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【発明の名称】 自動水位調節アンダー流下ゲート
【発明者】 【氏名】高橋 信起
【課題】用水路等の分水、止水ゲートで、水位を一定に保ち、水流を滑らかにした、水音の少ない自動水位調節ゲートを提供する。

【解決手段】すなわち分水、止水ゲートにおいて、用水路の左岸堤、右岸堤の間へ扉体軸3を架け渡し、軸受け4で支え設置し、扉体2が扉体軸に、もたれる構造で、扉体を回動して水路底部を開閉して水位調節し、底部で流下して滑らかな水流を得る手段を講ずる。ゲートの扉体軸に設けたレバーを、油圧シリンダなどで1次スプリングを介し扉体を回動して、止水する構造とする。該1次スプリングが適宜作用して、扉体が閉止する途中の点から、2次スプリングがレバーを反対側へ作用する構成にして、2次スプリングが作用する点からは、互いのスプリングのバネ定数が相殺された力で開閉され、バネ定数が相殺される範囲では、扉体の開閉作動する応答性が良好となる技術手段を講じた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 用水路等の分水、止水ゲートにおいて、ゲートの扉体を扉体軸にもたれるように設け、扉体軸に設けたレバーを、1次コイルスプリングを介して油圧シリンダーなどで引き、扉体を回動止水するように成し、1次コイルスプリングが適宜引張したところから、2次コイルスプリングがレバーを反対の方向へ引張作用するように構成して、2次コイルスプリングが作用する点から、互いのスプリングのバネ定数を相殺して、扉体を回動閉止することで、水位の変化、いわゆる扉体にかかる水圧の変化で、応答良く扉体を自動開閉して止水を調節流下し、規定値水位に調節可能としたことを特徴とする、自動水位調節アンダー流下ゲート。
【請求項2】 上記2次コイルスプリングに直線スライド部とストップ端を設け、ストップ端を止める位置をネジなどで前後調節して、2次コイルスプリングを引き始める位置を変え、合成のバネ定数が変わる点を調節できることを特徴とする請求項1の自動水位調節アンダー流下ゲート。
【請求項3】 用水路等の分水、止水ゲートにおいて、ゲートの扉体を扉体軸にもたれるように設け、扉体軸へ1次ねじりバネの一端を取り付け、他の端は、該扉体軸の周を回動可能に設けたレバーに取り付けて、レバーの回動で、1次ねじりバネを介して扉体を回動し止水する構造となし、扉体軸に2次ねじりバネの一端を取り付け、他の端は初期の回動範囲はフリーに、扉体を回動閉止途中のバネ定数を変更する点で止まるボス等に取り付け、該点から1次ねじりバネの作用に反対の定数負荷を与えて、互いのスプリングのバネ定数を相殺して、水位の変化、いわゆる扉体にかかる水圧の変化で、扉体が応答自動開閉して、規定値水位で調節できることを特徴とする、自動水位調節アンダー流下ゲート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、用水路等の分水、止水ゲートにおいて、水位を一定に保、調節流下は、もたれゲートの扉体底部を、水圧の増加によって押し開けてなし、流下で水圧が減じて扉体が戻り止水する作動を自動的に行い、一定水位、水圧を保つようにはたらく、自動水位調節アンダー流下ゲートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の用水路等の分水、止水ゲートで、水位を一定に保って調節流下を行う場合は一般に、ゲートの上からオーバーフローする越流式か、オリフィス式のゲートで、扉を上下して調節流下するが、オリフィス式のゲートで自動で調節する場合は、水位をセンシングして扉を上下動する動力源を備えて調節流下するものが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来の用水路等の止水ゲートで、水位を一定に保って調節流下を行う場合の、ゲートの上からオーバーフローさせる方法では、オーバーフローして落下する水音が大きく騒音の害を生む、人家の近くに設置する止水ゲートなどで、水音の小さな止水ゲートの開発が強く望まれていた。またオリフィス式の自動ゲートでは、水位をセンシングして電動モータなどの動力で、扉を上下して調節流下するもので、水位をセンシングし、扉を上下動する動力源を、得ることが容易でない場所には設置できない。本発明は前記課題を解決して、水位を一定に自動調節し、調節流下は扉体底部でおこない流下の水音が静かで、他の動力源を要しない、自動で調節流下を行う止水ゲートを提供することを目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決して上記目的を達成するため、本発明では次の技術的手段を講じたものである。すなわち本願の請求項1に記載した、自動水位調節アンダー流下ゲートは、扉体が扉体軸に、もたれる構造とし、扉体を回動して水路底部で開閉し、滑らかな流下水流を得る手段を講じた。ゲートの扉体軸に設けたレバーを、油圧シリンダなどで1次コイルスプリングを介して引き、扉体を回動して止水する構造とし、該1次コイルスプリングを適宜引張して扉体が回動閉止する途中の点から、2次コイルスプリングがレバーを反対へ引張する構造にして、2次コイルスプリングが作用する点からは、互いのスプリングのバネ定数が相殺された力で、扉体を回動開閉することができ、扉体にかかる水圧の変化に、扉体が回動開閉する応答性が良く、規定値水位で自動調節流下が可能な技術的手段を講じた。請求項2に記載した、自動水位調節アンダー流下ゲートは、2次コイルスプリングに直線スライド部とストップ端を設け、ストップ端を止めて、合成のバネ定数を変える位置をネジなどで前後調節して、2次コイルスプリングを引き始める位置を調節できる構造とし、扉体が水圧で開閉動作を始める強さを、調節できる技術手段を講じた。
【0005】 請求項3に記載した、自動水位調節アンダー流下ゲートは、ゲートの扉体軸に、1次ねじりバネの一端を取り付け、他の端は、扉体軸の周を回動可能に設けたレバーに取り付け、該レバーを油圧シリンダなどで回動させ、1次ねじりバネを介して扉体を回動閉止する構造となし、2次ねじりバネは初期の回動範囲をフリーに、扉体を閉止する途中の作用点で止め、1次ねじりバネのねじり作用に反対の負荷を与えて、2次ねじりバネが作用する点からは、互いのスプリングのバネ定数を相殺した力で、扉体を回動開閉することで、扉体にかかる水圧の変化で、扉体が回動開閉する応答性が良く、規定値水位で自動調節流下を可能とする技術的手段を講じた。上記技術的手段を講じたことを特徴とする、自動水位調節アンダー流下ゲート【0006】
【発明の実施の形態】前述した課題を解決して上記目的を達成するため本発明では次の技術的手段を講じたものである。すなわち本願の請求項1に記載した、自動水位調節アンダー流下ゲートは止水ゲートにおいて、ゲートの扉体軸に設けたレバーを、油圧シリンダなどで1次コイルスプリングを介して引き扉体を下方へ回動して、扉体底を水路底に当てて止水する構造とする。該1次コイルスプリングを適宜引張して、扉体を回動閉止する途中点から、2次コイルスプリングがレバーを反対の方向へ引張作用するように構成して、2次コイルスプリングが作用する点から、互いのスプリングのバネ定数が相殺されて、水位の変化、いわゆる扉体にかかる水圧の変化に、応答良く扉体を自動開閉して止水を調節流下し、規定値水位での調節を可能となした。扉体を回動し扉体底部を開閉しながら調節流下することで、滑らかな水流が得られ、水音を静かにできる。請求項2に記載した、自動水位調節アンダー流下ゲートは、2次コイルスプリングのレバー連結の反対側に直線スライド部とストップ端を設け、ストップ端を止める位置をネジなどで前後調節し、2次コイルスプリングを引き始める位置を変えて、1次、2次コイルスプリング合成のバネ定数を変化させる点を調節し、扉体が水圧で開閉動作を始める強さを変えて、規定値水位を調整可能とした。
【0007】 請求項3に記載した、自動水位調節アンダー流下ゲートは、ゲートの扉体軸に、1次ねじりバネの一端を取り付け、他の端は、扉体軸の周を回動可能に設けたレバーに取り付け、該レバーを油圧シリンダなどで回動して、1次ねじりバネを介して扉体を回動する構造となし、扉体軸に、2次ねじりバネの一端を取り付け、他の端は初期の回動範囲をフリーに、扉体を閉止する途中の、バネ定数を変更する位置で止まり、該位置から2次ねじりバネが作用する構造とし、1次ねじりバネの作用に反対の負荷を与えて、互いのスプリングのバネ定数を相殺して、水位の変化いわゆる扉体にかかる水圧の変化で、扉体を回動、自動開閉して、規定値水位で調節できることを特徴とする、自動水位調節アンダー流下ゲート【0008】
【実施例】以下、本発明を図面に示した実施例により説明する。「図1」、「図2」、「図3」、「図4」、「図5」、「図6」、「図7」に本発明の実施例の、自動水位調節アンダー流下ゲートを示した。本実施例の自動水位調節アンダー流下ゲート(1)は、用水路の左岸堤(17)、右岸堤(18)の間へ、扉体軸(3)を架け渡し、軸受け(4)で支え設置する。扉体(2)は扉体軸(3)へ、もたれるように設けて、扉体(2)の左右と、底部は水密板を備えて水封する。扉体軸(3)に取り付けた扉体(2)を回動して、水路底部で扉体(2)の底部を開閉して止水を調節流下し、水路底部で滑らかに流下する構造。扉体(2)、扉体軸(3)、レバー(5)を連結して設け、レバー(5)とセットレバー(9)を1次コイルスプリング(6)で繋ぐ、セットレバー(9)は下部の支点で回動可能に固定台へ取り付ける。セットレバー(9)の中間点を油圧シリンダ(10)で押して、1次コイルスプリング(6)が引張して、レバー(5)を引き、扉体(2)は下方へ回動して、扉体(2)の底部を水路底部へ当てて止水する構造。該1次コイルスプリング(6)が引張して扉体(2)を回動、閉止する途中の点から、2次コイルスプリング(7)がレバー(5)を反対側へ引張する構成で、2次コイルスプリング(7)が引張作用する点からは、互いのスプリングのバネ定数が相殺されて、扉体(2)はバネ定数が相殺された力で開閉される。扉体(2)にかかる水圧が予め調節された以上の圧になれば、扉体(2)が開き始め、バネ定数が相殺される範囲で、扉体(2)は水圧変化で開閉作動する応答性が良い。水路上流からの流下、流入が異常に多く水位が予め定めた量を越えて上昇した場合は、図示しないフロートの装置で油圧シリンダ(10)の油圧バルブを解放してスプリングは自由になる、扉体(2)は水圧に押されて回動し、放流する構造と成す。
【0009】 2次コイルスプリング(7)はレバー(5)へ連結する反対側に直線スライド部(7a)とストップ端(7b)を設け、ストップ端(7b)を止める位置をストップ点調節ハンドル(8)の調節ネジ(8a)で前後調節し、2次コイルスプリング(7)を引き始める位置を調節できる構造とし、扉体(2)が水圧で開閉動作を、始める強さを変える手段を講じて成る。
【0010】 「図5」に示す、自動水位調節アンダー流下ゲートは、ゲートの扉体軸(3)に1次扉体軸ボス(13a)を取り付け、1次ねじりバネ(13)の一端を該1次扉体軸ボス(13a)に取り付ける、他の端は、扉体軸(3)の軸周を回動可能に設けた閉止レバー(15)に取り付け、該閉止レバー(15)を閉止油圧シリンダ(16)で押して、1次ねじりバネ(13)を介して扉体(2)を回動し、扉体(2)の底部を水路底部へ当てて止水する構造。扉体軸(3)に2次扉体軸ボス(14a)を取り付け、2次ねじりバネ(14)の一端を該2次扉体軸ボス(14a)に取り付ける、他の端は、扉体軸(3)の軸周を回動できて、回動範囲を規制して設けた揺動ボス(14b)へ取り付ける。前記閉止レバー(15)を、閉止油圧シリンダ(16)で押して、1次ねじりバネ(13)を介して扉体(2)を回動し閉止する作動で、2次ねじりバネ(14)は2次扉体軸ボス(14a)に取り付けて共に回り、揺動ボス(14b)が回動自由な初期のねじり範囲は無負荷で回動し、扉体(2)が回動して閉止する途中の点で揺動ボス(14b)を規制して止め、該点から1次ねじりバネ(13)のねじり作用に反対の負荷を与えて、2次ねじりバネ(14)が作用する点からは、扉体(2)を開閉する力は互いのスプリングのバネ定数分が相殺された力で行われる。扉体(2)にかかる水圧が予め調節された以上の圧になれば、扉体(2)が開き始めるが、バネ定数が相殺される範囲では、扉体(2)が水圧変化で開閉作動する応答性は良好なものとなる。
【0011】 また他にも、閉止レバーを、閉止油圧シリンダで押して、1次ねじりバネを介して扉体を回動し、扉体の底部を水路底部へ当てて止水する構造で、2次コイルスプリングがレバーを反対側へ引張する組み合わせで、2次コイルスプリングが引張作用する点から、互いのスプリングのバネ定数を相殺して、扉体のバネ定数分を相殺した力で開閉する等の組み合わせの構成にしてもよい。
【0012】
【発明の効果】本発明の、自動水位調節アンダー流下ゲートは、分水、止水ゲート等において、ゲートの扉体を扉体軸に、もたれかかるように取り付け、1次スプリングを介し扉体を回動して、扉体底部を水路底に当てて止水する構造で、扉体が閉止作動する途中点から、2次スプリングが1次スプリングの反対の方向へ作用するように構成して、互いのスプリングのバネ定数分を相殺し、水位の変化、いわゆる扉体にかかる水圧の変化で、扉体を自動開閉して止水を調節流下し、規定値水位での調節が可能となる。扉体の底部を開閉して止水を調節流下し、滑らかな水流を得ることで、流下時の水音が静かになる。2次スプリングのレバー連結反対側に直線スライド部とストップ端を設けて、ストップ端を止める位置をネジで前後調節し、2次スプリングが引張作用を始める点を変えて、1次、2次スプリング合成のバネ定数を得る点を調節して、扉体が水圧で開閉動作を始める強さを変えて、規定値水位の調整が、可能となる。
【出願人】 【識別番号】592139500
【氏名又は名称】高橋 信起
【出願日】 平成8年(1996)7月11日
【代理人】
【公開番号】 特開平10−25729
【公開日】 平成10年(1998)1月27日
【出願番号】 特願平8−213985