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【発明の名称】 パイプ加工装置
【発明者】 【氏名】吉田 弘志

【氏名】坂口 良

【要約】 【課題】本発明は、パイプ加工装置に関し、パイプ加工作業が終了し電源をOFFした時に、モータが惰力により回転しないようにして安全性を高めたパイプ加工装置を簡単な構成で実現することを目的とする。

【解決手段】被加工パイプを咬持して動力源30により回転駆動されるチャック22と、該チャック22を支持する主軸台20と、該チャック22に咬持された被加工パイプに加工を行うヘッド29と、該ヘッド29を保持する往復台27と、該往復台27を摺動可能に案内する案内軸25とを少なくとも具備してなるパイプ加工装置において、前記動力源30としてブレーキ付きモータ32を用いて成るように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被加工パイプを咬持して動力源(30)により回転駆動されるチャック(22)と、該チャック(22)を支持する主軸台(20)と、該チャック(22)に咬持された被加工パイプに加工を行うヘッド(29)と、該ヘッド(29)を保持する往復台(27)と、該往復台(27)を摺動可能に案内する案内軸(25)とを少なくとも具備してなるパイプ加工装置において、前記動力源(30)としてブレーキ付きモータ(32)を用いたことを特徴とするパイプ加工装置。
【請求項2】 前記ブレーキ付きモータ(32)はブラシを有するシリースモータにブレーキコイル(35)がアマチュア(33)と直列に接続して付加され、電源OFF時に該ブレーキコイル(35)によりアマチュア(33)を短絡することによりブレーキ作用が行われることを特徴とする請求項1記載のパイプ加工装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプ加工装置に関する。詳しくは、パイプ加工が終了し電源をOFFした時に、モータが惰力により回転しないようにして安全性を高めたパイプ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガス管、水道管等を継手を用いて接続する場合には、パイプの端部に所定の加工を行い、継手によって管どうしを接続している。この場合パイプに加工形成するには、図4に示すようなパイプ加工装置が用いられている。このパイプ加工装置は図4(a)に示すように、主軸台1に主軸2が支持され、該主軸2には前部にチャック3を有する締付ホイール4が取り付けられ、後部に後部チャック5が取り付けられている。
【0003】また主軸台1の前部にはラックを有する案内軸6が設けられ、該案内軸6上には前記ラックに噛み合うピニオンを有するハンドル7により左右に移動可能な往復台8が設けられ、該往復台8上にはカッタ9とパイプ加工用ヘッド10とが設けられている。なお、主軸2はモータ12により減速用ギアボックス11を介して回転駆動されるようになっている。
【0004】そして、締付ホイール4のチャック3に被加工管を咬え、モータ12により主軸2を回転しつつ、ハンドル8により往復台7を左方に移動させることにより、ヘッド10により被加工管に所定の加工をすることができるようになっている。
【0005】このようなパイプ加工装置では、加工作業を終えた後、スイッチを切っても惰力により主軸が回転し直ちに停止しない。このため不安全であるとして、EU圏のCE規格においてはスイッチOFF後主軸が1回転以内で停止しなければならないと定めている。このため、図4に示したパイプ加工装置では同図(b)に示すように、主軸台1と後部チャック5との間に断面が楔状の締付リング13とスラストリング14とよりなるバンドブレーキ15を設け、締付リング13をボルトにより締付て主軸2に予め負荷を与えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のバンドブレーキを有するパイプ加工装置では、装置が加工作業を終わって電源を切った後、バンドブレーキ15により主軸2の回転を止めることができ、安全上の問題は解決したが、締付リング13が主軸2を直接止めるため制動トルクを大きく設計する必要があり、実負荷以上の負荷となり装置が大きくなる。また締付リング13の磨耗により度々調整する必要があるという問題がある。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、パイプ加工作業が終了し電源をOFFした時に、モータが惰力により回転しないようにして安全性を高めたパイプ加工装置を簡単な構成で実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のパイプ加工装置に於いては、被加工パイプを咬持して動力源30により回転駆動されるチャック22と、該チャック22を支持する主軸台20と、該チャック22に咬持された被加工パイプに加工を行うヘッド29と、該ヘッド29を保持する往復台27と、該往復台27を摺動可能に案内する案内軸25とを少なくとも具備してなるパイプ加工装置において、前記動力源30としてブレーキ付きモータ32を用いたことを特徴とする。また、前記ブレーキ付きモータ32はブラシを有するシリースモータにブレーキコイル35がアマチュア33と直列に接続して付加され、電源OFF時に該ブレーキコイル35によりアマチュア33を短絡することによりブレーキ作用が行われることを特徴とする。
【0009】この構成を採ることにより、パイプ加工作業が終了し電源をOFFした時に、モータのブレーキコイルとアマチュアが発電機として作用してブレーキ作用を行うため、アマチュアは急速に停止し、主軸の回転を停止させることができる安全性の高いパイプ加工装置が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態を示す図である。同図において、20は主軸台、21は主軸であり、該主軸21には前部に前部チャック22を有する締付ホイール23が取り付けられ、後部に後部チャック24が取り付けられている。また主軸台20の前方にはラックを有する案内軸25が設けられ、該案内軸25上には前記ラックに噛み合うピニオンを有するハンドル26により左右に移動可能な往復台27が設けられ、該往復台27上にはカッタ28とパイプ加工用ヘッド29とが設けられている。また、主軸21の下方には該主軸21を駆動するは駆動源30とギアボックス31が設けられている。
【0011】そして、締付ホイール23のチャック22に被加工管をくわえ、駆動源30により主軸21を回転しつつ、ハンドル26により往復台27を左方に移動させることにより、パイプ加工用ヘッド29により被加工管に所定の切削加工をすることができるようになっている。以上の構成は図4で説明した従来例と同様であり、本実施の形態の特徴は、図4の従来例に設けられていたバンドブレーキ15を廃止し、且つ駆動源30にブレーキ付きモータ32を用いたことである。
【0012】本実施の形態の特徴であるブレーキ付きモータ32は、ブラシを有する直巻きモータであり、図2に示すような構成を有している。同図において、33はアマチュア、34はアマチュアに直列に接続されたフィールドコイルであり、35がブレーキコイルである。このブレーキコイル35もアマチュア33と直列に接続されている。
【0013】この、ブレーキ付きモータ32は操作用の3端子スイッチ36に接続されて用いられる。この操作用スイッチ36は3端子スイッチであり、■および■は固定接点端子、■は可動片37を回動自在に支持する端子である。そしてアマチュア33のフィールドコイル34と反対側の引出し線が■端子に接続され、ブレーキコイル35の一端が■端子に接続され、■端子およびフィールドコイル34の一端は電源に接続される。
【0014】このように構成された本実施の形態の作用を図1および図2により説明する。先ず図2において、スイッチ36の可動片37を■端子の方へ倒すと、電流は、電源からフィールドコイル34を通り、さらにアマチュア33を通って■端子、可動片37、および■端子を通って電源に戻る。これによりブレーキ付きモータ32は回転する。
【0015】ブレーキ付きモータ32が回転すると図1において、ギアボックス31を介して主軸21が回転し、チャック22に咬持した被加工パイプを回転させる。次いでハンドル26を回転して往復台27を左方に移動させることにより、パイプ加工用ヘッド29により被加工パイプに所定の切削加工を行うことができる。
【0016】加工が終わり、図2のスイッチ36の可動片37を■端子の方へ倒すと、電源よりモータ32へ行く電源は■端子と■端子間で遮断される。同時に可動片37により■端子と■端子間が接続されてブレーキコイル35がアマチュア33と直列に短絡される。これにより惰力により回転しているモータ32は発電機となって発電作用を行い、発生した電力はアマチュア33およびブレーキコイル35の中で熱となって消費される。この消費されるエネルギーによってアマチュア33にはブレーキが掛かることになり、主軸21を急速に(数分の1回転で)停止させることができる。
【0017】図3は前記3端子スイッチの代わりに6端子スイッチ38を用いた場合を示したものである。同図において、■は固定接点端子、■および■は可動片39,40を支持する端子である。そして■端子と■端子間は短絡線41により短絡されている。また■端子はブレーキコイル35に、■端子は電源に、■端子はアマチュア33にそれぞれ接続されている。
【0018】このように配線されたブレーキ付きモータ32は、スイッチをON側に倒せば、電流は電源からフィールドコイル34、アマチュア33、■端子、可動片39、■端子を通って電源に戻りモータ32を回転させる。また、スイッチをOFF側に倒せば、電源は■端子と■端子間で遮断されフィールドコイル34には電流は流れない。
【0019】同時に、アマチュア33とブレーキコイル35は■端子から可動片40を通り■端子を経て■端子により短絡される。そして、アマチュア33は発電作用を行い、発生した電力はアマチュア33およびブレーキコイル35内で消費され、この電力によりブレーキ作用が行われ、パイプねじ切り装置の主軸を急速に停止させることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明のパイプ加工装置に依れば、その主軸の駆動源にブレーキ付きモータを用いたことにより、従来のバンドブレーキが不要となり、装置が簡単になると共に保守も不要となる。また電源OFF時に主軸の回転を急速に停止させることができ、安全上極めて有効となる。
【出願人】 【識別番号】391010220
【氏名又は名称】レッキス工業株式会社
【出願日】 平成9年(1997)4月4日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外3名)
【公開番号】 特開平10−277840
【公開日】 平成10年(1998)10月20日
【出願番号】 特願平9−86703