トップ :: E 固定構造物 :: E02 水工;基礎;土砂の移送

【発明の名称】 土のうの製造方法及びその装置
【発明者】 【氏名】安井 庸邦
【課題】土のう袋製造の重労働を軽減し、能率化及び低コスト化する。

【解決手段】本発明の方法では、先ず支持枠3に多数の土のう袋Wの開口部を上向きに開口せしめ平面的に近接させて配置し、上記各土のう袋Wの開口部が開口状態で且つ略単一平面上で開口状態を保つように開口枠2に支持し、該開口部に対し上方より土類23を投入充填した後、上記支持枠3を残置させたまま土のう袋Wを上方に取り出して行う土のうの製造方法としている。また本発明の装置は、内部に土のう袋Wを挿入し該土のう袋Wの開口部を開口状態で係脱自在に支持する多数の仕切枠1を列設して支持枠3を構成すると共に、該支持枠3の内径を上方に向かって拡開形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持枠(3)に多数の土のう袋(W)の開口部を上向きに開口せしめ平面的に近接させて配置し、上記各土のう袋(W)の開口部が開口状態で且つ略単一平面上で開口状態を保つように開口枠(2)に支持し、該開口部に対し上方より土類(23)を投入充填した後、上記支持枠(3)を残置させたまま土のう袋(W)を上方に取り出して行う土のうの製造方法。
【請求項2】 土類(23)の投入時に、平面的に配置された各土のう袋(W)の開口部間の隣接間隙を覆う土受けカバー(10)を上記開口部上に配置した請求項1の土のうの製造方法。
【請求項3】 土受けカバー(10)と支持枠(3)との間に、土のう袋(W)の開口部を開口状態で支持する開口枠体(2a)を介装して袋詰めを行う請求項1又は2の土のうの製造方法。
【請求項4】 袋詰めされた複数の土のう袋(W)を複数の吊具(55)を有する吊り上げ装置(50)によって、支持枠(3)を床面上に残置させながら同時に取り出す請求項1又は2又は3の土のうの製造方法。
【請求項5】 内部に土のう袋(W)を挿入し該土のう袋(W)の開口部を開口状態で係脱自在に支持する多数の仕切枠(1)を列設して支持枠(3)を構成すると共に、該支持枠(3)の内径を上方に向かって拡開形成してなる土のうの製造装置。
【請求項6】 各仕切枠(1)の下部に通孔(17)を有する底部(16)を設けた請求項5の土のう製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は袋内に土や砂或いはプラスチック粒状体等を充填する土のう(嚢)の製造方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来土のうを作る方法としては人手により土のう袋を開口保持する者とスコップ等で土入れをする者との二人作業で行う方法や、二人作業の非能率性を改善するため、コンベアで供給される土をダンパ付のホッパで受け止め、一袋毎にダンパを開閉しながら袋詰めし、ホッパ開口部に対して袋の供給と保持及び袋詰め済のものを次工程に移動させる方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記のコンベアとホッパを用いた方法では、コンベアや専用のホッパを必要とするほか、袋詰め作業と袋詰め後の土のうの場所移動をする作業が必要であり、特に土のうの移動作業は高齢者や婦人では困難な重労働であるほか、非能率で且つコスト高になる欠点がある。このため壁面に植生を促すための土のう壁等では、設計上採用されていても現地工事に際してコンクリートやコンクリートブロック等に変更される例がしばしばである。
【0004】また水害や震災時等の緊急時には土のう製造作業が間に合わず、大きな二次災害を招く等の問題があった。そして工事現場で用いられる土のうの製造装置は、一度に多数の土のう袋の袋詰め作業を簡単に行うことができると共に、運搬等の取扱いが容易であることが求められるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するための本発明の手段は、第1に支持枠3に多数の土のう袋Wの開口部を上向きに開口せしめ平面的に近接させて配置し、上記各土のう袋Wの開口部が開口状態で且つ略単一平面上で開口状態を保つように開口枠2に支持し、該開口部に対し上方より土類23を投入充填した後、上記支持枠3を残置させたまま土のう袋Wを上方に取り出して行う土のうの製造方法としている。
【0006】第2に、土類23の投入時に、平面的に配置された各土のう袋Wの開口部間の隣接間隙を覆う土受けカバー10を上記開口部上に配置したことを特徴としている。
【0007】第3に、土受けカバー10と支持枠3との間に、土のう袋Wの開口部を開口状態で支持する開口枠体2aを介装して袋詰めを行うことを特徴としている。
【0008】第4に、袋詰めされた複数の土のう袋Wを複数の吊具55を有する吊り上げ装置50によって、支持枠3を床面上に残置させながら同時に取り出すことを特徴としている。
【0009】第5に、内部に土のう袋Wを挿入し該土のう袋Wの開口部を開口状態で係脱自在に支持する多数の仕切枠1を列設して支持枠3を構成すると共に、該支持枠3の内径を上方に向かって拡開形成してなる土のうの製造装置としている。
【0010】第6に、各仕切枠1の下部に通孔17を有する底部16を設けたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】図面は本発明の一実施形態を示し、図1は土のう製造装置の使用状態を示す斜視図である。この例では下部が小径で上部が大径をなす角錐または台形状の周壁をなす所定高さ(略土のう袋の高さに相当)の正方形断面の筒状の仕切枠1を縦列で5個、横列で4個の合計20個形成すると共に、各仕切枠1の上端には土のう袋Wの開口部を係脱自在に支持する枡状の開口枠2を形成し、全体が長方形の集合体をなすように一体的に連設して単一なブロック状の支持枠3を構成している。この実施形態において支持枠3は4個分製作しており、各支持枠3を後述する連結部材9を介して分解組立可能に一体的に接合することによって合計80個の仕切枠1を形成し、その数分の土のう袋Wを一度に袋詰め製造可能に構成している。
【0012】上記仕切枠1は図7に示すように土のう袋Wを上方より挿入して立姿で収容し、土詰め時又は袋詰め状態で土のう袋Wの周面に当接して水平方向の位置決めと土のうの縦長の形状保持を行うものである。また開口枠2は仕切枠1内に挿入した土のう袋Wの開口部を、外側にしぼり紐W1とともに折り返して巻掛けるように係止するもので、土のう袋Wへの土詰め作業時に、開口部を開口状態で保持するものである。
【0013】図2〜図6は上記製造装置の主な構成部材と組立時の詳細構造を示し、この例では支持枠3は先ず各仕切枠1を縦方向及び横方向の板状の仕切板5,6で組立構成すると共に、その外周を外枠7で囲繞形成される。即ち、上記縦方向の仕切板5には、これと交差する横方向の仕切板6に形成した複数の切欠溝6aと交合する切欠溝5aを、下方から高さ幅の約1/2の深さに形成すると共に、横方向の仕切板6には上記各切欠溝5aに対し上端側から差し込む切欠溝6aを高さ幅の約1/2の深さに複数切欠形成している。
【0014】これにより、各仕切板5,6は各切欠溝5a,6aを相交合させて組み合わされるとき、多数の縦横仕切が組み立てられ且つ多数の枡目状の開口枠2を形成しながら仕切枠1を形成することができる。このとき上記仕切板5,6は互いに同一高さに揃えられて交差するように組み立てられて、組立状態における支持枠3はその仕切枠1を台形筒に形成することができるものである。
【0015】外枠7は、上記のように組み立てられて全体として長方形(又は正方形)をなす縦横の仕切板5,6の外端に対して、上方から嵌合接合される大きさの筐枠状に形成されている。そして外枠7は組合わされた仕切板5,6を内部に嵌合させた状態において、その接合端部分を適宜な手段によって接合固定されることにより、ブロック状の支持枠3を剛体構造となし取扱い易い外形を形成すると共に、外枠7の側壁の上下端にはリブ7a,7bを外周に向けて突出形成している。
【0016】この際上端のリブ7aは後述するカバープレート8と同高さで面一に形成すると共に、下端のリブ7bは複数の支持枠3が後述する連結部材9で連結されるコーナー部の両側において、ブロック状に肉厚に形成した連結部70を所定の高さと長さでリブ幅に形成し、該連結部70には横向きに貫通させた取付孔71を適数開設している。そして、上記相隣る支持枠3の連結部70は、中央の連結具90に形成した取付孔91と取付ネジ92を挿通して連結されることにより、相隣る支持枠3を同じ高さで安定よく強固に連結し土のう袋の製造を良好に行うことができるようにしている。
【0017】また上記支持枠3における各開口枠2の開口縁は、隣接する開口枠2のものと連続しないように(即ち各開口枠2が隣接開口枠より分離されて独立の枡目を形成するように)開口枠2の隣接間隙部において凹入部1aが形成されている。即ち、縦横に網目状にクロスしている上記開口枠2のそれぞれの隣接間隙部分は、開口枠2の下端部分(仕切枠1の上端部分)において、これに対応する網目状のカバープレート8(開口枠2の外周に嵌合する孔を形成している。)を嵌合せしめて塞がれる。その結果隣接仕切枠1間のU字形の溝内への土等の落下が防止されると共に、各仕切枠1は上端においても隣接仕切枠1と正確な位置決めと姿勢を決められながら連結固定されることになる。
【0018】また上記カバープレート8を設けるに当たり、支持枠3の央部には該支持枠3を安定よく吊り上げることができる吊具30を設置している。即ち、図5に示すように本実施形態における吊具30は吊り孔31を穿設した板状片で形成され、平面視における支持枠3の中心部位で相隣る仕切枠1の凹入部1aの中間部において、吊り孔31を前記カバープレート8から上方に突出させながら剛体構造を以て埋設固定されている。
【0019】これによりクレーン等の作業機20の持上部21で、上記吊具30の吊り孔31にロープ30a等を係止させて上方に吊り上げるとき、支持枠3は重心部位の一点を安定よく簡単に吊り上げることができるものである。尚,吊具30は吊り上げ時にのみ上方に突出させるように支持枠3に出没可能な構成で取付けるようにしてもよい。
【0020】また縦横の仕切板5,6で形成される仕切枠1の低部には底部16を設置することにより、各土のう袋Wの下部を一定高さに支持し土等の収容量を均一に収容させると共に枠剛性を創出している。これにより支持枠3を設置した地面に凹凸があるような場合においても、土のう袋Wの低部高さを一定に支持し定量の袋詰めを可能にしている。そして、底部16の適所には適数の通孔17を穿設し雨水や土等の停滞を防止している。尚、上記底部16は板状に形成する他網体或いは簀の子状の枠体で形成してもよい。
【0021】10は支持枠3の開口枠2・・上に取り外し自在に載置される板状の土受けカバーであり、該土受けカバー10には後述する袋詰め作業時に支持枠3の上端外周側と、開口枠2の隣接間隙を覆うように各開口枠2の内周への対応部分にのみ正方形の投入孔11が形成されており、該投入孔11の外周には、開口枠2内に遊嵌挿入される枡枠状のガイド12が下向きに突設されている。また土受けカバー10は前述した吊具30を有する支持枠3に載置される際に、該吊具30に対応する箇所において吊具30を通過突出させる通孔15を穿設している。尚、土受けカバー10は各支持枠3の大きさ毎に単一に形成することが好ましいが、連結された支持枠3全体を覆う大きさに一体的に構成してもよい。
【0022】次に図6において連結部材9の構成及び相隣る支持枠3の連結手段について説明する。上記連結部材9は複数の支持枠3を組付ける際に、土のうの製造装置の中央部側を連結する平面視十字状の下部の連結具90と、上部の連結具95、及び支持枠3,3の外側を連結する平板状の連結板97とからなる。
【0023】下部の連結具90は断面上向きコ字状で十字に形成された凹溝90a内に、相隣る支持枠3,3のコーナー部に形成した取付部70,70を互いに接合させて嵌挿した状態において、凹溝90aの両側に立設した連結片93,93の取付孔91と支持枠3の取付孔71に取付ネジ92を挿通し締着することにより、製造装置の中央下部の各支持枠3を一体的に強固に連結固定している。尚、上記取付ネジ92は丸頭に形成した雄ネジ軸92aと雌ネジ軸92bとからなり、頭部を低くし土のう袋Wを損傷しないようにしている。
【0024】上部の連結具95は相隣る支持枠3のリブ7aと7aの幅と略同幅な連結面を有する十字状板で形成され、該リブ7aに穿設された複数の取付孔72に対応する部位に取付ボルト94挿通用の取付孔95aを穿設すると共に、該取付ボルト94を螺挿するネジ孔96aを有する取付片96を8枚分有している。これにより、連結具95と取付片96との間に相隣るリブ7a,7aを挿入した状態で、これらに取付ボルト94を挿通し連結具95と取付片96を締着することにより、製造装置の中央部において支持枠3の上部の連結固定を簡単且つ強固に行うことができるようにしている。
【0025】連結板97は上記のように支持枠3が連結された状態において、互いの支持枠3の接合側の外側面に穿設された取付孔75に、取付ネジ97a及びナット97bによって締着することにより、相隣る支持枠3の外側を強固に連結するようにしている。
【0026】上記機構により、土のう製造装置は支持枠3と土受けカバー10と共に分解組立可能に構成され、各構成部品を分解状態で現場に運び、現場組立を行って次に述べる土のう製造作業終了後は再度分解して格納又は搬送できる等の特徴を有している。上記土のうの製造装置は、例えば仕切板5,6及びカバープレート8並びに外枠7等を鉄板製で溶接等又はFRP製で接着等の手段により支持枠3を一体的に成形し、あるいは支持枠3全体をプラスチック材で一体的に成形し、若しくは分割してプラスチック成形した筒状の仕切枠を多数組み合わせる等して形成することも可能である。また仕切枠1を単一な角形或いは丸形の筒状体で形成し、該筒状体を多数連結することにより支持枠3を構成するようにしてもよい。
【0027】次に、上記土のうの製造装置で製造した土のう袋Wを持ち上げて他の場所に移し替える吊り上げ装置50を図10,図11について説明する。図示例の吊り上げ装置50は、外枠51を平面視で前記支持枠3の外形と同じ方形状にアングル部材で枠組みしており、外枠51の内部に所定間隔を有して複数の支持杆52を横設すると共に、該外枠51及び支持杆52に所定長のロープ53の下端にフック54を有する吊具55を、支持枠3に形成される多数の仕切枠1の配置に対応させて取付け固定している。また外枠51の適所には吊り上げ装置50を水平姿勢で安定よく昇降させるように、吊具56付のロープ57を取付けている。尚、フック54は広巾湾曲面に形成し紐切れを防止している。
【0028】これにより、吊り上げ装置50は製造されて列設状態にある多数の土のう袋Wの各紐W1を、吊具55の数だけフック54に引っ掛けて一挙に持ち上げて簡単且つ能率よく移動することができる。尚、上記吊り上げ装置50に設置される吊具55は支持枠3の仕切枠1と同じ数だけ設けることが好ましいが、持ち上げ重量が過大になるような場合には吊具55を仕切枠数の数分の1だけ設け、持ち上げ作業を適数回繰り返すことにより行うようにするとよい。また吊具55の長さは作業者が吊り上げ装置50の側方或いは下方において袋掛け作業を自由に行うことができるように充分な長さにするとよい。
【0029】次に上記のように連結部材9によって複数の支持枠3を連結構成してなる土のうの製造装置による製造作業について説明すると、図1〜図6において説明したように、地面等平坦面上に載置されて支持枠3を組み立てられた装置に対し、図7で示すように先ず紐W1付の土のう袋Wを仕切枠1内に挿入し、その開口端を紐W1と共に仕切枠1の開口部である開口枠2に折り返して係止し、上記開口枠2上には土受けカバー10を載置することにより隣接仕切枠1間の間隙を覆うと共に袋Wを押圧固定する。
【0030】次いで例えばバックホウ等作業機のショベル部22等を用いて土受けカバー10の上面に土,砂等の土類23を投下せしめて供給し、ならし棒24等で上面を水平に均しながらすべての袋Wに土23を落下投入せしめて充填する。この際、ならし棒24等によって水平にならすことにより各袋Wへの土23の充填量は略均一化される。一方袋Wは、投入された土圧により各仕切枠1の内周壁に沿った状態で圧接され保持されている。
【0031】続いて土受けカバー10を吊り上げ又は人手で持ち上げて支持枠3から除去した後、各袋Wの開口端を開口枠2から取り外し、次いで支持枠3の仕切枠1内にある袋詰めされた状態の土のう袋Wの開口部を絞り紐W1を巻き付けて結ぶことにより閉止し、ループ状になった紐W1を既述の配置によって設けられた各吊具55のフック54に引っ掛けて、作業機20を用い吊り上げ装置50を介してトラック又は貨車等の搬送手段に転載し若しくは所定箇所に移送配置する。
【0032】このように充填後の土のう袋W図10,図11に示すように、支持枠3の仕切枠1の枡目に沿って整列された状態から一挙に吊り上げて取り出すことができ、整列配置され且つ整列状態で工事現場に運ばれた土のう袋Wは、所定数毎に再度吊り上げ装置50等で吊り上げて、工事位置に荷降ろしして最終的な位置直しをするだけで、積み上げ工事を行うことも可能である。このとき、支持枠3(土のうの製造装置)は床面上に残置されるので、袋詰め場所を変更することなくその場で次位の袋詰め作業を連続的に続行することができるので、土のうの製造時に広い場所を要することなく狭小な工事現場等においても、能率よく容易に土のうの製造を行うことができるものである。
【0033】上記土のうの製造時において、袋Wが支持枠3の各仕切枠1よりスムースに吊り上げ脱型されるためには、図示される例のように上方で大径をなすように角錐型に傾斜していること、及び仕切枠1の内面と袋Wの周面は滑り易いように塗装加工等が施されていることが望ましい。また合成樹脂材のように滑り易い材質であれば仕切枠1及び開口枠2はストレートの筒状をなしていてもよく、あるいは筒状に限らず縦方向の格子によって形成される篭型のものであってもよい。
【0034】以上の方法によれば袋詰めから搬送,荷降ろし及び土のう積み工事まで、土のう袋Wを直接人手によって運んだり持ち上げたりする重労働を伴わないで作業ができる利点があるほか、バックホウやショベル系の重機等のように土類を土のう袋に投下供給する機能と、荷物を吊り上げる機能を兼ね備えた建設機械を用いれば、土木建設現場で一般に使用される一台の機械で袋詰め作業から荷積み作業、或いは土木作業現場で袋詰めを行う場合は、袋詰め作業から土のう積み作業までを行うことができる利点がある。
【0035】ちなみに従来人手のみによって袋詰めを行う場合の1日1人当たりの袋詰め量は数十袋が限度であり、またコンベア等の機械を用いてもその数倍が限度であるが、本発明の方法及び装置によれば、1日数千の袋詰めが可能であり、コスト的にも能率的にも多大な利点がある。また一般に市販されている標準的な大きさの土のう袋Wを、一つの支持枠3に一度に袋詰めを行うように形成される仕切枠1の数は、取扱いが簡単で搬送移動が行い易い2トン型の荷台を備えたトラックに載置可能な大きさとする場合に、仕切枠1を横方向に4列程度で縦方向に8列程度形成し合計32個程度分にすることが好ましいものである。尚、この場合には支持枠3の強度及びクレーンその他の吊り上げ装置の能力上からも好適となるものである。
【0036】そして、上記複数の支持枠3が連結された製造装置は、各支持枠3の中央部で重心部位に設置された吊具30にロープ30a等を係止させて吊り上げることにより、製造装置全体が安定よく吊り上げられて、他の袋詰め場所に簡単に移動させることができる。また上記製造装置は連結部材9を取り外すことにより簡単に分解することができ、分解状態で運搬等を簡単に行うことができると共に、分解された支持枠3は単一な土のうの製造装置として前述したと同様な袋詰め作業を行うことができるので、少量の土のうの製造を行う場合や狭小な作業場所において簡単且つ便利に使用することができる等の特徴を有する。
【0037】次に別の実施形態に係わる土のうの製造装置を図8,図9において説明する。この製造装置の支持枠3は上述の実施形態と同様な連結手段の構成によって、複数の支持枠3が連結組付け自在に製作されており、該支持枠3の外枠7の内側には下方を小径とし上方を径大に形成した仕切枠1を、前記実施形態のものと同様な配置によって適数形成している。そして、支持枠3の上部には多数の投入口11aを有する開口枠体2aを、支持枠3と同じ大きさに形成し着脱可能に設置している。上記投入口11aは各仕切枠1の央部に対向しその周囲に上方に立ち上がらせた袋係止用の開口枠2を形成している。
【0038】また上記開口枠体2aの上部に、前記実施形態と同様に土のう袋Wの開口部を押接して位置決め固定する、投入口11を有した土受けカバー10を着脱可能に設置するようにしている。この支持枠3によれば土のうの製造は、仕切枠1内に嵌入した土のう袋Wの開口部を開口枠体2aの開口枠2に係止した状態で、上方から土受けカバー10を載置することにより開口部を固定し、土23を投入口11,11aから土のう袋W内に充填供給する。次いで土受けカバー10及び開口枠体2aを取り外したのち紐W1を縛り閉口する。そして、既述した吊り上げ装置50を用いて各土のう袋Wを吊り上げて支持枠3から一挙に取り出すことができるものである。
【0039】上記実施形態によれば土のう袋Wを吊り上げるとき支持枠3を除去することなく、該支持枠3内に土のう袋Wを収容させたままで土のう袋Wの閉口及び吊り上げ作業を行うことができるので、土のうの製造及び取出作業等を簡単且つ能率よく行うことができる等の特徴がある。またこの実施形態による土のうの製造装置は、開口枠2の大きさを設定自由な開口枠体2aを介装して土のう袋Wの開口部を固定するので、一般に使用されている標準的な土のう袋Wを用いることが可能であり、この場合に仕切枠1の上部の内径を径大に形成しても土のう袋Wを支持枠3に適切に支持することができるものである。
【0040】尚、土のう袋Wを標準型のものより大きな開口部を有する土のう袋を用いる場合に、前記開口枠体2aを用いることなく仕切枠1の上端を開口枠2として、この部に袋の開口部を直接的に係止させるか、又は該開口枠2部分に袋の開口部を係脱可能に支持する開口部材を設けることにより、同様の土のうの製造を行うことができるものである。
【0041】
【発明の効果】以上のように構成される本発明によれば、土のうの製造に際し、充填後の土のう袋は支持枠の仕切枠の枡目に沿って整列された状態から吊り上げて取り出すことができ、このとき支持枠は床面上に残置されるので、袋詰め場所を変更することなくその場で次位の袋詰め作業を連続的に続行することができる。
【0042】従って、従来の土のう製造作業に比して人手と多大な重労働を必要とせず、作業が迅速で能率的であるとともに、土のう袋のコスト低減が実現できる利点がある。また搬送又は保管が便利であり、交通条件の悪い土木現場等の現場作業が容易になり、被災地等の応急工事には特に有益であると共に、少規模な土のう袋の製造或いは狭小な作業現場における土のうの製造を簡単に行うことができる等の特徴を有する。
【出願人】 【識別番号】395023989
【氏名又は名称】安井 庸邦
【出願日】 平成8年(1996)6月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
【公開番号】 特開平10−18263
【公開日】 平成10年(1998)1月20日
【出願番号】 特願平8−186670