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【発明の名称】 ハニカム構造体及び構造用パネル
【発明者】 【氏名】ジョン・レスリー・カウェス
【氏名】グラハム・ケンプ
【氏名】テレンス・チャールズ・ウェッブ
【氏名】ジョージ・エドワード・グリーン
【課題】ハニカム構造体の強度及び剛性を増大させる。

【解決手段】改善されたハニカム構造体10は、高分子材料の粒子を含有する樹脂でコーティングされた不織シート材料から形成される。樹脂コーティングの中に高分子の固体粒子を含有させることにより、圧縮特性を低下させることなく、ハニカムの強度及び剛性を増大させることができることが判明した。複合パネルも開示され、この複合パネルは、改善されたハニカム構造体を1又はそれ以上の面板16、18と組み合わせることによって、構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハニカム構造体であって、複数のハニカムセルを形成する表面を有する複数の相互接続された壁部と、前記表面の少なくとも一部を覆うコーティングとを備えており、該コーティングは、高分子材料の粒子を含有する樹脂を含むことを特徴とするハニカム構造体。
【請求項2】 請求項1のハニカム構造体において、前記高分子粒子は、熱硬化性の粒子、及び、熱可塑性の粒子から成る群から選択される粒子を含むことを特徴とするハニカム構造体。
【請求項3】 請求項1又は2のハニカム構造体において、前記高分子粒子は、熱硬化性の粒子及び熱可塑性の粒子から成る混合物を含むことを特徴とするハニカム構造体。
【請求項4】 請求項1又は2のハニカム構造体において、前記高分子粒子は、直鎖型の又は部分的に架橋された熱硬化性高分子粒子から必須的に構成されることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかのハニカム構造体において、前記熱可塑性の粒子は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド・イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリケトン、及び、ポリエーテルエーテルケトンから成る高分子材料の群から選択されることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項6】 請求項5のハニカム構造体において、前記高分子粒子は、ポリアミド・イミド粒子から必須的に構成されることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかのハニカム構造体において、前記樹脂は、熱硬化性樹脂から必須的に構成されることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項8】 請求項7のハニカム構造体において、前記熱硬化性樹脂は、フェノール・ホルムアルデヒド、エポキシ、シアン酸エステル、ビス−マレイミド、及び、不飽和ポリエステルから成る樹脂の群から選択されることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかのハニカム構造体において、前記壁部は、不織布材料を含むことを特徴とするハニカム構造体。
【請求項10】 請求項9のハニカム構造体において、前記不織布材料は、ガラス繊維、炭素繊維、石英ファイバ、アラミドファイバ、セルロース繊維、高密度ポリエチレン繊維、セラミックファイバ、ホウ素ファイバ、及び、これらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかのハニカム構造体において、前記高分子粒子は、0.1乃至100μmの粒子径を有していることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項12】 請求項1乃至11のいずれかのハニカム構造体において、前記コーティングの中の高分子材料の粒子の量は、前記コーティングの1重量%乃至60重量%であることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項13】 構造用パネルであって、請求項1乃至12のいずれかのハニカム構造体を備えており、前記複数のハニカムセルは、第1の縁部及び第2の縁部を有しており、これら第1及び第2の縁部は、前記ハニカム構造体の第1及び第2の外側部を形成しており、少なくとも1つの側板シートが、前記ハニカム構造体の前記外側部の少なくとも一方に取り付けられていて、当該構造用パネルを形成していることを特徴とする構造用パネル。
【請求項14】 請求項13の構造用パネルにおいて、当該パネルは、前記ハニカム構造体の前記第1の外側面に取り付けられた第1の側板シートと、前記ハニカム構造体の前記第2の外側面に取り付けられた第2の側板シートとを備えていることを特徴とする構造用パネル。
【請求項15】 請求項13の構造用パネルにおいて、前記側板シートは、樹脂含浸された繊維又は金属から形成されていることを特徴とする構造用パネル。
【請求項16】 ハニカム構造体であって、複数のハニカムセルを形成する表面を有していて相互接続されている複数の壁部を備えており、前記表面の少なくとも一部は、樹脂コーティングで被覆されており、前記樹脂コーティングは、1乃至60重量%の粒子を含有しており、該粒子は、高分子材料から必須的に構成されることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項17】 請求項16のハニカム構造体において、前記高分子粒子は、0.1乃至100μmの粒子径を有していることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項18】 請求項16又は17のハニカム構造体において、前記高分子粒子は、熱硬化性の粒子及び熱可塑性の粒子から成る群から選択される粒子を含むことを特徴とするハニカム構造体。
【請求項19】 請求項16、17又は18のハニカム構造体において、前記高分子粒子は、熱硬化性の粒子及び熱可塑性の粒子の混合物を含むことを特徴とするハニカム構造体。
【請求項20】 請求項16、17又は18のハニカム構造体において、前記高分子粒子は、直鎖型の又は部分的に架橋された熱硬化性の高分子粒子から必須的に構成されることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項21】 請求項16乃至19のいずれかのハニカム構造体において、前記熱可塑性の粒子は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド・イミド、ポリエーテルイミド、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリケトン、及び、ポリエーテルエーテルケトンから成る高分子材料の群から選択されることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項22】 請求項16乃至19のいずれかのハニカム構造体において、前記高分子粒子は、乳化重合、懸濁重合又は分散重合によって形成されることを特徴とするハニカム構造体。
【請求項23】 請求項16乃至19のいずれかのハニカム構造体において、前記高分子粒子は、より大きな粒子を破砕又は粉砕することによって形成されていることを特徴とするハニカム構造体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に、コアとして複合パネルに広く使用されるハニカム材料に関する。より詳細に言えば、本発明は、ハニカム材料を被覆してコアの強度を増大させるために使用される樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】複合パネルの用途に用いられるハニカムコアは、一般的に、適宜な材料のシートを準備し、そのようなシートを調節された間隔で互いに接合し、次に、膨張させて六角形のセルを形成することにより、形成される。次に、上記膨張された材料を適宜な厚さに切断して、複合パネルの中央領域として使用することのできるスライスを製造する。一般的に、そのようなハニカムを構成する材料は、セルロースから形成される不織紙状のシート(例えば、クラフト紙)、あるいは、高密度ポリエチレン又は他の合成繊維の如き他の一般的に使用される繊維とすることができる。不織紙状のシートを形成するために使用される別の材料は、ガラス繊維、炭素繊維、石英ファイバ、及び、セラミックファイバ、並びに、これらの組み合わせを含む。そのようなハニカムを製造するために一般的に使用される不織布材料は、アラミド繊維(ポリ[m-フェニレン・イソフタルアミド])であるNomex(E.I.duPont de Nemours(デラウエア州Wilmington所在)により製造され、紙状材料の形態のハニカムを製造するために供給されている)に基づいている。同様のハニカムは、Nomex 繊維、及び、第2の繊維(すなわち、Kevlar(DuPont の製品)又はTwaron(ドイツ Wuppertal のAkzo Chemie の製品)と種々に呼ばれている、ポリ[p-フェニレンテレフタルアミド])の混合物に基づいている。しかしながら、Nomex 及び他の紙状の材料は、ハニカムを製造するために適した基本成分であるが、それら自身は、強い複合パネルの製造を可能とするに十分な強度を有しておらず、従って、熱硬化性樹脂でハニカムをコーティングする(被覆する)ことが一般的に行われている。次に、そのような樹脂コーティングされたコアを適宜な外皮(例えば、炭素又はガラスのプリプレグ又はラミネート)に接合し、その後硬化させて、構造的な強度を有する有用なパネルを形成することができる。航空機産業等における複合パネルの多くの用途は、そのようなパネルが、高い強度及び剛性を有し、且つ、極めて軽量であることを要求する。
【0003】当業界で周知の方法(例えば、別の溶媒、別の硬化スケジュール等を用いる)によってハニカムの機械的な性質を少し変えることは可能であるが、そのような方法においては、一般的に、ある性質を改善すると他の性質が低下する。一般的に、コーティングされたコアの剪断強度の改善は、圧縮強度を低下させるという犠牲の上にのみ成り立つ。このようになる理由は、完全には理解されていないが、ハニカムセルのコーナー部又は平坦部に優先的に堆積して、圧縮特性又は剪断特性をそれぞれ変える傾向があるというコーティング樹脂の性質に関係するものと考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の事柄に鑑み、ハニカムコア材料を強化するために使用することのできる新規な樹脂コーティングを開発するという継続的な需要がある。この新規な樹脂組成物は、材料の他の重要な機械的な性質の低下させることなく、ハニカムコアの強度を均一に増大させることができるものでなければならない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複合パネルのコア材料として使用するのに良く適したハニカム構造体が提供される。不溶性の高分子粒子を、ハニカム構造体を被覆するために用いる樹脂の中に組み込むことにより、ハニカムの強度が、そして、驚くべきことに、ハニカムの剛性が向上するということを見い出した。そのような改善は、困難の圧縮特性を低下させることなく、また、重量を増大させることなく、達成される。
【0006】本発明は、複数のハニカムセルを形成する表面を有していて相互接続された複数の壁部を備えるハニカム構造体を提供する。ハニカムセルの上記表面は、高分子材料の粒子を含有する樹脂でコーティング(被覆)される。高分子粒子は、熱硬化性材料及び/又は熱可塑性材料から形成される。これら2つのタイプのプラスチック材料の混合物は、本発明の範囲に含まれる。しかしながら、直鎖型の又は部分的に架橋された熱硬化性の高分子粒子を単独で使用するのが好ましい。高分子粒子は、0.1乃至60%の量で、樹脂コーティングの中で混合される。高分子粒子の粒子径の範囲は、0.1乃至100μmである。
【0007】本発明のハニカム構造体は、複数のハニカムセルを備えており、これらのハニカムセルは、第1及び第2の縁部を有しており、これら第1及び第2の縁部は、ハニカム構造体の第1及び第2の外側部を形成する。本発明の1つの特徴として、少なくとも1つの外側の側板をハニカム構造体の外側部の少なくとも一方に取り付けて、構造用パネルを形成する。また、上記改善されたハニカムコアが2つの外側の側板の間でサンドイッチ状に挟まれている、構造用パネルが提供される。
【0008】本発明のハニカム構造体が提供する大きな構造強度は、高い強度及び軽い重量が必要とされる広範な用途で、そのようなハニカム構造体を使用するに特に適したものにする。本発明の上述の特徴及び他の利点は、図面を参考にして以下の詳細な説明を参照することにより、より良く理解されよう。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の代表的なハニカム構造体が、図1及び図2に参照符号10で示されている。ハニカム構造体10は、相互接続された複数の壁部12を備えており、これら複数の壁部は、複数のハニカムセル14を形成している表面を有している。本発明によれば、ハニカム構造体10の表面を覆うようにコーティングが付与されていて、ハニカム構造体の構造強度を向上させている。上記コーティングは、高分子材料の固体粒子を含む樹脂である。
【0010】ハニカムコアの壁部は、ハニカムコアを形成するために通常使用される任意の材料から形成することができる。代表的な材料としては、セルロースから形成される不織紙状の種々のシート(クラフト紙)、又は、高密度ポリエチレン、ガラス繊維、炭素繊維、石英ファイバ、セラミックファイバ、ホウ素ファイバ又はこれらの混合物の如き、通常使用される他のファイバを挙げることができる。代表的な不織シート材料は、MOMEX、KEVLAR及びTWARONの商標名で入手可能である。本発明は、上述の代表的な材料、及び、ハニカムコアを製造するために通常使用されている他の任意の材料から形成されたハニカムコア材料の構造強度を強化する広い用途を有している。
【0011】ハニカム壁に付与される樹脂コーティングの量は、多数のファクタに応じて変動する。例えば、比較的多孔性の不織材料は、ハニカム壁を適正に湿潤させるために、多くの樹脂を必要とする。ハニカム壁は、不織紙状の材料を飽和させるために、十分な樹脂で処理されるのが好ましい。比較的非多孔性の材料に関しては、十分な量の樹脂をそのような材料に付与して、0.1乃至5ミル(0.0025乃至0.127mm)程度のコーティング厚さを得るのが好ましい。
【0012】ハニカムをコーティングするために使用されるベース樹脂は、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、ビス-マレイミド(bis-maleimide)、不飽和ポリエステル樹脂、又は、当業界で周知の同様な樹脂の如き、熱硬化性樹脂であるのが好ましい。上記樹脂は、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂であるのが好ましく、レゾール樹脂又はノボラック樹脂とすることができる。他のアルデヒド、例えば、フルフラールを用いることができ、また、他のフェノール、例えば、p-クレゾールを用いることもできる。p-クレゾールの調製、及び、そのような樹脂の性質は、「Phenolic Resins(著者:A.Knop and L.A.Pilato、1985年Springer-Verlag(Berlin)出版)」に記載されている。レゾール樹脂は、熱を加えるだけで硬化し、また、ノボラック樹脂は、硬化するために、ホルムアルデヒド生成物質(例えば、ヘキサメチレンテトラミン(ヘキサミンとしても知られている))の存在を別に必要とする。レゾール型の樹脂が好ましい。
【0013】上述の樹脂は、例えば、水、アセトン、プロパンジオール、ブタノン、酢酸エチル、エタノール及びトルエンの如き溶媒又は分散媒の中で、溶液又は分散体として使用することができる。上記溶媒の混合物を用いて、ハニカムコアからの溶媒の許容できる蒸発速度を得ることができる。使用する溶媒の量は、使用するハニカム材料のタイプを含む多数のファクタに広く依存する。一般的に、上記溶媒は、高分子粒子を添加した後に周知のプロセスに従ってハニカムコアに容易に塗布することのできる樹脂溶液を得るための、通常の量で添加すべきである。
【0014】本発明に従ってベース樹脂コーティングに添加される高分子粒子は、広範囲の熱硬化性ポリマー及び/又は熱可塑性ポリマーから選択することができる。代表的な高分子粒子としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド・イミド(polyamide-imide)、ポリエーテル・イミド(polyether-imide)、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリケトン、及び、ポリエーテルエーテルケトンを挙げることができる。特に適しているのは、高性能熱可塑性樹脂として知られるポリマーであり、そのようなポリマーは、一般的に、高温安定性、及び、極めて良好な機械的な性質(特に、強度及び剛性)を有している。また、熱硬化性ポリマーの粒子を用いることもでき、そのような熱硬化性ポリマーは、エポキシ、シアン酸エステル、ビス−マレイミドの如き周知のクラスのポリマー材料から選択することができる。
【0015】本発明のプロセスに適するポリマー粒子は、乳化重合、懸濁重合、分散重合によって、あるいは、他の重合技術(例えば、塊状重合又は溶液重合)によって形成された粒子を破砕又は粉砕することによって、調製することができる。
【0016】上述のポリマー群の粒子は、通常、上述のコーティング媒体の溶媒の中で室温では不溶性であるが、そのような粒子は、その製造時に、該粒子を形成するポリマーを軽く架橋させることによって、更に不溶性にすることができる。この架橋操作は、粒子を調製する際に、多官能架橋剤を重合剤の中に含めることによって、行うことができ、あるいは、上記粒子は、重合の後に、例えば、粒子をγ放射線又は熱に暴露することによって、後に架橋させることができる。
【0017】本発明で使用する粒子のサイズは、0.1乃至100μmの範囲にあり、1乃至50μmであるのが好ましい。高分子粒子の量は、コーティング樹脂の容積で、0.1%乃至60%とすることができ、1%乃至30%であるのが好ましい。上記粒子は、これら粒子を樹脂/溶媒混合物の中で単に混合するだけで、コーティングの中に組み込むことができる。コーティング混合物を、その塗布に先立って、攪拌して、粒子が樹脂全体にわたって均一に分布するようにするのが好ましい。
【0018】図1及び図2に示すように、本発明のハニカムコア10は、表面シートすなわち側板16、18をコアの外側部に接合することによって、複合パネルの製造に使用することができる。表面シートは、ガラス繊維、ポリアミド繊維又は炭素繊維の如き樹脂含浸繊維、あるいは、ステンレス鋼又はアルミニウムの如き金属から形成することができる。
【0019】上記接合は、参照符号20、22で示す接着剤を用いて行うことができ、上記接着剤は、熱可塑性材料とすることができるが、ポリエポキシド、ポリウレタン又はフェノール樹脂の如き、熱硬化性樹脂、あるいは、熱硬化性樹脂及び熱可塑性材料の混合物であるのが好ましい。表面シートをハニカムコアに接合する手順及びプロセスは、当業者には周知である。
【0020】本明細書で使用する「ハニカムコア」という用語は、方形状、正弦波状、矩形状、補強された六角形状、円筒形状、又は、六角形状のセルを有するコアを含む。いわゆる成長コア又は成形可能なコアも含まれる。六角形状のセルを有するコアが好ましい。
【0021】以下に述べる各々の実施例において引用される結果は、同様な密度(すなわち、目標密度の3kgm-3 以内)を有する7つのサンプルの平均値である。
【0022】実施例 10.67P/Fのモル比を有するフェノール・ホルムアルデヒドレゾールを、ハニカムのベースコーティングとして用いている。上記樹脂は、アセトン溶液から付与され、上記溶液は、No.1のスピンドル及び20rpm のスピンドル速度を有するブルックフィールド粘度計すなわちB形粘度計を用いて、25cps の粘度を示すように調節された。六角形状のセルを有する生の(未加工の)ハニカム(セルサイズが3mm で、紙厚が3ミル)のスライスを上記溶液に浸漬させ、過剰の樹脂溶液を圧縮空気のパージによって除去する。次に、上記浸漬されたスライスを80℃のオーブンの中に30分間入れることによって、アセトン溶媒を除去する。硬化スケジュールは、140℃で10分間、次に、160℃で50分間である。
【0023】ポリアミド共重合体の粒子(Elf Atochem のOrgasol 3202 D Nat1)の分散体を、36.43gの粒子を上述の樹脂703.2gと攪拌することによって調製し、これにより、乾燥樹脂の10容積%の粒子を含む分散体を準備する。この分散体を浸漬の間に穏やかに攪拌して、粒子の沈降を防止する。
【0024】Nomex ハニカムのスライスを、上記樹脂分散体の1、2又は3層の被膜で被覆して、3つの異なる密度を有する被覆されたコアサンプルを準備する。比較データを得るために、コーティング樹脂に熱可塑性樹脂の粒子を加えないことを除いて上述の手順と同じ手順で、Nomex コアのサンプルを被覆する。これら被覆されたサンプルを、圧縮モード、プレート剪断モード、及び、ショートビーム剪断モードでテストする。圧縮試験は、76mm 角で10mm 厚さのサンプルに対して行う。インストロン4483型試験機を、0.5mm/分のクロスヘッド速度で作動させる。プレート剪断試験(例2)は、150mm 長さ×50mm 幅×12.7mm 厚さの試験片に対して行う。Redux 312のフィルム接着剤(英国Duxford のHexcel Composites の製品)を用いて、上記コアをスチールプレート(215×50×12.7mm)に接合し、120℃の温度及び70kPa の圧力で硬化させる。この試験は、0.075mm/分のクロスヘッド速度で行う。ショートビーム剪断試験は、150×76.2×10mm の寸法を有するサンプルに対して行う。上記試験片は、以下のようにして、サンドイッチ構造として構成される。
【0025】外皮: Rガラス強化された単方向エポキシプリプレグ、27%樹脂、繊維の向きは、試験片の長手方向の軸線に対して直角である。
内皮: コア接着剤プリプレグは、上述のRガラスの単方向エポキシプリプレグ(繊維の向きは、試験片の長手方向の軸線に対して平行)から成る上側層と、41%の全樹脂含有率を与えるエポキシ接着剤から成る下側層とを含んでいる。
【0026】コア: 上述のように調製された、被覆されたハニカムサンプル。リボンの方向は、試験片の長手方向の軸線に対して直角。
【0027】試験片は、140℃の温度及び345kPa の圧力で、50分間硬化される。この試験は、上面の中央を横断する均一な荷重を用いて、3点曲げ構造で行い、下方の中心は、101.6mm だけ離れている。幅が25mm の荷重スプレッダを上記3点の各々に用いる。クロスヘッド速度は、2.54mm/分である。
【0028】
【表1】

【0029】この例は、Nomex コア用のコーティングとしてポリアミド微粒子の分散体を用いると、ショートビーム剪断強度が十分に改善され、圧縮強度が殆ど又は全く減少しないことを明らかに示している。
【0030】実施例 2実施例1と同様にして、熱可塑性のポリアミド微粒子材料のOrgasol 1002 D NAT 1(Elf Atochem の製品)の分散体を準備して、硬化された樹脂コーティングが5%及び10%以内のOrgasol の最終的な体積部分を得る。このコアサンプルは、実施例1と同様に被覆される。比較用の試験片に加えて、プレート剪断モードでの試験を行うために、以下の試験片を準備する。
【0031】
【表2】

【0032】
【表3】

【0033】上の結果から分かるように、高分子微粒子の添加剤の存在は、添加剤を全く含まない調節のプレート剪断強度よりも高い値までプレート剪断強度を増大させるだけではなく、極めて驚くべきことに、引張応力も増大させる。高分子微粒子の添加剤を加えても、圧縮強度は、実質的に変化しない。
【0034】実施例 345.5gのポリエーテルエーテルケトン(PEEK)粒子(Victrex PEEK 150XF、英国Huntingdon のPK Plastics の製品、平均粒子径25μm、より大きいPEEKの粒子を粉砕して調製した)の分散体を例1で述べた樹脂733.9gの中で調製する。これにより、細かいPEEK粒子を10重量%含む分散体が生ずる。この微粒子分散体を用いて、例1と同様の方法で、Nomexコアを被覆して、165±2kgm-3 の最終密度を有するサンプルを準備する。
【0035】
【表4】

【0036】この実施例は、コアを被覆するために用いる樹脂の中に熱可塑性材料の微粒子添加剤を用いることにより、改善されたショートビーム強度を得ることができ、その際に、圧縮強度の大きな変動はないことを示している。
【0037】実施例1ないし実施例3は、ハニカムコアのコーティング樹脂に高分子の微粒子材料を添加することにより、圧縮特性を減少させることなく、コアの剪断特性が大幅に改善されることを示している。
【0038】実施例 4この例においては、2つの異なる熱可塑性の高分子粒子の混合物を浸漬樹脂に添加する。高分子粒子の全容積%は、乾燥樹脂基準で、10%である。
【0039】従って、例1のフェノール・ホルムアルデヒドレゾール780gに対して、Orgasol 3202(AtoChem によって製造されるナイロン共重合体粒子)、及び、Orgasol 1009 EX DNAT 1(AtoChem によって製造される架橋ナイロン12粒子)を各々25.57g添加する。これらの粒子は、メーカーのデータによれば、約10−20μmの平均粒子径を有している。次に、上記樹脂混合物を用いて、例1と同様に、Nomex コアを被覆する。圧縮特性及び剪断特性に関して、以下の結果を得ている。
【0040】
【表5】

【0041】上の結果は、2つの異なる熱可塑性の高分子粒子を添加することにより、剪断強度が改善されるが、圧縮強度は実質的に変化しないことを示している。
【0042】実施例 5この実施例においては、浸漬樹脂に添加されるポリマー粒子は、熱硬化性である。従って、実施例1のフェノール・ホルムアルデヒドレゾール567gを35.25gの粉砕エポキシ樹脂粉末(平均粒子径:45ミクロン)に添加している。エポキシ樹脂は、4,4'-ジアミノフェノールメタン及び3,3'-ジエチル-4,4'-ジアミノフェノールメタンのテトラグリシジル誘導体、並びに、4-アミノフェノールのトリジルシジル誘導体の3,3'-ジアミノジフェニル・スルフォンとの反応生成物である。次に、3つの熱硬化性ポリマー粒子を含む浸漬樹脂を用いて、実施例1と同様に、Nomex コアを被覆する。圧縮特性及び剪断特性に関して、以下の結果が得られている。
【0043】
【表6】

【0044】上述の結果は、熱硬化性の微粒子ポリマーをハニカムコーティング樹脂に添加することにより、剪断強度が改善され、圧縮強度は実質的に変化しないことを示している。
【0045】実施例 6この実施例においては、浸漬樹脂に添加されるポリマー粒子は、熱硬化性の微粒子ポリマー及び熱可塑性の微粒子ポリマーの混合物を含んでいる。微粒子材料の全体積は、全樹脂固形物基準で、10%である。等しい体積の各々の微粒子材料を浸漬樹脂に添加する。従って、19.34gのOrgasol 3202、及び、21.27gの例Bのエポキシ樹脂粒子を実施例1のフェノール・ホルムアルデヒドレゾール622gに添加する。次に、この浸漬樹脂混合物を用いて、実施例1と同様に、Nomex コアを被覆する。圧縮特性及び剪断特性に関して、以下の結果が得られている。
【0046】
【表7】

【0047】上述の結果は、熱硬化性の粒子及び熱可塑性の粒子の混合物から成る高分子粒子をハニカムコア浸漬樹脂に添加すると、剪断強度が大幅に改善され、その際に、コアの圧縮強度には実質的に影響を与えないことを示している。
【0048】本発明の代表的な実施例を説明したが、本明細書の開示は、単に代表的なものであって、本発明の範囲内で他の種々の変形、適応及び変更を行うことができることを当業者は理解する必要がある。従って、本発明は、上述の特定の実施例においては限定されるものではない。
【出願人】 【識別番号】597001822
【氏名又は名称】ヘクセル・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Hexcel Corporation
【住所又は居所原語表記】579 4 W.Las Positas Boulevard,Pleasanton,California 94588,United States of America
【出願日】 平成9年(1997)7月22日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫 (外5名)
【公開番号】 特開平10−80965
【公開日】 平成10年(1998)3月31日
【出願番号】 特願平9−195886