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【発明の名称】 低周波磁気シールド用材料
【発明者】 【氏名】齋藤 章彦

【目的】 交番磁場に対するシールド効果、特に5MHz以下の低周波交番磁場に対するシールド効果が大きく、かつ可撓性に富んだ磁気シールド用材料を提供する。
【構成】 最大透磁率1000以上を有する金属、PCパーマロイ、SUS430鋼などを冷間引抜きして、直径30μmの極細線とする。前記極細線を多線綾織して布状物とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属極細線よりなる布状物であって、前記金属極細線が、最大比透磁率1000以上を有する金属からなることを特徴とする低周波磁気シールド用材料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波防止ユニフォーム、OAエプロンなどに用いる磁気シールド用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビ、電気カーペット、パソコン用CRT、送電線等から放射される低周波の交番磁場が生体に及ぼす有害性については種々の報告がなされており、統計学的に有害であるとする結果、および、それとは逆に有害とはいえないとする結果等、現状では不明な点が多い。交番磁場が有害であるとする立場では、例えば、相本篤子「生体と電磁環境(4)」(EMC1995.2.5、No.82、P.28)に示されるように、多くの問題が知られている。そして従来、パソコン用ディスプレイ装置、テレビ等に用いられる陰極線管から放射される交番磁場の被曝から人体を防護する目的で、電磁波防止ユニフォーム、OAエプロンなどが実用化されている。しかしながら、従来実用化されているものは、5MHz以上の高周波数の交番磁場に対してはシールド効果が優れているが、前記のような家庭用電気製品その他の機器から発生する低周波の交番磁場に対するシールド効果は十分ではないという問題があった。現状において、交番磁場が生体に有害か否かが不明だとしても、交番磁場をシールドすることの意義は大きいと考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状に鑑みてなされたもので、交番磁場に対するシールド効果、特に5MHz以下の低周波交番磁場に対するシールド効果が大きく、かつ可撓性の良好な磁気シールド用材料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の低周波磁気シールド用材料は、金属極細線よりなる布状物であって、前記金属極細線が、最大比透磁率1000以上を有する金属からなることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の低周波磁気シールド用材料は、金属極細線を用いて形成した布状物である。金属極細線の直径と布の編み方によって可撓性に富んだものとすることができる。電磁波防止ユニフォーム、OAエプロンなどの生地として用いる場合には直径100μm以下の極細線を用いるのが好ましい。
【0006】前記金属極細線は、最大比透磁率1000以上を有する金属から、冷間引抜きを含む通常の極細線製造工程を経て製作することができる。なお、本発明における最大比透磁率の値は、金属の溶製材に適当な磁気焼鈍を施したものが有する値とする。前記金属の最大比透磁率を1000以上とする理由は、最大比透磁率1000未満では低周波交番磁場のシールド効果、特に5MHz以下の低周波交番磁場のシールド効果が十分でないからである。
【0007】
【実施例】表1に示す金属を冷間引抜きして、直径30μmの極細線とした。前記極細線を多線綾織して布状物とした。線は10本を1束とし、織りは1対4の綾織とした。なお、最大比透磁率の値は、JIS C 2531に示される直流磁気特性試験によって求めた。
【0008】
【表1】

【0009】上記のように製作した布状物から幅157mm×長さ150mmの布片を切取り、円筒形に丸めて突合部を縫合し、外径50mm×長さ150mmの中空円筒状の磁気シールド特性測定用供試体を製作した。磁気シールド特性は図1に示す装置を用いて測定した。即ち、リング状に捲いた一対のヘルムホルツコイル1、2を磁場源とし、発振器3、増幅器4、電流計5よりなる電源装置6よりヘルムホルツコイル1、2に励磁電流を供給してヘルムホルツコイル1、2の中間に均等磁場を形成する。均等磁場に磁気シールド特性測定用の供試体7を配置する。供試体7の中空部に外径15mm×長さ4mmのサーチコイル8を挿入する。電圧測定器9によって、供試体7を通過する漏洩磁束をサーチコイル8の出力電圧Eiとして測定する。また供試体7を置かない場合のサーチコイル8の出力電圧Eoを測定する。これらの値からシールド効果Sを下記(1)式によって求めた。
【0010】
S=20log(Eo/Ei) ・・・(1)
発振器3の周波数を種々に変えてシールド効果Sを求めた結果を表2に示す。
【0011】
【表2】

【0012】表2より、本発明の実施例は周波数が低い交番磁場に対してもシールド効果が低下することが少なく、比較材に対して、特に5MHz以下の交番磁場においてシールド効果の差が大きいことが判る。本発明の低周波磁気シールド材は、直径30μmの金属極細線を用いて、多線綾織して布状物とすることによって十分に可撓性に富んだものとすることができた。
【0013】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば、交番磁場における磁気シールド効果、特に5MHz以下の低周波磁気に対するシールド効果が大きく、かつ可撓性の良好な磁気シールド用材料を提供することができる。また、5MHz以上においても、Cu、Al、Niにほぼ匹敵するシールド効果が得られるため実用上使用可能である。
【出願人】 【識別番号】000003713
【氏名又は名称】大同特殊鋼株式会社
【出願日】 平成7年(1995)7月7日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
【公開番号】 特開平9−23085
【公開日】 平成9年(1997)1月21日
【出願番号】 特願平7−172062