| 【発明の名称】 |
鋳物用鋳型に用いる紙等の中入れ子 |
| 【発明者】 |
【氏名】喜多 清
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 紙等の有機繊維物を低融点の材料から成る型を用いて成型した、鋳型用中入れ子。
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【発明の詳細な説明】【0001】[発明の属する技術分野]この発明は、鋳物の製造に用いる鋳型の中に設置する、必要不可欠な、比較的精度の良い中入れ子に関するものである。 【0002】[従来の技術]従来より、鋳物の鋳型での中入れ子は、木製等の型により、それから容易に取り出しうるようにして作られた砂型のいくつかを、合わせたり、組付けたりして、一つの中入れ子の形にされることが多い。また、金型によるものでは、非常に高い熟練により精度を得ることで、漸く作られる。砂型で作られるものは、砂と砂粒結合剤を主原料とするため、その製作において粉塵、振動、騒音、不快な雰囲気の環境下で行われ、また、湿度、温度、等の作業条件にかなりの注意を必要とし、従って、その製作設備に費用がかかり、しかも、作られるものは取扱に注意が必要不可欠で、重量も比較的軽くないものが多い。金型で作られる場合にも、重設備で重い道具を扱い、取扱には特に注意を要し、作業環境もあまり良好ではなかった。いづれも、汚い、きつい、危険を伴うことの多い作業で、中入れ子が作られてきている。中入れ子を設置する鋳物用鋳型としては、従来の鋳型での欠点を解決するよう、すでに実願平5−37490号で紙およびその加工品による鋳型を出願している。 【0003】[発明が解決しようとする課題]次の項目が、上記に見られるような従来技術の欠点を解決する課題である。 (イ)出来る限り取扱のしやすい、軽量なものとすること。 (ロ)不快、かつ有害なガスの発生がないこと。 (ハ)中入れ子が、合わせ目等がなく、かつ比較的容易に、良好な精度の得られるものであること。 (ニ)製作費が低く、経験の豊かな技能、高度な専門の特殊技術がほとんど不要であること。製作に要する日時が短いこと。 (ホ)産業廃棄物としての処置に問題のないこと。 本発明は、これらに関しなされたものである。 【0004】[課題を解決するための手段]中入れ子を、紙等を成型して作り、極めて軽量なものとすることで、取扱のしやすいようにする。中入れ子が、低融点の材料で作成した外側、内側の型形状のものの間の空間に、紙等の有機繊維物を注入して作られた後、その低融点の材料は、加熱、溶融をし、流出、除去する。その後、残った中入れ子は取り出され、それを用いて鋳型が作られ、鋳造へと進む。有害ガスを生ずる、不快な作業環境となる、有機系の砂粒結合剤は用いない。 【0005】[発明の実施の形態]枠の中に、目的とする中入れ子を得るための、低融点の材料例えばウッド・メタルあるいは半田のような低融点の合金による型を作るのに必要な、形状および寸法の補正された原型を設置し、原型と容器の間に、低融点の材料の型を得るための比較的低い温度で溶解または崩壊する型を作る。その型を用いて、低融点の材料による中入れ子作成用の型が作られる。その低融点の材料での型の中へ、糊等の接着剤を加えた流動状の、紙等の有機繊維物を注入し、固結した後、加熱により低融点の材料を溶融、除去して、紙等により形成された中入れ子を取り出す。取り出した中入れ子の表面に、ジルコン系塗型剤を塗料として刷毛またはスプレーで塗布し、乾燥して、耐火物の薄層を形成させる。 【0006】[実施例]以下、本発明の実施例について説明する。[図1]は、その製造工程を示し、矢印は工程順序である。 (A)木、金属、有機硬化物等により予め作った側板(1)の囲いと底板(3)を組合せた枠の中に、中入れ子(20)の空所(21)に相当する低融点の材料から成るところの原型(2)を設置して、枠と原型との間の空間(4)に、固まった状態で使用されたのちに比較的低い温度で溶解または崩壊される、流動状をした型材料を入れ、それが固まった後、その固化物(5)を取り出す。 (B)(5)の中の空間(6)のところへ、中入れ子作成用の型となるウッド・メタルのような低融点の型材の加熱溶融したものを、注入し、それの凝固した後、その固化物(19)を得る。 (C)また、側板(7)と底板(9)を組合せた枠で形成される空間(8)に、同じ流動状の材料を入れ、それの固まったものを、低融点の材料で作られる固化物の型(16)を作成するのに必要な型(14)とする。 (D)同時に、側板(10)と底板(12)を組合せた枠の中に、中入れ子作成用型の外側に対応する原型(11)を設置して、枠と原型との間の空間(13)に、上記と同じ流動状の材料を入れる。 (E)(D)により、低融点の材料による固化物(16)を得るための型(15)を作る。 (F)さらに、側板(10)、底板(12)、原型(11)を用いて、同様に、低融点の材料の固化物(16)を保持するための、上記と同じ型材による保持型(17)を作る。 ここに記した(5)、(14)、(15)、(17)を作るための、流動状とした材料は、食塩または工業用塩(NaCl)に水(H2O)を約3%混合したもので、それを所定の空間(4)、(8)、(13)の中に充満させた後、その全体を冷凍固化し、保持枠や底板を全て取り除いて、形成された(5)、(14)、(15)、(17)を取り出す。この際、食塩または工業塩に代わり砂粒を用いてもよいが、その場合には、低融点の材料の加熱、溶解したものを注入して得られる型の固化物を取り出す時、砂粒と混合した水分が蒸発して、冷凍固化した(5)、(14)、(15)、(17)の型が崩壊するとともに砂による粉塵が発生する。この点、食塩または工業塩を使用する時には、冷凍固化した(5)、(14)、(15)、(17)に流水をかけるとか、それらを水に浸すとかすることで、食塩または工業塩が塩水として流れ去るので、全く粉塵を発生することなく低融点の材料による型の固化物を取り出すことが出来、環境上でも何ら問題が生じない。上記にある、(5)の中に出来ている空間、および(14)、(15)で作られる型の中の空間(16)へ注入される低融点の材料は、80〜90℃以下の溶融点をもつ低融点合金(例えば、Bi50%,Cd12.5%,Pb25%,Sn12.5%,のウッド・メタル(Wood’s Metal)等)に代表されるものである。加熱して溶融状とした、この低融点の材料を、(14)と(15)の間の空間(16)に注入して、紙等の有機繊維物で作られる中入れ子製作用の型の外側に当たる低融点の材料の固化物(16)を作る。同様に、(5)の中の空間(6)に注入して、内側に当たる低融点の材料の固化物(19)を作る。 (G)低融点の材料の固化物(16)と(19)との間の空間(18)に、古紙等の有機系繊維物を細かく砕いたものと糊等の接着剤との混合物より成る流動状の型作成用材料を充填し、それの硬化した後、乾燥をし、それに水のかからぬようにしながら、(16)の保持型(17)を水で崩壊させる。そのようにした後、残る低融点の材料の型(19)および(16)が溶解、流出する温度に加熱する。 (H)型(19)および(16)が、溶解し、流出、除去されることで、あとに残る空間(18)で形成された紙型等の中入れ子(20)を得る。このようにして得た、紙型等により形成された中入れ子(20)は、鋳型の中へ正確に設置するが、その前に、中入れ子の、鋳造時、鋳型に注入される溶融金属の接する部分には、ジルコン系の耐火物粉末より成る塗型剤を、スプレーあるいは刷毛などにより塗装し、乾燥して、その表面に薄い耐火物の被覆層を形成する。 本発明は以上のような構造で、この紙型等の中入れ子(20)を、すでに実願平5−37490号で出願している紙製の鋳型中に設置し、鋳物製作のための溶融金属を、鋳型中に注入する時、注入温度が1250〜1450℃の鋳鉄、650〜750℃のアルミニウム合金等の軽合金鋳物、950〜1250℃の銅合金鋳物のいずれでも、それらは注入する時間は数秒乃至数十秒であり、また鋼鋳物やNi、Cr等を含む合金の鋳物で厚さの薄い鋳物の場合も、注入温度が1500〜1600℃の時に、注入時間が数秒乃至十数秒であり、このように極めて短時間では、紙型等の中入れ子を被覆するよう形成された耐火物層が耐火度SK37以上、すなわち、溶融点1825℃以上のジルコニウムを主体とする、酸化物(ジルコン(ZrSiO4)、バッテリ石(ZrO2)など)系の耐火物塗型剤によるものであれば、鋳型が溶融金属で充満され鋳造が完了するまで、紙製の鋳型や中入れ子の破損はなく、鋳物は、その表面から冷却、凝固して十分にその形状が出来てしまう。溶融金属の注入が終わり、鋳造されてしまった鋳物は、鋳型や中入れ子を外すだけで容易に取り出すことが出来る。鋳物を取り出した後に、紙型等の残留物があるとしても、それは焼却炉あるいは熱処理の加熱炉などで焼却が出来、ほとんど産業廃棄物を生ずることがない。 【0007】[発明の効果]本発明による、砂型、金型での中入れ子に代わる紙型等の中入れ子では、次の効果が得られる。 (イ)製作される中入れ子は、中入れ子の形状の空間で一体に作られてしまうので、従来の上、下、左右の木型の組合せで作られるような合わせ目が出来ず、したがって、中入れ子の精度は良好なものとなる。 (ロ)中空の紙型等による中入れ子であるので、その特徴から、取り扱いなど全ての点で危険がなくなる。 (ハ)高価、かつかなりの製作日数を必要とする金型や組合せて形作られる木型のようなものよりも、経験も特殊技術もそれほどには要せず、したがつて、比較的費用が少なくてすみ、短日時で製作が出来る。 (ニ)比較的低い温度で溶解または崩壊する、塩と水の混合物を凍結させたような型およびウッド・メタルのような低融点の材料を用いての型により、中入れ子を作る過程では、常に約80〜90℃以下の温度で作業されるので、温度や湿度などの環境条件に、それほど厳しい管理はせずともよい。したがって、従来から極めて厳格な条件で管理することの必要不可欠な精密鋳造法でのような、環境管理、作業管理のための施設や設備が、不要である。 (ホ)製作に使用する設備は、形状、寸法を補正して、精度の高い所期の目的の中入れ子を得るに適合するよう、低融点の材料で外側および内側の型形状を作成したもので、紙等の有機繊維物を成型し、中入れ子とするため、従来のような重設備が必要でなく、作業の重労働が減少する。 (ヘ)作業および作業場の騒音、振動など不快な環境条件が、減少する。 (ト)この紙等による中入れ子は、鋳造完了後、焼却可能なため、これら一連の工程において、産業廃棄物は発生せず、これに関する問題がほとんどなくなる。 (チ)不快な有害ガスを発生する有機系の砂粒結合剤が、使用されないので、中入れ子製作や鋳型への溶融金属の注入などの作業で、衛生環境がよくなる。 (リ)低融点の材料として使用される、ウッド・メタル等の低融点合金では、約80〜90℃に加熱して溶解、除去されたものを、再度利用することが出来る。 (ヌ)古紙等の廃棄される資源を活用できる。 (ル)小さい中入れ子や薄い中入れ子の場合には、低融点の材料の固化物(19)を省いて用いず、空所(21)のない、中空でない中入れ子とし、充実した一体のものとすることもできる。 (ヲ)製作される中入れ子は、全て軽量なものになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】593131541 【氏名又は名称】喜多 清
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| 【出願日】 |
平成9年(1997)3月12日 |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開平10−249480 |
| 【公開日】 |
平成10年(1998)9月22日 |
| 【出願番号】 |
特願平9−100759 |
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