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魚 道 - 特開平10−1933 | j-tokkyo
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【発明の名称】 魚 道
【発明者】 【氏名】竹内 伸介
【氏名】菅原 潤
【課題】簡単な構造で起伏自在の魚道を提供することである。

【解決手段】一体の可撓性包被11より成り、所定の間隔で次第に短くなるワイヤ12、13、14、15で河床Aに牽引してくびれ部12a、13a、14a、15aによる凹凸を形成し、起伏堰1から次第に低くなる魚道10を形成したのである。この魚道10は、ポート3から流体を供給又は排出することによって膨脹、収縮する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 河川の下流方向に延び一端が起伏堰に接続され他端が河床に係止された気密な可撓性包被より成り、前記包被の表面には所定間隔でくびれ部による段階状凹凸が形成されていることを特徴とする魚道。
【請求項2】 ワイヤ、ロープ、ベルト又は隔膜によって包被を河床に牽引して前記くびれ部を形成した請求項1記載の魚道。
【請求項3】 前記包被が二重になっており、これらの包被に所定間隔で固着点を設けてくびれ部を形成した請求項1記載の魚道。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の技術分野】この発明は、河川で魚が遡上するための魚道、特に、可撓性包被を用いた魚道に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の魚道は、コンクリートで作製されているため、固定式であって高さや傾斜角が一定でかつ河川の断面を阻害しないように最小限の大きさに形成され、魚が魚道の入口を発見し難く、また渇水時には魚道の機能を果たさなくなる問題がある。
【0003】
【発明の課題】そこで、例えば特開平7−97809号公報には、止水堰の下流に低位の起伏堰を設け、この起伏堰と止水堰の間に浮き部材を備えた複数の止水膜を設けることが提案されている。
【0004】しかしながら、このような魚道は、止水堰の倒伏のために特別の構造を必要とするほか、複数の部材を用意するため、コストが上昇する問題がある。
【0005】そこで、この発明の課題は、簡単な構造で起伏自在の魚道を提供することである。
【0006】
【課題の解決手段】上記の課題を解決するために、この発明の魚道は、河川の下流方向に延び一端が起伏堰に接続され他端が河床に係止された気密な可撓性包被より成り、前記包被には所定間隔でくびれ部による段階的凹凸が設けられていることを特徴とする。
【0007】前記くびれ部はワイヤ、ロープ、ベルト又は隔膜で包被を牽引することによって形成することができる。
【0008】前記包被には、下流方向に低くなる段階状凹凸が形成されているため、自然環境に近い魚道が形成され、また、河川の全幅に魚道を設けることができるので、魚類が遡上し易い。
【0009】
【実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】図1に示すように、河川を横断する灌漑取水用起伏堰1の下流側に、段階状の魚道10が形成されている。この魚道10は、ゴム引布のような可撓性膜によって一体に形成された包被11より成り、包被11の一端11aは、前記起伏堰1の後面に気密に接合され、他端11bは、河床Aに気密に係止されて、ポート3からの流体の供給、排出によって膨脹、収縮可能になっている。そして包被11は、所定の間隔で次第に短くなるワイヤ12、13、14、15によって河床Aに牽引されている。従って、包被11は、くびれ部12a、13a、14a、15aによって段階状凹凸を形成しながら、他端11bの方向に次第に低くなっている。なお、包被11の一端11aも、起伏堰1に対して段差を設けておくことができる。
【0011】前記それぞれのワイヤ12……15は、単一のものとして示されているが、包被11の横断方向に複数のワイヤを並列したものである。これらのワイヤ12……15を、図2に示すように千鳥状に配列すると段階状凹凸がより複雑になり、越流水の流速に変化をつけることが可能になる。
【0012】前記ワイヤ12……15に代えて、ロープやベルトなどを用いてもよい。また、図3に示すように、可撓性隔膜12b……16bを用いてもよい。隔膜12b……16bはそれぞれ上端が、包被11の内面に固着され、下端は河床Aに係止されており、各隔膜12b……16bには連通孔が設けられ、包被11内の流体の流通が可能になっている。なお、図3の場合、隔膜12b……16bは5ヶ所に設けられており、包被11は、起伏堰1の方向に6段階の高さで次第に高くなっているが、勿論この段階数はこれに限定されない。また、くびれ部12a……15aを形成するには、上記のほかに、例えば包被11の横断方向(周方向)にワイヤを固着し、このワイヤでくびれ部を設けて段階状凹凸を形成する方法がある。
【0013】図4に示すように、表面を二重の可撓性包被21、22で形成し、この包被21、22の間を密閉して流体の給排により膨脹、収縮可能とし、かつ固着点23を千鳥状に設けると、魚道10の表面に、図2に近似した複雑な段階状凹凸を形成することができる。なお、包被21、22と河床Aとの間は、ポート3から液体を給排して膨脹、収縮可能にしてある。
【0014】上記のような起伏堰1及び魚道10に流体を注入して膨脹させた状態で河川水が流れると、図5に示すように、上流方向に自然環境に近似した段階的な水流が形成され、また河川の全幅を魚道とすることが可能であり、魚類の遡上に好適である。
【0015】魚道10を使用しない場合には、図6に示すように、ポート3から流体を排出すれば可撓性包被11から成る魚道10が倒伏し、起伏堰1に到達できるような水流がなくなる。
【0016】また、起伏堰1も使用しない場合には、図7に示すように、ポート2から流体を排出して起伏堰1を倒伏させればよい。
【0017】
【効果】この発明によれば、以上のように、一体の可撓性包被より成りかつくびれ部による段階的凹凸を設けて上流方向に次第に高くなるようにし、起伏堰に連続するようにしたので、自然環境に近似した段階的な水流が河川の全幅にわたって形成され、魚類の遡上を容易にする。また、くびれ部を形成するワイヤの長さや固着点の位置或は隔膜の形状等を変化させることによって、スロープの勾配や魚道の形状を自由に選択することができる。
【0018】さらに、増水時等に起伏堰と共に魚道の包被から流体を排出することにより、完全に倒伏させることができるので、河川断面を阻害することがない。
【0019】そのほか、魚道は一体の包被より成り、構造が簡単で設置用外構や施設も簡単で済む。
【出願人】 【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【出願日】 平成8年(1996)6月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【公開番号】 特開平10−1933
【公開日】 平成10年(1998)1月6日
【出願番号】 特願平8−151985