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【発明の名称】 オフセット印刷用の印刷ブランケット
【発明者】 【氏名】ジョヴァンニ バッティ
【氏名】ブルーノ ジネリ
【氏名】ミルコ ペッレグリーニ
【課題】印刷工程中、良好な圧力分布を介して向上された印刷品質を可能にし、しかもワニス塗り用途に適している連続製造されるオフセット印刷ブランケットを提供することを目的とする。

【解決手段】このオフセット印刷ブランケットは石版表面(6)と、圧縮可能な層(3)と、低い伸び特性を有する強化層(1)と、強化層(1)の石板印刷面(6)と反対側に設けられた布層(2)とを備えている。前記圧縮可能な層(3)は石版表面(6)と強化層(1)との間に設けられている。本発明が定める印刷ブランケットによれば、特に、圧縮可能な層の特別な配置のために最適な圧力分布により、優れた印刷品質を達成することができる。しかも、本発明が定める印刷ブランケットはワニス塗り用途に使用するのに極めて良く適している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 石版表面(6)と、圧縮可能な層(3)と、低い伸び特性を有する強化層(1)と、強化層(1)の石板印刷面(6)と反対側に設けられた布層(2)とを備えた連続製造されるオフセット印刷ブランケットにおいて、石版表面(6)と強化層(1)との間に設けられた圧縮可能な層(3)を備えることを特徴とする連続製造されるオフセット印刷ブランケット。
【請求項2】 布層(2)は強化層(1)の石板表面(6)と反対側に取付けられることを特徴とする請求項1に記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケット。
【請求項3】 石版表面(6)と強化層(1)との間には少なくとも1つの追加の圧縮可能な層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケット。
【請求項4】 織物層(2)と強化層(1)との間には少なくとも1つの追加の強化層が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のうちのいずれかに記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケット。
【請求項5】 1つまたはそれ以上の強化層(1)はポリマーまたは金属箔から形成されることを特徴とする請求項1ないし4のうちのいずれかに記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケット。
【請求項6】 10分間、長さ方向および交差方向の両方における10ニュートン/mmの静的荷重を受けるときのブランケットが示す伸びは3%より大きくないことを特徴とする請求項1ないし5のうちのいずれかに記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケット。
【請求項7】 長さ方向の静的伸びと交差方向の静的伸びとの差が1%または好ましくは0.5%より大きくないことを特徴とする請求項1ないし6のうちのいずれかに記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケット。
【請求項8】 強化層(1)はポリエステルフィルムから形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のうちのいずれかに記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケット。
【請求項9】 ブランケットの全体ゲージは1mmと3mmとの間であることを特徴とする請求項1ないし8のうちのいずれかに記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は石版表面と、圧縮可能な層と、低い伸び特性を有する強化層と、強化層の石板印刷面と反対側に設けられた布層とを備えた連続製造されるオフセット印刷ブランケットに関する。
【0002】
【従来技術および発明が解決しようとする課題】オフセット印刷機のブランケットシリンダに取付けられる印刷ブランケットは通常は金属印刷板に支持されて印刷すべき像を被印刷材料、通常、シートまたはロールの形態である紙、ボードまたは金属に転写するように設計されている。本質的に、3種類の印刷ブランケットが知られている。本発明が関係する第1の種類はいわゆる連続製造される印刷ブランケットであり、この印刷ブランケットはロールの形態で連続的に製造され、次いで印刷ブランケットが装着されるブランケットシリンダの寸法に応じた大きさに切断される。第2および第3の種類は両方とも、これらが装着されるブランケットシリンダ用に特別に作られる個々に製造される印刷ブランケットであり、これらの印刷ブランケットは或る場合には、スリーブ(「スリーブ印刷ブランケット」)のようにブランケットシリンダ上へ摺動することができ、或いは他の場合、張力機構を使用してピストンの中へ個々に伸ばすことができる。第2種類の印刷ブランケットは、従来の印刷ブランケットと違って、ブランケットシリンダーの表面に形成されたギャップにより固着しなくてもよいと言う利点を有している(無ギャップシリンダ)。かくして、ブランケットシリンダの回転中、偏心移動が生じなく、その結果、より速い回転が可能であり、かくして、より速い印刷速度が可能である。しかしながら、かかるスリーブ型印刷ブランケットの欠点は、これらの印刷ブランケットを受け入れるように印刷機を特別に設計しなければならなく、その結果、印刷機が極めて高価になり、スリーブブランケット自身も既存のブランケットと比較して非常に高価になると言う点である。上述のように、連続製造された印刷ブランケットはブランケットシリンダの寸法に応じた大きさに切断される。従来、ブランケットをブランケットシリンダの適所に固着するために、取付けバーが通常ボルトによりブランケットに取付けられていた。しかしながら、この技術はすたれてきており、今日、プレスおよび接着剤の同時使用によりブランケットに固定される使い捨てバーが使用されている。ブランケットは摩耗すると、これを使い捨てバーと共に廃棄する。従って、以前に用いられた再使用可能な取付けバーと比較して、最近の技術の場合、ブランケットの構成がブランケットへの使い捨てバーの問題無い接着を確保するような構成であることが重要である。日本の特願昭58−84294号、Patents Abstracts of Japan(1985年、第9巻/No.80)は上側に石版表面、下側に金属層を有するブランケットを示している。金属層と石版表面との間には圧縮可能な層が設けられている。この種の圧縮可能な層は体積減少により像領域に生じる歪みを回避し、且つくぼみの変化を補うように機能する。圧縮可能な層を圧縮したときに、この層が横方向に膨張しないこと、すなわち、横方向の歪みが起こらないようにその体積が実際に減少することが圧縮可能な層の本質的な特性である。これを達成する幾つかの公知な方法があり、例えば、ゴム化合物に分散されたプラスチック微小球の使用、または密閉ガス空隙を有する微孔性気泡構造体の使用が知られている。上記日本特許出願に記載の印刷ブランケットは、下側がこの場合には金属製である強化層よりなり、かくして、ブランケットをブランケットシリンダに固着するのに今日一般に使用されている使い捨て固定バーをブランケットに確実に接合することができないと言う大きな欠点がある。アルミニウムのような金属から製造される使い捨て取付けバーは金属層に接合し難く、かくして、ブランケットシリンダ上へのブランケットの安全且つ信頼ある張力付与が可能でない。印刷ブランケットの下側の金属層の更なる他の欠点は、印刷工程中に印刷ブランケットとブランケットシリンダとの間に形成されるか、或いはそこに入り込む湿分が印刷ブランケットにより吸収されず、且つ印刷ブランケットとブランケットシリンダとの間から横方向に出ていくことができなく、かくして腐蝕を引き起こす可能性があると言う点である。同じ欠点がポリマーまたはポリエステル膜を下側に有するブランケットにも当てはまる。何故なら、使い捨てバーをこれらの材料に容易には接合することができず、またこれら材料は湿分を吸収しないからである。強化層の無い公知の印刷ブランケットの幾つかは、織製材料、代表的には、コットン布で作られた安定化層が比較的高い度合いの伸びを示すと言う欠点を有している。その結果、これらのブランケットはブランケットシリンダ上で頻繁な再張力付与を必要とし、印刷品質が個々のドットのぶれにより悪影響される。特に、4色の付与のために、4つの次々に配置されるブランケットシリンダを使用する4色刷りでは、同じ用紙を印刷するのに使用される4つの次々に位置決めされる印刷ブランケットの一様でない伸びにより、色の不整合が生じ、それにより像の鮮明度の損失を生じる。更に、或る従来の印刷ブランケットの場合、緯方向の伸びが経方向の伸びより著しく高く、従って、経方向(長さ方向)がシリンダのまわりに延びるようにこれらの印刷ブランケットをブランケットシリンダに装着することができるだけである。緯方向におけるブランケットシリンダへの印刷ブランケットの装着は高い伸び度に因り可能でない。特願昭64−273158号、Patents Abstracts of Japan(1991年、第15巻/No.339)は石版表面と、金属強化層と、圧縮可能な層と、印刷ブランケットの下側に形成される布層とを備えたブランケットを示している。ブランケットの下側の布層は強化層にその上側で接合された圧縮可能な層の下側に位置決めされている。石版表面を有する印刷層は下塗り層または接着剤層により金属層に取付けられている。今日使用されている使い捨てバーは、その下側が布層よりなるので、このブランケットにしっかり取付けことができるであろう。しかしながら、このブランケットは他の重大な欠点を示す。第1の欠点は長さ方向または交差方向におけるブランケットの伸びを回避するために一貫して、金属強化層は非常に低い伸び度を示し、この伸びの結果、ブランケットをブランケットシリンダ上で張力付与すると、下層の圧縮可能な層が過剰に圧縮される。これは、製造中、ブランケットの個々の層を平らな表面として互いに積層するのに対して、印刷工程中、ブランケットを部分円の形態であるブランケットシリンダ上に装着することから生じる。圧縮可能な層を金属強化層の下に位置決めすると、この圧縮可能な層は金属層より短い半径を有する。その結果、ブランケットに張力付与すると、金属層の低い伸び特性に因り、圧縮可能な層が圧縮され、かくして、印刷工程中にその所期の目的を果たすその能力、つまり、無駄にする歪みの回避およびくぼみの変化の補償が激しく制限される。しかも、このブランケットのゲージ損失のため、限られた印刷だけが可能である。何故なら、ブランケット─ブランケットウェッブオフセット印刷の場合、何の調整も可能でないからである。上記種類の印刷ブランケットの更なる他の欠点は、印刷ブランケットをワニス塗りの目的には使用することができないことである。ワニス塗り用途では、印刷表面の諸領域が一般に手で或いはCAD機により切込まれ(カットアウト)(剥取られ(ストリップ))、これらの領域はワニス塗りすべきでない印刷表面の領域に相当する。石版表面の残りの未剥取り領域はワニスを取上げてワニス塗りすべきである印刷基質の対応領域に印刷してしまう。塗布されたワニスの品質および特に、用いられる印刷ブランケットの寿命は切込みの深さにより定められる。切込みの深さが深くなればなるほど、低減品質およびその結果の機械の停止時間の原因となる、印刷品(基質)に転写することができる剥取り領域におけるワニスの蓄積を回避することが容易になる。しかしながら、上記日本特許出願に記載のブランケットの場合、金属層は石版表面を形成するブランケット面層の下に直接位置決めされている。従って、ワニス塗りに使用される場合、硬質な金属層への切込みが可能であるだけなので、面への切込みの最大深さは面の厚さに同等であるだけである。かくして、切込みの深さが面により制限され、かくして、この深さが小さすぎるので、上記ブランケットはワニス塗り用途に使用するのにあまり適していない。ブランケットの切込み領域は浅すぎ、この結果、短い印刷実施の後でも、剥取り領域にワニスが溜まる。従って、ここに記載のブランケットは長い期間にわたってワニス塗り作業に不敵である。従って、本発明の目的は、石版表面と、圧縮可能な層と、伸び特性の低い強化層と、強化層の石版表面と反対側に設けられた布層とを備え、印刷工程中、良好な圧力分布を介して向上された印刷品質を可能にし、しかもワニス塗り用途に適している連続製造されるオフセット印刷ブランケットを利用可能にすることである。
【0003】
【課題を解決するための手段】この目的は、請求項1に記載のとおり、石版表面と、圧縮可能な層と、低い伸び特性を有する強化層と、強化層の石板印刷面と反対側に設けられた布層とを備えた、連続製造されるオフセット印刷ブランケットにおいて、石版表面と強化層との間に設けられた圧縮可能な層(3)を備えることを特徴とする連続製造されるオフセット印刷ブランケットにより達成される。また、請求項2に記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケットは、請求項1に記載のものにおいて、布層(2)は強化層(1)の石板表面(6)と反対側に取付けられることを特徴とする。また、請求項3に記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケットは、請求項1または2に記載のものにおいて、石版表面(6)と強化層(1)との間には少なくとも1つの追加の圧縮可能な層が設けられていることを特徴とする。また、請求項4に記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケットは、請求項1ないし3のうちのいずれかに記載のものにおいて、織物層(2)と強化層(1)との間には少なくとも1つの追加の強化層が設けられていることを特徴とする。また、請求項5に記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケットは、請求項1ないし4のうちのいずれかに記載のものにおいて、1つまたはそれ以上の強化層(1)はポリマーまたは金属箔から形成されることを特徴とする。また、請求項6に記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケットは、請求項1ないし5のうちのいずれかに記載のものにおいて、10分間、長さ方向および交差方向の両方における10ニュートン/mmの静的荷重を受けるときのブランケットが示す伸びは3%より大きくないことを特徴とする。また、請求項7に記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケットは、請求項1ないし6のうちのいずれかに記載のものにおいて、長さ方向の静的伸びと交差方向の静的伸びとの差が1%または好ましくは0.5%より大きくないことを特徴とする。また、請求項8に記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケットは、請求項1ないし7のうちのいずれかに記載のものにおいて、強化層(1)はポリエステルフィルムから形成されていることを特徴とする。また、請求項9に記載の連続製造されるオフセット印刷ブランケットは、請求項1ないし8のうちのいずれかに記載のものにおいて、ブランケットの全体ゲージは1mmと3mmとの間であることを特徴とする。
【0004】圧縮可能な層を石版表面と強化層との間に設けることにより、圧縮可能な層はブランケットシリンダへの装着中、ブランケットの張力付与後には圧縮されず、印刷品質に影響する結果的なゲージ損失がなく、最大圧縮が維持されてくぼみの変化の作用を取り除くことになる。本発明により定められるようにワニス塗り用途にブランケットを使用する場合、圧縮可能な層が石版表面と強化層との間に設けられていることにより、最大の切込み深さが可能である。本発明により定められたブランケットの場合、理想的には、切込み(cutting out)/剥取り(stripping removes)により硬質な強化層までのすべての材料を除去するので、所望厚さの比較的深い切込みが形成されるように、印刷表面の全厚さおよび圧縮可能な層の全厚さを、適用可能な場合には任意の中間布層とともに剥取り返すことができ、かくして、ワニスの蓄積を回避することができる。このようにして、ワニス塗りのためのブランケットの有用寿命を著しく長くし、また、ワニス塗りの品質を向上させる。
【0005】強化層の石版表面と反対側に設けられる布層により、使い捨てバー装置をブランケットに安全且つ確実に固着することができる。一般に金属製である使い捨てバーを何んの問題もなしに布に接合することができる。この布の更なる利点は、印刷工程中、布がブランケットのブランケットシリンダと強化層との間に蓄積するいずれの湿分をも吸収し、かくして、灯芯作用により、印刷機の金属ブランケットシリンダにいずれの不利益な腐蝕作用を及ぼすことなしに湿分を蒸発するように運び去ると言う点である。
【0006】布層が強化層の石版印刷表面と離れた方の側に設けられていれば、有利である。これにより、ブランケットの伸びを防ぐようになっている強化層は単一の布層によりブランケットシリンダから分離されているだけであるので、最大の利点をもたらし、またブランケットの張力付与中、強化層とブランケットシリンダとの間に何の追加の層も圧縮されないので、ブランケットをブランケットシリンダに容易且つ安全に設けることができる。
【0007】しかも、石版表面と強化層との間に少なくとも1つの圧縮可能な層を設けることが有利である。このように、例えば、第1の圧縮可能な層と第2の圧縮可能な層との間に1つまたはそれ以上の布層を組み入れることができる。しかも、強化層の石版表面から離れた方の側に設けられた布層(すなわち、裏張り布)と強化層自身との間に少なくとも1つの追加強化層を設けることが有利である。同等に、1つまたはそれ以上の布層により分離された第1の強化層および第2の強化層を設けることも可能である。
【0008】その上、強化層がポリマー、ポリエステルフィルムまたは金属箔よりなるならば、有利である。ワニス塗り用途に本発明が定めるブランケットを使用する場合、切込み領域を剥取り返す時、硬質の強化膜にいずれの損傷をも与えることなしに、これらの領域を硬質の強化膜まで切込むことができるなら、特に有利である。
【0009】
【実施例】この種のブランケットを横断面図で概略的に示す図1を参照して本発明によるブランケットの実施例を以下に説明する。この実施例のブランケットは印刷表面6を有する石版層5を備えている。石版層5の下には、中間の布層4と、代表的には微小球を含んでいる圧縮層3とが設けられている。この下には、更なる中間布層7の後に、代表的にはポリマーまたは金属箔よりなる安定化層1が設けられている。この下には、更に他の織物裏張り布2が設けられており、この布2はブランケットをブランケットシリンダに固着する使い捨てバー装置へのブランケットの必要な付着を確保するように機能する。これらの層は公知の接着技術を使用して互いに接合されている。尚、織物層4、7は製造方法を簡単にするために含まれるが、本発明の範囲を逸脱することなしに省いてもよい。
【0010】ブランケットの静的伸びは以下のように測定した。すなわち、幅25mm、長さ300mmのブランケット単体を装置に設け、10分間、250Nの張力下に置く。ブランケットの相対張力を100mmの基準長さについて測定する。
【0011】本発明の更なる実施例では、強化層の構成は、長さ方向および交差方向の両方において10分間、10ニュートン/mmの静的荷重を受けた場合、ブランケットの伸びは3%より大きくないような構成である。長さ方向および交差方向における静的伸びは2%、1%または0.5%より大きくないようにブランケットの構成を有利に変更することができる。長さ方向における静的伸びと交差方向における静的伸びとの差は1%より大きくないようにすることができ、0.5%より大きくないことが好ましい。
【0012】本発明の他の実施例では、少なくとも一方向において10分間、10ニュートン/mmの静的荷重を受けたときのブランケットの伸びは0.6%より大きくない。この規格に合わせて製造されたブランケットでは、特に高い解像度のオフセット印刷が可能である。
【0013】この構成に組み入れてもよい布層は単に相互の接着/接合を向上させるように機能するだけである。この理由で、より高い伸びを有するさほど高価でない布はそれらの伸び特性が何の問題もないので、使用することができる。ポリマーシートまたは金属箔から形成される−または−以上の強化層は織物とは異なり等方性であって有利であり、かくして、ブランケットは長さ方向及び交差方向においてブランケットシリンダー上に設けることが可能である。必要ならば、いかなる方向でもロールから切り取ることが可能である。このようにして、無駄を減らし、与えられたロール幅を用いて多くのシリンダ幅が与えられる。かくして、ブランケットの製造については、必要とされるブランケットの幅の数を減らし、使用者はブランケットロールをシリンダの幅に相当する幅で保管する必要を免れる。しかも、特定の領域で損傷されるか或いは汚染されたブランケット(所謂「ラップアラウンド」または「スマッシュ」)は、損傷領域の除去後、ほとんどの経済的方向に再切込みし、より小さいフォーマットブランケットシリンダに再装着することができ、かくして更に利用することができる。
【0014】ポリマーシートまたは金属箔から形成された強化層はまた、織物材料から形成された強化層を有する普通の最新式ブランケットよりも絶対単位で著しく小さい伸びを示すので、かぶりまたはドットサイズ(ドットゲイン)の増大が低減される。このように、印刷ブランケットで達成される解像度の向上が可能である。均等に剛性な印刷板に剛性なポリエステルシート(フィルム)により或いは直接に転写される印刷アートワークは、上記実施例の場合には、同様な剛性印刷ブランケットにより剛性な基質(紙、ボード、金属、プラスチック)に転写することができる。従って、印刷方法における各工程において、織物から形成された強化層を有する公知種類の印刷ブランケットとは対照的に、像転写媒体にほんの僅かな度合いの伸びが起こる。
【0015】ブランケットが示す伸び度が小さいので、伸び自身の変化の度合いも小さい。これは、仕上げカラー印刷像を生じるために印刷材料が異なる色で数回、過剰印刷されるような4色(または多色)印刷の場合に特に有利である。4つ(またはそれ以上)の異なるブランケットシリンダに使用されるブランケット間の伸びの相違が小さければ小さいほど、互いに対する色の配置がより正確になり、且つ最終の印刷色像の品質が良好になる。
【0016】本発明による印刷ブランケットは、低い伸びを有するので、公知の印刷ブランケットと違って、頻繁な再張力付与が必要でないと言う更に他の利点を有している。しかも、印刷ブランケットを伸ばすことによって引き起こされるゲージ損失は小さい。
【0017】また、本実施例によるブランケットは、低い可塑的伸びを示し、すなわち、各使用間隔で頻繁に使用する場合、ブランケットを印刷機から取り外すと、ブランケットはその元の長さ(広がり)に戻り、いわゆる「記憶」を持っている。これは、諸領域を印刷されないように取除くときに特に有利である。この手順は、上記のように、印刷像の或る領域をワニス層で被覆し、他の領域を接着領域等のためにワニス塗りされないように残すために使用される。
【0018】ワニス塗り用途に使用するためにブランケットの諸領域を剥取るとき、上記のように、剥取り領域におけるワニスの蓄積を防ぐのに十分深く凹部を表面に形成するために手で或いはCAD機により強化層までの切込みを必要とする。かくして、強化層の上方、すなわち、石板表面と同じ側の層の接着強度が強化層1とその下の織物層2との間の接着強度より小さいことが有利である。このように、切込みの容易な剥取りが可能になる。使い捨てバーをが織物層2に接合すなわち接着されるので、使い捨てバーをしっかり固定する必要を考慮して、織物層2と強化層1との間の比較的強い接合が必要である。強化層とその上方の層との接着強度が0.3〜1kg/cm程度であれば最も有利であるのに対して、強化層1とその下の織物層2との接着強度は好ましくは1kg/cmよりも大きいべきである。この点では、ワニス塗りのためにブランケットからの関連領域の容易な除去を確保するために、強化層1の上方に位置決めされた層を強化層1から分離するのに必要とされる力を正確に示す目標値を特定することが特に有利である。
【0019】強化層1がポリエステルシートである場合、ブランケットにおける個々の層を互いに接合するために、これらの個々の層の各々間にもちろん存在する相互接着剤層または下塗り層を静電防止ゴム化合物から製造すれば、特に有用である。ポリエステルシートが疎水性且つ誘電性であり、いずれの水分をも吸収しないので、静電荷がこのポリエステルシート内に生じてしまう。相互接着剤層に静電防止ゴム化合物を使用することによって、ブランケットの残部における静電蓄積を回避することができる。ブランケットにおける静電蓄積の防止は、強化層1が0.4%未満の静的伸びを示すなら、更に助成される。
【0020】このように、本発明によれば、印刷工程中、良好な圧力分布を介して向上された印刷品質を可能にし、しかもワニス塗り用途に適している連続製造されるオフセット印刷用の印刷ブランケットが提供される。
【出願人】 【識別番号】597172236
【氏名又は名称】ノヴラニア エスピーエイ
【氏名又は名称原語表記】NOVURANIA S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Circonvallazione 3 I−38079 Tione Di Trento Italy
【出願日】 平成9年(1997)11月25日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善▲廣▼ (外1名)
【公開番号】 特開平10−297133
【公開日】 平成10年(1998)11月10日
【出願番号】 特願平9−339380