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【発明の名称】 |
可塑剤及びそれを含む塩化ビニル系樹脂組成物 |
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【氏名】高澤 啓二 【氏名】占部 朗 【氏名】塩谷 啓一 【氏名】田中 壽郎 |
【課題】通常取り扱うべき常温において白濁、凝固性のない配合作業性に優れ、かつ低温柔軟性、非移行性と共に他の物性をバランスの良いポリエステル系可塑剤及びこれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物を得る。
【解決手段】グリコール成分と二塩基酸成分を主要な構成成分とするポリエステルにおいて、グリコール成分が(1)1,9−ノナンジオール10〜50モル%、(2)分岐を有するグリコール50〜90モル%、(3)1,9−ノナンジオール以外の直鎖グリコール0〜40モル%であることを特徴とするポリエステル系可塑剤及びこれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 グリコール成分と二塩基酸成分を主要な構成成分とするポリエステルにおいて、グリコール成分が(1)1,9−ノナンジオール10〜50モル%、(2)分岐を有するグリコール50〜90モル%、(3)1,9−ノナンジオール以外の直鎖グリコール0〜40モル%であることを特徴とするポリエステル系可塑剤。 【請求項2】 分岐を有するグリコール(2)が、2−メチル−1,8−オクタンジオールであることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系可塑剤。 【請求項3】 グリコール成分は、1,9−ノナンジオール(1)及びこれ以外の直鎖系グリコール(3)が併せて50モル%を超えない範囲で併用することを特徴とする請求項1記載のポリエステル系可塑剤。 【請求項4】 請求項1、2、3いずれかに記載のポリエステル系可塑剤を含む塩化ビニル系樹脂組成物。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、常温液状の配合作業性の良いポリエステル系可塑剤及びそれを含む低温柔軟性と非移行性の物性がバランス良く優れた塩化ビニル系樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】ポリエステル系可塑剤は、一般的に二塩基酸、グリコール及び必要に応じて一価アルコールまたは一価カルボン酸を反応させて得られるポリエステルで優れた耐久性を有することが知られている。 【0003】そのため、ポリエステルで可塑化された塩化ビニル系樹脂は、電線被覆、自動車部品、レザー、ブーツ、ガスケット及びホースなど多岐の用途に広く使用されている。しかしながら、これらの応用分野については従来より品質向上に対する要求が厳しく特に電線被覆、ガスケットなどの用途では優れた低温柔軟性、非移行性が要求され従来の可塑剤では対応が困難となっていた。 【0004】塩化ビニル系樹脂に使用するポリエステル系可塑剤の低温柔軟性を向上させるためには、その分子量を低下させても良いが、分子量の低下に伴い非移行性及び耐油性などの性質が悪化する。また、該可塑剤の分子量を増大することにより非移行性及び耐油性などの性質が改善されるが、高粘度となり取扱い作業性に劣ると共に低温柔軟性などの性質が悪化する。他方、ポリエステル系可塑剤の低温柔軟性などの品質を向上させるため1,4−ブタンジオールや1,6−ヘキサンジオールなどの直鎖系高位炭素数のグリコールの使用も試みられている。しかし、直鎖系グリコールの使用比率の増大に従って可塑剤の融点が上昇する傾向を有する。例えば、グリコール成分のうち直鎖系グリコールが60%以上を占めると通常取り扱うべき常温において白濁、凝固に至り塩化ビニル樹脂との配合作業性が悪くなる。特に冬期の低温時にそれが著しく可塑剤の加熱溶融が必要になるなど作業工程増大の要因となる。 【0005】この様なことから分子量設計だけでは物性のバランス上から限界があり、従来からポリエステル系可塑剤の構成成分となる二塩基酸、グリコール及び一価アルコールまたは一価カルボン酸の種類の選択や組み合わせ方法を工夫することにより改良が試みられてきた。 【0006】例えば米国特許4122057号は、要約すれば一価カルボン酸と一価アルコールの混合物で末端停止されたポリエステルが塩化ビニル樹脂用の可塑剤として低温特性を改良させることが可能と提案している。また、特公昭61−41936号公報には、要約すればα位に分岐を30%以上有する一価カルボン酸を多価カルボン酸及び多価アルコールまたは多価カルボン酸及び多価アルコールと一価アルコールの混合アルコールと共縮合して得られたポリエステルが塩化ビニル樹脂用の可塑剤として耐寒性と共に他の物性をバランス良く改善するとしている。 【0007】また同様に、特公平7−96635号公報では、ポリエステル化の共縮合成分として12−ヒドロキシステアリン酸またはリシノール酸を使用したポリエステル系可塑剤が耐寒性と他の物性のバランスの悪さを改善し得るとしている。更に、特開平8−127639号では、グリコールに1,9-ノナンジオールを用いる可塑剤が提案されている。 【0008】しかし、これらのポリエステル系可塑剤は、耐寒性と共にABS樹脂、AS樹脂及びポリスチレン樹脂など他の樹脂に対する非移行性に優れるが、固体であるが故に、配合作業性などの使用しやすさ等欠点があり、市場の要求に十分対応しているとは言えないものである。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、取り扱うべき常温において白濁、凝固性の少なく配合作業性に優れ、かつ低温柔軟性、非移行性と共に他の物性もバランス良く改善したポリエステル系可塑剤及びそれを含む塩化ビニル系樹脂組成物を得ることである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、配合作業性などの使用しやすさを改善し、市場の要求品質に応え低温柔軟性、非移行性及び他の物性をバランス良く改善したポリエステル系可塑剤を鋭意研究し本発明を完成するに至った。 【0011】即ち、本発明は、グリコール成分と二塩基酸成分とを主要な構成成分とするポリエステルにおいて、グリコール成分が、(1)1,9−ノナンジオール10〜50モル%(2)分岐を有するグリコール成分50〜90モル%(3)1,9−ノナンジオール以外の直鎖グリコール成分0〜40モル%の比率であることを特徴とする、好ましくは分岐を有するグリコール成分が、2−メチル−1,8−オクタンジオールであること、好ましくはグリコール成分は、1,9−ノナンジオール(1)及びこれ以外の直鎖系グリコール(3)が併せて50モル%を超えない範囲で併用することを特徴とするポリエステル系可塑剤及びそれを含む塩化ビニル系樹脂組成物を提供するものである。 以下に本発明を更に説明する。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明のポリエステル系可塑剤は、グリコール成分として(1)1,9−ノナンジオール10〜50モル%(2)分岐を有するグリコール成分50〜90モル%(3)1,9−ノナンジオール以外の直鎖グリコール成分0〜40モル%の比率である混合グリコールと二塩基酸成分及び必要に応じて使用される一価アルコールまたは一価カルボン酸からなるポリエステルの構成成分をエステル化反応して得られる。 【0013】本発明のポリエステル系可塑剤を構成するために使用されるグリコール成分として1,9−ノナンジオール以外に該グリコールと併用可能な分岐を有するグリコール成分(3)として、例えば1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,12−オクタデカンジオールなど炭素数3〜18の脂肪族グリコールが挙げられる。これらのグリコール成分は、1,9−ノナンジオール(1)と共に1種または2種以上の混合物として使用される。特に、本発明の可塑剤を効果的に発揮させる上で炭素数4〜9の分岐を有するグリコールが好ましく殊に2−メチル−1,8−オクタンジオールが好ましい。 【0014】ポリエステルを構成するグリコール成分の直鎖度が50モル%を超えない範囲で1,9−ノナンジオールと併用しても良い直鎖系グリコール(3)としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールなど炭素数2〜10の脂肪族グリコールが挙げられる。これらは、1種または2種以上の混合物として使用される。又、直鎖度とは、(3)直鎖系グリコールと(1)1,9−ノナンジオールとの合計モル%量をいうものである。 【0015】本発明のポリエステル系可塑剤を構成するために使用される二塩基酸成分としては、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタミン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸など炭素数4〜12の脂肪族二塩基酸、フタル酸、イソフタル酸またはテレフタル酸などの芳香族二塩基酸及びテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸などの脂環式二塩基酸またはそれらの無水物、エステル化物が挙げられる。もちろんこれらの二塩基酸は1種または2種以上の混合物で使用しても良い。特に本発明の可塑剤を効果的に発揮させるため炭素数6〜10の脂肪族二塩基酸特にアジピン酸、アゼライン酸またはセバシン酸が好ましい。 【0016】本発明のポリエステルを構成するために必要に応じて一価アルコールまたは一価カルボン酸が使用される。一価アルコールとしては例えば、ブタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、イソノナノール、2−メチルオクタノール、デカノール、イソデカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノールなど炭素数4〜18の一価アルコールが挙げられ1種または2種以上の混合物として使用できる。また、一価カルボン酸は動植物油脂類、またはその硬化油から誘導される炭素数6〜22の脂肪族一価カルボン酸または酢酸、酪酸、イソ酪酸、ヘプタン酸、イソオクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸及びイソステアリン酸など炭素数2〜18の合成一価カルボン酸が挙げられ1種または2種以上の混合物として使用できる。さらに、本発明のポリエステルは、必要に応じてグリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット酸などの三価またはそれ以上の多価アルコール及び多塩基酸を変性剤として使用しても良い。また、ε−カプロラクトン、メチルε−カプロラクトン、β−メチルδ−バレロラクトンなどのラクトン類あるいはエポキシ化ステアリン酸メチル、ブチル及びオクチルエステルなどのエポキシ脂肪酸エステルあるいはリシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸などのオキシ酸も変性剤として適宜使用することもできる。 【0017】本発明のポリエステル系可塑剤は、グリコール成分として(1)1,9−ノナンジオール及び(2)分岐を有するグリコールを必須のグリコール成分とし、更に(3)1,9−ノナンジオール以外の直鎖グリコール0〜40モル%を併用でき、その直鎖度が併せて50モル%を超えない範囲で併用される。 【0018】本発明のグリコール成分として(1)1,9−ノナンジオールの比率が、10モル%より少ない場合、低温柔軟性及び非移行性などの性質が不足する。又、50モル%より多い場合、20〜30℃の通常取り扱うべき常温において可塑剤が白濁、凝固に至り、取扱い配合作業性が著しく劣る結果となる。そして、本発明を構成する上で(2)分岐を有するグリコールの比率が50モル%より少ない場合グリコールの直鎖度が増大する関係から、同様に可塑剤の白濁、凝固性を助長して取り扱い配合作業性の面から好ましくない。この様な観点から(1)1,9−ノナンジオールと併用するグリコールである(2)分岐を有するグリコールの比率を50〜90モル%とすることが、常温における可塑剤の液状化を容易ならしめるものである。 【0019】また、本発明のポリエステル系可塑剤は、好ましくは分子量600〜15000、特に好ましくは1000〜5000の範囲が好適である。分子量が600より小さいとDOPやDOAなどのモノメリック系可塑剤に近い性状を示し、非移行性などの点で不十分となる。また分子量が15000より大きいものでは極度に高粘度となり塩化ビニル系樹脂に対する取扱い作業性や可塑化効率の低下を招くので可塑剤として好ましくない。 【0020】本発明のポリエステル系可塑剤は、種々の方法によって製造される。例えば、前記したグリコール成分、二塩基酸成分及び必要に応じて使用される一価アルコールまたは一塩基酸などのポリエステル構成成分を一括もしくは2種ないし3種を反応させた後、次いで残りの成分を反応させて目標とするポリエステルを得ることができる。 【0021】本発明のポリエステル化反応は、例えばパラトルエンスルホン酸、リン酸などの酸触媒、テトライソプロピルチタネート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、塩化亜鉛などの金属触媒により促進されるので通常これらの触媒の存在下で反応させるのが望ましい。また、通常その反応は大気圧下及び減圧下で130〜250℃、好ましくは150〜240℃に加熱して得られる。 【0022】本発明のポリエステル系可塑剤は、塩化ビニル系樹脂の重合度に全く影響なく使用でき、その製法も懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法のいずれによるものも使用できる。塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルホモポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂などの他、塩素化ポリオレフィン樹脂などのハロゲン含有樹脂類に使用することができる。 【0023】本発明のポリエステル系可塑剤の塩化ビニル系樹脂への配合量は、通常塩化ビニル樹脂100重量部に対して10〜150重量部、好ましくは20〜100重量部が適当である。また、本発明のポリエステル系可塑剤は、塩化ビニル系樹脂の加工分野で使用されている周知の可塑剤、例えばDOPなどのフタル酸エステル類、DOAなどのアジピン酸エステル類、TOTMなどのトリメリット酸エステル類、ピロメリット酸エステル類、エポキシ化動植物油類、エポキシ化脂肪酸エステル類、塩素化パラフィン類、リン酸エステル類及び本発明の可塑剤以外のポリエステル系可塑剤と併用することができる。さらに、安定剤、充填材、顔料及びハロゲン含有樹脂の加工分野で使用されている他の添加剤と併用して使用することができる。 【0024】 【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。なお、これらの「部」は全て「重量部」を意味する。 【0025】<ポリエステル系可塑剤の製造>(実施例1)反応容器にアジピン酸730部、1,9−ノナンジオール368部、2−メチル−1,8−オクタンジオール368部及び触媒としてジブチル錫オキサイド0.54部を一括して仕込み窒素気流中で攪拌下、140〜230℃で生成する水を除去しながら5時間反応を行った。次いで、2−エチルヘキサノール234部を加え220〜230℃で酸価が15以下になるまで反応した。更にその温度で100〜5mmHgの減圧下流出分を除去しながら5時間反応させた。この後、濾過して次の性状を有するポリエステルを得た。 粘度(25℃、mPa・s);3520酸価 ;0.15OH価 ;8.9【0026】(実施例2)反応容器にアジピン酸730部、1,9−ノナンジオール75部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール499部及び触媒としてジブチル錫オキサイド0.49部を一括して仕込み窒素気流中で攪拌下、140〜230℃で生成する水を除去しながら5時間反応を行った。次いで、2−エチルヘキサノール234部を加え220〜230℃で酸価が15以下になるまで反応した。更にその温度で100〜5mmHgの減圧下流出分を除去しながら5時間反応させた。この後、濾過して次の性状を有するポリエステルを得た。 粘度(25℃、mPa・s);2910酸価 ;0.30OH価 ;7.7【0027】(実施例3)反応容器にアジピン酸730部、1,9−ノナンジオール221部、2−メチル−1,8−オクタンジオール515部及び触媒としてジブチル錫オキサイド0.54部を一括して仕込み窒素気流中で攪拌下、140〜230℃で生成する水を除去しながら5時間反応を行った。次いで、2−エチルヘキサノール234部を加え220〜230℃で酸価が15以下になるまで反応した。更にその温度で100〜5mmHgの減圧下流出分を除去しながら5時間反応させた。この後、濾過して次の性状を有するポリエステルを得た。 粘度(25℃、mPa・s);3380酸価 ;0.23OH価 ;9.5【0028】(実施例4)反応容器にアジピン酸730部、1,9−ノナンジオール368部、1,3−ブタンジオール207部及び触媒としてテトライソプロピルチタネート0.15部を一括して仕込み窒素気流中で攪拌下、140〜230℃で生成する水を除去しながら5時間反応を行った。次いで、2−エチルヘキサノール234部を加え220〜230℃で酸価が15以下になるまで反応した。更にその温度で100〜5mmHgの減圧下流出分を除去しながら5時間反応させた。この後、濾過して次の性状を有するポリエステルを得た。 粘度(25℃、mPa・s);2890酸価 ;0.12OH価 ;10.2【0029】(実施例5)反応容器にアジピン酸730部、1,9−ノナンジオール147部、2−メチル−1,8−オクタンジオール589部及び触媒としてジブチル錫オキサイド0.54部を一括して仕込み窒素気流中で攪拌下、140〜230℃で生成する水を除去しながら5時間反応を行った。次いで、2−エチルヘキサノール234部を加え220〜230℃で酸価が15以下になるまで反応した。更にその温度で100〜5mmHgの減圧下流出分を除去しながら5時間反応させた。この後、濾過して次の性状を有するポリエステルを得た。 粘度(25℃、mPa・s);3470酸価 ;0.28OH価 ;10.8【0030】(比較例1〜5)比較のため表1に配合規定した量のポリエステル構成成分について実施例1〜5と同様な方法により、ポリエステル系可塑剤を得た。 【0031】<ポリエステル系可塑剤の評価>実施例1〜5で得られたポリエステル系可塑剤について、以下の基本配合及び成形条件に従ってシートを作成し物性試験を行った。比較例1〜5で得られた可塑剤の物性試験結果と併せて表2〜3に示した。 【0032】<混練><基本配合>塩化ビニル樹脂(重合度1050);100部可塑剤 ; 80部バリウム/亜鉛系粉末複合安定剤* ; 2部*大日本インキ化学工業(株)製商品名グレックMP−568C【0033】<成形条件>ロール(直径6インチ);170℃×7分プレス(1mm厚) ;170℃×5分【0034】<物性試験>1)硬度(JISスプリングAスケール);JISK−6301に準じて測定した。 2)引張試験;JISK−6723に準じて測定した。 【0035】3)低温柔軟性試験;JISK−6745に準じて測定した。温度が低いほど低温柔軟性に優れることを示す。 【0036】4)耐移行性試験;1mm厚のプレスシートを25×40mmの大きさに打抜いたものを試験片とした。それをABS樹脂板(旭化成(株)製;商品名スタイラック101)、HI−ポリスチレン樹脂板(旭化成(株)製;商品名スタイロン470)及びAS樹脂板(旭化成(株)製;商品名スタイラック767)についてそれぞれ同一樹脂板でサンドイッチ状にはさみ、次いで0.5kg/cm2 の荷重をかけて80℃(HI−ポリスチレンは70℃)で72時間保持した後の樹脂板への可塑剤の移行による浸食状態を目視により観察評価した。尚、評価結果は、以下のように示した。 【0037】<評価基準>○ :可塑剤の移行による浸食なし(良好) △ :わずかに浸食が認められる× :可塑剤の移行による浸食が明らかに認められる(悪い) ××:非常に悪い【0038】5)熱老化試験;JISK−6723に準じて測定した。但し、試験条件は120×120時間を採用した。結果は、状態に対する伸び残率(%)及び重量減少率(%)で示した。 【0039】6)貯蔵試験;ポリエステル系可塑剤サンプルをガラス瓶にとり、所定の温度に設定した恒温槽内に7日間保管し、外観を目視により観察した。 【0040】7)配合作業性:<評価基準> ◎ :とても良好, ○ :良好× :悪い【0041】 【表1】
【0042】 【表2】
【0043】 【表3】
【0044】 【発明の効果】本発明のポリエステル系可塑剤は、特定の組成のグリコール成分を用いることにより、20〜30℃の通常取り扱うべき常温において殊に20℃以下でも白濁、凝固性のなく液状のもので、配合作業性に優れ、かつ低温柔軟性、非移行性と共に他の物性もバランス良く改善したポリエステル系可塑剤及びそれを含む塩化ビニル系樹脂組成物を得るものである。従って、本発明の可塑剤は、従来のポリエステル系可塑剤では不十分であった市場の高度な要求品質に対応が可能塩化ビニル系樹脂用可塑剤としてその製造上は言うに及ばず、その応用加工分野における利用価値は極めて高い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002886 【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成8年(1996)9月27日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 勝利
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| 【公開番号】 |
特開平10−101779 |
| 【公開日】 |
平成10年(1998)4月21日 |
| 【出願番号】 |
特願平8−256074 |
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