トップ :: E 固定構造物 :: E02 水工;基礎;土砂の移送

【発明の名称】 砂防ブロック
【発明者】 【氏名】黒木 芳秋
【氏名】小林 昌史
【課題】砂防ダムの法面の途中で法勾配が変化する部分に用いる、上下の噛み合いの凹凸形状が異なる形状のブロックを容易に製造する。

【解決手段】平板状の面板2の背面の控部3の上面にはコンクリートの突起を備えておらず、上段のブロック1aの凹部に噛み合い、その勾配を変更するための別体の鋼製突起6を取りつけるインサート7を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 矩形平板状の面板とその背面に設けた控部とからなり、控部下面に上下ブロック噛み合い用の凹部を有し、控部上面に上下ブロック噛み合い用の別体の突起を取付ける座及び固定手段を備えたことを特徴とする砂防ブロック。
【請求項2】 前記別体の突起は、鋼製であることを特徴とする請求項1記載の砂防ブロック。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砂防ブロックに関する。更に詳しくは、砂防ダムを構築する自立型擁壁ブロックのうち、法勾配が途中で変化する箇所に使用する砂防ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】砂防ブロックは砂防ダムを構築する時、砂防ダムの前面及び後面を形成するブロックであって、これを型枠として砂防ダム躯体のコンクリートを打設するためのブロックである。このようなブロックは、表面が縦横1〜2mの矩形平板状をなし、表面に天然石模様その他の修景意匠を施すことができるものである。この矩形平板状の表面の背面に砂防ダムの躯体コンクリート中に埋設される控部を有し、コンクリートと一体化する。また、この控部に上下のブロックが噛み合う凹凸が設けられている。この凹凸は、上下のブロックの位置決めをすると共に、上下ブロックを緊密に結合し、コンクリートの側圧による上側ブロックの滑動や転倒を防止するためのものである。このような砂防ブロックは、プレキャストコンクリートで大量生産され、品質も安定し、耐久性に富み、安価に製造することができ、信頼性の高いものである。
【0003】本出願人は、特願平7−322276号出願においてこの技術を開示している。図4は砂防ダムの断面を示すもので、砂防ダムの前面側に砂防ブロック1a、1b、1c、…を順次積み重ね、背面側に砂防ブロック1a’、1b’、1c’、…を積み、これらを型枠として躯体コンクリート42を打設し、砂防ブロックと一体化させ、砂防ダムを構築する。このような砂防ブロックは図5に示すように、面板2の背面に控部3を備え、上下のブロックと噛み合う突起4及び凹部5をこの控部3の上下面に有している。このような砂防ブロックは、図4に示す基礎ブロック41の形状を変えることにより、少数種類の標準ブロックであらゆる法面勾配に対応することができる。例えば、砂防ブロック表面面板の勾配を2分、6分にした2種類の標準ブロックを用い、基礎ブロック41の形状を変えることによって、それぞれ、0分〜4分、4分〜8分の法面勾配を形成することができる。砂防ダムは、立地条件及び設計により、種々の法面勾配を付して構築されるがその法面勾配は、概ね0分〜8分の範囲であるから、上記2種類の標準ブロックによって全ての法面勾配に対応することができ、2種類のブロック製作型枠で、広い範囲の勾配に対応したブロックを製造することができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図3に砂防ダムの全体断面図の例を示した。上流側に砂防ダム本体10を設けて流水14を滞留させ、その下流に副ダム本体12を築造して水辱池15を形成し、その下流に護床工16を設ける。例えば図3に示すように、砂防ダム本体10、副ダム本体12を構築し、その天端に袖11、13を取付ける場合、砂防ダム本体10、又は副ダム本体12の法面に対し、袖11、13を造作する部分で法勾配が変化する。その部分には、上下の噛み合いの凹凸形状が異なる特別な形状のブロックを準備する必要がある。このようなブロックは、特別注文品となり、その都度特別な型枠を用いて少量製作しなければならない。
【0005】本発明はこのような問題点を解決し、法面勾配が途中で変化するような砂防ダムの設計毎にこの部分のブロック製作用型枠を準備することを不必要にする。すなわち、途中で法面勾配が変化する箇所に用いる汎用の砂防ブロックを開発し、これを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、矩形平板状の面板とその背面に設けた控部とからなり、控部下面に上下ブロック噛み合い用の凹部を有し、控部上面に上下ブロック噛み合い用の別体の突起を取付ける座及び固定手段を備えたことを特徴とする砂防ブロックである。この上下ブロック噛み合い用の別体の突起を、法勾配変化の実情に合わせたものとすることによって、対応する砂防ブロックそのものは、1種類でよく、多くのブロック製作用型枠を必要とせず、製作容易でコストも安価である。
【0007】前記別体の突起としては、鋼板を組み立てて形成したものを用いるとよい。また別体の突起を取付ける固定手段としてはコンクリート中に埋込んだインサート等を用いるとよい。他の公知の固定手段でもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の砂防ブロックは、砂防ダム、道路の擁壁等で、法勾配が途中で変化する部分に使用するものである。控部の上部に上段ブロックとの噛み合わせ用の突起がないブロックを製造し、別体の突起、例えば、鋼製の勾配調整金具を取りつける。勾配調整金具の取付は、型枠ブロックの控部の上部に埋め込まれたインサート等に、ボルトで締めつけ固定する。勾配調整金具の形状寸法は、勾配変化のケース(変化部の上下の法勾配)に応じて異なるものを製作して使用する。
【0009】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明の実施例の砂防ブロック1を示す図である。図1は、実施例の砂防ブロック1とその上段のブロック1a、下段のブロック1bとの関係を示したものである。本発明の実施例の砂防ブロック1は、平板状の面板2の背面に控部3を突設しており、控部3の下面に凹部5を備えており、凹部は下段のブロック1bの上部の突起4が嵌合する噛合部となっている。また実施例の砂防ブロック1は、上面にコンクリートの突起を備えておらず、別体の突起6を取付け、この別体の突起6が上段のブロック1aの下面凹部と噛み合っている。そして、この砂防ブロック1の上面には、この別体の突起6を載置する座と、この別体の突起6をボルト8で取りつけるインサート7を備えている。
【0010】図2は、実施例の砂防ブロック1に取付ける別体の突起6の例を示すもので、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図である。別体の突起6は、鋼製とし、任意の勾配変化に適合するものを製作することができる。別体の突起6は、上段のブロックの凹部と噛み合う突起本体部61と、勾配を修正する勾配調整部62とから形成されている。勾配調整部62の傾斜角θは、砂防ブロックの勾配変化角度と一致している。この別体の突起6は、外面鋼板63を折り曲げ加工又は溶接組み立てし、内部中央部にリブ65を取りつけ、外面鋼板63の底面64は実施例のブロック1の上面に形成された座に密着し、インサート7に対応する部分に、取付けボルト孔66を形成したものである。
【0011】なお、本発明は砂防ブロックに関するものであるが、これに限らず、道路の側壁、造成地の擁壁、山地の崩落防止構造物、護岸、その他土木構造物の法面形成用ブロックとして広く適用することができるものである。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、砂防ダムの構築に当たり、法勾配が途中で変化する部分の砂防ブロックは、その上面に上段ブロックと噛み合うと共に勾配調整部を備えた別体の突起を取りつけて、勾配変化に対応するようにしたから、1つのブロック製作型枠ですべての法勾配の変化する部分の砂防ブロックをプレキャストで製造することができ、多種類の砂防ブロックを製造する必要がないため、生産性の向上、品質向上、コスト低減に寄与するところが大きい。
【出願人】 【識別番号】000176718
【氏名又は名称】三菱マテリアル建材株式会社
【出願日】 平成8年(1996)6月27日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小杉 佳男 (外1名)
【公開番号】 特開平10−8442
【公開日】 平成10年(1998)1月13日
【出願番号】 特願平8−167446