| 【発明の名称】 |
ワイパーブレードゴム用塗料組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】島田 正仁
【氏名】牧野 真
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| 【要約】 |
【課題】この出願発明は、ガラス及び撥水処理ガラスに対するワイパーブレードゴムの摺動性を向上することおよびワイパーブレードの耐久性を向上するための塗料組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】この出願発明は、樹脂、シリコーンゴムパウダー及び固体潤滑剤及び有機溶剤からなる塗料組成物に関する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂、シリコーンゴムパウダー及び固体潤滑剤及び有機溶剤からなることを特徴とする塗料組成物。 【請求項2】 樹脂が二液常温硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。 【請求項3】 二液常温硬化型樹脂がポリエステルポリオール樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、アクリルポリオール樹脂、水酸基含有フルオロオレフィンとアルキルビニルエーテルの共重合体のいずれかとポリイソシアネートであることを特徴とする請求項1または2に記載の塗料組成物。 【請求項4】 固体潤滑剤がポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、6ナイロン、11ナイロンまたは12ナイロン等の1種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗料組成物。 【請求項5】 吸水性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗料組成物。 【請求項6】 吸水性樹脂が高分子量酸化ポリエチレン、高分子量ポリエチレングリコールまたはアルギン酸カルシウムの1種以上であることを特徴とする請求項5に記載の塗料組成物。 【請求項7】 樹脂を有機溶剤に溶解し、ついで、シリコーンゴムパウダー及び固体潤滑剤を添加することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の塗料組成物の製造方法。 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の塗料組成物からなることを特徴とするワイパーブレードゴム用塗料組成物。 【請求項9】 請求項1〜6のいずれかに記載の塗料組成物が塗布されていることを特徴とするワイパーブレードゴム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 この出願発明は、塗料組成物およびその製造方法、特に、ワイパーブレードゴム用塗料組成物に関する。この出願発明の塗料組成物は、ワイパーブレードゴム表面に塗布することにより、ワイパーブレードを作動した際にガラス面との摺動抵抗の減少によってガラスに対する鳴き、びびりを抑えるものである。特に、フロントガラスに撥水処理剤を塗布した場合に適した塗料組成物である。 【0002】 【従来の技術】 近年、車両のフロントガラスに撥水処理剤を塗布する場合があるが、ガラス表面が撥水性となるため、通常のガラス表面と比較しワイパーブレードゴムにかかる負荷が大きくなり、従来のハロゲン処理などで表面処理したワイパーブレードゴムでは摺動性が不十分で、結果的にワイパーブレードゴムの鳴きやびびりなどの音の発生につながる。このような問題を解決するために、潤滑剤として二硫化モリブデン、バインダーとしてセルロース、溶剤として酢酸エチルなどを配合した塗料組成物がある。しかし、一時的にはガラスに対する鳴き、びびりなどの音の発生を抑えることができるが、摺動性は不十分で耐久性がなく、問題を解決しているとはいえない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 この出願発明は、このような従来技術の欠点を解決するものであり、ガラス及び撥水処理ガラスに対するワイパーブレードゴムの摺動性を向上することおよびワイパーブレードの耐久性を向上することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】この出願発明者等は、このような目的を達成するために種々の方法を検討した結果、樹脂、シリコーンゴムパウダー及び固体潤滑剤及び有機溶剤からなる塗料組成物をワイパーブレードゴム表面に塗布することによりワイパーブレードゴムへの摺動性を与えることを見いだし、この出願発明を完成した。この出願発明は、樹脂、シリコーンゴムパウダー及び固体潤滑剤及び有機溶剤からなる塗料組成物、特に、柔軟性、耐久性に優れた二液常温硬化型バインダーを樹脂として使用し、さらに吸水性樹脂を添加した塗料樹脂組成物およびその製造方法、特にワイパーブレードゴム用塗料組成物に関する。 【0005】この出願発明で用いられるシリコーンゴムパウダーとは、シロキサン結合を有するオルガノポリシロキサン重合体であり、−70℃〜250℃の広い範囲でゴム弾性を有するものの球状の微粉末である。また、このシリコーンゴムパウダーの平均粒径は20μm以下が好ましく、1〜5μmが特に好ましい。シリコーンゴムパウダーの配合割合は、樹脂100重量部に対し、20〜120重量部であるのが好ましい。20重量部未満であれば摺動性が得られないことがあり、120重量部を超えるとワイパーブレードゴムとの密着性が低下したり、摺動耐久性が低下することがある。 【0006】この出願発明で用いられる固体潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン等の一種以上が使用されるが、中でもポリテトラフルオロエチレン、12ナイロンがとくに好ましい。 【0007】ポリテトラフルオロエチレンは、従来公知の方法で重合することにより容易に製造することができ、摩擦係数が極めて低いという特徴についてはよく知られている。また、平均粒径は20μm以下が好ましく、0.5μm〜5μmがとくに好ましい。配合割合は、樹脂100重量部に対し10〜200重量部が好ましく、10重量部未満であれば満足な摺動性が得られず、200重量部を越えるとワイパーブレードゴムとの密着性が低下したり、摺動耐久性が低下することがある。前記の6ナイロン、11ナイロン、12ナイロンは、従来公知の方法で重合することにより容易に製造することができ、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れるという特徴についてはよく知られている。また、平均粒径は20μm以下が好ましく、0.5μm〜5μmがとくに好ましい。配合割合は、樹脂100重量部に対し10〜200重量部が好ましく、10重量部未満であれば満足な摺動性が得られず、200重量部を越えるとワイパーブレードゴムとの密着性が低下したり、摺動耐久性が低下することがある。 【0008】二硫化モリブデン、窒化ホウ素、グラファイトは、それぞれ六方晶系の結晶構造を有し、その層状構造の層間の弱い結合力のために層間で剪断が起こり低摩擦特性を示すと考えられている。 【0009】二硫化モリブデンの平均粒径は、10μm以下が好ましく、0.5μm〜5μmがとくに好ましい。配合割合は樹脂100重量部に対し10〜150重量部が好ましい。10重量部未満であれば満足な摺動性が得られず、150重量部を越えるとワイパーブレードゴムとの密着性が低下したり、摺動耐久性が低下することがある。 【0010】グラファイトの平均粒径は、40μm以下が好ましく、2〜15μmがとくに好ましい。配合割合は樹脂100重量部に対し、10〜150重量部が好ましい。10重量部未満であれば満足な摺動性が得られず、200重量部を越えるとワイパーブレードゴムとの密着性が低下したり、摺動耐久性が低下することがある。 【0011】窒化ホウ素の平均粒径は、15μm以下が好ましく、1〜8μmがとくに好ましい。配合割合は樹脂100重量部に対し10〜150重量部が好ましい。10重量部未満であれば満足な摺動性が得られず、150重量部を越えるとワイパーブレードゴムとの密着性が低下したり、摺動耐久性が低下することがある。 【0012】この出願発明で用いられる樹脂としては、二液常温硬化型でポリエステルポリオール樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂、アクリルポリオール樹脂、水酸基含有フルオロオレフィンとアルキルビニルエーテルの共重合体等があげられる。これらをポリイソシアネート樹脂で硬化させることによりワイパーブレードゴムに必要とされる性能である耐摩耗性、耐候性、耐水性、柔軟性及び強靱性、耐熱性、密着性、耐ウォッシャー液性などが優れている塗膜を形成する。中でも水酸基含有フルオロオレフィンとアルキルビニルエーテルの共重合体が特に好ましい。 【0013】この出願発明で用いられる吸水性樹脂としては、高分子量酸化ポリエチレン、高分子量ポリエチレングリコール及びアルギン酸カルシウムがあげられ、それらを添加することで、塗膜に吸水性を付与することにより、撥水処理ガラスとワイパーブレードゴムの界面に水を介在させ、撥水ガラスに対し、優れた摺動性が得られる。 【0014】高分子量酸化ポリエチレン、高分子量ポリエチレングリコール及びアルギン酸カルシウムは、従来公知の方法で重合することにより容易に製造することができ、親水性で一般溶剤に溶けにくい性質がある。また、平均粒径は20μm以下が好ましく、0.5μm〜5μmがとくに好ましい。配合割合は、樹脂100重量部に対し10〜150重量部が好ましく、10重量部未満であれば満足な摺動性が得られず、150重量部を越えるとワイパーブレードゴムとの密着性が低下したり、摺動耐久性が低下することがある。 【0015】この出願発明の塗料組成物は、樹脂を有機溶剤で溶解し、その溶液中にシリコーンゴムパウダー及び固体潤滑剤または、シリコーンゴムパウダー、固体潤滑剤及び吸水性樹脂を混合し、分散させることにより製造する。 【0016】この出願発明の塗料組成物を使用する場合には、あらかじめ、硬化剤(ポリイソシアネート樹脂)とNCO/OH=0.7〜1.3(当量)で混合し、その混合物をスプレー塗布方法により塗布後、有機溶剤を揮発させ硬化させる。硬化後の塗膜は3〜15μmが好ましく、5〜10μmがとくに好ましい。塗膜は厚くなればなるほど母材であるワイパーブレードゴムへの追従性が悪くなり、塗膜自身のクラックの発生を招き、拭き取り性が低下することがある。 【0017】この出願発明の塗料組成物の被塗物であるワイパーブレードゴムの材質としては、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム等が挙げられる。以下、実施例によりこの出願発明を具体的に説明する。 【0018】 【実施例】 実施例1水酸基含有フルオロオレフィンとアルキルビニルエーテルの共重合体100重量部をメチルエチルケトン1000重量部で溶解し、その溶液中にテトラフルオロエチレン120重量部、シリコーンゴムパウダー40重量部、グラファイト40重量部を混合し、分散させることにより塗料組成物を製造した。 【0019】実施例2〜32樹脂をメチルエチルケトンで溶解し、その溶液中にシリコーンゴムパウダー、固体潤滑剤及び吸水性樹脂を混合し、分散させることにより表1〜4の塗料組成物を製造した。 【0020】 【表1】
【0021】 【表2】
【0022】 【表3】
【0023】 【表4】
【0024】実施例の塗料組成物を通常のガラスより過酷な摺動条件である溌水ガラスで性能評価を行う。 性能評価1.試験片の作製1.1.準備するもの・車両用ワイパーブレードゴム(市販品ホンダ自動車用 長さ:500mm 材質:天然ゴム(ハロゲン処理品)日本ワイパーブレード(株)製) ・ガラス撥水処理剤(超ガラコ (株)ソフト99コーポレーション製) 【0025】1.2.作製手順実施例の塗料組成物をスプレーで膜厚10μmをコーティングし、80℃で30分乾燥する。塗布部はリップ側面のみとし、エッジ上端面は塗布しない。試験に使用する車両のフロントガラスにガラス撥水処理剤を取扱い手順通り塗布する。 【0026】2.試験方法試験に使用する車両のフロントガラスのワイパーブレード金具にワイパーブレードゴムを取り付け通常速度で作動させる。作動時は連続散水(1000cc/分)を行い、一定作動後の拭き取り性能、ビビリ振動電圧、作動時の鳴きを測定する。 【0027】○拭き取り性能ワイパーブレードゴムを一定作動後、車両のガラス面に残ったすじの数を目視で数え、評価点をつける。なお、評価点は拭き下げ時とする。
【0028】○ビビリ振動電圧ワイパーブレードを通常電圧(13.5V)から徐々に下げて行き、ビビリ振動を起こした電圧値を測定する。この電圧値が低いほど、摺動性がよくビビリ振動を起こしにくいといえる。なお、ビビリ振動電圧は拭き下げ時とする。 評価点 13.0〜12.0 (V) 良好。 11.5 10.0 (V) 優れている。 9.5以下 (V) 大変優れている。 × 13.5Vでビビリ振動あり。 【0029】○作動時の鳴きワイパーブレードゴムを一定作動後の作動時の異常音を耳で聞き分ける。
【0030】試験結果は、表5〜7の通りである。 【0031】 【表5】
【0032】 【表6】
【0033】 【表7】
【0034】 【比較例】従来のハロゲン処理品、二硫化モリブデン処理品で同様の試験をした。試験結果は表8の通りである。 【0035】 【表8】
【0036】比較例1 従来品(ハロゲン処理品)日本ワイパーブレード(株)製比較例2 比較例1の従来品を市販の表面処理剤で処理する。(モリワイパー 住鉱潤滑剤(株)製) 【0037】実施例に用いた諸原料を一括して示すと以下の通りである。 (1)シリコーンゴム(信越化学工業(株)製KMP−594) (2)ポリテトラフルオロエチレン((株)喜多村製KTL−8F) (3)12ナイロン(東レ(株)製SP−500) (4)グラファイト((株)エスイーシー製SGO−5GB) (5)水酸基含有フルオロオレフィンとアルキルビニルエーテルの共重合体樹脂(大日本インキ化学工業(株)製フルオネートK−702) (6)ポリエステルポリオール樹脂(大日本インキ化学工業(株)製バーノックD6−439) (7)ポリイソシアネート樹脂(大日本インキ化学工業(株)製バーノックDN−980) (8)高分子量ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製PE68) (9)アルギン酸カルシウム(日清紡製フラビカファインSF−D) (10)メチルエチルケトン(一般試薬) なお、これらはいずれも今回の試験に用いた原料を例示したものであり、この出願発明はこれらに限定されるものではない。 【0038】 【発明の効果】 この出願発明の塗料組成物は、ワイパーブレードゴムに塗布することによりワイパーブレードゴムの摺動性に優れた効果があり、通常ガラス及び溌水処理したガラスに対して、ビビリ振動、作動時の鳴きなどによる音の発生問題を改善でき、かつ、摺動性が向上し、持続性に優れた効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】594143433 【氏名又は名称】アクロス株式会社
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| 【出願日】 |
平成8年(1996)6月13日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】熊田 和生
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| 【公開番号】 |
特開平10−1640 |
| 【公開日】 |
平成10年(1998)1月6日 |
| 【出願番号】 |
特願平8−172837 |
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