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【発明の名称】 布状複合磁性材料
【発明者】 【氏名】亀井 浩二

【氏名】吉田 栄吉

【要約】 【課題】放射ノイズによる人体への影響を防止できる布状複合磁性材料の提供。

【解決手段】合成樹脂1に酸化皮膜を有するフレーク状のセンダスト粉2を加熱混練し、成形した布状複合磁性材料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 母材中に軟磁性粉末を分散して、電磁遮蔽性を有したことを特徴とする布状複合磁性材料。
【請求項2】 前記母材として、天然繊維、合成繊維を用いたことを特徴とする請求項1記載の布状複合磁性材料。
【請求項3】 前記母材として、天然ゴム、合成ゴムを用いたことを特徴とする請求項1記載の布状複合磁性材料。
【請求項4】 前記母材として合成樹脂を用いたことを特徴とする請求項1記載の布状複合磁性材料。
【請求項5】 前記軟磁性体粉末がフレーク状の金属磁性体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の布状複合磁性材料。
【請求項6】 前記フレーク状の金属磁性体の表面に酸化皮膜を有することを特徴とする請求項5記載の布状複合磁性材料。
【請求項7】 前記フレーク状の金属磁性体が、センダスト合金であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の布状複合磁性材料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料品、日用品や電気機器、OA機器あるいは壁材、シールドカーテン等様々の分野に応用が可能な電磁遮蔽性を有する布状複合磁性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の電気機器やOA機器の普及が進んでいる。また、各家庭内においては、テレビ、電子レンジや携帯電話等の機器が存在する。これらの機器の使用時には電磁波が放出される。
【0003】この電磁波を人体が長時間において浴び続けると、電磁波による熱効果を中心に近接部位の生体に異常をきたすことが論じられている。
【0004】この電磁波から人体を保護するため、テレビやOA機器のディスプレイには、シールドスクリーンが装着されている。また、妊婦の体に対して胎児を保護するものとして、シールドエプロン等も市販されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のシールドエプロンや電子機器やOA機器に使用されている電磁波から人体を保護するためのシールドスクリーン等の防磁シートとしては、アルミやステンレスなどの金属鋼材、あるいはポリピロールカーボン含有ポリマー等の導電性樹脂などの導電性の部材や非導電性の部材にカーボン繊維等の導電材を織り込んだ織物や導電材をメッキして、導電層を形成したものが用いられている。
【0006】しかしながら、これらの電磁シールド部材では、導電材を使用しているため、電磁波を受けると反射による2次放射が生じたり、あるいは伝導ノイズが導電性シールド部材をアンテナとして放射ノイズとなってしまうという問題があった。
【0007】従って、本発明の課題は、前記放射ノイズを抑制・吸収してシールドエプロン、衣料品、日用品や電気機器、OA機器の筐体等に貼り付けて、電磁遮蔽を行なうための布状複合磁性材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、母材中に軟磁性粉末を分散して、電磁遮蔽性を有したことを特徴とする布状複合磁性材料である。
【0009】本発明は、上記母材として、天然繊維、合成繊維を用いたことを特徴とする布状複合磁性材料である。
【0010】本発明は、上記母材として、天然ゴム、合成ゴムを用いたことを特徴とする布状複合磁性材料である。
【0011】本発明は、上記母材として合成樹脂を用いたことを特徴とする布状複合磁性材料である。
【0012】本発明は、上記軟磁性体粉末がフレーク状の金属磁性体であることを特徴とする布状複合磁性材料である。
【0013】本発明は、上記フレーク状の金属磁性体の表面に酸化皮膜を有することを特徴とする布状複合磁性材料である。
【0014】本発明は、上記フレーク状の金属磁性体が、センダスト合金であることを特徴とする布状複合磁性材料である。
【0015】本発明による布状複合磁性材料で、人体を被うシールドエプロン、服などの衣料品、日用品を形成、あるいは電気機器、OA機器等の筐体を覆えば、布状複合磁性材料部材内部に電磁波が吸収され、導電材部材でみられるような電磁波の反射や伝導ノイズによる放射ノイズを解消することができる。
【0016】すなわち、酸化皮膜を有するフレーク状のセンダスト粉を用いたセンダスト複合磁性体は電気抵抗が高く、高周波透磁率特性に優れ、導電性部材を用いた電磁シールド材と比較して導電性が低いため、導体やバルクの金属磁性体あるいは導電性部材などでみられるような、インピーダンスの不整合による電磁波の表面反射による障害が抑制される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、繊維状の母材の集合体により、不織布、織布を形成する際に、軟磁性体粉末を分散させることにより、布状の複合磁性体を得ることができる。又は、軟磁性体粉末を母材中に分散させた複合磁性体の繊維状のものが集合した布状複合磁性材料である。これは、複合磁性体の繊維をプレス成形等により、シート状にした不織布のような布状複合磁性材料や織り合わせた織布のような布状複合磁性材料を得ることができる。
【0018】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】図1に示すように、本発明の第1の実施の形態による布状複合磁性材料は、母材1の中に多数のセンダスト粉2を分散させたものである。
【0020】すなわち、フレーク状の微細粉末の表面に酸化皮膜を施したセンダスト粉2を天然繊維、合成繊維、または、ゴム、あるいは合成樹脂等の繊維状の母材1と混合し、混合物をドクターブレード法により塗工・乾燥し、これを繰り返して所定の厚さとする。
【0021】このとき、塗布中のフレーク状のセンダスト粉2は、塗工時のせん断応力により試料の面内方向に配向、配列される。また、更に、前記混合物をプレス、成型して、不織布または布状としてもよい。
【0022】図2に、図1の布状複合材料の横断面を示す。母材1中に分散されたセンダスト粉2の大きさ、および母材1との混合率は本布状複合磁性材料の用途にあわせて任意に選択できる。
【0023】図3に示すように、本発明の第2の実施の形態による布状複合磁性材料は、センダスト粉と合成樹脂原料を混合した混合物を任意の径の糸状にした繊維4を織り込むことによって得られる織布3である。繊維は、通常の紡糸方法や、シート状のものを裁断する方法等によって製造できる。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。まず、表1の配合比で、軟磁性体粉末、有機結合材をニーダーで混練し、ドクターブレード法により厚さ0.5mmの布状の複合磁性体を作製した。
【0025】

【0026】なお、得られた複合磁性体を振動試料型磁力計及び走査型電子顕微鏡を用いて解析したところ、磁化容易軸及び磁性粒子の配向方向は、いずれもこの層の面内方向であった。
【0027】また、ここで用いた軟磁性体粉末は、O2分圧20%のN2−O2混合ガス雰囲気中で気相酸化し、Ar雰囲気中、650℃で2時間アニール処理したもので、表面に酸化皮膜が形成されている。
【0028】ここで、上記で得られた布状複合磁性材料により次のような実験を行った。
【0029】パソコン等の機器からは、放射ノイズが発生しているため、機器との間で相互に悪影響を与えるという電磁干渉が問題となっているが、テレビの両側面にパソコン及び電子レンジを近づけ電源を入れたところ、ノイズが入り画像が乱れた。次に50×50cmに切断した本実施例による布状複合磁性材料をテレビとパソコン及び電子レンジの間に立て掛けて電源を入れたところ、テレビの画像が乱れなくなった。
【0030】従って、本発明により得られた布状複合磁性材料は、放射ノイズを吸収し電磁シール材料として有効であることがわかった。これは、本発明の布状複合磁性材料が、電気抵抗が高く高透磁率であり、高周波透磁率特性に優れているためと思われる。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したごとく、本発明の布状複合磁性材料によれば、電磁波による人体への影響を排除でき、また、放射ノイズによる電子機器間の電磁干渉を防止できる。又、布状であるため、シートのフレキシビリティが高く、縫合し易くなり、エプロン等の衣類、カーテン等の分野で使用するのに適したものも提供できる。
【出願人】 【識別番号】000134257
【氏名又は名称】株式会社トーキン
【出願日】 平成8年(1996)9月27日
【代理人】
【公開番号】 特開平10−102316
【公開日】 平成10年(1998)4月21日
【出願番号】 特願平8−277139