トップ :: D 繊維 紙 :: D02 糸;糸またはロ−プの機械的な仕上げ;整経またはビ−ム巻き取り

【発明の名称】 コード処理機におけるコード検知装置
【発明者】 【氏名】前谷 昌克
【氏名】小谷 伸二
【課題】不良の処理コードと良品の処理コードとの境目を機械的に検知することができるコード処理機におけるコード検知装置を提供することを目的とする。

【解決手段】動力伝動用などの工業用ベルトの心線に用いるコードを、槽内に収容したロールに巻き付けて処理液に浸した後、オーブン内で加熱処理し、そしてこれを順次繰り返して処理したコードを巻き取るコード処理機に使用するコード検知装置である。上記コード処理機の初期稼動時に各工程を通過した不良の処理コードと良品の処理コードとの境目に設けたつなぎ部60の通過を検知するコード検知装置40が、コード10を通過させるような間隙をもつように配した一対の回転可能な旋回板43からなるコード挟持板41と、旋回板43の回転を感知する検知部材55を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 動力伝動用などの工業用ベルトの心線に用いるコードを、槽内に収容したロールに巻き付けて処理液に浸した後、オーブン内で加熱処理し、そしてこれを順次繰り返して処理したコードを巻き取るコード処理機において、上記コード処理機の初期稼動時に各工程を通過した不良の処理コードと良品の処理コードとの境目に設けたつなぎ部の通過を検知するコード検知装置が、コードを通過させるような間隙をもつように配した一対の回転可能な旋回板からなるコード挟持板と、旋回板の回転を感知する検知部材を備えたことを特徴とするコード処理機におけるコード検知装置。
【請求項2】 コード挟持板の旋回板が弾性部材の弾性力に抗して回転する請求項1記載のコード処理機におけるコード検知装置。
【請求項3】 旋回板の下端部に、重りを装着できるようにした請求項1記載のコード処理機におけるコード検知装置。
【請求項4】 一対の旋回板は、コードを通過させるが、つなぎ部を通過させない間隙を有している請求項1記載のコード処理機におけるコード検知装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコード処理機におけるコード検知装置に係り、詳しくは動力伝動用などの工業用ベルトの心線に用いるコードを種々の処理液で付着処理する際、コード処理機の初期稼動時に各工程の処理液温度、オーブン温度が不安定なためにやむおえず発生する品質的に不良な処理コードの巻き取りを阻止するために設けたコード処理機におけるコード検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】Vベルト、Vリブドベルト、歯付ベルト等の動力伝動用などの工業用ベルトには、抗張体である心線としてポリエステル繊維、アラミド繊維、あるいはガラス繊維等の繊維材料を素材としたコードが使用されている。このコードはゴム材料との接着性を高めるため、RFL(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス)処理のみ、またはエポキシまたはイソシアネート化合物で前処理した後にRFL処理をしたり、RFL処理をした後にゴム糊を付着していた。
【0003】上記コードは、コード処理機において第1駆動ロールによって一定の張力を付与しながら連続的にクリールから引き出され、第1ディップ槽内で接着液を含浸した後、第1オーブン内に送られて加熱乾燥後、オーブン外で冷却されて第1の処理工程を終了した後、更に第2、第3、第4と順次同様の処理工程を繰り返し通過し、それぞれの工程ごとに異なった配合による処理液を含浸付着し、そして異なったオーブン温度条件と張力条件下で加熱延伸処理し、ベルトに最適なコード物性を付与してリールに巻き取って、ディップ処理を完結していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のコード処理機は初期稼動時において各ディップ槽内で接着液の設定温度、各オーブン内の設定温度等が不安定なことから、初期の処理コードへの接着剤の付着量や含浸量が一定でなく品質的に不安定であるため、巻き取り機に巻かずに別に設けた収容箱に入れ、一定時間が経過した後にコードを切断し、切断した処理コードを即座に巻取機に巻き付けて連続処理を続けていた。しかし、作業者が時間管理を誤ると、良品の処理コードもスクラップにする可能性があるため、従来から不良の処理コードと良品の処理コードとの境目を正確に検知する手段が求められていた。
【0005】本発明は、以上の現状に鑑み、このような問題点を改善するものであり、人手を必要とせずに不良の処理コードと良品の処理コードとの境目を機械的に検知することができるコード処理機におけるコード検知装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記載の発明は、動力伝動用などの工業用ベルトの心線に用いるコードを、槽内に収容したロールに巻き付けて処理液に浸した後、オーブン内で加熱処理し、そしてこれを順次繰り返して処理したコードを巻き取るコード処理機において、上記コード処理機の初期稼動時に各工程を通過した不良の処理コードと良品の処理コードとの境目に設けたつなぎ部の通過を検知するコード検知装置が、コードを通過させるような間隙をもつように配した一対の回転可能な旋回板からなるコード挟持板と、旋回板の回転を感知する検知部材を備えたコード処理機におけるコード検知装置にあり、コードのつなぎ部が通過する際、一対の回転可能な旋回板が回転し、この回転運動を検知部材が感知してつなぎ部の通過を警告することができる。
【0007】本願の請求項2記載の発明は、コード挟持板の旋回板が弾性部材の弾性力に抗して回転するコード処理機におけるコード検知装置であり、コードのつなぎ部が通過してしまうと、旋回板が弾性部材の弾性力によって元の位置へ復元する。
【0008】本願の請求項3記載の発明は、旋回板の下端部に、重りを装着できるようにしたもので、旋回板の回転力を調節することができる。
【0009】本願の請求項4記載の発明は、一対の旋回板がコードを通過させるが、つなぎ部を通過させない間隙を有してる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るコード検知装置を取り付けたコード処理機の全体図である。ここで示すコード処理機1は、プレディップ処理部2、RFL処理部3、ソーキング処理部4、そして巻取処理部5までの4ゾーンから構成されている。
【0011】プレディップ処理部2、RFL処理部3、ソーキング処理部4の各オーブン7a、7b、7cは横型に配置し、強制的に熱風を循環させる間接加熱方式になっている。上記オーブン7aの外側に配置された間接加熱ヒータから発生した加熱空気は、熱風循環ファンによってオーブン7a内を強制的に流動し、そして熱風ダクトを通じて循環する。オーブン7aは、出入口にリターンロール12、13を設けている。尚、温度制御装置、ガス濃度検出機、吸排気ダクト(いずれも図示せず)を設けることもできる。
【0012】処理すべきコード(以下コードと記す)10はクリールスタンド15に支承されたチーズボビン16に未処理の白地状態で巻き付けられている。コード10は、速度制御装置を有する第1駆動ロール17により一定速度で引き出され、プレディップ槽18内ヘ導入される。、プレディップ槽18内に配置されたロール19に巻き付きながら処理液20中を通過することによって浸漬処理される。
【0013】更に、コード10はオーブン7aへ入り、該オーブン7aの前後両端部に配設されたリターンロール12、13を数回往復して加熱乾燥した後、オーブン7a外の大気中で冷却し、第2駆動ロール22に移送されてプレディップ処理部2を終える。第2駆動ロール22は、第1駆動ロール17を基準とした速度制御機能を有し、プレディップ処理部2中のコード10に最適な張力を付与している。
【0014】以下、同様に、コード10はRFL槽24内に配置されたロール25から第3駆動ロール26を経由してオーブン7bでヒートセット処理される。ヒートセットされたコード10は第4駆動ロール27を経由してソーキング槽28へ送られた後、ロール28、29、30を経由してオーブン7cへ入り、これを複数回繰り返して引出しロール31を経由して巻取機32に巻かれ、処理作業が連続して行われる。
【0015】第2駆動ロール22とその回転速度を基準とした速度制御機能を有する第3駆動ロール27間のRFL処理部3、更に第3駆動ロール27とその回転速度を基準とした速度制御機能を有する第4駆動ロール31間のソーキング処理部4においてそれぞれ異なった配合の処理液と乾燥温度、一定のコード張力の下で処理が行われる。
【0016】しかして、本発明のコード検知装置40は、巻取機32の前方に配置されている。このコード検知装置40では、図2および図3に示すように、コード挟持板41がコード10を通過させるような間隙dをもつように配した一対の旋回板43を支持台44に挿入した軸45へ嵌め込み、該軸45を中心にして支持台44間を旋回する。
【0017】走行しているコード10は軸45の下方で挟持される。旋回板43の頭部は、摘まみ47をもったボルト48を嵌入してナット49で固定し、また一対の旋回板43を同時に回転させるためにピン50を平行に挿入し、ピン50を垂直に挿入した螺子51によって固定している。2枚の旋回板43は、それぞれ異なるネジピッチでボルト48と締結しているため、摘まみ47を回転させることによりボルト48が回転し、ネジピッチの異なる分だけ旋回板43の間隔を調節することができる。
【0018】近接スイッチからなる検知部材55が補強材56と旋回板43と間の支持台44上に固定され、旋回板43の回転を感知する。そして、コイルバネ等の弾性部材57が上記螺子51と補強材56の頂部に配した螺子58との間に張設され、常に旋回板43を検知部材55側へ引っ張っている。従って、図中矢印に示す方向へ走行中のコード10のつなぎ部60が弾性部材57の弾性力に抗して旋回板43を図中右方向へ回転させると、検知部材55が旋回板43の動きを感知して警告音を発する。
【0019】このつなぎ部60は、未処理コードを予め所長さに切断して結んだ箇所であり、無論所定長さをもつ案内用のリーダコードを未処理コードの前部に結び付けて使用してもよい。リーダコードは案内用であるため、コード10と略同等のコードを使用すればよく、耐熱性を有する特定のコードでなくてもよく、廃品であってもよい。熱履歴により硬化し、リーダコードの機能を失うまでは反復使用できる。
【0020】いずれにせよ、コード処理機の初期稼動時における処理コードは品質的に不良であり、これらは巻取機32に巻かず、別に設けた収容箱に入れて、不要の場合にはスクラップにされる。上記の警告音が発せられると、作業者はその合図を受けて、このつなぎ部60を分離して、即座に良品の処理コードの先端を巻取機32の巻取リール(図示せず)に数回巻き付け、以後、品質的に安定した良品のコード10を連続して処理することができる。尚、処理するコードの種類によって経路距離等のパラメータが違うため、基準速度、延伸率、オーブン温度、即ち熱膨張によるオーブンの寸法変化等のパラメータとともにパラメータ群としてコード種類ごとに管理する。
【0021】
【発明の効果】以上にように本願の各請求項記載の発明は、コード処理機の初期稼動時に各工程を通過する不良の処理コードと良品の処理コードとの境目に設けたつなぎ部の通過を検知するコード検知装置が、コードを通過させるような間隙をもつように配した一対の回転可能な旋回板からなるコード挟持板と、旋回板の回転を感知する検知部材からなる備えたコード処理機におけるコード検知装置にあり、コードのつなぎ部が通過する際、一対の回転可能な旋回板が回転し、この回転運動を検知部材が感知してつなぎ部の通過を正確に警告することができる。また、コード挟持板の旋回板が弾性部材の弾性力に抗して回転するコード処理機におけるコード検知装置であり、コードのつなぎ部が通過してしまうと、旋回板が弾性部材の弾性力によって元の位置へ復元でき、また旋回板の下端部に重りを装着したり、あるいは弾性部材の調整により回転力を調節することもできる。
【出願人】 【識別番号】000006068
【氏名又は名称】三ツ星ベルト株式会社
【出願日】 平成9年(1997)3月7日
【代理人】
【公開番号】 特開平10−251935
【公開日】 平成10年(1998)9月22日
【出願番号】 特願平9−70692