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【発明の名称】 易開封性包材及びそれを用いたスティック状包装体
【発明者】 【氏名】永田 和裕

【氏名】冨田 博人

【要約】 【課題】内容物を複数包装して、展示販売するメタリック調のスティック状包装体において、包装時のデッドフォールドを主とする包装適性をもつとともに、開封したときに任意の端部から容易に引裂きを開始して、内容物を取出すことができる積層体の提供を課題とする。

【解決手段】少なくとも、ヒートシール層7をもつプラスチックフィルム1、アルミニウム箔3、紙4及びヒートシーラント層5が順に積層構成された外装シートにおいて、該プラスチックフィルムがガンマー線照射を施されたフィルムから構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも、ヒートシール層をもつプラスチックフィルム、アルミニウム箔、紙及びヒートシーラント層とが順に構成された外装シートにおいて、該透明プラスチックフィルムがガンマー線照射を施されたことを特徴とする易開封性包材。
【請求項2】 上記透明プラスチックフィルムが、一軸もしくは二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、かつ、ガンマー線を10〜200kgy照射した物であることを特徴とする易開封性包装材。
【請求項3】 ガンマー線照射されたプラスチックフィルム、アルミニウム箔、紙及びヒートシーラント層とが順に構成された易開封性包材を用いたことを特徴とするスティック状包装体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】板状又はブロック状キャンデイを複数(2〜10枚、又は2〜10個)集積包装に使用し、メタリック調の意匠をもち、積層体としての剛性、折込み適性をもち、かつ、引裂きやすく、開封しやすい外装材に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、板状のチュウインガム、ブロック状のキャンディなどの内容物を複数包装して、展示販売に供する図2に示すスティック状包装体は、個々の内容物を(外装材)で整列・固定して包装されていた。そして、外装材は、意匠性(メタリック調、表面光沢)、内容物保護性をもつと同時に、包装体の外形保持性(包装したときの折込み形状を保つ剛性、密封状態)を保つことが要求されるものであった。そのために包装材は、包装材に内容物を集積・外装したときに、所定の位置で正確に折り込まれ、その位置や形状が保たれて(以下、折り込んだ位置を保たれることを『デッドフォールド』と記載する。)ヒートシールして密封される性質を要求されるものである。
【0003】更に、包装体を開封して内容を一個づつ取り出して食するためには、包装材にダブルIノッチや、カットテープを設けなくても任意の端部から容易に引裂きを開始できることが要求されるものである。また、スティック状包装体は、絵柄層の保護性(ポケットやバッグの中で形態使用されたとき、絵柄層の脱落を防止する表面強度)をも要求される。
【0004】従来、上記の性能を満足できる包装材には、透明フィルムであるヒートシール層をもつ防湿セロハンに印刷し、その印刷面とアルミニウム箔とをドライラミネーションで積層し、更に模造紙などの包装資材用ロール紙とを通常の方法で積層し、更にホットメルト(又は感熱性接着剤)をヒートシーラント層として設けた積層体が使用されていた。上記の積層体に使用される防湿セロハンは、端部から容易に引裂ける(易引裂き性)と、デッドフォールドに優れるものである。したがって、防湿セロハンと、デッドフォールド性に優れた、アルミニウム箔、紙とからなる積層体は、優れた引裂き開始性と、デッドフォールドとをもたせることができる。そして、包装体としての剛性は紙の選択により所望の強さに形成できる。
【0005】これに対して、防湿セロハンを他の熱可塑性プラスチックフィルムにかえた積層体は、剛性は紙によってある程度得られるが、端部からの引裂き開始性が劣り(フィルムの引裂き強度及び突き刺し強度が強く)、折り込んだ時の反発力がある(デッドフォールド性がない)ために、包装体を折込み形成したときの形状(折込み角)が保たれないばかりでなく、折り込んでヒートシールしたとき、ホットメルトが冷却固化する前に反発し剥離してしまうという問題があった。また、延伸フィルムは、ダブルIノッチとカットテープとを設けた場合該延伸方向には引裂けるが、任意の位置における引裂き開始性に劣り、無理に引裂こうと試みても、プラスチックフィルムが延びるだけで引裂きのきっかけを得ることさえも得られないものであった。
【0006】一方、防湿セロハンは、その製造工程において多量の水を消費し、かつ副生する硫黄化合物を無公害化して処理するための費用が嵩むことがネックとなり生産が縮小傾向にある。そこで防湿セロハンにかわる透明プラスチックフィルムを使用することを試みられたが、上記のデッドフォールド性や、引裂き開始性、適度の剛性を満足できるものがなかった。特に、プラスチックフィルムとアルミニウム箔及び紙とを順に積層した外装シートは、引裂き開始性がいちじるしく劣るものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】生産が縮小傾向にある防湿セロハンを、供給が容易なプラスチックフィルムにかえても、デッドフォールド性、引裂き開始性を満足できる積層体とそれを用いたスティック状包装体の提供を課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、少なくとも、ヒートシール層(以下HS層と記載する。)をもつプラスチックフィルム、アルミニウム箔及び紙とから構成される外装シートにおいて、該透明フィルムがガンマー線照射フィルムであることを特徴とする積層体である。そして、上記透明プラスチックフィルムが、一軸もしくは二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、かつ、ガンマー線を10〜200kgy照射した積層体である。また、ガンマー線照射されたプラスチックフィルム、アルミニウム箔、紙及びヒートシーラント層とが順に構成された易開封性包材を用いたスティック状包装体である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、図1に示すように、HS層7をもつガンマー線を照射したプラスチックフィルム1のヒートシール層を設けない側と、所望に応じて形成する絵柄層6と、アルミニウム箔3と、紙4とを順に積層し、紙面にホットメルト(又は感熱性接着剤)からなるヒートシーラント層5とを設けた積層体積層体10である。そして、各層間におけるフィルムの積層は接着樹脂層21、22を介して通常の方法で行う。また、上記のプラスチックフィルム1が、ガンマー線を10〜200kgy照射した一軸もしくは二軸延伸ポリプロピレンフィルムの積層体10である。そして、図1及び図2に示すとおりのガンマー線照射されたプラスチックフィルム1、必要に応じて設ける絵柄層6、アルミニウム箔3、紙4及びヒートシーラント層5とが順に構成された易開封性包材10を用いたスティック状包装体110である。
【0010】本発明に使用する透明プラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、セルロースアセテートなどのガンマー線照射し、包装適性に必要なすべりをもつ延伸又は未延伸フィルムから選択できる。フィルムの厚みはポリマーの種類にもよるが6〜25μmである。6μm未満ではフィルムの製造、印刷、他のフィルムとの積層工程が不安定であり、25μm以上では、プラスチックフィルムの剛性が強く発現されるためデッドフォールド性を示さず、また引裂き抵抗が強くなるという問題がある。好ましくは12〜20μmの延伸ポリプロピレンフィルムである。
【0011】本発明に使用する、プラスチックフィルムに施すガンマー線は、未照射フィルムに易引裂き性を与える程度の照射量が好ましく10〜200kgyである。10kgy未満では、フィルムを脆化して引裂き性をあたえることができず、200kgyを超えるとフィルムに臭いを発すると同時に印刷・積層工程で切断し易いという問題がある。また、成膜前の原料プラスチックにガンマー線を照射することは、樹脂の成膜適性を阻害することがあり好ましい方法ではない。
【0012】本発明のプラスチックフィルム1に設けるHS層7は、積層体の最外層に設けるものである。そして、HS層同士がヒートシールできると同時に、積層体の最内装に設けるヒートシーラント層5とのヒートシールを促進できるものが望ましい。HS層7は、フィルムの全面に塗工形成することもできるし、必要部分のみ、例えば図2及び図3に示すように胴シール部117やサイドシール部127に相当する位置に胴シール部HS層11及びサイドシール部HS層12をグラビア印刷で部分的に形成するすることもできる。
【0013】HS層7は、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体、線状ポリエステル、ポリビニールブチラール、ダイマー酸とグリコール類とからなるポリアミドなどの熱可塑性樹脂を主成分とするヒートシールラッカーや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体などと粘着付与剤、ワックス、溶剤とからなるホットラッカー(常温では、液状又はゲル状のものを、加熱して流動性を与え、印刷又は塗工を行い、揮発成分を蒸発してHS層を形成する)などから形成できる。
【0014】絵柄層6は、薄いプラスチックフィルムの印刷や積層加工に適したグラビア印刷、シルクスクリーン印刷あるいはフレキソ印刷による輪転印刷機で行うことが好ましい。その印刷インキは、通常のフィルム用インキから、プラスチックフィルムに接着し、そして接着剤層との適性があるバインダーと所望の着色料(部分的には透明な色量を使用してメタリック調を強調する)とから構成されたインキから選択して行う。
【0015】アルミニウム箔は、通常の包装用積層体に用いる7〜20μmの軟質アルミニウム箔から圧延時の油を焼鈍除去したものを選択する。圧延油の除去が不完全であると接着剤のぬれが不安定であるばかりでなく、積層体をヒートシールするときアルミニウム箔と接着剤層との界面で剥離することがある。アルミニウム箔と絵柄層との積層面は、製品が要求する意匠性によって決められるものであり、いわゆるミラー面、マット面のいずれでも構わない。
【0016】絵柄層6を設けたプラスチックフィルム1とアルミニウム箔3とは、通常の反応硬化型接着剤、あるいは粘着剤からなる接着剤層21を用いて、ドライラミネーション(接着剤に溶剤を含むラッカーラミネーションや、溶剤を含まないノンソルラミネーション)で積層したり、また、必要によってはプライマー層を設けて熱溶融押出ししたポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を接着剤層21とするサンドイッチラミネーションで積層する。
【0017】本発明の積層体を構成する紙は、包装に使用されるロール紙から適宜選択できる。例えば、純白ロール紙、片艶クラフト紙、模造紙、グラシン紙、インディアンペーパー、薄葉紙、模造紙、コート紙などの20〜150g/m2 のものから選択できる。紙の坪量が20g/m2 未満では積層体の剛性が得られず、150g/m2 以上では、資源の浪費であるばかりでなく、剛性が強くて包装機での折込みが困難となる。また、メタリック調をミラーで表現するときは、アルミニウム箔とコート紙あるいは模造紙、純白ロールなどの光沢面とを積層して用いることが好ましい。
【0018】本発明のアルミニウム箔3と紙4とは、接着剤層22を介して、前述のドライラミネーションや、サンドイッチラミネーションで積層する。また、水分散系のポリ酢酸ビニルや、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体のディスパジョン、カゼイン、澱粉水溶液などから選択した接着剤を用いたウェットラミネーションで積層することもできる。ウエットラミネーションで紙に含まれる水分を任意に変化させて積層体の折れ適性、剛性を調整することもできる。
【0019】本発明のヒートシーラント層5は、それ自身がヒートシールできるばかりでなく、プラスチックフィルムとの異種材料とのヒートシールできるものが好ましくホットメルト系ヒートシーラント層が好ましく使用される。ホットメルト系ヒートシーラント層は、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体などと、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂などとグリセン又はペンタエリスリトールとのエステル、テルペン樹脂などの粘着付与剤、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、ポリイソブチレン、ポリブテンなどの合成ゴムとの混合物を15〜30g/m2 塗工して設けることができる。
【0020】水を含む「溶液型のヒートシーラント層塗工液」からヒートシーラント層を設けることもできる。紙面にヒートシーラント層を設けるときは、紙の面にヒートシーラント層塗工液の浸透を防止するように前処理が必要である。例えばクレーコート紙のコート面や、紙にスチレン・ブタジエンラテックスや、体質顔料を含む塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体などを塗工した面にヒートシーラント層を設けることが好ましい。そして、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体、線状ポリエステル、ポリビニールブチラールからなる熱可塑性樹脂を主成分とするヒートシールラッカーや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体などと粘着付与剤、合成ゴム、溶剤とからなるホットラッカーなどから形成できる。特にホットラッカーは、本積層体を用いた包装機におけるヒートシール時の熱間ヒートシール強度が強く、高速充填に適するものである。
【0021】図示はしないが、ヒートシーラント層が、低温ヒートシール性でかつ常温で粘着性をもち、巻取りでブロッキングを起こすような場合には、ヒートシーラント層側に更に合紙として10〜16g/m2 程度の坪量の薄葉紙を積層した外装シートを構成できる。
【0022】以下、実施例について、図面を参照にして更に詳細に説明する。
【実施例】表1に示す特性をもつ、ガンマー線を照射した厚み15μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(プラスチックフィルム1)の一方の面に、グラビア輪転印刷で所望の絵柄層6を設けると同時に他の面に、図2に示す胴シール部117及びサイドシール部127に相当する部分に、エチレン・酢酸ビニル共重合体を主成分とするHS層7を、図3に示す胴シール部パターン11及びサイドシール部12を厚み1μmでグラビア印刷した。更に、絵柄層6に硬化型ポリエステル・イソシアネート系接着剤21を塗工し、厚み7μmのアルミニウム箔3とをドライラミネーションした。次いでアルミニウム箔3に上記硬化型接着剤による接着剤層22を設けて、坪量35g/m2の模造紙4とをドライラミネーションした。次いで、下記組成の(ヒートシーラント層組成物)ホットメルトを25g/m2 塗工して、図1に示す実施例1〜3の積層体10を構成した。
(ヒートシーラント層組成物)
・エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル20%) 30重量% ・低分子量ポリエチレン 30重量% ・粘着付与剤(ロジン変成樹脂) 30重量%【0023】
【比較例】表1に示す比較例の厚み15μm二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び防湿セロハン#300を用いた以外は、実施例と同様にして、HS層7、絵柄層6、アルミニウム箔3、紙4及びヒートシーラント層5とを積層して比較例1〜4の積層体を構成した。
【0024】上記の実施例及び比較例に使用したプラスチックフィルム、防湿セロハン及び積層体について次の項目につて行った評価を表1に示す。
■引裂き強度:使用したプラスチックフィルム及び積層体の引裂き強度をJIS K7128「プラスチックフィルム及びシートの引裂き試験法 9.B法エルメンドルフ引裂法」に基づいて測定して算出する。
■引裂き開始性:作成した積層体を爪の先でつまみ、左右の手を逆方向に引張り、引裂き開始の難易を感覚的に評価する。
○:容易に引裂きが開始できる。
△:若干プラスチックフィルムが延びるが、引裂きは手で開始できる。
×:プラスチックフィルムに阻害されて引裂きはできない。
■突き刺し強度:昭和57年厚生省告示第20号
器具又は容器包装の一般試験方法に準じて0.5Rポンチで評価する。
【0025】
【表1】

【0026】
【発明の効果】本発明は、スティック状包装体において、プラスチックフィルムを使用したとき、引裂き強度が強く、引裂き開始性が悪くなる外装シートを、ガンマー線を照射したプラスチックフィルムを使用することにより、引裂き易くした積層体である。板状のチュウインガムや、ブロック状のキャンディを複数包装したスティック状包装体から、積層体を適宜引裂いて除去して内容物を取出すことができる。生産が縮小傾向にある防湿セロハンを、供給が容易なプラスチックフィルムにかえて、デッドフォールド性が、引裂き開始性、適度の剛性を満足できる積層体を提供できる効果を奏するものである。
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【出願日】 平成9年(1997)5月2日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小西 淳美
【公開番号】 特開平10−305518
【公開日】 平成10年(1998)11月17日
【出願番号】 特願平9−127847