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【発明の名称】 ダムの築造方法
【発明者】 【氏名】須郷 茂夫
【課題】コンクリートの骨材が分離しにくく、また、コンクリート層の厚さを均一に管理できるダムの築造方法を提供すること。

【解決手段】ダンプトラック6とアスファルトフィニッシャ8を共に同速度で走行させつつ、ダンプトラック6の荷台602からアスファルトフィニッシャ8にコンクリートを投入していく。これにより、アスファルトフィニッシャ8の排出口804からコンクリートが敷き均される。アスファルトフィニッシャ8の走行に伴って、コンクリートの上面は、均し羽根18のピン1804により掻き均され、コンクリートの上面部分において骨材等が更に混練される。次いで、コンクリートの上面に振動ローラ20が接触し、振動ローラ20の振動によりコンクリートが締め固められ、これにより一定の厚さのRCDコンクリート層4が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 締め固められたコンクリート層を積み重ねてダムを築造するに際して、ダンプトラック及びアスファルトフィニッシャを走行させ、コンクリートをダンプトラックからアスファルトフィニッシャへ投入しつつアスファルトフィニッシャでコンクリートを敷き均し、アスファルトフィニッシャの機体の後部に、アスファルトフィニッシャに追従して走行できるように締め固めユニットを連結し、前記締め固めユニットは、アスファルトフィニッシャから排出され敷き均されるコンクリートの両側に位置する一対のガイド板と、一対のガイド板の間で前記コンクリートの上面に臨む均し羽根と、振動ローラを有し、前記アスファルトフィニッシャにより敷き均らされるコンクリートの上面を、前記均し羽根により掻き均すと共に、前記振動ローラにより締め固めるようにした、ことを特徴とするダムの築造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、締め固められたコンクリート層を積み重ねてダムを築造する方法、いわゆるRCD(roller compacted dam)工法に関する。
【0002】
【従来の技術】RCD工法でダムを築造する場合、締め固められたコンクリート層が順次積み重ねていく作業が行われる。この種の作業は、従来、ダンプトラックからコンクリートを排出させてブルドーザにより敷き均し、その上に振動ローラを通過させることでなされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の方法では、ブルトーザにより敷き均すため大きな骨材は抵抗の少ない方へと移動しがちでそのため大きな骨材が分離し易く、また、ブルトーザでコンクリート層を均一の厚さに均すには、ブルドーザの運転者に高度の熟練が要求され、コンクリート層の厚さを均一に管理しにくい問題があった。本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、コンクリートの骨材が分離しにくく、また、コンクリート層の厚さを均一に管理できるダムの築造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために本発明は、締め固められたコンクリート層を積み重ねてダムを築造するに際して、ダンプトラック及びアスファルトフィニッシャを走行させ、コンクリートをダンプトラックからアスファルトフィニッシャへ投入しつつアスファルトフィニッシャでコンクリートを敷き均し、アスファルトフィニッシャの機体の後部に、アスファルトフィニッシャに追従して走行できるように締め固めユニットを連結し、前記締め固めユニットは、アスファルトフィニッシャから排出され敷き均されるコンクリートの両側に位置する一対のガイド板と、一対のガイド板の間で前記コンクリートの上面に臨む均し羽根と、振動ローラを有し、前記アスファルトフィニッシャにより敷き均らされるコンクリートの上面を、前記均し羽根により掻き均すと共に、前記振動ローラにより締め固めるようにしたことを特徴とする。
【0005】本発明によれば、アスファルトフィニッシャの走行に伴って締め固めユニットが走行し、アスファルトフィニッシャから排出され敷き均されるコンクリートが一対のガイド板により一定の幅にされ、また、コンクリートの上面は、掻き均し羽根により掻き均され、振動ローラの振動により締め固められ、一定の厚さにされる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明のダムの築造方法を、その方法を実施するために用いる装置と共に図面に基づいて説明する。図1は、ダンプトラックとアスファルトフィニッシャと締め固めユニットとを用いてコンクリート層を築造する作業の説明図、図2は締め固めユニット部分の正面図、図3は同平面図を示す。ダムの堤体2はRCDコンクリート層4が積み重ねられて構成され、RCDコンクリート層4は、ダンプトラック6、アスファルトフィニッシャ8、締め固めユニット10により築造される。
【0007】詳細に説明すると、既に築造されたコンクリート面上でダンプトラック6、アスファルトフィニッシャ8を走行させ、ダンプトラック6の荷台602からアスファルトフィニッシャ8のホッパー802に混練されたコンクリートが投入され、コンクリートはアスファルトフィニッシャ8の内部で更に混練されたのち、排出口804からコンクリート面上にコンクリートが敷き均される。尚、ダンプトラック6及びアスファルトフィニッシャ8は遠隔操作により走行操舵され、無人で自動走行がなされる。また、アスファルトフィニッシャ8はアスファルトを敷き均す作業機械であるが、コンクリートをアスファルトフィニッシャ8に投入することでアスファルトフィニッシャ8の排出口804から、排出口804に対応した幅のコンクリートが敷き均され、コンクリート層4の厚さは、排出口804の幅やアスファルトフィニッシャ8の走行速度により適宜決定される。
【0008】前記締め固めユニット10はアスファルトフィニッシャ8の後端に連結されている。締め固めユニット10は、フレーム12と、このフレーム12に支持され、アスファルトフィニッシャ8の排出口804から排出されるコンクリート層4の幅を決定する一対のガイド板14と、掻き均し羽根16、均し羽根18、振動ローラ20等で構成され、掻き均し羽根16、均し羽根18、振動ローラ20は、それぞれその回転中心をアスファルトフィニッシャ8の車幅方向に延在させて配置されている。尚、前記アスファルトフィニッシャ8の排出口804は敷き均すべきコンクリート層4に対応した幅で形成されている。
【0009】前記フレーム12は、その前部が不図示の揺動可能なアーム等によりアスファルトフィニッシャ8の機体24の後端に連結され、一対のガイド板14の後部両側には、下端に輪体22を有する脚部24がガイド板14に近接して設けられ、これにより締め固めユニット10がアスファルトフィニッシャ8に追従して前進するように構成されている。前記一対のガイド板14の間の間隔は、前記排出口804の幅よりも若干大きな寸法で形成されている。
【0010】前記掻き均し羽根16は、回転軸1602と、この回転軸1602に取着された螺旋状の羽根体1604から構成され、回転軸1602の両端は排出口804の前方で前記一対のガイド板14の前端で回転可能に支持され、羽根体1604は一対のガイド板14の間の全長にわたって設けられている。前記掻き均し羽根16は、排出口804から排出されたコンクリートがアスファルトフィニッシャ8側に移動するのを阻止し、また、コンクリートをアスファルトフィニッシャ8の車幅方向に均等に均すためのものである。
【0011】前記均し羽根18は、排出口804の後方でコンクリート層4の上面に臨むように配設されている。前記均し羽根18は、比較的大径な回転軸1802と、この回転軸1802の外周に突設された多数のピン1804から構成されている。回転軸1802の両端は排出口804の後方で不図示のフレーム12部分により回転可能に支持されている。回転軸1802の外周面で下方に位置する部分が、築造すべき厚さのコンクリート層4の上面の僅かに上方に位置する程度の高さに設定され、前記ピン1804はコンクリート層4の上面を掻き均す高さで形成されている。
【0012】前記振動ローラ20は、前記均し羽根18の後方でコンクリート層4の上面に臨むように配設されている。前記振動ローラ20は、ローラ部2002と、ローラ部2002の両端に突設する軸部(不図示)から構成されている。尚、振動ローラ20自体は、例えば、ローラ部2002の内部に起振機を搭載したものや、軸部に起振機を連結したもの等、従来公知のものが用いられている。前記軸部の両端は均し羽根18の後方で不図示のフレーム12部分により回転可能に支持され、ローラ部2002の外周面で下方に位置する部分が、築造すべき厚さのコンクリート層4の上面に接する程度の高さに設定されている。
【0013】尚、前記掻き均し羽根16、均し羽根18、振動ローラ20は、フレーム12に設けられた、例えば、エンジン等の動力源により回転駆動される。
【0014】次に、このようなアスファルトフィニッシャ8と締め固めユニット10を用いてコンクリート層4を築造する作業について説明する。ダンプトラック6とアスファルトフィニッシャ8を共に同速度で走行させつつ、ダンプトラック6の荷台602からアスファルトフィニッシャ8のホッパー802に混練されたコンクリートを投入していく。これにより、アスファルトフィニッシャ8の排出口804からコンクリートが、既に築造されたコンクリート面上に敷き均される。前記排出口804から排出されるコンクリートは排出口804の幅に対応しており、更に、コンクリートは一対のガイド板14によりその幅が決定され、また、掻き均し羽根16により一対のガイド板14の前方に移動することが阻止される。
【0015】アスファルトフィニッシャ8の走行に伴って、コンクリートの上面は、均し羽根18のピン1804により掻き均され、コンクリートの上面部分において骨材等が更に混練される。次いで、多数のピン1804により混練されたコンクリートの上面に振動ローラ20が接触し、振動ローラ20の振動によりコンクリートが締め固められ、これにより一定の厚さのRCDコンクリート層4が得られる。
【0016】従って、本発明によれば、アスファルトフィニッシャ8を用いてコンクリートを敷き均し、かつ、そのコンクリートの上面を均し羽根18と振動ローラ20を用いて一定の厚さにするようにしたので、従来のブルトーザにより敷き均す方法に較べ、大きな骨材も分離しにくくなり、また、ブルドーザの運転者等に高度の熟練が要求されることもなく、一定の厚さのRCDコンクリート層4を簡単に築造することが可能となる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、締め固められたコンクリート層を積み重ねてダムを築造するに際して、ダンプトラック及びアスファルトフィニッシャを走行させ、コンクリートをダンプトラックからアスファルトフィニッシャへ投入しつつアスファルトフィニッシャでコンクリートを敷き均し、アスファルトフィニッシャの機体の後部に、アスファルトフィニッシャに追従して走行できるように締め固めユニットを連結し、前記締め固めユニットは、アスファルトフィニッシャから排出され敷き均されるコンクリートの両側に位置する一対のガイド板と、一対のガイド板の間で前記コンクリートの上面に臨む均し羽根と、振動ローラを有し、前記アスファルトフィニッシャにより敷き均らされるコンクリートの上面を、前記均し羽根により掻き均すと共に、前記振動ローラにより締め固めるようにした。そのため、従来のブルトーザにより敷き均す方法に較べ、大きな骨材も分離しにくくなり、また、ブルドーザの運転者等に高度の熟練が要求されることもなく、一定の厚さのRCDコンクリート層を簡単に築造することが可能となり、ダム築造の施工期間の短縮化やコストダウンを図る上で極めて有利となる。
【出願人】 【識別番号】000112668
【氏名又は名称】株式会社フジタ
【出願日】 平成8年(1996)6月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
【公開番号】 特開平10−1929
【公開日】 平成10年(1998)1月6日
【出願番号】 特願平8−174322