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【発明の名称】 魚巣ブロック及び魚巣護岸の構築方法
【発明者】 【氏名】川路 明徳
【氏名】塩沢 敏治
【課題】護岸の曲率にあった特殊なブロックを製造する必要がなく、任意の曲率の魚巣護岸を構築することができ、かつ、各ブロックの魚道は連通したものする。

【解決手段】本体の正面側の左右少なくとも一端に突出部を有し、該突出部の側端には隣接するブロックと角度自在に係合可能な凸面又は凹面が形成され、当該側端と対応する他端側には当該凸面又は凹面と対応する凹面又は凸面が形成されている魚巣ブロックを用い、隣り合うブロックの前記凸面及び凹面を係合させて敷設し、隣り合うブロック側面の対向する魚道孔をパイプで連結して横方向の魚道を連通した後、ブロックどうしの隙間に現場打コンクリートを充填することを特徴とする魚巣護岸の構築方法である。ブロック端部の凹面と凸面とを接合することで自由な角度でブロックを連結でき、横方向の魚道はパイプによって連通される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 略直方体の本体の正面側には魚巣穴が、左右面には該魚巣穴と連通する魚道孔が形成されている魚巣ブロックにおいて、本体の正面側の左右少なくとも一端に突出部を有し、該突出部の側端には隣接するブロックと角度自在に係合可能な凸面又は凹面が形成され、当該側端と対応する他端側には、当該凸面又は凹面と対応する凹面又は凸面が形成されていることを特徴とする魚巣ブロック【請求項2】 請求項1の魚巣ブロックにおいて、本体の正面側の左右両端に突出部を有し、一方の突出部の側端に隣接するブロックと角度自在に係合可能な凸面が形成され、他方の突出部の側端にこれと対応する凹面が形成されていることを特徴とする魚巣ブロック【請求項3】 略直方体をなし正面側には魚巣穴が、左右面には該魚巣穴と連通する魚道孔が形成されている魚巣ブロックを積み上げて魚巣護岸を構築する方法において、本体の正面側の左右少なくとも一端に突出部を有し、該突出部の側端には隣接するブロックと角度自在に係合可能な凸面又は凹面が形成され、当該側端と対応する他端側には当該凸面又は凹面と対応する凹面又は凸面が形成されている魚巣ブロックを用い、隣り合うブロックの前記凸面及び凹面を係合させて敷設し、隣り合うブロック側面の対向する魚道孔をパイプで連結して横方向の魚道を連通した後、ブロックどうしの隙間に現場打コンクリートを充填することを特徴とする魚巣護岸の構築方法
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川などの魚巣護岸を構築するための魚巣ブロック、及び、この魚巣ブロックを用いた魚巣護岸の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】魚巣ブロックは、正面側(河川に面する側)に魚巣穴が形成され、その左右面にはこの魚巣穴と連通する魚道孔が形成されている。また、場合によっては上下面にも魚巣穴と連通する魚道孔が形成されている。このようなブロックを積み上げて魚巣護岸を形成した場合、魚類の生息のためには、各ブロックの魚道が連通していることが望ましい。このため、左右の隣接するブロックは、ほぼピッタリと隙間なく左右側面の魚道孔が完全に接して、魚道孔が連通するように敷設される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の魚巣護岸は、上記のごとくであるから、護岸がまっすぐで完全に平らな面を構築する場合はよいのであるが、護岸がカーブして構築される場合には、隣り合うブロックどうしの間に隙間が生じてしまうから、隙間が生じないように、側面に角度を設けた特殊なブロックを製造するなどして対応しなければならない。側面の角度は護岸の曲率によって異なるから、種々の角度のブロックを製造しなければならない場合もあり、工事計画が煩雑になっていた。本発明は、護岸がカーブして構築される場合にきわめて好適な魚巣ブロック、及び、魚巣護岸の構築方法に関し、護岸の曲率にあった特殊なブロックを製造する必要がなく、任意の曲率の魚巣護岸を構築することができ、かつ、各ブロックの魚道は連通したものとなるのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、略直方体の本体の正面側には魚巣穴が、左右面には該魚巣穴と連通する魚道孔が形成されている魚巣ブロックにおいて、本体の正面側の左右少なくとも一端に突出部を有し、該突出部の側端には隣接するブロックと角度自在に係合可能な凸面又は凹面が形成され、当該側端と対応する他端側には、当該凸面又は凹面と対応する凹面又は凸面が形成されていることを特徴とする魚巣ブロック、及び、略直方体をなし正面側には魚巣穴が、左右面には該魚巣穴と連通する魚道孔が形成されている魚巣ブロックを積み上げて魚巣護岸を構築する方法において、本体の正面側の左右少なくとも一端に突出部を有し、該突出部の側端には隣接するブロックと角度自在に係合可能な凸面又は凹面が形成され、当該側端と対応する他端側には当該凸面又は凹面と対応する凹面又は凸面が形成されている魚巣ブロックを用い、隣り合うブロックの前記凸面及び凹面を係合させて敷設し、隣り合うブロック側面の対向する魚道孔をパイプで連結して横方向の魚道を連通した後、ブロックどうしの隙間に現場打コンクリートを充填することを特徴とする魚巣護岸の構築方法である。
【0005】魚巣ブロックの正面側の左右端の突出部はどちらか一端でもよいし、両端に設けてもよい。この突出部の側端には、隣接するブロックと角度自在に係合可能な凸面又は凹面が形成され、当該側端と対応する他端側には当該凸面又は凹面と対応する凹面又は凸面が形成されているので、隣り合うブロックの前記凸面及び凹面を係合させて敷設することで、隣り合うブロックを自由な角度で接合することができる。隣り合うブロックの間には隙間が生じるので、ブロック側面の対向する魚道孔をパイプで連結することで、各ブロックの横方向の魚道が全て連通される。パイプは折り曲げ自在な可撓パイプやボイドとすることで容易に折り曲げてカーブ施工ができる。ブロックどうしの隙間は現場打コンクリートを充填し、各ブロックが一体となった魚巣護岸が構築される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、実施例を表した図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。図1、2は本発明方法により構築した魚巣護岸の横断面説明図で図1は外カーブ、図2は内カーブ施工である。図3は図1又は図2の魚巣護岸の縦断面図である。図4〜6は実施例の魚巣ブロック1に関し、図4は正面図、図5は側面図、図6は平面図である。図7は他の実施例の魚巣ブロック20の平面図である。
【0007】図4〜6に示す魚巣ブロック1は、本体形状が略直方体をなしている。その正面側には魚巣穴2が、左右側面には該魚巣穴2と連通する魚道孔3が、上下面にはやはり魚巣穴2と連通する魚道孔4、4aが形成されている。魚道孔3は円形、上部の魚道孔4は台形、下部の魚道孔4aは長円形断面をなしている。本体の正面側の左右両端には突出部5、6を有し、一方の突出部5の側端には凹面5aが、他方の突出部6の側端には凸面6aが形成されている。凹面5aと凸面6aとは角度自在に係合可能となっているから、図1、2に示すように、隣接するブロックは凹面と凸面とが係合して角度自在に敷設することができる。
【0008】ブロック1の側面は、図6に示すように、奥側に向かってすぼまるように、やや角度が付けられている。これは、図1のような外カーブを施工するときに、カーブの曲率が大きい場合に隣接するブロックを大きな角度で接続することを可能とするためである。突出部5、6の突出幅を大きくすれば、側面に角度を付ける必要はなくなる。ブロック側面には縦溝7、8が形成されている。これは、図1、2に示すように、隣接するブロックの間に現場打コンクリートを充填したときに、ブロックと現場打コンクリートとの結合強度を強くし、積み上げた各ブロックの一体化を図るためである。また、図5に示すように、ブロック1の正面側の上端には突条11が、下端には切欠部12が形成されている。これは、積み上げた上下のブロックの当該突条11と切欠部12が噛み合ってずれにくくするためである。
【0009】図1〜3は、魚巣ブロック1を用いて構築した魚巣護岸の例である。ブロック1は、例えば、図3に示すようなコンクリートの基礎13の上に積み上げられる。第1段目を護岸のカーブに合わせて図1、2のように適宜の角度で敷設する。ブロックの敷設に際して、隣り合うブロック側面の対向する魚道孔3、3に可撓パイプ9の両端を挿入して連結し、横方向の魚道を連通する。このようにしてブロックを適宜段数積み上げる。そして、ブロックの間の隙間に現場打コンクリート10を充填し、各ブロックを一体化する。なお、当然ながら、現場打コンクリートには必要に応じて補強鉄筋を入れ鉄筋コンクリートとすることができる。最上段には笠木ブロック14で蓋をする。
【0010】このようにして構築した魚巣護岸は、各ブロックの横方向の魚道孔が連通しているほか、図3に示すように、縦方向の魚道孔4、4aも全て連通しているから、魚巣穴2、魚道孔3、4、4aの全てが連通している。魚巣穴2からブロック内に入った魚は、これら魚道孔を通り上下左右のブロック内に自由に移動することができるわけである。
【0011】上記した実施例の魚巣ブロック1、及び、魚巣護岸の構築方法は例示にすぎない。例えば、基礎はコンクリート基礎に限るものではなく、割栗地業の上に捨コンクリートを打設したような基礎でもよい。魚道孔3、3を接続するパイプは、護岸がカーブしていない場合には、当然ながら、可撓パイプである必要はない。また、最上段の笠木ブロック14は必ずしも必要ではない。蓋をする場合でも、現場打コンクリートなど、他の手段を用いることもできる。
【0012】図7に示すのは他の実施例の魚巣ブロック20の平面図である。魚巣ブロック20が前記のブロック1と異なるのは、本体の正面側の右側のみに突出部21が形成されている点である。突出部21の側端には隣接するブロックと角度自在に係合可能な凸面21aが形成されている。突出部21の背面側は、なだらかなテーパ面となっており、ブロック輸送時の当該部分の欠けが生じないように配慮されている。突出部21と対応する他端側には、凸面21aと対応する凹面22が形成されている。ブロック20は、前記のブロック1と全く同様に用いることができる。
【0013】
【発明の効果】本発明の魚巣ブロックは、両側端の凹面と凸面を係合することで、自由な角度で連結することができるから、どのようにカーブした護岸の構築にも用いることができる。隣り合うブロックの対向する魚道孔をパイプで連結することで、各ブロックの魚道孔が連通し、魚が自由にブロックからブロックへ泳ぎ移ることができるようになる。ブロックの隙間は現場打コンクリートが充填され、各ブロックが一体化して、護岸全体が一体のものとなり、背面の土圧に対する強度を確保することができる。
【出願人】 【識別番号】393008843
【氏名又は名称】トクコン株式会社
【出願日】 平成8年(1996)7月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】神戸 清 (外1名)
【公開番号】 特開平10−25727
【公開日】 平成10年(1998)1月27日
【出願番号】 特願平8−200986