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【発明の名称】 水路における角溝の作業用ロボット
【発明者】 【氏名】四十物 治夫
【氏名】山田 豊
【氏名】三輪 一仁
【氏名】三浦 学
【課題】清掃具を取付けた支持部材を水平梁部材で連結した構成では、水路の幅に応じた長さの水平梁部材に変更しなければならなく対応性が悪いし、水流中で作業用ロボットを使用する場合、流体力に耐える必要があるので、全体が大型化して、重量も大きくなるため円滑な取扱いができない。

【解決手段】角溝2に沿うロボット本体3に、剥離ブラシ装置16を取付け、角溝2の底壁面20を転動する遊動車輪を有した車輪装置36を設け、角溝2の側壁面を押圧する押圧用車輪を有する移動用車輪装置45を設け、押圧ばねにより移動用車輪装置45を各側壁面に押圧した状態でロボット本体3を昇降する構成としたことにより、水路1の幅如何にかかわらず角溝2の清掃をすることができ、対応性が向上し、全体を小型化でき、重量が大きくならないことに伴って作業用ロボットの扱いが容易になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水路に形成した角溝に沿って移動自在なロボット本体が設けられ、このロボット本体に、角溝に対して作業する作業具を支持するための支持部が設けられ、角溝の所定の壁面に当接して転動しロボット本体を角溝に沿って走行させるための走行車輪を有する走行装置が設けられ、ロボット本体が角溝から離脱するのを防止するための離脱防止装置が設けられ、この離脱防止装置は、角溝の対向する各側壁面を押圧した状態で転動する押圧用車輪を有する押圧機構を備えたことを特徴とする水路における角溝の作業用ロボット。
【請求項2】 水路に形成した角溝に沿って移動自在なロボット本体が設けられ、このロボット本体に、角溝に対して作業する作業具を支持するための支持部が設けられ、角溝の所定の壁面に当接して転動しロボット本体を角溝に沿って走行させるための走行車輪を有する走行装置が設けられ、ロボット本体が角溝から離脱するのを防止するための離脱防止装置が設けられ、この離脱防止装置は、水流を用いてロボット本体を角溝の底壁面側に押圧するための押圧用ファンを備えたことを特徴とする水路における角溝の作業用ロボット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば火力発電所や原子力発電所、製鉄所などに付設される水路に設置してある水路にゲート(角落としともいう)を差し込むための角溝を点検したり清掃したりするための作業用ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、火力発電所や原子力発電所、製鉄所の冷却水路などには水路が設置してあり、この水路にはゲートを差し込むための角溝を形成している。そしてこの角溝には汚損生物が付着するため、この汚損生物の剥離・除去作業が必要である。
【0003】この汚損生物の剥離・除去作業は、潜水士が直接行ったり、水中作業用ロボットを用いて行っている。しかし水路に水を流した状態で潜水士が剥離・除去作業を行うのは危険が伴うため、水路に流水がある場合は主に作業用ロボットを用いて作業を行っている。
【0004】そして従来、角溝に付着した汚損生物を剥離・除去作業を行うための作業用ロボットには、図11に示すようなものがある。この作業用ロボット170 は、水平方向に所定の長さを有した水平梁部材171 の両側に鉛直方向の支持部材172 を取付け、これら各支持部材172 の下部に清掃ブラシ173 を取付け、作業用ロボット170 全体をクレーン装置で吊持している。
【0005】この構成によれば、清掃ブラシ173 を回転駆動し、またクレーンを駆動することにより水平梁部材171 を上下動するようにして、角溝174 に付着した汚損生物を順次剥離・除去するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の作業用ロボット170 では、清掃ブラシ173 を取付けた支持部材172を水平梁部材171 で連結した構成であるので、異なった幅の水路175 において汚損生物を剥離・除去する場合は、水路175 の幅に応じた長さの水平梁部材171 に変更しなければならなく、対応性が悪い。
【0007】また水流中で作業用ロボット170 を使用する場合は、水平梁部材171 に作用する流体力に耐え得る構造にする必要があるので、作業用ロボット170 全体が大型化して、重量が大きくなりとともに円滑な取扱いができない。
【0008】そこで本発明は、上記課題を解決し得る水中作業用ロボットの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明における課題を解決するための手段は、水路に形成した角溝に沿って移動自在なロボット本体が設けられ、このロボット本体に、角溝に対して作業する作業具を支持するための支持部が設けられ、角溝の所定の壁面に当接して転動しロボット本体を角溝に沿って走行させるための走行車輪を有する走行装置が設けられ、ロボット本体が角溝から離脱するのを防止するための離脱防止装置が設けられ、この離脱防止装置は、角溝の対向する各側壁面を押圧した状態で転動する押圧用車輪を有する押圧機構を備えている。
【0010】また、離脱防止装置は、水流を用いてロボット本体を角溝の底壁面側に押圧するための押圧用ファンを備えている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。まず本発明の実施の第一形態を、図1〜図7に基づいて説明すると、これは、火力発電所や原子力発電所、製鉄所の冷却水路などの水路1において、この水路1に形成された角溝2に付着した汚損生物を剥離・除去するためのもである。
【0012】図1の全体図および図2の拡大図に示すように、角溝2に沿う上下方向に長いロボット本体3が設けられ、このロボット本体3は、一側開放で縦長の外殻体4と、この外殻体4の開放側を被覆するように取付けた支持板(支持部)5とから構成され、外殻体4の端部には、地上側のクレーン装置6に吊持用ワイヤ7を取付ける取付け片8が形成されている。
【0013】このロボット本体3の支持板5の一側端部(図では下方)に清掃中の角溝2内の状態を監視したり、清掃後の角溝2を撮影するための水中ビデオカメラ装置10が取付けられ、図2に示すように、この水中ビデオカメラ装置10は、水中ライト付きビデオカメラ11が支持板5に、ブラケット13に横軸12を介して回動自在に取付けられ、清掃中の角溝2内の状態の監視は、水中ビデオカメラ装置10に接続された地上の電源制御操作装置14のモニター部15で行うものである。
【0014】この水中ビデオカメラ装置10の上側で支持板5に、角溝2に付着した汚損生物を剥離・除去するための剥離ブラシ装置16が配置され、図2および図3に示すように、この剥離ブラシ装置16は、支持板5に形成した傾斜部17に取付けられたブラシ用モータ18と、このブラシ用モータ18の出力軸の回転を角溝2の底壁面20、両側壁面21,22にそれぞれ直角な方向の軸心23,24周りの回転に変換するための変換機構部25と、この変換機構部25から突出して軸心23,24方向に沿う軸心部材(フレキシブルな材料で形成されている)26,27,28にそれぞれ取付けられた円板状の清掃ブラシ(作業具の一例)30とから構成されている。
【0015】剥離ブラシ装置16の上方で支持板5に、剥離ブラシ装置16で剥離・除去した汚損生物を他の場所に噴き飛ばすための噴飛ばし用ブロアー装置31が配置され、図2に示すように、この噴飛ばし用ブロアー装置31は、支持板5に挿通支持されたシュート部材32と、このシュート部材32に回転自在に内装支持された噴飛ばし用ファン33と、支持板5に支持されて噴飛ばし用ファン33を回転させるための噴飛ばし用モータ34とから構成され、この噴飛ばし用モータ34の駆動制御は、電源制御操作装置14の制御操作部35を操作して行う。
【0016】この噴飛ばし用ブロアー装置31の上方で支持板5に、装置全体が角溝2内へ入り込み過ぎるのを防止する(底壁面20と清掃ブラシ30の距離を一定に保つ)ための車輪装置36が取付けられ、図2および図4に示すように、この車輪装置36は、支持板5に取付けられた脚37,42の先端部に、車軸支持片38,43に取付けられた支軸40aを介して回転自在に支持された遊動車輪40,44から構成されている。また41は、装置全体の走行距離を計測するためのエンコーダである。
【0017】この車輪装置36の上方で支持板5に、ロボット本体3を角溝2に沿って移動させるための複数個(図では4個)の移動用車輪装置(離脱防止装置の一例)45,46が取付けられ、各移動用車輪装置45,46は、図2および図5〜図7に示すように、支持板5に軸心47回りに揺動自在に取付けられた駆動モータ50,51とこの駆動モータ50,51に接続した減速機50A,51Aの出力軸50a,51a端部に取付けられた押圧用車輪52,53とを備え、駆動モータ50,51が軸心47回りに揺動することにより押圧用車輪52,53が側壁面21,22に当接離反可能とされている。
【0018】また各移動用車輪装置45,46は、押圧用車輪52,53の周面を一方の側壁面21,22に押圧しまた押圧を解除するための押圧解除装置54,55を有し、この押圧解除装置54,55は、押圧用車輪52,53を、出力軸50a,51aに取付けた環状部材62,63を押圧杆56を介して側壁面21,22側に押圧するとともにばね内装部材57に内装された押圧ばね58と、この押圧ばね58の弾性力に抗して押圧用車輪52,53を側壁面21,22から離反させるための離反機構60とから構成され、押圧杆56は押圧ばね58を挿通した挿通部61と、この挿通部61の先端部と環状部材62,63との間に縦軸部材64を介して回動自在に取付けられた操作部65とから構成されている。
【0019】押圧ばね58の弾性力は、押圧用車輪52,53が側壁面21,22を押圧した際にロボット本体3が自重により下降してしまわない程度に設定されており、また押圧用車輪52,53は減速機50A,51Aに連結されることにより自重として働く下降力による回転を防止されている。
【0020】また押圧ばね58で側壁面21,22に押圧された押圧用車輪52,53は、側壁面21,22に対して底壁面20側に傾斜して当接するものである。前記離反機構60は、支持板5の取付け片に縦軸部材66を介して基端部が回動自在に取付けられた解除用シリンダ装置(例えば油圧シリンダ装置が用いられる)67と、この解除用シリンダ装置67の先端ロッド68に基端部が別の縦軸部材70を介して連結されるとともに途中に縦軸部材71を介して前記押圧杆56の挿通部61が取付けられる解除用リンク72とから構成され、この解除用リンク72の先端部は、ばね内装体に取付けた支持アングル73に縦軸部材74を介して回動自在に支持されている。
【0021】なお解除用シリンダ装置67は、地上の油圧供給装置75に油圧ホース76を介して接続され、油圧供給装置75の操作により駆動されるものである。このように構成された各移動用車輪装置45,46において、上下2個の移動用車輪装置45ではその押圧用車輪52が一方の側壁面21を押圧する方向に配置され、中央の2個の移動用車輪装置46では、その押圧用車輪53が他方の側壁面22を押圧する方向に配置されている。
【0022】そしてこれら各移動用車輪装置45,46において、解除用シリンダ装置67に圧油を供給していない状態では、押圧ばね58の押圧力により押圧用車輪52,53は、それぞれ側壁面21,22を押圧しており、油圧供給装置75を操作して解除用シリンダ装置67に圧油を供給すると、先端ロッド68が移動し、これに従動して解除用リンク72が縦軸部材74回りに回動して押圧杆56の挿通部61を押圧ばね58の押圧力に抗して引込み、各押圧用車輪52,53が側壁面21,22から離反する。
【0023】また移動用車輪装置45,46の上方に、従動車輪装置80が配置され、この従動車輪装置80は、図7に示すように、支持板5に直角に取付けられた支持脚81と、この支持脚81に水平軸部材82を介して回転自在に取付けられた従動車輪83とから構成されている。
【0024】同図に示すように、ロボット本体3の外殻体4の上端面に延長された支持板84には、各モータ18,34,50,51の駆動部に接続する電源ケーブル85および各解除用シリンダ装置67に圧油を供給するための油圧ホース86が保持具87を介して挿通され、電源ケーブル85および油圧ホース86は、蛇腹状のカバー体(例えば、スパイラルの補強紐を巻いたホースが用いられる)88で被覆されている。
【0025】また図1に示すように、水路1の上面に、カバー体88を把持して所定の長さ分だけ鉛直に立てるようにしてこれを昇降案内するための案内装置90が設けられ、この案内装置90は、水路1の上面に設置される支持ブラケット91と、この支持ブラケット91の前面側に配置されてカバー体88の把持力を調節するための調節部92とから構成され、この調節部92は、カバー体88の周面に当接して回転する案内ローラ93と、この案内ローラ93を移動して支持ブラケット91の前面までの距離を調節するための調節ハンドル94と、カバー体88の張力を検出する図示しない張力センサとを備えている。
【0026】なお図示しないが、ロボット本体3が角溝2内に存在することを検出する位置センサと、角溝2内に沿って走行した距離を計測する計測センサとを備えている。
【0027】上記構成において、水路1の角溝2に付着した汚損生物を剥離・除去するには、まず案内装置90を水路1の上面に設置してカバー体88(電源ケーブル85および油圧ホース86)を案内装置90に取付け、また油圧供給装置75を操作して解除用シリンダ装置67に圧油を供給し押圧杆56の挿通部61を押圧ばね58の押圧力に抗して引込ませ、各押圧用車輪52,53を側壁面21,22から離反する方向に回動させておき、この状態でロボット本体3を角溝2に沿わせるようにし、油圧供給装置75を操作して解除用シリンダ装置67への圧油の供給を停止する。
【0028】そうすると、押圧ばね58の押圧力により押圧杆56が環状部材62,63を側壁面21,22側に押圧し、各押圧用車輪52,53が対向する側壁面21,22をそれぞれ押圧する。この各押圧用車輪52,53の押圧力により、ロボット本体3はその場で位置保持される。
【0029】また押圧用車輪52,53は側壁面21,22に押圧された際に、側壁面21,22に対して底壁面20側に傾斜して当接し、ロボット本体3を常時底壁面20側に押圧しているので、清掃作業中であってもロボット本体3が角溝2から外れてしまうのを防止している。
【0030】次に、電源制御操作装置14の制御操作部35を操作してブラシ用モータ18、噴飛ばし用モータ34、駆動モータ50,51を駆動すると、三方向の軸心部材26,27,28回りに清掃ブラシ30が回転して角溝2の底壁面20、両側壁面21,22に付着した汚損生物を除去する。また清掃ブラシ30の回転により除去された汚損生物は、噴飛ばし用ブロアー装置31の噴飛ばし用ファン33の回転により、水路1内に噴き飛ばされ、駆動モータ50,51の駆動により、ロボット本体3が角溝2に沿って下降し、清掃ブラシ30の回転によって角溝2に付着した汚損生物を順次除去する。
【0031】案内装置90においては張力センサでカバー体88の張力を検出しており、カバー体88の繰出し速度は、ロボット本体3の走行速度より少し遅く設定されているもので、張力センサでの検出値が基準値を越えた場合、やや速度を上げて繰出すよう自動制御されている。
【0032】また清掃中の角溝2内の状態は、水中ビデオカメラ装置10を駆動して電源制御操作装置14のモニター部15で監視することにより知り得、汚損生物が強固な場合は、駆動モータ50,51を逆に駆動して、ロボット本体3を角溝2に沿って昇降させて、清掃ブラシ30で複数回にわたって汚損生物を除去する作業を行うようにして、確実に剥離・除去するようにする。
【0033】カバー体88の巻上げ速度は、ロボット本体3の走行速度より少し早く設定されているもので、張力センサでの検出値が基準値を越えた場合、やや速度を下げて巻上げるよう自動制御されている。
【0034】そして、所定の角溝2の清掃が終了したら、駆動モータ50,51を駆動してロボット本体3を上昇させ、その角溝2から取外し、上記と同様にして別の角溝2に設置し、その角溝2に付着した汚損生物を剥離・除去する。
【0035】なお軸心部材26,27,28はフレキシブルな材料で形成されているので、ロボット本体3が角溝2に対して多少傾斜したとしても、清掃ブラシ30は底壁面20、側壁面21,22に平行に接触するようになる。
【0036】このように本発明の実施の第一形態による作業用ロボットを用いることにより、流水中に潜水士が潜水して角溝2に付着した汚損生物を剥離・除去する作業を行う必要がなく安全に作業ができ、また、作業用ロボットは、角溝2に沿うロボット本体3に、角溝2に付着した汚損生物を剥離・除去する剥離ブラシ装置16を取付け、角溝2の底壁面20を転動する遊動車輪40を有した車輪装置36を設け、角溝2の対向する側壁面21,22を押圧する押圧用車輪52,53を有する移動用車輪装置45,46を設け、押圧ばね58により移動用車輪装置45,46を各側壁面21,22に押圧した状態でロボット本体3を昇降する構成としたので、ロボット本体3どうしを連結するような梁部材を要せず、水路1の幅如何にかかわらず角溝2の清掃をすることができ、対応性が向上する。
【0037】また流体力を大きく受けるような突出した梁部材がないので、従来に比較して作業用ロボット全体を小型化でき、また重量が大きくならないので、作業用ロボットの扱いが容易になる。
【0038】次に、図8および図9に基づいて本発明の実施の第二形態を説明すると、これは、ロボット本体100 の支持板101 の下部に剥離ブラシ装置102 が配置され、この剥離ブラシ装置102 は、支持板101 に傾斜して取付けられたブラシ用モータ103 と、このブラシ用モータ103 の出力軸の回転を角溝104 の底壁面105 、両側壁面106,107 にそれぞれ直角な方向の軸心110,111 回りの回転に変換するための変換機構部(図示せず)と、この変換機構部によって軸心110,111 回りに回転自在に構成された円板状の清掃ブラシ112,113 とから構成されている。
【0039】この剥離ブラシ装置102 の上方に、ロボット本体100 を角溝104 に沿って移動させるための複数個(図ではロボット本体100 の下部に2個、上部に2個の計4個)の移動用車輪装置114 および離脱防止用車輪装置115 が設けられている。
【0040】これら各移動用車輪装置114 は、支持板101 に直角に取付けられた第一取付け板116 に挿通する第一筒体117 と、この第一筒体117 の先端部に取付けたブラケット118 に横支軸部材119 を介して回転自在に支持された第一オムニ車輪120 (押圧用オムニ車輪)と、第一筒体117 内に配置されてブラケット118 を介して第一オムニ車輪120 を各側壁面106,107 に押圧するための図示しない押圧ばねと、支持板101 の板面に直角に外被部が挿通されて第一オムニ車輪120 を横支軸部材119 回りに回転させるための走行駆動用モータ121 と、第一オムニ車輪120 を角溝104 の各側壁面106,107 から離反させるための第一離反機構122 とから構成されている。
【0041】この第一離反機構122 は、支持板101 に横軸部材123 回りに回動自在に基端部が支持された第一離反用シリンダ装置124 (例えば油圧シリンダ装置が用いられる)と、この第一離反用シリンダ装置124 の先端ロッド125 と第一筒体117 の基端部とを連結する第一連結杆126 とから構成されている。
【0042】そしてこれら各移動用車輪装置114 においては、第一オムニ車輪120 が交互に反対方向を向けて、対向する側壁面106,107 側に配置されるよう構成されている。
【0043】各離脱防止用車輪装置115 は、支持板101 に直角に取付けられた第二取付け板127 に挿通する第二筒体128 と、この第二筒体128 の先端部に取付けたブラケット130 に縦支軸部材131 を介して回転自在に支持された第二オムニ車輪132 と、第二筒体128 内に配置されてブラケットを介して第二オムニ車輪132 を各側壁面106,107 に押圧するための図示しない押圧ばねと、支持板101 の板面に直角に外被部が挿通されて第二オムニ車輪132 を縦支軸部材131 回りに回転させるための押圧用モータ133 と、第二オムニ車輪132 を角溝104 の各側壁面106,107 から離反させるための第二離反機構134 とから構成されている。
【0044】この第二離反機構134 は、支持板101 に基端部が支持された第二離反用シリンダ装置135 と、この第二離反用シリンダ装置135 の先端ロッド136 と第二筒体128 の基端部とを連結する第二連結杆138 とから構成されている。
【0045】またロボット本体100 の上下部に、従動車輪装置140,141 が設けられ、これら各従動車輪装置140,141 は、支持板101 の板面に横軸部材144,145 を介して回転自在に取付けられた従動車輪146,147 とから構成されている。
【0046】そして上記各離反用シリンダ装置124 は、実施の第一形態と同様に、地上に配置した油圧供給装置75に油圧ホース86を介して接続されて油圧供給装置75の操作により駆動されるものであり(図1参照)、ブラシ用モータ103 、走行駆動用モータ121 、押圧用モータ133 の駆動制御は、上記実施の第一形態と同様に、電源制御操作装置14の制御操作部35を操作して行う。
【0047】なお剥離ブラシ装置102 の上方には、汚損生物を他の場所に噴き飛ばすための噴飛ばし用ブロアー装置148 が配置され、ロボット本体100 の下部には、水中ビデオカメラ装置149 が取付けられている。
【0048】この実施の第二形態において、油圧供給装置75を駆動して各離反用シリンダ装置124 に圧油を供給して先端ロッド125,136 を押圧ばねの押圧力に抗して移動させるこにより、第一オムニ車輪120 、第二オムニ車輪132 を移動させ、この状態でロボット本体100 を角溝104 に沿わせるように挿入する。そして、油圧供給装置75によって圧油の供給を停止すると、第一オムニ車輪120 、第二オムニ車輪132 が押圧ばねの押圧力により各側壁面106,107 に押圧され、ロボット本体100 がその位置を保持する。
【0049】ここで、電源制御操作装置14の制御操作部35を操作して、ブラシ用モータ103 を駆動して清掃ブラシ112,113 を回転させ、走行駆動用モータ121 を駆動して第一オムニ車輪120 を回転させ、押圧用モータ133 を駆動して第二オムニ車輪132 を回転させる。そして第一オムニ車輪120 が回転すれば、第一オムニ車輪120 は横支軸部材119 回りに回転するのでロボット本体100 を角溝104 に沿って昇降させることができ、第二オムニ車輪132 が回転すれば、第二オムニ車輪132 は縦支軸部材131 回りに回転するので、ロボット本体100 を角溝104 の底壁面105側に押圧し、ロボット本体100 が角溝104 から外れるのを防止することができる。
【0050】そして実施の第一形態と同様に、清掃ブラシ112,113 が回転することにより角溝104 の底壁面105 、各側壁面106,107 に付着した汚損生物を剥離・除去することができ、清掃状況は水中ビデオカメラ装置149 によって電源制御操作装置14のモニター部15で監視しながら行い、汚損生物が強固な場合は、押圧用モータ133 を適宜の方向に駆動して、ロボット本体100 を角溝104 に沿って昇降させ、清掃ブラシ30で複数回にわたって汚損生物を除去する作業を行う。
【0051】このとき、各離脱防止用車輪装置115 には、オムニ車輪(第二オムニ車輪132)を設けているので、第二オムニ車輪132 における側壁面106,107 との当接部分が水平軸回りに回転し、従って、離脱防止用車輪装置115 における押圧ばねの押圧力を解除しなくても、ロボット本体100 を円滑に昇降させることができる。
【0052】他の作用効果は上記実施の第一形態と同様であるので省略する。次に、図10に基づいて本発明の実施の第三形態を説明すると、これは、ロボット本体150 の下部に、角溝151 に付着した汚損生物を剥離・除去するための剥離ブラシ装置152 が取付けられ、角溝151 の底壁面153 に当接して転動してロボット本体150 を角溝151 に沿って昇降させるための走行装置154 が設けられ、水流155 を用いてロボット本体150 を角溝151 の底壁面153 側に押圧するための水流発生装置(離脱防止装置の一例で、スラスタともいう)156 が設けられたもので、剥離ブラシ装置152 および走行装置154 には、上記実施の第一形態と同様の構成のものが用いられ、水流発生装置156 は外殻体157 の開口部に配置した複数の水流発生用ファン(押圧用ファン)158 と、これら水流発生用ファン158 を駆動するための駆動モータ(図示せず)とから構成されている。
【0053】なおロボット本体150 は、クレーン装置160 により吊持用ワイヤ161 を介して吊持されている。この本発明の実施の第三形態によれば、剥離ブラシ装置152 、走行装置154 を駆動することにより角溝151 に付着した汚損生物を剥離・除去するものであるが、駆動モータを駆動して水流発生用ファン158 を回転させ、角溝151 の底壁面153 側から水路の中央に向く水流155 を発生させることにより、その水流155 による反力でロボット本体150 が角溝151 から離脱するのを防止できる。
【0054】なおこの実施の第三形態では、走行装置154 を設ける代わりに自重によって角溝151 内を下降させ、上昇させる際にはクレーン装置160 を駆動することにより行うようにすることもできる。
【0055】また上記各実施の形態では、作業具として剥離ブラシ装置(清掃ブラシ)を用いたがこれに限定されるものではなく、板厚測定装置や塗膜厚測定装置などの非破壊検査装置を取付けることによって、作業用ロボットを水中構造物の検査に用いることができる。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明は、水路に形成した角溝に沿って移動自在なロボット本体に、角溝に対して作業する作業具を支持するための支持部を設け、ロボット本体が角溝から離脱するのを防止する離脱防止装置を設け、この離脱防止装置として、角溝の対向する各側壁面を押圧した状態で転動する押圧用車輪あるいは、水流を用いてロボット本体を角溝の底壁面側に押圧するための押圧用ファンを用いたので、従来のようにロボット本体どうしを連結するような梁部材を要することなくロボット本体が角溝から離脱するのを防止できるとともに、水路の幅如何にかかわらず角溝に対して作業をすることができ、従って、水路ごとに対する対応性を向上させることができる。
【0057】また、梁部材のように大きな流体力を受ける部材を用いないので、作業用ロボット全体を小型化して重量を小さくし得、もって作業用ロボットの扱いを容易に行い得る。
【出願人】 【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
【出願日】 平成8年(1996)7月3日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開平10−18271
【公開日】 平成10年(1998)1月20日
【出願番号】 特願平8−173115