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【発明の名称】 高流動性ポリ(フェニレンエーテル)樹脂組成物
【発明者】 【氏名】諸隅寛

【要約】 【課題】ポリフェニレンエーテルの有用な物理的性質を損なわずに、流動性を改良する。

【解決手段】少なくとも1種類のポリ(フェニレンエーテル)樹脂に対して、下記の式の少なくとも1種類の炭化水素樹脂を配合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記成分(a)及び(b)を含んでなる樹脂組成物。
(a)少なくとも1種類のポリ(フェニレンエーテル)樹脂、及び(b)下記の式の少なくとも1種類の炭化水素樹脂【化1】

式中、R1 、R2 及びR3 は各々独立に水素、C1〜C6アルキル基又は水素とC1〜C6アルキル基の混合物であり、nは約3〜約20であり、mは0〜約20である。
【請求項2】 R1 、R2 及びR3 が各々C1 基であり、nが約3〜約20であり、mが0である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】 R1 が水素とC1 アルキル基の混合物であり、R3 がC1 アルキル基であり、nが約3〜約20であり、mが0である、請求項1記載の組成物。
【請求項4】 R1 が水素とC1 アルキル基の混合物であり、R2 がC1 アルキル基であり、R3 がC1 アルキル基であり、nが約3〜約20であり、mが約3〜約20である、請求項1記載の組成物。
【請求項5】 当該組成物が、ポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂及び耐衝撃性改良剤からなる群から選択される少なくとも1種類をさらに含んでなる、請求項1記載の組成物。
【請求項6】 結晶質樹脂、相溶化剤、酸化防止剤、難燃剤、ドリップ防止剤、結晶成核剤、染料、顔料、着色剤、強化剤、充填材、安定剤、帯電防止剤及び耐衝撃性改良剤からなる群から選択される少なくとも1種類をさらに含んでなる、請求項1記載の組成物。
【請求項7】 下記成分(a)及び(b)を含んでなる樹脂組成物。
(a)少なくとも1種類のポリ(フェニレンエーテル)樹脂、及び(b)下記の式の少なくとも1種類の炭化水素樹脂【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

及び【化6】

式中、nは約3〜約20である。
【請求項8】 下記成分(a)及び(b)から基本的になる樹脂組成物。
(a)少なくとも1種類のポリ(フェニレンエーテル)樹脂、及び(b)下記の式の少なくとも1種類の炭化水素樹脂【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

及び【化11】

式中、nは約3〜約20である。
【請求項9】 前記成分(a)及び(b)と、さらに結晶質樹脂、相溶化剤、酸化防止剤、難燃剤、ドリップ防止剤、結晶成核剤、染料、顔料、着色剤、強化剤、充填材、安定剤、帯電防止剤及び耐衝撃性改良剤からなる群から選択される少なくとも1種類から基本的になる、請求項8記載の組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、改良された流動性など、向上した諸性質を示すポリ(フェニレンエーテル)樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル樹脂(以下、「PPE」という)は比較的高いガラス転移温度(Tg)、良好な延性及び高い強度を有する非晶質樹脂として一般に特徴付けられる。PPEのTgが高いことの当然の帰結として、PPEは樹脂のTg付近までの温度範囲で優れた寸法安定性を示す。残念なことに、PPEはそのメルトフローに限界があるとともに、耐薬品性、特に芳香族炭化水素溶剤に対する耐性に乏しい。
【0003】PPEの性質を改良するために数多くの方法が用いられてきた。例えば、米国特許第3383435号、同第3960808号、同第4054553号、同第4128603号、同第4152316号、同第4309514号、同第4313864号、同第4322507号及び同第4544703号に記載されているように、溶融流動性の改善された組成物を与えるため、PPEはポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン及びポリスチレンブロックコポリマーとブレンドされている。かかる組成物は改善された流動性を与えるものの、その改善はスチレン系樹脂に起因する組成物中のPPEのガラス転移温度の低下による加熱撓み温度の低下を犠牲にしたものである。
【0004】PPEは、例えば増大した耐薬品性や向上した流動性のような向上した諸性質を与えるため様々な結晶質樹脂ともブレンドされてきた。このようなブレンドの例は、米国特許第4600741号、同第4873286号、同第4902753号、同第5153267号、同第5166264号、同第5231132号、同第5231146号、同第5212255号、同第5290881号、同第5399610号及び同第5489640号にみることができる。PPEは一般に結晶質樹脂とは相溶性でなく、上記に挙げた米国特許に記載されているように商業的に有用な性質を達成すべく相溶性を向上させるための様々な方法が開発されている。
【0005】米国特許第4154712号、同第4252913号、同第4588806号、同第5081185号及び同第5089562号にみられる通り、改善された流動性と他の性質(延性など)との良好なバランスを得るため、分子量の異なるPPE混合物を含む組成物も用いられている。未改質組成物の基本的な物理的性質を実質的に保持したままメルトフローを改善するため様々な添加剤も利用されている。添加剤の幾つかを教示した組成物の具体例は米国特許第4579901号、同第4684681号、同第4681906号、同第4822836号、同第4826919号及び同第5106899号にみられる。
【0006】物理的性質を向上させるためのこうした様々な方策をもってしても、長いフロー長及び薄肉設計を要する新たな用途設計に迫られて物理的性質の全体的バランスにいっそう優れたものの技術開発が相変わらず求められている。明らかに、その他の有用な物理的性質を保持したまま流動性の改良されたPPE樹脂組成物に対するニーズが存在する。
【0007】
【発明の概要】上述の長い間追い求められ続けられてきたニーズは、下記成分(a)及び(b)を含んでなる改良熱可塑性組成物の発見によってほぼ満足されることとなった。
(a)少なくとも1種類のポリ(フェニレンエーテル)樹脂、及び(b)下記の式の少なくとも1種類の炭化水素樹脂【0008】
【化12】

【0009】式中、R1 、R2 及びR3 は各々独立に水素、C1〜C6アルキル基又は水素とC1〜C6アルキル基の混合物であり、nは約3〜約20であり、mは0〜約20である。この組成物はさらに任意成分として、ポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂、結晶質樹脂(例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル及びポリアリーレンスルフィドなど)、相溶化剤、耐衝撃性改良剤、酸化防止剤、難燃剤、ドリップ防止剤(drip retardant)、結晶成核剤、染料、顔料、着色剤、強化剤、充填材、安定剤、及び帯電防止剤の少なくとも1種類を含んでいてもよい。
【0010】以下の記載により本発明をさらに詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】PPEは、それ自体は式(I):【0012】
【化13】

【0013】の構造単位を複数個含んでなる公知のポリマーである。各構造単位において、各Q1 は独立にハロゲン、第一又は第二低級アルキル(例えば炭素数7以下のアルキル)、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ或いは少なくとも2つの炭素原子によってハロゲン原子と酸素原子が隔てられている構造のハロ炭化水素オキシ基であり;各Q2 は独立に水素、ハロゲン、第一又は第二低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、炭化水素オキシ或いはQ1 について定義した通りのハロ炭化水素オキシ基である。好ましくは、各Q1 はアルキル又はフェニル基、特にC1-4 アルキル基であり、各Q2 は水素である。
【0014】ホモポリマー及びコポリマーのいずれの形態のPPEも包含される。好ましいホモポリマーは2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を含むものである。好適なコポリマーには、例えばかかる単位を2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と共に含むランダムコポリマーがある。これら以外にも、ビニル単量体又はポリスチレンのようなポリマーをグラフトして得られる部分を含んだPPE、並びに低分子量ポリカーボネートやキノンや複素環式化合物やホルマールのようなカップリング剤を公知の方法で2つのPPE鎖のヒドロキシル基と反応させてさらに高分子量のポリマーとしたカップリング化PPEも挙げらる。
【0015】以上の説明から、本発明での使用の可能なPPEには、構造単位もしくは副次的な化学的特徴の変動を問わず、現在公知のすべてのPPEが包含されることは当業者には明らかであろう。PPEは、クロロホルム中25℃で測定して、一般に約0.10〜0.6dl/gの極限粘度数を有することが多く、好ましくは0.15〜0.48dl/gの極限粘度数を有する。本発明の好ましい実施形態では、高極限粘度数のPPEと低極限粘度数のPPEが組み合わせて利用される。一般に、高極限粘度数のPPEは約0.38〜約0.48dl/gの極限粘度数を有しており、低極限粘度数のPPEは約0.15〜約0.33dl/gの極限粘度数を有する。2種類のPPEを用いる場合その重量比は広く変化し得るが、高極限粘度数のPPEと低極限粘度数のPPEの好ましい重量比は約5:1〜約1:5である。2種類の異なる極限粘度数のものを使用する場合、その正確な比率の決定は使用するPPEの正確な極限粘度数並びに所望とする最終的な物理的性質によって幾分左右される。
【0016】本発明の成分(b)は式(II)又は(III) の炭化水素樹脂の少なくとも1種類を含んでなる。
【0017】
【化14】

【0018】式中、R1 、R2 及びR3 は各々独立に水素、C1〜C6アルキル基又は水素とC1〜C6アルキル基の混合物であり、nは約3〜約20であり、mは0〜約20である。数多くのグレードのこうした樹脂が市販されているが、本発明では炭化水素樹脂は実質的に不飽和結合を含まないのが望ましい。実質的に不飽和結合を含まないとは、樹脂中の不飽和結合が好ましくは二重結合の約80%以上の水素添加レベルまで水素添加されていることを意味する。
【0019】式(II)に対応する好ましい樹脂には、■R1 とR3 が各々C1 基であり、nが約3〜約20であり、mが0であるもの、■R1 が水素とC1 アルキル基の混合物であり、R3 が水素とC1 アルキル基の混合物であり、nが約3〜約20であり、mが0であるもの、及び■R1 が水素とC1 アルキル基の混合物であり、R2 がC1 アルキル基であり、R3 がC1 アルキル基であり、nが約3〜約20であり、mが約3〜約20であるもの、がある。
【0020】特に好ましい炭化水素樹脂は数平均分子量が約200〜約1200で、下記の式(IV)、(V)及び(VI)の樹脂が含まれる。
【0021】
【化15】

【0022】本発明における炭化水素樹脂の使用量は、溶融粘度(ASTM/ISO1133にしたがって、荷重21.6kg、温度300℃にて、保持時間4分及び直径2.1mm長さ8mmのオリフィスを用いて測定)を約15%以上向上させるのに十分な量である。用いる炭化水素樹脂の重量は一般に組成物全体の重量を基準にして約0.1〜約30重量%であり、好ましくは組成物全体の重量を基準にして約0.5〜約20重量%である。正確な量の決定は、最終組成物に所望する最終的な物理的性質に応じて容易に決定することができる。
【0023】本発明の組成物は、さらに、アルケニル芳香族化合物の非弾性ポリマーを少なくとも1種類含んでいてもよい。このタイプの好適なポリマーは塊重合、懸濁重合及び乳化重合を始めとする当技術分野において公知の方法によって製造し得る。これらは一般に式(VII) のアルケニル芳香族単量体から誘導される構造単位を少なくとも約25重量%含んでいる。
【0024】
【化16】

【0025】式中、R8 は水素、低級アルキル又はハロゲンであり、Zはビニル、ハロゲン又は低級アルキルであり、pは0〜5である。このようなポリマーには、スチレン、クロロスチレン及びビニルトルエンのホモポリマー、スチレンと1種類以上のモノマー(例えばアクリロニトリル、ブタジエン、α−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン及び無水マレイン酸など)とのランダムコポリマー、並びにポリブタジエン又は約98〜68%のスチレンと約2〜32%のジエンモノマーのゴム状コポリマーのいずれかのゴムをブレンド又はグラフトして変性したゴム変性ポリスチレンがある。このようなゴム変性ポリスチレンには耐衝撃性ポリスチレン(通称HIPS)がある。線状ブロック型、ラジアルブロック型又はテーパードブロック型コポリマー構造を有するスチレンとブタジエンの非弾性ブロックコポリマー組成物も使用できる。これらは、フィナ・オイル社(Fina Oil)からFINACLEAR樹脂という商標で、またフィリップス社(Phillips)からK−RESINSという商標で市販されている。
【0026】非弾性アルケニル芳香族化合物のポリマーを用いる場合、その量は組成物の流動性を向上させるのに有効な量である。流動性の向上は、粘度の低下或いは射出成形プロセス時に所定部分を充填するのに要する射出圧力の低下によって示される。一般に、非弾性アルケニル芳香族化合物は組成物全体の重量を基準にして約1重量%〜約95重量%の範囲で使用される。好ましい範囲は、組成物全体の重量を基準にして約20重量%〜約70重量%であり、最も好ましい範囲は約35重量%〜約60重量%である。
【0027】本発明の組成物はさらに少なくとも1種類の耐衝撃性改良剤を含んでいてもよい。耐衝撃性改良剤は単独で使用してもよいし、或いは非弾性アルケニル芳香族化合物と組み合わせて使用してもよい。耐衝撃性改良剤としては、アルケニル芳香族化合物とジエンのブロック(典型的にはジブロック、トリブロック又はラジアルテレブロック)コポリマーがある。ほとんどの場合、少なくとも1つのブロックはスチレンから誘導され、かつ少なくとも1つのブロックはブタジエンとイソプレンの少なくとも一方から誘導される。特に好ましいのは、ポリスチレンブロック及びジエンから誘導されるブロックで脂肪族不飽和を水素添加で優先的に除いたブロックを含んでなるトリブロック及びジブロックコポリマーである。各種コポリマーの混合物も場合によっては有用である。耐衝撃性改良剤の重量平均分子量は通例約50000〜300000の範囲にある。このタイプのブロックコポリマーはフィリップス・ペトロリアム社(Phillips Petroleum)からSOLPRENEという商標で、シェル・ケミカル社(ShellChemical Co.)からKRATONという商標で、また、クラレ(株)からセプトン(SEPTON)という商標で市販されている。
【0028】もう一つの好ましい耐衝撃性改良剤は米国特許第4656220号に記載されているポリオクテニレンである。ポリオクテニレン樹脂はそれ自体は公知であり、一般にシクロオクテンの重合反応で製造される。この反応では開環と環の拡大が起こり得る。ポリオクテニレン樹脂は狭い意味ではエラストマーでもゴム状体でもないが、かかる樹脂はPPE組成物の延性を増大させるので、本発明の組成物における耐衝撃性改良剤として包含される。
【0029】上記の耐衝撃性改良剤の各種混合物も場合によっては有用である。耐衝撃性改良剤を使用する場合、その量は一般に物理的性質(例えば耐衝撃性改良剤を含まない組成物と比較したときの組成物の延性)を改善するのに有効な量である。延性の改善は、衝撃強さの増大、破断点引張伸びの増加、或いは衝撃強さ及び破断点引張伸び双方の増加によって示される。一般に、耐衝撃性改良剤は、組成物全体の重量を基準にして、約1重量%〜約20重量%の範囲で使用される。好ましい範囲は組成物全体の重量を基準にして約3重量%〜約15重量%の範囲であり、最も好ましい範囲は組成物全体の重量を基準にして約5重量%〜約12重量%である。使用される耐衝撃性改良剤の正確な量、その種類又は組合せは、最終ブレンド組成物に必要とされる条件によってある程度左右されるであろう。
【0030】本発明の組成物は、また、結晶質樹脂(例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル及びポリアリーレンスルフィドなど)、相溶化剤、酸化防止剤、難燃剤、ドリップ防止剤、結晶成核剤、染料、顔料、着色剤、強化剤、充填材、安定剤及び帯電防止剤からなる群から選択される少なくとも1種類の添加剤を有効量含んでいてもよい。これらの添加剤は当技術分野において公知であり、その有効量及び配合法についても同様である。添加剤の有効量は広く変化し得るが、通常は組成物全体の重量を基準にして約60重量%以下の量で存在し、それ以上の量で存在することもある。
【0031】本発明のPPEブレンドは、配合が望まれる追加添加剤と共に材料を均質に混合する様々な方法によって製造し得る。好適な方法には、溶液ブレンディング及び溶融ブレンディングが包含される。商業的ポリマー加工処理施設での溶融ブレンディング装置の利用可能性の点から、溶融加工処理が概して好ましい。かかる溶融コンパウンディング法に用いられる装置の例には、同方向回転式及び逆方向回転式押出機、単軸押出機、ディスクパックプロセッサーその他様々なタイプの押出装置が包含される。幾つかの事例では、コンパウンド材料は押出機のダイにおける複数の小さな出口孔から押出され、得られる複数の溶融樹脂ストランドを水浴中に通して冷却される。冷却ストランドは小さなペレットに切断され、包装及びその後の処理に向けられる。
【0032】全成分を最初から加工処理装置に添加してもよいし、或いは幾つかの添加剤を予備配合してもよい。また、各供給口間の各区域に少なくとも1つの排気口を使用して溶融物のガス抜き(大気圧又は真空のいずれでも)を行うのが有利なこともある。ブレンディングの時間及び温度並びに成分の添加位置及び添加順序については、過度の実験を要することなく当業者が適宜調整し得る事項である。
【0033】本発明の組成物〜製造された改良成形品が本発明の別の実施形態を構成することは明らかであろう。本明細書中で引用した文献は文献の援用によって本明細書の内容の一部をなす。以下の実施例により、本発明の実施形態の幾つかを例示する。ただし、それらは本発明を限定するものではない。百分率は、特記しない限り、組成物全体の重量を基準にした重量%である。
【0034】
【実施例】以下の実施例で本発明の組成物を例示する。表1及び表2の組成物を、ウェルナー・プライデラー(Werner−Pfleiderer)二軸押出機において約280〜320℃の温度及びコンパウンディング時の溶融物に1〜5インチHgの真空を適用して、押出処理した。得られた組成物をファンドルン(van Dorn)射出成形機を用いて約275〜300℃の設定温度及び約80〜110℃の金型温度で成形した。これらの組成物の試料を、ASTM D256によるノッチ付アイゾット衝撃強さ(2.5インチ×0.5インチ×0.125インチの試料寸法を使用)、ASTM D3763によるダイナタップ(ダート落下試験、破壊時のエネルギー)強さ(直径4インチ×厚み0.125インチのディスクを使用)、ASTM D790による曲げ弾性率及び曲げ強さ(6インチ×0.5インチ×0.25インチの試料寸法を使用)、保持時間4分及び直径2.1mm×長さ8mmのオリフィスを使用したASTM/ISO 1133による荷重21.6kg温度300℃での溶融粘度、及びASTM D638による引張降伏強さ及び破断点引張伸びの測定に供した。耐薬品性の試験は、予め180℃で3時間アニールしておいた2.5インチ×0.5インチ×0.125インチの試験片に連続的な1.25%変形を加え、次いでこの歪を与えた試験片を自動車産業でねじの防錆用に常用されている軽質油に付すことによって行った。目視検査で試験片にき裂がみられるまでの時間を分単位で測定した。
【0035】以下の実施例で使用した材料は次の通りである。PPE−0.30は、GEプラスチックス(GE Plastics)から入手した、クロロホルム中25℃で測定した極限粘度が約0.30dl/gのポリ(2,6−ジメチルフェニレンエーテル)樹脂である。PPE−0.40は、GEプラスチックスから入手した、クロロホルム中25℃で測定した極限粘度が約0.40dl/gのポリ(2,6−ジメチルフェニレンエーテル)樹脂である。
【0036】PPE−0.46は、GEプラスチックスから入手した、クロロホルム中25℃で測定した極限粘度が約0.46dl/gのポリ(2,6−ジメチルフェニレンエーテル)樹脂である。KL8006はクラレ(株)からセプトン(SEPTON)という商標で市販されているポリスチレン−ポリ(エチレンブチレン)−ポリスチレンブロックコポリマーである。
【0037】G1650はシェル・ケミカル社からKRATONという商標で市販されているポリスチレン−ポリ(エチレンブチレン)−ポリスチレンブロックコポリマーである。PSはハンツマン・ケミカル社(Huntsman Chemical Co.)からグレード203として市販されているポリスチレン樹脂である。
【0038】Vest.はヘェミッシュ・ヴェルケ・フルス社(Chemische Werke Huls AG)からVESTENAMER(商標)樹脂のグレード8012として市販されているポリオクテニレン樹脂である。Flow−1は、荒川化学(株)からARKRON(商標)のグレードP−140として市販されている次式の炭化水素樹脂である。
【0039】
【化17】

【0040】Flow−2は、ヤスハラケミカル(株)からクリアロン(CLEARON)(商標)のグレードP−125として市販されている次式の炭化水素樹脂である。
【0041】
【化18】

【0042】Flow−3は、日本石油(株)からUNIRESIN(商標)のグレード760として市販されている次式の炭化水素樹脂である。
【0043】
【化19】

【0044】Flow−4は、アリゾナ・ケミカル社(Arizona ChemicalCo.)からNIREZ(商標)のグレード2150として市販されている次式の炭化水素樹脂である。
【0045】
【化20】

【0046】Flow−5は、アリゾナ・ケミカル社からNONAREZ(商標)のグレードM−1115として市販されている次式の炭化水素樹脂である。
【0047】
【化21】

【0048】
【表1】

【0049】表1のデータに示す通り、MVRデータで示されるメルトフローについては炭化水素樹脂の添加された試料2〜6の各々で改善がみられた。ただし、試料4及び5は対照試料1よりも耐薬品性に劣っていた。試料2、3及び6は、意外なことに、炭化水素樹脂の添加されていない対照試料1及び他の炭化水素樹脂の添加された試料(試料4及び5)よりも改善された耐薬品性を有している。
【0050】
【表2】

【0051】表2における試料7〜10はいずれも対照試料であって、PPEの分子量の変化及びポリスチレンの添加がPPEブレンドの物理的性質に与える効果を例示したものである。試料11〜13は本発明の実施例であり、対照試料8に飽和炭化水素樹脂を添加したものに相当する。これらの組成物はPPE含有量が非常に高いことを留意されたい。これらの組成物は耐薬品性及び溶融粘度の非常に有用かつ予想を超えた改善を実証している。
【出願人】 【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【出願日】 平成9年(1997)7月8日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】生沼 徳二
【公開番号】 特開平10−81818
【公開日】 平成10年(1998)3月31日
【出願番号】 特願平9−181920