| 【発明の名称】 |
固体培養装置の吸気ダクト |
| 【発明者】 |
【氏名】藤原 章夫
【氏名】藤原 善也
【氏名】中川 三郎
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| 【要約】 |
【課題】固体培養装置における吸気ダクトの開口端付近に生ずる培養室から送風機への流れ、又はこの逆の空気の流れを抑制する。
【解決手段】固体培養装置の培養室に連通する吸気ダクト2の開口端3又は内部に自動又は他動で開閉するフラッパ1又はダンパを配設する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 固体培養装置の培養室に連通する吸気経路であり、開口端又は内部に自動又は他動で開閉するフラッパ又はダンパを配設したことを特徴とする固体培養装置の吸気ダクト。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、酵素・菌体を培養する固体培養装置(以下培養装置と略する)において、断続通風制御をする培養室に連通する吸気経路としての吸気ダクトの構造に関する。 【0002】 【従来の技術】酵素・菌体を断続通風制御下の環境で培養する培養装置には、送風機からの空気を培養室へ吹き込む吸気ダクトと、培養室内の空気を排出する排気ダクトとが連通し、空気の流れを形成している。従来の吸気ダクトは、培養室壁面に開口しているだけのものが多かった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の吸気ダクトでは、上述のように単なる開口端を有していたため、送風機が停止すると、培養室と外界との温度差により、例えば培養室から送風機へ、又は送風機から培養室へと、前記吸気ダクトの開口端付近に空気の流れが発生していた。この空気の流れは、低い外気温と吸気ダクトや送風機との間で熱交換が生じ、温度低下した吸気ダクトや送風機が周辺の空気温を下げることによって発生する。すなわち、送風機が停止しても、床下と吸気ダクトとが連通しているために、吸気ダクトや送風機を介した形態で、外気と床下空気との間で熱交換がなされることにより、床下全体の温度が低下し、更には除湿されるわけである。 【0004】また、上記熱交換により温度低下を招いた吸気ダクト内へ温かい空気が入ると結露を発生させ、カビ又は雑菌の発生、繁殖の原因ともなるし、送風機が作動し始めると結露水が原料層に向けて飛散し、原料の水分量を狂わせて製麹を阻害することも起こりうる。更に、吸気ダクトから流れ込む空気が冷たければ、培養室の床下に配した加熱装置が作動して、この床下における相対湿度(RH)が低下したり、送風機が駆動し始めると前記冷たい空気を原料層へと導くために、品温を急激に低下させて製麹を遅らせるといった弊害が生じる。しかし、作業者により吸気ダクトの開口端を開閉するのは繁雑かつ多大な労力を有するので、好ましくない。そこで、作業者の操作を必要とせず、かつ簡素な構造によりコストの上昇を抑えられる点に留意して、吸気ダクトの開口端付近における空気の流れを抑制する構造について検討することとした。 【0005】 【課題を解決するための手段】検討の結果、開発したものが、固体培養装置の培養室に連通する吸気経路であり、開口端又は内部に自動又は他動で開閉するフラッパ又はダンパを配設した吸気ダクトである。フラッパは接続口の開口端に、ダンパはダクト内に設けるものが一般的で、共に空気が流出入する経路を開閉する「蓋」である。吸気ダクトの開口端に設けたフラッパを例にした場合、自動で開閉する手段として、開方向又は閉方向への回動時における重量バランスを図り、吸気ダクトから吹き出す空気調和装置からの送風による風圧で開き、送風が停止すると自重で閉じるようにしたものがある。また、他動で開閉する手段として、送風機からの風量に合わせて開度を設定しておいて、段階的にフラッパを開閉させるための駆動手段、例えば電動モータをフラッパの回動軸に取り付けておくものや、送風直前にフラッパを開き、送風停止後にフラッパを全閉にするエアシリンダ駆動のものがある。 【0006】 【発明の実施の形態】図1は本発明によるフラッパ1を取り付けた吸気ダクト2の開口端3付近を表した斜視図、図2は上下2段のフラッパ4,5を取り付けた大型の吸気ダクト6(図1の吸気ダクト2の縦2倍、横4倍弱を想定)の開口端7付近を表した斜視図である。前記2例は、いずれも単純な構成のフラッパ1,4,5で、構造的には図1、図2の例とも同じである。図1に基づき構造を説明する。フラッパ1は、下縁近くで屈曲させた薄板で、開口端3上縁付近に架設した回動軸8に接続している。前記屈曲したフラッパ1の縁部は掛止部9であり、吸気ダクト2内側面に設けたストッパ10に掛けて、フラッパ1の閉方向への回動を規制する。フラッパ1をストッパ10で規制するのは、フラッパ1が吸気ダクト2を閉蓋した際にフラッパ1の自重で送風機停止時に発生する風圧に抗する目的と、ストッパ10にフラッパ1の周縁を押接することで閉蓋時の密閉性を高める目的がある。 【0007】図2に見られるフラッパ4,5が2段構成なのは、各フラッパ4,5の自重を小さくして開閉を容易にするためである。必要によって、更にバランスウェイト11,11(図4参照)を付加して重量平衡を図ることもある。また、図2に見られるように、複数のフラッパを用いる場合、各フラッパの回動軸から先端までの長さ、すなわち回動半径が小さくなるように、左右よりも上下に分割するのがよい。これにより、各フラッパの回転モーメントが小さくなり、培養室へ送り込む風圧程度でも十分な開閉ができるようになるのである。 【0008】図3はバランスウェイト11,11(図4参照)を取り付けて送風機12から吹き込む空気(空気調和装置13で温湿度が調整されている)の圧力が5kgf/m2以上になると開き始めるようにしたフラッパ4,5を吸気ダクト6の開口端7に設けた大型の培養室14の断面図で、図4は同フラッパ4,5の作動状態を表した図3中開口端7付近の拡大図である。培養室14は、生産効率を高めるために大型化する傾向にあるため、吸気ダクト6も大きいものが多い。本例では、こうしたことから、大きな開口端7に対して上下二段のフラッパ4,5を宛い(図2参照)、個々のフラッパ4,5の自重を小さくすると共に、それぞれにバランスウェイト11を取り付けて開閉を容易にするのである。本例では、風圧が所定値5kgf/m2以上になると各フラッパ4,5が開くようにしている。 【0009】フラッパ4,5は、バランスウェイト11の重量平衡により、送風機12の停止時には自重で回動して吸気ダクト6を閉蓋し、下室15の負圧(通常0.1〜3kgf/m2)程度では開かない。本例のようにフラッパを分けた場合、それぞれの重量平衡に差を設けると開閉のタイミングをずらすことができ、例えば上下二段のフラッパを共に開く全開状態と、上段のフラッパは開き、下段のフラッパを閉じる半開状態と、上下二段のフラッパが共に閉じる全閉状態というように、吸気ダクトの開口面積が調節できる。なお、吸気ダクト6の閉鎖時に空気漏れがないように、フラッパ4,5(又は吸気ダクトの開口端)にはパッキン16を取り付けている。 【0010】また、本発明の吸気ダクト6におけるフラッパ4,5は、吸気ダクト6から送り込む空気を、まず培養室14の底面17に衝突させ、この底面17に滞留する空気を撹拌しながら培養室14全体へ空気を行き渡らせる効果がある(図3中矢印参照)。フラッパのない吸気ダクトから空気を送り出した場合、その空気は吸気ダクトの対面の培養室の壁面に衝突し、培養床を通過して上昇する。このため、吸気ダクト付近と前記壁面付近とでは原料層を通過する風量が異なることになり、品温ムラができやすくなる。ところが、本例のようなフラッパ4,5を吸気ダクト6に対して傾斜させた状態で開くと、送り込まれる空気は、まず各フラッパ4,5に衝突して底面17へ向けられ、その底面17から放射状に全方向へ拡がって底面17に滞留する空気を撹拌しながら培養室14全域にわたって上昇していくので、マクロ的に均一な送風が可能になり、培養室14の環境をも均一化できるのである。 【0011】図5は、送風機12の稼動状態に連動して開閉するダンパ18を吸気ダクト6内に設けた大型の培養室14の断面図であり、図6はこのダンパ18付近を抜き出した吸気ダクト6の一部破断斜視図である。図6に見られる例は、モジュトロールモータ(図示せず)から伸びたロッド19の押し引きによりこのダンパ18を強制的に回動させて吸気ダクト6を開閉する構造を有する。モジュトロールモータとロッド19との組合せは、ダンパ18の開度を無段階に設定できる。吸気ダクト6の開閉を択一的に選択できればよい場合には、図7に見られるように、応答性の速いエアシリンダ24を用いてもよい。ダンパ18は、図5に見られるように、送風機12を駆動するインバータ20を制御して風量を加減する風量設定装置21がダンパ開度設定装置22へ風量の制御信号(例えば送風機の羽根の回転数)を送ることにより、現在の送風機12の風量に合わせて開閉する。ダンパ18の制御例としては、例えば送風機12が稼動を開始して空気調和装置13からの空気を下室15へ吹き込み始めるのに連動して開き、送風機12が停止して羽根(図示せず)の回転が完全に停止した後に閉じる、といったアルゴリズムを挙げることができる。なお、別例として、図1のフラッパ1に似て、バランスウェイト11を取り付け、風圧により自動的に開閉する図8に示すダンパ23もある。 【0012】 【発明の効果】本発明の吸気ダクトを設けた培養装置では、送風機が稼動していない状態での培養室への冷たい空気の流入がなくなることはもちろん、培養室内の暖かい湿った空気が稼動していない送風機又は空気調和装置へ至って結露水を発生させるといった問題も解決できるようになった。特に、送風機の稼動状態に合わせて開度を調節できるフラッパ又はダンパにより、送風機による適切な空気の吹込が実現でき、好適な培養環境を創出することができるのである。また、フラッパに関していえば、送風する空気の拡散、培養室内の空気の撹拌といった効果もあり、培養環境の均一化に効果があるのである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000223931 【氏名又は名称】株式会社フジワラテクノアート
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| 【出願日】 |
平成8年(1996)10月4日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】森 廣三郎
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| 【公開番号】 |
特開平10−108664 |
| 【公開日】 |
平成10年(1998)4月28日 |
| 【出願番号】 |
特願平8−264549 |
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