには各々工事事務所Aと同様のLANシステムが構成され、NIU3を介して通信回線に接続される。
【0010】本社のサーバコンピュータ1、各工事事務所のサーバコンピュータ4a〜4d、及び端末4a1〜4d1の各々は、中央処理装置であるのCPU、主記憶装置であるメモリ、補助記憶装置である磁気ディスク、及びLAN接続して通信を行う通信装置により外部と通信可能に構成されている。そして本社、のサーバコンピュータ1には予めマスター側サーバコンピュータ1を制御するプログラムを磁気ディスク等の補助記憶装置に記憶させておく。また本社のサーバコンピュータ1、各工事事務所のサーバコンピュータ4a〜4d、及び端末4a1〜4d1の各々の磁気ディスクには、各々前記各種装置を制御するプログラムを格納しておく。サーバコンピュータ1の磁気ディスクには、予め河川管理システムで使用する河川情報データである河川地図データ及び河川台帳データを登録しておく。河川地図データはサーバコンピュータ1でのみ新しいデータに更新が可能であり、各工事事務所の端末からは参照のみ行われる。河川台帳データは、各工事事務所の端末4a1〜4d1において端末使用者である河川管理者により一部データを変更することが可能である。
【0011】このように構成された河川管理システムの動作を、図2と図3の河川管理システムのデータの流れと、図9、図10、及び図11に示す本社及び各工事事務所の端末の動作を示すフローチャートを参照しつつ説明する。まず本社及び各工事事務所のLANシステムを一斉に起動したものとする。マスター側サーバコンピュータとなる本社のサーバコンピュータ1は、起動時に自身の磁気ディスク等の補助記憶装置に記憶する河川地図データをスレーブ側コンピュータとなる全部の工事事務所のサーバコンピュータ4a〜4dに送信する(ステップS11)。そして、本社のサーバコンピュータ1は、河川地図データ送信手段にて、以降、河川地図データが更新されているかを常に監視し(ステップS12)、更新があればその更新分を全工事事務所のサーバコンピュータ4a〜4dに送信する(ステップS13)処理を行う。このときの河川地図データの流れを図2に示す。
【0012】各工事事務所のサーバコンピュータ4a〜4dは、起動時にマスター側サーバコンピュータ1から送信してきた河川地図データを受信し、補助記憶装置に記憶する(ステップS21)。また各工事事務所のサーバコンピュータ4a〜4dは、河川地図データ記憶手段にて、本社のサーバコンピュータ1からの更新した河川地図データの送信があるかを常に監視し、送信ありの場合河川地図データの更新分を補助記憶装置に記憶する(ステップS22,S23)。また各工事事務所のサーバコンピュータ4a〜4dは、河川地図データ端末送信手段にて、工事事務所内の端末より河川地図を画面表示する操作が行われることによる河川地図データの送信要求があるかを常に監視し、送信要求があった場合、端末に河川地図データを送信する(ステップS24,S25)。
【0013】各工事事務所の検索端末4a1〜4d1を起動すると、まず各工事事務所のサーバコンピュータ4a〜4dに河川地図データの送信を要求する(ステップS31)。そして、サーバコンピュータ4a〜4dから端末4a1〜4d1へと送信されてきた河川地図データにより、図4に示す河川地図の全域図が画面表示される(ステップS32)。またマウスにより図5(a)に示す全域図のある一部の地域を指示することにより、その指示した地域に関する図5(b)に示す都市計画図、又は図5(c)に示す河川区域計画図が画面に表示される。これらの3つの図の画面表示は、画面上で指示することにより相互に切り替え可能である。また、これらの3つの図の表示において、図6のように地図上の任意のエリアをマウスにて指定することにより、その地域を拡大または縮小して表示することができる。図5(a)の全域図の画面からは、図7の様に河川名を一覧表示させ河川名を選択することにより、図5(b)の都市計画図の画面、又は図5(c)の河川区域詳細図の画面を表示させることができる。
【0014】図5(a)に示す全域図、図5(b)に示す都市計画図、又は図5(c)に示す河川区域計画図の画面から河川を指定したとき、設定により図8に示すように河川台帳を検索し表示することが可能である。表示された河川台帳は、端末の操作者がキー入力することにより、データを書き換えることが可能である。
【0015】ここで河川を指定して河川台帳を表示する場合の河川管理システムの動作を説明する。まず河川地図の表示されている画面からマウスポインタを河川台帳データを表示したい河川の上に合わせてクイックすると、端末は河川台帳データ要求・受信手段にて、河川台帳データの送信要求とともに、指定した河川の識別子を本社にあるサーバコンピュータ1に送信する(ステップS33)。
【0016】その河川台帳データの送信要求と指定した河川の識別子を受信した本社のサーバコンピュータ1は、河川台帳データ送信手段にて、河川の識別子に対応する河川台帳データを送信する(ステップS14,S15)。そして河川台帳を要求した端末では、河川台帳データ要求・受信手段にて、本社から送信されてきた、指定した河川の河川台帳データを表示する(ステップS34)。端末の画面に表示された河川台帳データを端末の操作者が変更した場合、端末4a1〜4d1の河川台帳データ変更・送信手段にて、河川台帳データの変更を終了すると、河川台帳データの変更分が本社のサーバコンピュータに送信される(ステップS35,S36)。それを受けた本社のサーバコンピュータ1は、河川台帳データ更新手段にて更新した河川台帳データを補助記憶装置に記憶して更新する(ステップS16,S17)。このときの河川地図データ及び河川台帳データの流れを図3に示す。
【0017】上述した実施の形態において、本社のサーバコンピュータ1は、河川地図データを更新時、全工事事務所のサーバコンピュータに送信し記憶するため、各工事事務所の端末4a1〜4d1にて河川地図データを検索する毎に本社にあるサーバコンピュータにアクセスし、通信回線上をイメージデータであるデータ量の多い河川地図データが流れることにより端末4a1〜4d1に画面表示する際のレスポンスの低下を発生することはなくなる。また、各工事事務所のLANシステムがダウンしても、更新可能な河川台帳データは本社のサーバコンピュータ1でのみ管理しているため、各工事事務所の端末4a1〜4d1において更新データの不整合が発生することはない。
【0018】
【発明の効果】本発明は、本社のマスター側サーバコンピュータに河川地図データ送信手段、河川台帳データ送信手段、河川台帳データ更新手段を有し、各事務所のスレーブ側サーバコンピュータに河川地図データ記憶手段と河川地図データ端末送信手段を有し、スレーブ側サーバコンピュータに接続される端末に河川地図データ要求・受信手段、河川台帳データ要求・受信手段、及び河川台帳データ変更・送信手段を有することにより、本社のサーバコンピュータは、河川地図データを更新時、全工事事務所のサーバコンピュータに送信し記憶するため、各工事事務所の端末にて河川地図データを検索する毎に本社にあるサーバコンピュータにアクセスし、通信回線上をイメージデータであるデータ量の多い河川地図データが流れることにより端末に画面表示する際のレスポンスの低下を発生することはなくなる。また、各工事事務所のLANシステムがダウンしても、更新可能な河川台帳データは本社のサーバコンピュータでのみ管理しているため、各工事事務所の端末において更新データの不整合が発生することはなくなる。
【出願人】 【識別番号】596111748
【氏名又は名称】株式会社東京シー・エム・シー
【出願日】 平成8年(1996)7月30日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
【公開番号】 特開平10−37150
【公開日】 平成10年(1998)2月10日
【出願番号】 特願平8−200806