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【発明の名称】 交絡ノズル洗浄設備をもつ糸条交絡装置
【発明者】 【氏名】深沢 和彦
【氏名】佐藤 拓史
【氏名】佐々木 正美
【課題】多数錘の交絡ノズルを有する糸条交絡装置において、全錘の交絡ノズルに正常な洗浄用気液混合体を分配する糸条交絡装置を提供する。

【解決手段】多数錘からなる繊維機械の各錘に交絡ノズル1を設け、交絡処理用加圧気体を供給する第1メイン供給ライン10とノズル洗浄用気液混合体を供給する第2メイン供給ライン20とを互いに独立に設け、両メイン供給ライン10,20の長手方向に分散した複数の箇所からそれぞれ分枝流路3,4を分岐させて三方切替弁5に連結し、三方切替弁5から延びる流路6,6a,6bを交絡ノズル1に連結する。第2メイン供給ライン20からの分岐箇所にて、分枝流路4をメイン供給ライン20の上方へ延長するように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多数錘からなる繊維機械の各錘に交絡ノズルを設け、交絡処理用加圧気体を供給する第1メイン供給ラインとノズル洗浄用気液混合体を供給する第2メイン供給ラインとを互いに独立に設け、前記両メイン供給ラインの長手方向に分散した複数の箇所からそれぞれ分枝流路を分岐させて三方切替弁に連結し、該三方切替弁から延びる流路を前記交絡ノズルに連結し、かつ前記第2のメイン供給ラインからの分枝流路を、その分岐箇所から該メイン供給ラインの上方へ延長するようにした交絡ノズル洗浄設備をもつ糸条交絡装置。
【請求項2】 前記第2メイン供給ラインを加圧気体供給源に連結すると共に、該第2メイン供給ラインに対する最上流側の分枝流路の分岐箇所よりも上流側に絞り部を設け、該絞り部に液体槽から延長する液体流路を開口させ、該絞り部でノズル洗浄用の気液混合体を生成する請求項1に記載の交絡ノズル洗浄設備をもつ糸条交絡装置。
【請求項3】 前記液体槽から延長する液体流路に流量調整弁を設けた請求項2に記載の交絡ノズル洗浄設備をもつ糸条交絡装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多数錘の繊維機械の各錘に交絡ノズルを設けた糸条交絡装置に関し、さらに詳しくは交絡ノズル洗浄設備をもつ糸条交絡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】交絡ノズルは、マルチフィラメント糸条に加圧気体を作用させて単糸間に交絡を与える手段であって、その構造は糸条通路の内壁に加圧気体の噴射口を設けるように構成されている。一般に、交絡ノズルにより交絡処理される糸条には前行程で油剤が塗布されているので、加圧気体により処理されるとき油剤が飛散して糸条通路の内壁に付着する。このように糸条通路の内壁に付着した油剤は、次第に固化して堆積していくので、その固化物が交絡処理中に内壁面から剥離して糸条に付着し、糸条を汚染したり、時には糸切れを発生したりするようになる。さらに進行すると、加圧気体のバランスが悪化し、交絡がかからなくなるようなことがある。
【0003】このように油剤の堆積物等で汚れた交絡ノズルの問題を解決するため、特開平6−280123号公報は交絡ノズルを迅速に洗浄する方法を提案している。この提案の交絡ノズルの洗浄方法は、交絡ノズル内の糸条通路に噴射口から洗浄液体を噴射するというものである。特に洗浄液体を加圧気体との気液混合体にして噴射すると、洗浄液体単独で洗浄する場合よりも一層洗浄効果を高くすることができる。
【0004】しかるに、一般に繊維機械は多数錘から構成され、各錘に交絡ノズルが設けられるので、これら多数錘の交絡ノズルに対して洗浄用気液混合体を均等に分配することが必要になる。しかしながら、本発明者らの検討した結果によると、このような多数錘の交絡ノズルにメイン供給ラインから気液混合体を分配しようとすると、必ずしも全錘の交絡ノズルに正常な気液混合体を均等に分配できるとは限らないことがわかった。
【0005】すなわち、メイン供給ラインに設ける分枝流路の設け方が、その分岐位置においてメイン供給ラインから下向きに連結されている場合には、気液混合体発生装置に近い上流側の分枝流路ほど、比重の大きな洗浄流体が過剰に流下しやすく、末端域の分枝流路では加圧気体だけが分流されるようになってしまうようになる。その結果、メイン供給ラインの末端域に連結された交絡ノズルは、殆ど洗浄液体が無い気液混合体で洗浄されるため良好な洗浄が行えなくなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多数錘の交絡ノズルを有する糸条交絡装置において、全錘の交絡ノズルに正常な洗浄用気液混合体を分配することができる糸条交絡装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の糸条交絡装置は、多数錘からなる繊維機械の各錘に交絡ノズルを設け、交絡処理用加圧気体を供給する第1メイン供給ラインとノズル洗浄用気液混合体を供給する第2メイン供給ラインとを互いに独立に設け、前記両メイン供給ラインの長手方向に分散した複数の箇所からそれぞれ分枝流路を分岐させて三方切替弁に連結し、該三方切替弁から延びる流路を前記交絡ノズルに連結し、かつ前記第2のメイン供給ラインからの分枝流路を、その分岐箇所から該メイン供給ラインの上方へ延長するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】このようにノズル洗浄用気液混合体を供給する第2メイン供給ラインから分岐する分枝流路を、その分岐箇所からメイン供給ラインの上方へ延長するように構成したため、比重の大きい洗浄液体が分枝流路に過剰に流下してしまうようなことがなくなり、その結果としてメイン供給ライン末端域まで気液混合体内の洗浄液体を正常な状態に混在させることができる。したがって、全錘の交絡ノズルを正常な状態で洗浄することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による糸条交絡装置の概略を示すものである。1は交絡ノズルであって、多数錘から構成された紡糸巻取機、延伸巻取機などの繊維機械の各錘毎に1個或いは複数個ずつ取り付けられている。各交絡ノズル1は、図3の拡大図に示すように、中央部に上下に貫通する糸条通路1aを有し、その内壁面に噴射口1bを開口させている。この交絡ノズル1による交絡処理は、糸条通路1aにマルチフィラメント糸条Yを通過させながら噴射口1bから加圧気体(圧空など)を噴射することにより、その乱流によりフィラメント単糸相互間を交絡させて行う。
【0010】10は交絡処理用の加圧気体を供給する第1メイン供給ライン、20はノズル洗浄用の気液混合体を供給する第2メイン供給ラインである。それぞれのメイン供給ライン10,20は互いに独立に、かつ繊維機械の各錘に跨がるように配管されている。第1メイン供給ライン10は、圧空(加圧気体)を矢印A方向に供給し、また第2メイン供給ライン20は、圧空(加圧気体)を矢印Bの方向に供給すると共に、その途中に設けた気液混合装置30で洗浄液体を混合させて気液混合体を生成し、下流側へ供給するようになっている。
【0011】これら第1メイン供給ライン10と第2メイン供給ライン20からは、それらの長手方向(延長方向)に沿って、繊維機械の各錘毎或いは複数錘毎にそれぞれ一対ずつの分枝流路3,4が分岐している。しかも、各分岐位置において、一対の分枝流路3,4は、それぞれメイン供給ライン10,20の上方側へ延長している。
【0012】各分岐位置から延長する一対ずつの分枝流路3,4は三方切替弁5に連結され、さらに三方切替弁5から延長する流路6に、上述した交絡ノズル1が連結されている。図1に示す実施形態では、三方切替弁5から延長する流路6が2路の流路6a,6bに分岐され、それぞれの流路6a,6bに交絡ノズル1が1個ずつ連結されるようになっている。
【0013】上述のように構成された糸条交絡装置を、糸条の交絡処理のために使用するときは、三方切替弁5を分枝流路3と流路6とが連通するように切替え、第1メイン供給ライン10の加圧気体が交絡ノズル1へ供給されるようにすればよい。また、交絡ノズル1の洗浄処理を行うときは、三方切替弁5を分枝流路4と流路6とが連通するように切替え、第2メイン供給ライン20の気液混合体が交絡ノズル1へ供給されるようにすればよい。
【0014】上記糸条交絡装置では、特に気液混合体を分流する分枝流路4を、その分岐部分においてメイン供給ライン20の上方向へ延長させるようにしているため、気液混合装置30に近い位置の分枝流路4に対して、比重の大きな洗浄液体が過剰に流下しないようにすることができる。すなわち、分枝流路4がメイン供給ライン20の分岐位置から下方向に向いていると、気液混合装置30に近い位置の分枝流路4ほど比重の大きな洗浄液体を過剰に流下しやすくなり、端末域の分枝流路4では加圧気体だけが供給されるような問題があるが、このような問題を解消することができる。その結果、全錘の交絡ノズル1を良好に洗浄することができる。また、交絡ノズルを洗浄するとき、その周辺の糸経路を規制している糸道ガイドも同様に洗浄することができる。
【0015】本発明の糸条交絡装置において、第2メイン供給ライン20に設ける気液混合装置30としては、特に限定されるものではないが、好ましくは図2のような構成からなるものを使用することが望ましい。図2に示す気液混合装置30は、第2メイン供給ライン20に対する最上流側の分枝流路4の分岐箇所よりも上流側の位置に絞り部21を設け、その絞り部21に液体槽22(水槽)から延長する液体流路23を拡大部24を介して連結するように構成されている。液体槽22には洗浄液体が貯留されるが、その洗浄液体としては水が好ましく使用される。必要により洗剤を配合するようにしてもよい。また、液体流路23には流量調整弁25が設けられている。
【0016】この気液混合装置30では、絞り部21の上流側のメイン供給ライン20に一定圧力P1 の加圧気体を供給すると、絞り部21を通過するときに拡大部24に負圧を発生する。この負圧により液体槽22内の洗浄液体が液体流路23を介して吸い上げられ、拡大部24を経て絞り部21へ滴下する。絞り部21に滴下した洗浄液体は加圧気体と混合して霧状に分散して気液混合体になり、下流側のメイン供給ライン20へ供給される。
【0017】上記気液混合装置30から生成される気液混合体は、気液混合比のバラツキを非常に少なくすることができ、しかも洗浄液体を微細な霧状にすることができる。したがって、これを図1の装置の第2メイン供給ライン20に組合せることにより、分枝流路4に過剰に流れる洗浄液体の量を著しく低減し、メイン供給ライン20の末端域における分枝流路4に分流される気液混合体中の洗浄液体量を安定に確保することができる。
【0018】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、ノズル洗浄用気液混合体を供給する第2メイン供給ラインから分岐する分枝流路を、そのメイン供給ラインの分岐位置から上方へ延長するように構成したので、分枝流路に比重の大きな洗浄液体が過剰に流下することがなくなり、メイン供給ライン末端域から分流する気液混合体内の洗浄液体量を正常な状態に維持することができる。そのため多数錘の交絡ノズルを同時洗浄する場合でも、全錘の洗浄を良好に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【出願日】 平成9年(1997)3月26日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開平10−266037
【公開日】 平成10年(1998)10月6日
【出願番号】 特願平9−73075