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【発明の名称】 保護膜付コンクリート製品
【発明者】 【氏名】大森 明

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 予め、離型性シート上に天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択されるものを骨材とする塗材を塗布,乾燥させておき、この複合シートをコンクリート二次製品を製造するための型枠の内側に塗材層を内側にして仮固着し、型枠内にコンクリートを充填し、硬化させ、型枠のみを取り除くことを特徴とする塗材層を有するコンクリート製品の製造方法。
【請求項2】 予め、離型性シート上に天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択されるものを骨材とする塗材を塗布し、乾燥前に粒径1mm〜10mmの砕石を散布,乾燥させておき、この複合シートをコンクリート二次製品を製造するための型枠の内側に塗材層を内側にして仮固着し、型枠内にコンクリートを充填し、硬化させ、型枠のみを取り除くことを特徴とするコンクリート製品の製造方法。
【請求項3】 複合シートが、離型性シート上に成膜後クリヤーとなる塗料を塗布,乾燥させた後、天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択されるのもを骨材とする塗材を塗布,乾燥させたものあるいは、塗材を塗布後、この乾燥前に粒径1mm〜10mmの砕石を散布,乾燥させたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンクリート製品の製造方法。
【請求項4】 離型性シートが、割肌,ノミ,ビシャン,小叩き,ショットブラスト,ダイヤカット,バーナーなどの石材表面に似た凹凸を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載のコンクリート製品の製造方法。
【請求項5】 請求項1ないし請求項4の方法により得られる、表面に離型性シートおよび塗材層または砕石の散布のある塗材層を少なくとも有したことを特徴とする保護膜付コンクリート製品。
【請求項6】 保護膜付コンクリート製品を使用場所まで運搬し、使用場所にて保護膜のみを剥し使用することを特徴とするコンクリート製品の利用方法。
【請求項7】 離型性シートとこの表面に形成された、天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択される骨材と合成樹脂成分を主成分とする塗材層を特徴とするコンクリート製品製造に用いられる複合シート。
【請求項8】 離型性シートとこの表面に形成された、天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択される骨材および合成樹脂を主成分とする塗材層,塗材層中に散在固定された砕石粒を有することを特徴とするコンクリート製品製造に用いられる複合シート。
【請求項9】 離型性シートとこの表面に形成されたクリヤー塗料層,更にその表面に形成された天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択される骨材、および合成樹脂成分を主成分とする塗材層または、散在固定された砕石粒を有する塗材層を特徴とするコンクリート製品製造に用いられる複合シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建築物,構築物に利用されるコンクリート二次製品において、その露出部分表面に天然石に似た塗材層と保護膜を有した製品の製造方法,製品,利用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート二次製品において表面に樹脂製フィルム,無機質の骨材とバインダによりなる表面層,セメントとバインダと岩石粉末からなる無機塗料による被覆層を有するものが、特開平2−299833号公報において開示されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来において、樹脂製フィルム,表面層および被覆層から成る複合シートでは、セラミック被覆層がセメント,岩石粉末を主成分とするための可撓性はあまり期待できるものとならず、この部分の色調自体も単調なものとなった。また、表面層の骨材の固定もバインダ上への散布によるため、骨材の片寄りあるいは散布量の過多による接着力不足の危惧があった。
【0004】この発明を目的とするものは、樹脂製フィルム上に形成される化粧層を1回の塗装により行うようにし、また複合シートの可撓性あるいは化粧層部分の強度を確実なものにするものである。更に、この複合シートを利用してコンクリート二次製品を製造し、このコンクリート二次製品を使用する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願における請求項1の発明では、コンクリート二次製品の製造方法を目的とするものであり、その要旨は予め、離型性シート上に天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択されるものを骨材とする塗材を塗布,乾燥させておき、この複合シートをコンクリート二次製品を製造するための型枠の内側に塗材層を内側にして仮固着し、型枠内にコンクリートを充填し、硬化させ、型枠のみを取り除くこととしている。
【0006】請求項2の発明では、上記請求項1の発明における複合シートにおける化粧層を塗材および塗材中に散布される砕石により形成するものであり、その要旨は、予め、離型性シート上に天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択されるものを骨材とする塗材を塗布し、乾燥前に粒径1mm〜10mmの砕石を散布,乾燥させ、この複合シートをコンクリート二次製品を製造するための型枠の内側に塗材層を内側にして仮固着し、型枠内にコンクリートを充填し、硬化させ、型枠のみを取り除くこととしている。
【0007】請求項3の発明では、上記請求項1または請求項2の発明における複合シートが、実際に使用される場合において、化粧層中にクリヤー塗料層を持つようにしたものであり、その要旨は、請求項1または請求項2に記載のコンクリート製品の製造方法において、複合シートが、離型性シート上に成膜後クリヤーとなる塗料を塗布,乾燥させた後、天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択されるのもを骨材とする塗材を塗布,乾燥させたものあるいは、塗材を塗布後、この乾燥前に粒径1mm〜10mmの砕石を散布,乾燥させたものとしている。
【0008】請求項4の発明では、上記請求項1ないし請求項3に記載の離型性シートが、割肌,ノミ,ビシャン,小叩き,ショットブラスト,ダイヤカット,バーナーなどの石材表面に似た凹凸を有することを要旨とするものである。
【0009】請求項5の発明では、上記請求項1ないし請求項4の製造方法により得られる、表面に離型性シートおよび塗材層または砕石の散布のある塗材層を少なくとも有する保護膜付コンクリート製品を要旨としている。
【0010】請求項6の発明では、上記請求項1ないし請求項4の方法により得られた、請求項5にある保護膜付コンクリート製品を使用する場所まで運搬し、使用場所にて保護膜のみを剥して利用することを要旨としている。
【0011】請求項7の発明は、上記請求項1の発明において使用されている複合シートについての発明であり、離型性シートとこの表面に形成された、天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択される骨材と合成樹脂成分を主成分とする塗材層を要旨とするものである。
【0012】請求項8の発明は、上記請求項2の発明において使用されている複合シートについての発明であり、離型性シートとこの表面に形成された、天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択される骨材および合成樹脂を主成分とする塗材層,塗材層中に散在固定された砕石粒を有することを要旨とするものである。
【0013】請求項9の発明は、上記請求項3の発明において使用されている複合シートについての発明であり、離型性シートとこの表面に形成されたクリヤー塗料層,更にその表面に形成された天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択される骨材、および合成樹脂成分を主成分とする塗材層または、散在固定された砕石粒を有する塗材層を要旨とするものである。
【0014】以下、この発明の構成要素について、順に説明する。
(1) 複合シートを形成する素材の一つである離型性シートは、後述する塗材との離型性を有していることが第1の条件であり、他にコンクリート製品の型に合わせて切断し易いこと、実成したコンクリート製品から剥す際に割れたり千切れたりしないこと、薄肉であっても凹凸のある模様が潰れないことが望ましい。離型性シートに利用される樹脂フィルムの例としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリカーボネート,ポリアミド,ポリエステル等からなるフィルムがある。その中でもポリプロピレン製のフィルムの使用が離型性,引張強度,潰れにくさの点から最も好ましい。さらに、その厚みは0.1〜1.0mmであると好ましい。離型性シートは、これら合成樹脂のみからなるフィルム以外にも、発泡したフィルムあるいは充填材を含んだ形でシートにすることも可能である。しかし、充填材を含む時には離型性が悪くなるので、離型性シート表面に離型剤を塗布する必要も生じることがある。離型剤の種類としては、シリコーン樹脂,シリコーン油,ワックス,パラフィンが例示できる。
【0015】離型性シートの表面は、平滑なものから凹凸のある模様まで得ることが可能である。天然石に似た表面ということからすれば、平滑な磨き面,凹凸のある石材表面である割肌,ノミ,ビシャン,小叩き,ショットブラスト,ダイヤカット,バーナー仕上げとなった表面模様の反転型が離型性シート表面に持つこととなる。
【0016】(2) コンクリート製品に化粧層を転写させることになる塗材層は、天然石粒,着色骨材,セラミック骨材より選択される骨材および合成樹脂成分を主成分とするものである。利用される天然石粒には、カナリヤ,白王,寒水,小桜,淡雪,美濃霞,蛇紋等の大理石砕粒,硅砂,天然細砂利(金華,大磯,チエリーサンド)あるいは他の天然石の砕粒が挙げられる。着色骨材は、硅砂,寒水砂あるいはガラスビーズの表面にエナメル塗料を被覆したものが一般に用いられる。セラミック骨材は、粘土を焼成してなる陶磁器の砕粒である。これらの骨材の粒度は、細かいものは0.05mm程度のものから粗いものは5mm程度の範囲の中から、適宜選択される。
【0017】塗材層のもう一つの主成分である合成樹脂成分は、合成樹脂溶液あるいは合成樹脂エマルションの形により利用される。合成樹脂の例としては、酢酸ビニル樹脂,バーサチック酸ビニル樹脂,アクリル樹脂,スチレンアクリル樹脂,ウレタン樹脂,シリコーン樹脂あるいはこれらの共重合物が例示される。
【0018】(3) 離型性シート上への塗材層の形成は、単頭ガンあるいは多頭ガンによるスプレーあるいは塗材を吹き重ねすることにより形成される。この塗布量は、離型性シートを一面に覆う程度で良く、その量は100g/mより2,000g/m程のなかから適宜選択される。塗布後は、常法により乾燥されて塗材層と離型性シートが一体となった複合シートができあがる。
【0019】(4) 離型性シート上に、上記塗材層を形成させる時、更に塗材が乾燥前の流動性を有している状態において砕石を散布し、砕石が部分的に塗材の表面に露出した塗材層とすることもできる。散布後の露出量は、面積的にみた時、20%〜80%の中から適宜選択される。この時用いられる砕石の種類としては、先の天然石粒として例示した、カナリヤ,白王,寒水,小桜,淡雪,美濃霞,蛇紋等の大理石砕粒があり、他に硅砂,天然細砂利,人造の細砂も利用される。これらの砕石は、粒径1mm〜10mm程度にあるものが利用されて、塗材だけによる天然石凝似面に変化を与えることになる。この砕石の粒径は1mmより小さいと塗材にある骨材との圧別がなくなり、10mmより大きい時には複合シート全体の厚みを厚くし、重くすることとなる。
【0020】(5) 更に、離型性シート上に形成される塗材層は、コンクリート製品の塗材層表面側(露出側)において、クリヤー塗料層を持つことができる。この場合、離型性シートの上にクリヤー塗料を塗布,乾燥させた後、塗材層の形成あるいは塗料を塗布後,その乾燥前に前記砕石を散布して、一部砕石の露出のある塗材層を形成させる。クリヤー塗料の例としては、アクリル樹脂,ウレタン樹脂,フッソ樹脂,アクリル−シリコン樹脂をその主成分とするものが挙げられる。クリヤー塗料の塗布量は平米当り、50gから150g程度の中より適宜選択される。
【0021】(6) コンクリート製品の製造は、型枠の内側表面の必要個所に、複合シートを仮固着し、型枠内にコンクリートを充填し、硬化させ、型枠のみを取り除くことにより得られる、この時、複合シート中の塗材層は型枠の内側に露出する形において仮固着されることは言うまでもない。型枠の種類は合板,鋼板,プラスチックなどがあるが、その素材によってこの発明の方法が限定されるものでない。また、複合シートの型枠への仮固着は、接着力の弱い接着剤,両面接着テープによって止められたり、鋼製型枠の場合は、離型性シートに磁石シートを更に貼り合せて磁力により固定する方法がある。型枠内に鉄筋を配すること、型枠内にコンクリートを充填することは、従来のコンクリート製品製造と同様に行えば良い。コンクリートの充填に代えてモルタルやセメントペースト充填による製品も必要強度が大きくない時は製造される。コンクリートが硬化した後には、型枠を外すことにより表面に複合シートを有したコンクリート製品が得られる。
【0022】コンクリート製品の種類としては、歩道板,縁石,歩車道境界ブロック,側溝,側溝蓋,コンクリート平板,擁壁,間知ブロック,PC壁などが例示できる。複合シートを表面に一体化させる部分は、一般に人の目に触れる個所である。他の部分にも複合シートを被覆させることは可能であるが、意匠付与の効果とならない。
【0023】(7) 製造後のコンクリート製品の使用は、離型性シートを表面に有したまま使用場所まで運搬され、現場にて据え付けあるいは組み立ての前後の適当な時に離型性シートを剥して行われる。シート剥しを据え付けあるいは組み立ての前であるか後であるかの区別は、離型性シート内側の塗材層に傷または汚れが生じるかどうか、あるいは離型性シートの剥しを据え付け後等に可能であるかどうかにより判断すれば良い。
【0024】
【作用】この発明では、コンクリート製品において表面に化粧層を有するものを、その化粧層となる塗材層を持つ複合シートを予め作成することにより施工の簡略化と仕上げの均一化を計っている。そして、天然石に似せた化粧層の形成も一回の塗布により塗材層を形成するようにしている。
【0025】
【実施例】以上説明したこの発明の構成,作用をより一層明らかにするために実施例により説明する。図1はこの発明のコンクリート製品の製造方法の工程を示す組み図であり、図2は製造に用いられる複合シートの外観斜視図である。図3は、この発明の請求項8に係る複合シートの断面図である。図4は、この発明の請求項9に係る複合シートの断面図である。図中、符号1は離型性シートであり、2は塗材層,3は型枠,4はコンクリート,5は歩道用平板,6は複合シート,7は砕石,8はクリヤー塗料層を示している。
【0026】実施例1では、まず最初に複合シート6を作成した、離型性シートはホリプロピレン樹脂製の厚み1mmの発泡シートとし、表面にバーナー仕上げの反転型に似せた凹凸を持つものを利用した。塗材層を形成する塗材には、下記表1に示す配合1,同2,同3に記す建築用仕上塗材を利用した。塗布は、スプレーガンを3基並べて、同時に塗装し、それぞれの塗材が完全には混じり合わない仕上りが得られるようにした。塗布量は湿潤状態で平米当り1.6Kg平均とした。乾燥は熱風乾燥炉を240分通すことにより行った。
【0027】仕上塗材の配合【表1】

【0028】尚、着色骨材a1は黄土色、同a2は黄土色、同a3は淡灰色、同a4は、淡灰色に着色された硅砂であり、それぞれの粒径範囲はa1およびa3は0.05〜0.3mm、a2およびa4は0.02〜0.3mm(但し、0.05〜0.3mmの重量割合が80%にあるもの)であった。
【0029】寒水砂の粒径範囲は、0.1〜0.3mmであった。また、上記配合の配合1,配合2および配合3において、施工前のスラリー状態における水分および溶剤は、合成樹脂エマルション中の水も含めた時、乾燥被膜100重量部に対し16重量部を含むものであった。
【0030】次に、複合シートを合板製型枠の内側に両面粘着テープにより底面に固定した上でコンクリートを充填し、大きさが30×30cm,厚さ6cmのコンクリート平板を製造した。コンクリートが硬化後は、型枠を外し、塗材層および離型性シートの被覆のあるコンクリート製品が得られた。
【0031】得られたコンクリート製品は、歩道用平板として施工現場まで持ち込み、歩道上に敷き並べた後に離型性シートのみを剥して工事の完了とした。その結果、運搬中および施工の途中において塗材層が傷付くこと汚れることがなく、問題のない仕上りとなった。
【0032】実施例2では、離型性シートに付す凹凸を盲人誘導用の棒状突起の反転型とした。離型性シートの素材、塗材の組成等は実施例1と同じとした。実施例2では離型性シートの大きさを歩道用平板の平面積より大きくし、側面の一部も覆えるようにした。図1では、この製造手順を断面図の組み図により表わしている。図1の(イ)では離型性シート1の断面を示している。断面には塗材層およびコンクリートが棒状の凸起を形成するための凹部を有したものとなっている。また、歩道板の側面を覆うために利用される部分を切り離せるように用意し、平面の形状としては空箱を開いた形となっている。図1の(ロ)では、離型性シート1上に塗材層2を形成したものである。図1の(ハ)では、歩道用平板を製造するための型枠3の内側に塗材層が露出するように複合シートを仮固定した状態を示している。図では複合シートの厚みが大きく描かれているが、実際は歩道用平板の大きさ30×30cm,厚さ6cmに比べ、小さなもの2〜5mmとなる。また、図では複合シートの仮固定手段を示していないが、両面粘着テープあるいは両面粘着加工の発泡プラスチックシートを利用して、あるいは複合シートに接着剤を塗布して固定される。図1の(ニ)では、この型枠中にコンクリート4を充填した状態を示している。最後に図1の(ホ)では、コンクリート4が硬化した後に型枠を外した状態を示している。図では、歩道用平板5の表面および側面の一部に塗材層を有したコンクリート製品を供給することになるが、表面のみ、あるいは表面および側面の全てに塗材層を有するものも簡単な設計変更により製作可能となる。また、図では離型性シートが厚く描かれている為、離型性シートを剥した時、表面に段差が生じるように見えるが、実際は実用上問題のない範囲のものである。
【0033】実施例3では、作成するコンクリート製品を土留用のコンクリート積みブロックとした。ブロックの大きさは、幅×高さ×控え長さを25×40×35cmとし、表面の露出部分に複合シートを有するようにした。複合シートのうち離型性シートはポリエチレンテレフタレート(PET)製の発泡シートとし、表面の凹凸模様を割肌様の凹凸とした。この時は、凹凸の大きさが1cm以上となるので型枠の表面側成形部分にも、離型性シートの凹凸に合せた凹凸を持たせるようにした。塗材層を形成する塗材には、下記表2に示す配合4,同5,同6に記す建築用仕上塗材を利用した。塗布は、三頭ガンを利用し、離型性シート上に1.2Kg/m2の塗布量により塗装した。そして、塗材の塗装直後には、粒径3〜5mmの範囲にある砕石7を斑点状となるように散布し、乾燥させて複合シートとした。他の製造手段は、前述の実施例1あるいは実施例2の場合と同様に行った。
【0034】仕上塗材の配合【表2】

【0035】尚、着色骨材a5は淡灰色、同a6は黄色、同a7は黒色、同a8は黒色に着色された硅砂であり、それぞれの粒径範囲はa5およびa6は0.1〜1.0mm、a7は0.05〜0.5mm、a8は0.02〜0.3mm(但し、0.05〜0.3mmの重量割合が80%にあるもの)であった。また着色材a9は黒色である石炭粒であり、粒径範囲は0.2〜2.0mmであった。
【0036】寒水砂の粒径範囲は、0.1〜0.3mmであった。また、上記配合の配合4,同5および同6において、施工前のスラリー状態における水分および溶剤は、合成樹脂エマルション中の水も含めた時、乾燥被膜100重量部に対し16重量部を含むものであった。
【0037】得られたコンクリート積みブロックは、土留を行う現場へ搬入し、ブロックを積み上げた後に、離型性シートを剥した。その結果、上運搬中および施工の途中において塗材層が傷付くこと汚れることなく、問題のない擁壁面が得られた。
【0038】実施例4では、作成するコンクリート製品を、天然石の磨き表面に似せたコンクリート平板とした。平板の大きさは45×45cm,厚さ6cmであり、複合シートに用いる離型性シートはポリプロピレン製とし、表面が平滑なものとし、塗材は実施例3に用いたものと同じものを利用し、塗材の塗布前に、シリコン樹脂による離型剤,クリヤー塗料にアクリル−シリコン樹脂を主成分とする塗料を100g/m2の塗布量にして塗装し乾燥させ、クリヤー塗料層8とした。塗材の乾燥後には、コンクリート平板の型枠の底および側面内側を覆うように、複合シートを型枠の展開図に合せ、切り取り、仮固着して、コンクリート充填を行った。この時、複合シートの塗材層側を、型枠のコンクリート充填側に面するように仮固着している。コンクリート硬化後、型枠を外して得られた、コンクリート製品は、離型性シートを表面に持ったまま、建築現場へ持ち込み、位置決めを行った後、離型性シートを剥し、敷石として利用した。
【0039】
【発明の効果】この発明に利用される複合シートでは、塗材を用いることにより離型性シート一回の塗布によって、複合シートを作成可能とした。従って、複合シートの製造を簡略化している。コンクリート製品の表面に形成されている塗材層は、骨材の散布とバインダの塗布に比べ、均質な接着力を有することになり、骨材だけの脱落の可能性が小さくなる。また、塗布した骨材の隙間を埋める特開昭62−116670号に開示の無機質塗料が灰色ないし白色となり骨材部分と異質感を与えるのに対し、全面を塗材で覆った時には、この異和感はない。離型性シートにより覆われたコンクリート製品は、運搬あるいは取り扱い時に傷が付いたり汚れたりすることがなく、離型性シートが重量のあるコンクリート製品の塗材層の凹凸模様のツブレを防ぐことになる。また、コンクリート成形,脱型後に吹付塗装する場合は、塗材乾燥のための乾燥養生室が必要であるが、本発明によるコンクリート製品では必要ない。
【出願人】 【識別番号】000159032
【氏名又は名称】菊水化学工業株式会社
【出願日】 平成8年(1996)9月10日
【代理人】
【公開番号】 特開平10−86114
【公開日】 平成10年(1998)4月7日
【出願番号】 特願平8−263481