トップ :: E 固定構造物 :: E02 水工;基礎;土砂の移送

【発明の名称】 魚 道
【発明者】 【氏名】竹内 伸介
【氏名】菅原 潤
【課題】簡単な構造で魚類の遡上に好適な魚道を提供することである。

【解決手段】魚道10は、止水用起伏堰1に沿って延び、一側部が前記起伏堰1の下流側に気密に固着され、他側部が河床Aに気密に係止された可撓性包被11より成り、この包被11は流体の給排によって膨脹、収縮可能となっており、包被11の一端部14から他端部15に向って膨脹時の高さが次第に低くなっていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 止水用起伏堰に沿って延び、一側部が前記起伏堰の下流側に気密に固着され、他側部が河床に気密に係止されて、流体の給排により膨脹、収縮可能な可撓性包被より成り、この包被の膨脹状態で一端部から他端部に向って高さが低くなっており、河川から包被の他端部へかつ包被の一端部から起伏堰へ魚類の乗り移りが可能となっている魚道。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の技術分野】この発明は、魚道、特に可撓性を有し倒伏可能な魚道に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の人工的魚道は、コンクリートで階段状に作られているのが最も一般的であるが、固定式であるため、河川の断面積を減少させ、増水時の通水能力を低下させ、渇水時には越流水深の確保が難しい問題がある。
【0003】そこで、例えば実公昭60−2269号公報には、複数個の可撓性起伏堰を間隔をあけて配置し、前記起伏堰の高さを流れ方向に順次低くなるようにした魚道が提案されている。
【0004】また、特開平7−97809号公報には、止水堰の下流側に低位の起伏堰を設け、これらの止水堰と起伏堰との間に浮き部材を有する止水膜を配置した魚道が開示されている。
【0005】
【発明の課題】しかしながら、前者の場合は複数の起伏堰を設けるため、コスト負担が問題となり、後者では起伏堰に代えて浮き部材を用いるため多少のコスト削減にはなるが、程度の差に過ぎない。
【0006】そこで、この発明の課題は、簡単な構造でしかも河川の水流の増減に対応して魚道として充分な適応性を持たせることである。
【0007】
【課題の解決手段】上記の課題を解決するために、この発明の魚道は、止水用起伏堰に沿って延び、一側部が前記起伏堰の下流側に気密に固着され、他側部が河床に気密に係止されて、流体の給排により膨脹、収縮可能な可撓性包被より成り、この包被の膨脹状態で一端部から他端部に向って高さが低くなっており、河川から包被の他端部へかつ包被の一端部から起伏堰へ魚類の乗り移りが可能となっている。
【0008】
【実施の形態】以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0009】図1及び図2に示すように、可撓性膜から成る止水用起伏堰1は、河川を横切って河床Aに取り付けられ、その下流側に、魚道10が装着されている。この魚道10は、ゴム引布等の可撓性包被11より成り、河川の横断方向に起伏堰1に沿って延びており、包被11の一側部12は、起伏堰1に気密に固着され、他側部13は、河床Aに気密に係止され、包被11内に流体を供給すると膨脹し、その流体を排出すると収縮するようになっている。
【0010】そして、包被11内に流体を供給して膨脹した状態で、包被11の一端部14から他端部15に向って高さhが次第に低くなっている。また、包被11の一端部14の高さhは、その部分から起伏堰1に魚が乗り移ることができる高さに設定され、他端部15の高さhは、河川から魚道10に魚が乗り移ることができる高さにしてある。このような高さに設定してあれば、魚道10は必ずしも起伏堰1の全長にわたって延びていなくてもよい。また、一端部14及び他端部15は、適当な範囲で平坦になっていてもよい。
【0011】いま、水流が起伏堰1を越えていると、その越流が魚道10全体を被って流下する。従って魚類は、魚道10の他端部15にまず乗り移り、次いで魚道10の傾斜に従って一端部14方向に遡上し、さらに起伏堰10を乗り越えることができる。
【0012】上記魚道10を使用しない場合には、図5に示すように、ポート3から流体を排出して、魚道10を収縮させればよく、増水時などには、図6に示すように、ポート2から起伏堰1内の流体を排出し、ポート3からの魚道10内の流体を排出して、起伏堰1と魚道10を共に倒伏させればよい。
【0013】
【効果】この発明によれば、以上のように、止水用起伏堰の下流側に、その長さ方向に沿って可撓性包被から成る魚道を装着したので、構造が極めて簡単でコスト的に有利であり、また前記包被を長さ方向に次第に高さを低くし高位の部分は魚類が起伏堰に乗り移り可能で低位の部分は魚類が河川から乗り移り可能としたので魚類の遡上が支障なく行なわれる。
【出願人】 【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【出願日】 平成8年(1996)6月13日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【公開番号】 特開平10−1932
【公開日】 平成10年(1998)1月6日
【出願番号】 特願平8−151973