トップ :: D 繊維 紙 :: D02 糸;糸またはロ−プの機械的な仕上げ;整経またはビ−ム巻き取り

【発明の名称】 繊維機械の清掃方法および装置
【発明者】 【氏名】ディビッド チャ―ルス イ―トン
【氏名】コリン アトキンソン
【氏名】カール フィティアン
【課題】

【解決手段】繊維機械10またはそのような機械10の部品18の清掃が、清掃するべき部品18、24、40に適当な時間長さに亘ってレーザービームを照射することにより行われる。部品18、24、40が機械10内のその本来の定常作動位置において上記操作が行われてもよく、可能であれば糸条23が機械の停止時間を避けるために走行中であり、機械10は定常作動状態で運転されていてもよい。他の方法として、その操作においては、糸条23を他の部品24′に移動させるとともに元の部品24を清掃し、または他の部品24′を定常作動状態に移動させるとともに清掃されるべき部品24を清掃位置に移動するようにしてもよい。レンズシステム27bが清掃されるべき部品18、24へ離れた場所から平行ビームを照射してもよく、または光ファイバーケーブル45がその部品40に延びていてレーザービームを案内するようになっていてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 繊維機械の清掃方法において、レーザービームを該機械(10)の清掃すべき部品(18、24、40)に該部品(18、24、40)を清掃するのに十分な時間に亘り照射することを特徴とする繊維機械の清掃方法。
【請求項2】 前記清掃すべき部品(18、24、40)を定常運転状態にある前記機械(10)内に置いたままで前記レーザービームを該機械(10)の前記清掃すべき部品(18、24、40)に照射することを特徴とする請求項1に記載の繊維機械の清掃方法。
【請求項3】 前記清掃すべき部品(18、24、40)を前記機械(10)内に置いたままでレーザービームを前記清掃すべき部品(18、24、40)に照射する前に前記清掃すべき部品(18、24、40)を作動位置から清掃位置へ移動させ、前記レーザービームを前記清掃すべき部品(18、24、40)に照射することを特徴とする請求項1に記載の繊維機械の清掃方法。
【請求項4】 前記部品(18、24、40)の清掃を行う間、前記機械(10)が定常運転状態にあることを特徴とする請求項2または3に記載の繊維機械の清掃方法。
【請求項5】 前記清掃すべき部品(24)が作動位置から清掃位置へ移動されたときに代りの部品(24′)を清掃位置から作動位置へ移動させることを特徴とする請求項3に記載の繊維機械の清掃方法。
【請求項6】 前記レーザービームまたは清掃すべき表面(24、40)を相対移動させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の繊維機械の清掃方法。
【請求項7】 繊維機械(10)および該繊維機械(10)の清掃装置(22)において、該清掃装置が前記機械(10)の清掃すべき部品(18、24、40)に該部品(18、24、40)を清掃するのに十分な時間に亘りレーザービームを照射するようにした清掃具(22)を具備していることを特徴とする繊維機械および清掃装置。
【請求項8】 前記清掃すべき部品(24)が作動位置から清掃位置へ移動可能であることを特徴とする請求項7に記載の繊維機械および清掃装置。
【請求項9】 前記機械(10)が清掃すべき部品(24)の近傍に位置する代りの部品(24′)を具備し、前記清掃すべき部品が作動位置から清掃位置へ移動されるときに該代りの部品(24′)が清掃位置から作動位置へ移動可能であることを特徴とする請求項8に記載の繊維機械および清掃装置。
【請求項10】 清掃装置(22)および清掃すべき部品(18、24、40)が相対移動可能であることを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の繊維機械および清掃装置。
【請求項11】 前記部品(18、24、40)を清掃するために該部品(18、24、40)へレーザービームを照射している際に前記清掃装置(22)が前記機械(10)に固定され、該清掃装置(22)は前記機械(10)に固定されているときにのみ作動可能であることを特徴とする請求項7〜10の何れか1項に記載の繊維機械および清掃装置。
【請求項12】 前記清掃装置(22)は清掃すべき部品(18、24)に実質的に平行なレーザービームを照射するようにしたレンズ配置(27b)を具備していることを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載の繊維機械および清掃装置。
【請求項13】 前記清掃装置(22)は清掃すべき部品(40)へレーザーを照射可能な光ファイバーケーブル(45)を具備していることを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載の繊維機械および清掃装置。
【請求項14】 前記清掃装置(22)が清掃すべき部品(40)の近傍の光ファイバーケーブル(45)の端部へ空気ジェットを指向可能な吹付け装置(46)を具備していることを特徴とする請求項13に記載の繊維機械および清掃装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維機械の清掃に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維機械の多くの部品は糸屑の蓄積および/またはオイルの堆積によって期間経過とともに汚染される。加工されている糸条の品質が劣化しないようにするために、機械の汚染された部品を定期的に清掃する必要がある。現在のところ、この清掃はブラシおよび/または溶剤を用いて行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特定の部品は機械上にあったままで清掃可能であるが、清掃はその部品を機械から取り外す必要があることもある。何れの場合にあっても、糸条の処理を停止することが通常必要であり、そして機械を停止させて部品を機械から取り外すことが必要になることもある。このことにより、生産時間の損失が生じ、これは糸条生産者にとって明らかな損失となる。機械の停止時間は機械がその清掃前に冷却しそして次いで糸条処理が再開される前には温度を昇温しなければならないヒータを具備している場合にあっては特に長たらしいものとなる。この問題のために、機械の清掃と清掃との間の期間をできるだけ長くすることが普通に行われており、そしてこのことは加工糸の品質に著しく表われ、その品質は機械の清掃をより頻繁に行った時に得られるであろうほどの品質とはならない。更に、現在行われているブラシおよび/または溶剤を用いた清掃方法は機械の部品の表面を損傷することがあり、信頼性に欠け、それらによって加工糸の製造をより低品質のものとする。
【0004】
【発明の目的】本発明の目的は、繊維機械の清掃方法および清掃装置であって、現在用いられている機械の清掃方法の欠点を少なくともかなりの程度において解消することができるものを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明により、繊維機械の清掃方法において、レーザービームを該機械の清掃すべき部品に該部品を清掃するのに十分な時間に亘り照射することを特徴とする繊維機械の清掃方法が提供される。この清掃方法は前記清掃すべき部品を定常運転状態にある前記機械内に、好ましくはその定常運転位置に置いたままで前記レーザービームを該機械の前記清掃すべき部品に照射してもよい。この清掃方法では部品の清掃を行っている間に機械を定常運転状態で運転していてもよい。
【0006】その清掃方法では、前記清掃すべき部品を作動位置から清掃位置へ移動させてもよい。この場合に前記清掃すべき部品が作動位置から清掃位置へ移動されたときに代りの部品を清掃位置から作動位置へ移動させてもよい。他の方法として、機械上で処理される材料を清掃されるべき部品から代りの部品へレーザービームを照射する前に移動させてもよい。
【0007】この方法では部品の表面に実質的に直角な方向にレーザービームを照射してもよい。この清掃方法ではレーザービームまたは表面を相対的に移動させてもよい。
【0008】本発明は更に、繊維機械および該繊維機械の清掃装置において、該清掃装置が前記機械の清掃すべき部品に該部品を清掃するのに十分な時間に亘りレーザービームを照射するようにした清掃具を具備していることを特徴とする繊維機械および清掃装置を提供する。
【0009】部品は清掃が行われる間中、機械内に設けられていてもよく、そして、その定常作動位置に位置していてもよい。その機械はその正常作動状態にあってもよい。前記清掃すべき部品が作動位置から清掃位置へ移動可能としてもよい。この場合に前記機械が清掃すべき部品の近傍に位置する代りの部品を具備し、前記清掃すべき部品が作動位置から清掃位置へ移動されるときに該代りの部品が清掃位置から作動位置へ移動可能としてもよい。清掃装置はレーザービームを部品表面に直角に照射するように設けられていてもよい。清掃装置または清掃すべき部品の何れかは清掃が行われる間、相対移動可能であってもよい。前記部品へレーザービームを照射している際に前記清掃装置が機械に固定され、該清掃装置が前記機械に固定されているときにのみ作動可能としてもよい。前記清掃装置は清掃すべき部品に実質的に平行なレーザービームを照射するようにしたレンズ配置を具備していてもよく、または前記清掃装置は清掃すべき部品へレーザーを照射可能な光ファイバーケーブルを具備してもよい。この場合に前記清掃装置が清掃すべき部品の近傍の光ファイバーケーブルの端部へ空気ジェットを指向可能な吹付け装置を具備してもよい。
【0010】レーザービームはCO2 レーザー、Nd:YAGレーザーまたはエキシマレーザーとすることができる。レーザービームの波長は清掃されるべき部品の材質および/またはその部品から除去されるべき材質に適合するように選択され、そして1.064μmまたは0.532μmの範囲とすることができる。レーザービームはパルスビームとすることができ、そしてパルスは5および30ナノセカンド(nSec)のパルス幅を有していてもよい。パルス数は毎秒5から120の間であり、そして平均出力は5および25Wの間である。
【0011】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図1はヒータを清掃する清掃装置を具備した繊維機械の正面図であり、図2はヒータおよび清掃装置の1つの実施例の拡大図であり、図3はヒータおよび清掃装置の第2の実施例の拡大図であり、図4は機械の加撚ユニットおよびそのユニットの清掃装置の図である。
【0012】図1を参照して、図1には糸条11を仮撚加工するための繊維機械10が示されている。この機械10は、クリール11、メインフレーム12、第1送給装置14、第2送給装置15、仮撚装置16、クリール11およびメインフレーム12間の作業者通路17、第1ヒータ18並びに冷却プレート20、21が設けられた冷却領域19からなる。糸条23はクリール11に懸架さた原糸パッケージ13から供給され、それから順番に第1送給装置14、第1ヒータ18、冷却領域19、仮撚装置16および適宜付加される第2ヒータ33を経て巻取領域35のクレードル34に設けられた巻取パッケージ36に至る。
【0013】糸条23を第1送給装置15からヒータ18の上流端32に案内するために、糸ガイド28がそり29の上に設けられており、このそり29は軌道31に沿ってロッド30により第1送給装置14に近接する糸掛け位置からヒータ18の端部32に近接する加工位置へ移動可能である。糸掛けの間、糸条23は第1送給手段14から冷却プレート20、21の間のガイド26へ実質的に直線状に走行し、ヒータ18および冷却プレート22とは接触しない。
【0014】糸条23は繊維機械10の種々の表面、例えば送給装置14、15、冷却プレート20、21、仮撚装置16および糸ガイド28、26等の表面を走行する。加えて、糸条はヒータ18、33の表面に接触走行する。これによりこれら表面上に集積した糸屑の堆積が生ずる。加えて、供給原糸23はその表面に一定の加工油剤を有しており、オイルの堆積が表面の幾つか、特にヒータ18の上に集積する。加工糸条の品質が受入れることができないレベルまで損なわれないようにするために、上述した表面を時間、時間に清掃することが必要である。従来この清掃は手でブラッシュ掛けをし、または種々の清掃剤、例えば洗剤のようなものを用いて行われている。この清掃は清掃すべき部品が機械10の上にあるままで行なうこともできるが、多くの場合、部品は機械10から清掃作業を行うために取り外される。何れの場合にも機械10は停止せねばならず、このことは機械使用者に高価な非生産時間をもたらす。ヒータ18、33の場合には、それらの作動温度から冷却するまでの時間が必要であり、また清掃後それらの温度まで到達するまでの時間が必要であるから、この問題は特にヒータの清掃の場合に著しい。
【0015】しかしながら、本実施例の場合には清掃装置22がヒータ18に設けられている。清掃装置22はレーザービーム発生装置27aを含んでおり、このレーザービーム発生装置27aはヒータ18の外側からヒータ18の構造体を通り糸条が処理されているときに糸条23が接触しまたは近傍に位置している表面24に実質的に直角な方向にレーザービームを照射するように作動可能となっている。清掃装置22はヒータ18の長手方向に移動可能であって表面24の全体が清掃できるようになっている。ビームは作業者通路17から上向きに照射すられていて、それにより作業者に対する如何なる危険も回避している。
【0016】レーザービームは発生装置27aおよび実質的に平行なレンズ配置27bにより作られ、そしてレーザービームはCO2 レーザー、Nd:YAGレーザーまたはエキシマレーザーとすることができる。レーザービームは表面24の材質および/またはその表面から除去される材質に適合するように選ばれた波長を有すことができ、それは1.064μmまたは0.532μmの範囲とすることができる。ビームはパルス幅が5および30ナノセカンド(nSec)の間のパルスである。パルス数は毎秒5および120の間であり、平均出力は5および25Wの間である。ビームの効果は表面24上の堆積材料の外側層をプラズマとしそして振動衝撃波をその堆積物を通り生ずるものであり、衝撃波は表面24により反射されそして次のパルスと干渉して堆積物を破壊しそれにより堆積物は表面24から落下する。
【0017】加工される糸条23の種類に応じて、糸条23が走行状態のままでヒータ18を清掃して、それにより機械の停止時間を0に近いように減少させることもできる。もしこれが可能でない場合には、糸条23をそり29を下げてヒータ18および冷却プレート20との接触を断ちこの清掃工程を行ってもよい。しかしながら、ヒータは昇温状態のまま、そして好ましくはその作動温度のままとすることができる。これにより機械10の全停止時間は現在用いられている清掃方法に比較して著しく減少される。
【0018】他の方法として、もしヒータ18がその定常作動温度にあるままでヒータが清掃される場合には、代りの表面24′を図2に示すように設けてもよい。この場合に、ヒータ18は2つの加熱表面24、24′を有しており、これら表面はヒータ18の長手方向に互いに平行して延びており、それらの表面の両方は作動温度となっている。糸条23は表面24と接触状態で示されている。表面24を清掃する必要があるときには、逆方向に戻すことが必要になる時間まで、糸条23は急速に代りの表面24′に接触走行するように動かされる。この方法により機械の停止時間がなくされる。
【0019】更に他の態様として、ヒータが作動温度において清掃されるときに、糸条は表面24と接触走行状態のままとされているが、しかしながら清掃作業によりその品質が受入れることができない場合には屑糸とされる。
【0020】図2に示されているものと同じ目的に用いられるヒータ18の他の実施例が図3に示されている。この場合に、代りの表面24′は表面24の反対側に設けられている。表面24を清掃する必要があるあるときには、ヒータ18はその長手軸線25の回りに回転され、そして糸条23は表面24から表面24′へ移される。清掃装置22およびヒータ18の構造的配置に関しての上述した全ての説明はこのヒータ33および冷却プレート20、21に適用される。
【0021】さて図4を参照して、この図4には仮撚装置16が示されており、この仮撚装置16は繊維機械10にベース47により設けられている。仮撚装置16は3本の平行なスピンドル37を具備しており、このスピンドルには加撚ディスク38が設けられている。糸条23はディスク38の周辺表面40上を走行し、ディスク38は表面40の溝が糸屑で満たされるにつれて磨かれた状態となる。現在においてはディスク38は装置16上で交換されるか、または装置全体が交換されている。何れの方法においても、高価な機械停止時間が必要となっている。本発明の配置によれば、清掃装置22はベース47および装置16の頂面39に設けられており、その装置ではレーザービームがディスク38の表面40に向けられており、走行中にそれらを清掃するように位置されている。レーザービーム発生装置44は垂直方向に移動可能であって表面40の各々が順番に清掃される。光ファイバーケーブル45が清掃される表面40の近くまで延びていてレーザービームを表面40に正確に位置決めするようになっている。加えて、仮撚装置16はケーシング41(部分的に破断して示している)およびキャップ42により囲まれていてレーザー清掃装置22の使用から作業者が危険を受けないようにしている。更に、清掃装置22はそれが機械10に固定されそして電源がケーブル43により接続されない限り作動不可能である。これにより清掃装置22の誤用の危険を減少する。表面40から除去された糸屑が光ファイバーケーブル45の端部に付着しないようにするために、空気ジェットが吹付け装置46によって光ファイバーケーブル45の端部に吹付けられる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、繊維機械10の清掃のための停止時間を減少またはなくすのみならず、更にそれに加えて、上述した清掃装置は従前から用いられているブラシおよび洗剤方法よりも遥かに信頼性があり、更にまた信頼性を高めるために自動化することも可能である。
【出願人】 【識別番号】391020735
【氏名又は名称】リーター スクラッグ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】RIETER SCRAGG LIMITED
【出願日】 平成10年(1998)1月5日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】三中 英治 (外1名)
【公開番号】 特開平10−212636
【公開日】 平成10年(1998)8月11日
【出願番号】 特願平10−11924