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【発明の名称】 張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置
【発明者】 【氏名】前田 隆史

【氏名】梅林 徳二

【氏名】小野 康生

【氏名】木下 市之

【氏名】関口 知昭

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 鉄鋼プロセスラインの張力制御を行うブライドルロールの入側と出側との張力比から各ブライドルロールにかかる負荷分担を制御する張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置において、上記ブライドルロールの入側と出側との張力比に応じた上記各ブライドルロールにかかる負荷分担率をデータパターンとして設定する換算器と、その換算器に設定されたデータパターンに基づいて各ブライドルロールにかかる負荷分担を制御する負荷分担制御器とを備えたことを特徴とする張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置。
【請求項2】 換算器は、ブライドルロールの入側と出側との張力比と各ブライドルロールにかかる負荷分担率との関数に基づいて、その張力比に応じた各ブライドルロールにかかる負荷分担率をデータパターンとして設定するファンクションジェネレータであることを特徴とする請求項1記載の張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置。
【請求項3】 鉄鋼プロセスラインの張力制御を行うブライドルロールの入側と出側との張力比から各ブライドルロールにかかる負荷分担率を制御する張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置において、1つの上記ブライドルロール以外のブライドルロールの入側と出側との張力比に応じた上記1つのブライドルロール以外の各ブライドルロールにかかる負荷分担率をデータパターンとして設定する換算器と、全てのブライドルロールにかかる負荷分担率の和から上記1つのブライドルロール以外の各ブライドルロールにかかる負荷分担率の和を差し引き、その差し引いた値を残る1つの上記ブライドルロールの負荷分担率とする減算器と、上記換算器に設定されたデータパターンおよび上記減算器により演算された負荷分担率に基づいて各ブライドルロールにかかる負荷分担率を制御する負荷分担制御器とを備えたことを特徴とする張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置。
【請求項4】 ロールスリップしたブライドルロールに対応する換算器に設定されたデータパターンによる負荷分担率または減算器により演算された負荷分担率を0とし、その他の各ブライドルロールにかかる負荷分担率をそれら負荷分担率の比率に応じて上記ロールスリップしたブライドルロールの負荷分担率分を分担する補正器を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置。
【請求項5】 ロールスリップしている該当するブライドルロールをマニュアル操作により補正器に指令する第1の選択器を備えたことを特徴とする請求項4記載の張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置。
【請求項6】 各ブライドルロールを駆動する電動機に供給される電流値の減少に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令する第2の選択器を備えたことを特徴とする請求項4または請求項5記載の張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置。
【請求項7】 各ブライドルロールのロール周速値の変化に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令する第3の選択器を備えたことを特徴とする請求項4または請求項5記載の張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置。
【請求項8】 各ブライドルロールを駆動する電動機に供給される電流値の減少とそれら各ブライドルロールのロール周速値の変化とに応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令する第4の選択器を備えたことを特徴とする請求項4または請求項5記載の張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置。
【請求項9】 各ブライドルロールのロール周速値を検出するパルスジェネレータと、板速度を検出する板速検出器と、上記パルスジェネレータにより検出された各ブライドルロールのロール周速値と上記板速検出器により検出された板速度との差に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令する第5の選択器を備えたことを特徴とする請求項4または請求項5記載の張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置。
【請求項10】 各ブライドルロールのロール周速値を検出するレーザ速度計と、板速度を検出する板速検出器と、上記レーザ速度計により検出された各ブライドルロールのロール周速値と上記板速検出器により検出された板速度との差に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令する第6の選択器を備えたことを特徴とする請求項4または請求項5記載の張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄鋼プロセスラインの張力制御を行うブライドルロールの負荷分担を制御する張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図17は従来の鉄鋼プロセスラインを示す構成図であり、図において、1は鉄鋼板、2は入側ブライドルロール(ブライドルロール)、3は中側ブライドルロール(ブライドルロール)、4は出側ブライドルロール(ブライドルロール)であり、各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4により張力制御された鉄鋼板1は出側ルーパに流される。また、このような各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率制御は、入側と出側の鉄鋼板1の張力比(T4/T1)から各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率を導出するための複雑な演算を行い、各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4を駆動する電動機に供給する電流値の制御により行われていた。
【0003】次に動作について説明する。図17に示す入側、中側および出側ブライドルロール2〜4に分担されるべき負荷の比率を求める。入側張力T1と出側張力T4の段差に必要な摩擦係数μは各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の巻き付け角をそれぞれθ1,θ2,θ3とすると、【数1】

となる。各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4に分担されるべき負荷L1〜L3は、【数2】

となり、従って、各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4に分担されるべき負荷L1〜L3と全負荷との比率、即ち、負荷分担率は、【数3】

となり、以上のように入側と出側の鉄鋼板1の張力比(T4/T1)より計算式により負荷分担率を求めていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置は以上のように構成されていたので、入側と出側の鉄鋼板1の張力比(T4/T1)から各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率を導出するための複雑な演算を行っていたため、ソフトウェア上の処理時間が膨大なものとなり、出力応答性が悪くなる課題があった。また、入側と出側の張力が等しい時(T1=T4)、計算式(7)〜(9)では分母が0となるため、ソフトウェア上で回避する処理を行う必要があり、ソフトウェア上の処理時間が増加する課題があった。さらに、各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4にロールスリップが起こった際に、負荷バランスが崩れるため、各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の前後で張力変動が発生してしまうなどの課題があった。
【0005】この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、出力応答性を良好にし、また、入側と出側の張力が等しい時でも簡易に適正な負荷分担率を出力すると共に、ロールスリップが起こっても自動的にロールスリップしていないブライドルロールに負荷を与えるように負荷分担率の補正を行う張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係る張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置は、ブライドルロールの入側と出側との張力比に応じた各ブライドルロールにかかる負荷分担率をデータパターンとして設定する換算器と、そのデータパターンに基づいて各ブライドルロールにかかる負荷分担を制御する負荷分担制御器とを備えたものである。
【0007】請求項2記載の発明に係る張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置は、換算器を、張力比と各ブライドルロールにかかる負荷分担率との関数に基づいて、データパターンを設定するファンクションジェネレータとしたものである。
【0008】請求項3記載の発明に係る張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置は、1つのブライドルロール以外のブライドルロールの入側と出側との張力比に応じた1つのブライドルロール以外の各ブライドルロールにかかる負荷分担率をデータパターンとして設定する換算器と、全てのブライドルロールにかかる負荷分担率の和から1つのブライドルロール以外の各ブライドルロールにかかる負荷分担率の和を差し引き、その差し引いた値を残る1つのブライドルロールの負荷分担率とする減算器と、換算器に設定されたデータパターンおよび減算器により演算された負荷分担率に基づいて各ブライドルロールにかかる負荷分担率を制御する負荷分担制御器とを備えたものである。
【0009】請求項4記載の発明に係る張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置は、ロールスリップしたブライドルロールに対応する換算器に設定されたデータパターンによる負荷分担率または減算器により演算された負荷分担率を0とし、その他の各ブライドルロールにかかる負荷分担率をそれら負荷分担率の比率に応じてロールスリップしたブライドルロールの負荷分担率分を分担する補正器を備えたものである。
【0010】請求項5記載の発明に係る張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置は、ロールスリップしているブライドルロールをマニュアル操作により補正器に指令する第1の選択器を備えたものである。
【0011】請求項6記載の発明に係る張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置は、各ブライドルロールを駆動する電動機に供給される電流値の減少に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令する第2の選択器を備えたものである。
【0012】請求項7記載の発明に係る張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置は、各ブライドルロールのロール周速値の変化に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令する第3の選択器を備えたものである。
【0013】請求項8記載の発明に係る張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置は、各ブライドルロールを駆動する電動機に供給される電流値の減少とそれら各ブライドルロールのロール周速値の変化とに応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令する第4の選択器を備えたものである。
【0014】請求項9記載の発明に係る張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置は、パルスジェネレータにより検出された各ブライドルロールのロール周速値と板速検出器により検出された板速度との差に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令する第5の選択器を備えたものである。
【0015】請求項10記載の発明に係る張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置は、レーザ速度計により検出された各ブライドルロールのロール周速値と板速検出器により検出された板速度との差に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令する第6の選択器を備えたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置を示す構成図であり、図において、11は入側と出側の鉄鋼板1の張力T1,T4から張力比(T4/T1)を求める除算器、12a〜12cは張力比と各入側、中側および出側ブライドルロール(ブライドルロール)2〜4にかかる負荷分担率との計算式(7)〜(9)に基づいて、その張力比に応じた各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4にかかる負荷分担率をデータパターンとして設定するファンクションジェネレータ(換算器)である。
【0017】13a〜13cは各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4を駆動する電動機、14a〜14cは電動機13a〜13cに供給される電流を検出する変流器、15は変流器14a〜14cにより検出された電流I1 〜I3 の電流和Iを算出する総和器である。16a〜16cはファンクションジェネレータ12a〜12cから出力される各負荷分担率と総和器15によって算出された電流和Iとを乗算する乗算器、17a〜17cは乗算器16a〜16cの出力から電流I1 〜I3 を減算する減算器、18a〜18cは減算器17a〜17cの出力に基づいて各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4にかかる負荷分担を制御するように電動機13a〜13cに電流を供給する入側、中側および出側ブライドルロール負荷分担制御器(負荷分担制御器)である。
【0018】次に動作について説明する。入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の入側と出側の張力はラインの状況により変化する。その際、鉄鋼板1の張力を一定に保つために各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4にかかる負荷分担率を求める必要がある。そこで、ファンクションジェネレータ12a〜12cに入側と出側の張力比(T4/T1)に対する各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率を出力させるためのデータパターンを設定することにより複雑な計算をする必要なく、ダイレクトに各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率の導出が可能となり、演算時間の短縮とそれに伴う出力応答性の向上を図ることができる。
【0019】図2はファンクションジェネレータの近似特性の算出方法を示す説明図である。ファンクションジェネレータ12a〜12cへのデータパターンの具体的設定方法は、まず、入側と出側の張力比(T4/T1)をXとし、対応する各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率をYとして、計算式(7)〜(9)に基づいて、各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4毎に任意な間隔で(x0 ,y0 )、(x1 ,y1 )、(x2 ,y2 )・・・(xn ,yn)の座標を算出しプロットする。この場合の各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の巻き付け角θ1,θ2,θ3はその装置に依存するので、巻き付け角θ1,θ2,θ3およびそれらの総和θを予め設定すると共に算出しておく。次に、プロットされた点を通る近似特性を上記座標から算出する。図2は近似特性として1次式を用いた例であり、この場合、入力をXとすればxi <X<xi+1 に対し出力Yは、 Y=yi +{(yi-1 −yi )/(xi-1 −xi )}×(X−xi
但し、X<x0 のときY=y0 ,X>xn-1 のときY=yn-1 ・・・・・(10)
であり、この計算式(10)から近似特性を求めることができる。
【0020】図3はファンクションジェネレータのデータパターンの概念図であり、図に示すように、入側と出側の張力比(図2のX軸:T4/T1)を0.1刻みで0〜5まで設定し、その張力比(T4/T1)の0.1刻みの値に対応する各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率(図2のY軸:L1/ΣLn,L2/ΣLn,L3/ΣLn)を上記図2で示した近似特性から算出しパラメータとして設定する。図4は上記パラメータを設定した結果得られる張力比に対応する負荷分担率の特性図である。
【0021】このファンクションジェネレータ12a〜12cに設定されたデータパターン(図3)に基づいて、除算器11から出力される張力比(T4/T1)に応じた各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4にかかる負荷分担率(L1/ΣLn,L2/ΣLn,L3/ΣLn)を抽出し、それら負荷分担率に基づいて入側、中側および出側ブライドルロール負荷分担制御器18a〜18cにより電動機13a〜13cに供給する電流を制御することによって、各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4にかかる負荷分担を制御することができる。なお、この実施の形態1では、入側、中側および出側ブライドルロール2〜4を3つ用いた装置について示したが、ブライドルロールは4つ以上であってもよく、ファンクションジェネレータにより張力比に応じた4つ以上のブライドルロールにかかる負荷分担率を設定することによって実現することができる。また、入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の巻き付け角θ1,θ2,θ3およびそれらの総和θが異なる装置の場合は、その異なるθ1,θ2,θ3,θの値に応じてデータパターンを設定すればよい。さらに、この実施の形態1では、座標から近似特性の算出にあたって1次式を用いた例を示したが、もっと精度の高い近似式を用いてもよい。
【0022】以上のように、この実施の形態1の発明によれば、入側と出側の張力比による入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率をファンクションジェネレータ12a〜12cに設定することにより、各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率をダイレクトに出力させることができ、従って、制御中において複雑な計算式を使用しなくて済み、演算時間の短縮とそれに伴う出力応答性の向上を図ることができる効果がある。さらに、データパターンの設定にあたってファンクションジェネレータ12a〜12cを用いたことにより、極めて容易にデータパターンを設定できる効果がある。
【0023】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形態2による張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置を示す構成図であり、図において、19は全ての入側、中側および出側ブライドルロール2〜4にかかる負荷分担率の和(1)から出側ブライドルロール4以外の各入側、中側ブライドルロール2,3にかかる負荷分担率の和(K1 +K2 )を差し引き、その差し引いた値(1−(K1 +K2 ))を出側ブライドルロール4の負荷分担率とする減算器である。その他の構成については実施の形態1と同様なので重複する説明を省略する。
【0024】次に動作について説明する。実施の形態1では、全ての入側、中側および出側ブライドルロール2〜4に対してファンクションジェネレータ12a〜12cを設けたが、図2に示すように減算器19を設けることにより、1つのファンクションジェネレータ12cを不要にしても負荷分担率を得ることができる。即ち、この減算器19は全ての入側、中側および出側ブライドルロール2〜4にかかる負荷分担率の和が(1)になることを利用して、出側ブライドルロール4以外の入側、中側ブライドルロール2,3に対してはファンクションジェネレータ12a,12bを設け、それら入側、中側ブライドルロール2,3の負荷分担率を出力させ、残る1つの出側ブライドルロール4の負荷分担率は入側、中側および出側ブライドルロール2〜4にかかる負荷分担率の和(1)よりファンクションジェネレータ12a,12bより出力された負荷分担率の和(K1 +K2)を差し引く機構を有するものである。これにより、ファンクションジェネレータ12cを不要にすることができると共に、データパターンを設定する必要がなくなり、構成を容易にできると共に、データパターンの設定時間の短縮および設定ミスの削減を行うことが可能となる。
【0025】以上のように、この実施の形態2の発明によれば、1つの出側ブライドルロール4以外の全ての入側、中側ブライドルロール2,3に対して入側と出側の張力比による負荷分担率のデータパターンをファンクションジェネレータ12a,12bに設定することで負荷分担率をダイレクトに出力し、残る1つの出側ブライドルロール4の負荷分担率は全ての入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率の和(1)からファンクションジェネレータ12a,12bより出力された入側、中側ブライドルロール2,3の負荷分担率の和(K1 +K2 )を差し引くことにより、1つの出側ブライドルロール4に対してはファンクションジェネレータ12cを使用しないので、構成を容易にできると共に、データパターンの設定時間の短縮および設定ミスの削減を図れる効果がある。
【0026】実施の形態3.図6はこの発明の実施の形態3による張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置を示す構成図であり、図において、20はロールスリップしたブライドルロールに対応するファンクションジェネレータに設定されたデータパターンによる負荷分担率を(0)とし、その他の各ブライドルロールにかかる負荷分担率をそれら負荷分担率の比率に応じて上記ロールスリップしたブライドルロールの負荷分担率分を分担するように定数を出力する補正器、21a〜21cは補正器20から出力された定数とファンクションジェネレータ12a〜12cから出力された負荷分担率とを乗算する乗算器である。その他の構成については実施の形態1,2と同様なので重複する説明を省略する。
【0027】次に動作について説明する。実施の形態1ではロールスリップに関係なくファンクションジェネレータ12a〜12cにより負荷分担率を得ているが、図6に示すように、補正器20を設けることで、ロールスリップ時においてより適正な負荷分担率を得ることができる。即ち、この補正器20はロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択による定数が設定されたデータテーブルを持ち、乗算器21a〜21cによりそのデータテーブルに設定された定数をファンクションジェネレータ12a〜12cからの負荷分担率に乗ずる機構を有するものである。
【0028】図7は補正器のデータテーブルを示す概念図であり、このデータテーブルの具体的導出方法を説明する。図7において、定数(0.000)は、負荷分担制御を切ったブライドルロールを示す。例えば、出側ブライドルロール4の負荷分担制御を切った場合、入側ブライドルロール2の負荷分担率はファンクションジェネレータ12aより出力される分担率(0.201)に定数(1.789)を乗じた値(0.201×1.789=0.360)となる。
【0029】次に、入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の全てに負荷がかかる場合の各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率を(A)に示す。(A)は、ファンクションジェネレータ12a〜12cより出力され、3つの入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率の和は(1)となる。(B)は負荷をかけるブライドルロールが入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の場合の定数を表し、(B)の定数を(A)の分担率に乗ずることにより各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4にかかる負荷分担率を出力する。(C)は負荷をかけるブライドルロールが入側および中側ブライドルロール2,3の定数を表し、(B)の場合と同様に(C)の定数を(A)の分担率に乗ずることにより各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4にかかる負荷分担率を出力する。定数の導出方法は、(A)に示している各ブライドルロールの分担率のうち負荷をかけない出側ブライドルロール4の分担率を(0.441)より(0.000)にした場合、(A)より入側ブライドルロール2と出側ブライドルロール4の分担率の和は、(0.201+0.358=0.559)となり、この値を(1.000)にするためには、(1.000÷0.559=1.789)となりこの値が定数となる。(D),(E)についても同様であり、(D)については中側ブライドルロール3の負荷分担制御を切った場合、(E)については入側ブライドルロール2の負荷分担制御を切った場合の定数を示している。これにより、ロールスリップ時にも補正をかけることで各ブライドルロールに適正な負荷を与えることが可能となり、張力制御の信頼性を向上させることができる。
【0030】以上のように、この実施の形態3の発明によれば、ファンクションジェネレータ12a〜12cより出力された負荷分担率にロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択により予め設定された定数を乗ずることにより補正をかけるようにしたので、ロールスリップしても張力変動が起こることなく、これにより張力制御の信頼性を向上できる効果がある。
【0031】実施の形態4.図8はこの発明の実施の形態4による張力制御ブライドルロール負荷分担制御装置を示す構成図である。実施の形態2では、ロールスリップに関係なく、ファンクションジェネレータ12a,12bと減算器19により負荷分担率を得ているが、この図8に示すように、減算器19と補正器20とを設けることで、ロールスリップ時においてより適正な負荷分担率を得ることができる。
【0032】以上のように、この実施の形態4の発明によれば、1つのブライドルロール以外の全てのブライドルロールの負荷分担率をファンクションジェネレータより出力し、さらに、負荷をかけるブライドルロール選択により設定された定数を乗ずることにより補正をかけ、残る1つのブライドルロールの負荷分担率は、全入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷分担率の和(1)より他のブライドルロールの補正後の負荷分担率の和(K1 +K2 )を差し引いたものとすることにより、1つのブライドルロールに対してはファンクションジェネレータを使用せず、しかもロールスリップによる補正もかけるので、データパターンの設定時間の短縮および設定ミスの削減と張力制御の信頼性の向上を同時に図れる効果がある。
【0033】実施の形態5.図9はこの発明の実施の形態5による選択器を示す構成図であり、図において、22a〜22cはロールスリップしているブライドルロールをマニュアル操作により補正器20に指令するオペレータスイッチ(第1の選択器)である。
【0034】次に動作について説明する。実施の形態3において、ロールスリップによる補正をかけているが、図9に示すように、オペレータスイッチ22a〜22cを設けることで、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を可能にしている。即ち、このオペレータスイッチ22a〜22cはロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択をスイッチ操作によりブライドルロール選択の入/切を行うことができるようにしたものである。これにより、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択をオペレータの判断により選択することが可能となり、ロールスリップを検出する検出器の故障によらず確実に負荷をかけるブライドルロールの選択を行うことができる。
【0035】以上のように、この実施の形態5の発明によれば、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択をオペレータスイッチ22a〜22cのスイッチ操作により行えるようにしているので、ロールスリップを検出する検出器の故障によらず確実にブライドルロールの選択を行うことができる効果がある。
【0036】実施の形態6.図10はこの発明の実施の形態6による選択器を示す構成図であり、図において、23は各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4を駆動する電動機13a,13b,13cに供給される電流値の減少に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器20に指令する選択器(第2の選択器)である。
【0037】次に動作について説明する。実施の形態5において、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択はオペレータスイッチ22a〜22cのスイッチ操作により行ったが、図10に示すように選択器23を設けることでロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を自動的に行うことができる。即ち、この選択器23は、各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4を駆動する電動機13a〜13cに供給される電流を変流器14a〜14cにより検出し、それら変流器14a〜14cにより検出された電流フィードバック値から各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷状態をバッファリングし、その傾向をみることでロールスリップを検出し、該当するブライドルロールを自動的に補正器20に指令する機構を有するものである。
【0038】具体的には、図10において、各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4を駆動させる電動機13a〜13cの電流フィードバック値が電流設定値に対するヒステリシスによって決まる下限値以下となった場合、その時間が一定値以上であると減少フラグをオンする。次に、3つの入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の減少フラグのうち1つのみオンしている場合、そのオンしているフラグに対応するブライドルロールがスリップしていると判定して負荷分担制御から切り離すよう補正器20に指令し、オンしているフラグが2つ以上の場合はロールスリップとは判定せず、ロールスリップ以外の何らかの原因で電流フィードバック値が低下したものと判定して負荷分担制御から切り離さないこととする。これにより、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を手動によらず自動的に行うことができる。
【0039】以上のように、この実施の形態6の発明によれば、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の電流フィードバック値から各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷状態をバッファリングし、その傾向をみることでロールスリップを検出し、該当するブライドルロールを自動的に補正器20に指令することができる効果がある。
【0040】実施の形態7.図11はこの発明の実施の形態7による選択器を示す構成図であり、図において、24は各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値の変化に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器20に指令する選択器(第3の選択器)である。
【0041】次に動作について説明する。実施の形態6において、ロールスリップの判断基準として入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の電流フィードバック値の変化をみていたが、図11に示すように、選択器24を設けることで入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の周速値からロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を自動的に行うことができる。即ち、この選択器24は、各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値から各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の負荷状態をバッファリングし、その傾向をみることでロールスリップを検出し、該当するブライドルロールを自動的に補正器20に指令する機構を有するものである。具体的には、図11において入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の周速値が速度設定値に対するヒステリシスによって決まる上限値以上となった場合、その時間が一定値以上であると増加フラグをオンする。次に3つの入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の増加フラグのうち1つのみオンしている場合、そのオンしているフラグに対応するブライドルロールがスリップしていると判定して負荷分担制御から切り離すよう補正器20に指令し、オンしているフラグが2つ以上の場合はロールスリップとは判定せず、ロールスリップ以外の何らかの原因でロール周速値が上昇したものと判定して負荷分担制御から切り離さないこととする。これにより、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を手動によらず自動的に行うことができる。
【0042】以上のように、この実施の形態7の発明によれば、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択をブライドルロールのロール周速値から負荷状態をバッファリングし、その傾向をみることでロールスリップを検出し、該当するブライドルロールを自動的に補正器20に指令することができる効果がある。
【0043】実施の形態8.図12はこの発明の実施の形態8による選択器を示す構成図であり、図において、25は各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4を駆動する電動機13a〜13cに供給される電流値の減少とそれら各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値の変化とに応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器20に指令する選択器(第4の選択器)である。
【0044】次に動作について説明する。実施の形態6におけるロールスリップの判断基準としては各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の電流フィードバック値のみを、また、実施の形態7におけるロールスリップの判断基準としては各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値のみを見ていたが、図12に示すように選択器25を設けることで、電流フィードバック値とロール周速値との両方からロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を自動的に行うことができる。即ち、この選択器25は各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の電流フィードバック値とロール周速値を同時にバッファリングし、その傾向をみることでロールスリップを検出し、該当するブライドルロールを自動的に補正器20に指令する機構を有するものである。
【0045】具体的には、図12において各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4を駆動させる電動機13a〜13cの電流フィードバック値が電流設定値に対するヒステリシスによって決まる下限値以下となった場合、その時間が一定値以上であると減少フラグをオンする。また、各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値が速度設定値に対するヒステリシスによって決まる上限値以上となった場合、その時間が一定値以上であると減少フラグをオフする。次に3つの入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のそれぞれに対して電流フィードバック値による減少フラグがオンで、かつロール周速値による減少フラグがオフしている場合、対応しているブライドルロールがスリップしていると判定して負荷分担制御から切り離すこととする。これにより、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を手動によらず自動的に行うことができる。
【0046】以上のように、この実施の形態8の発明によれば、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の電流フィードバック値とロール周速値から負荷状態をバッファリングし、その傾向を同時にみることでロールスリップを検出しているので、電流フィードバック値のみ、あるいはロール周速値のみでロールスリップを検出している場合よりもより正確にロールスリップを検出できる効果がある。
【0047】実施の形態9.図13はこの発明の実施の形態9による鉄鋼プロセスラインを示す構成図であり、図において、26a〜26cは各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値を検出するパルスジェネレータ、27は鉄鋼板1の板速度を検出する板速検出器である。また、図14はこの発明の実施の形態9による選択器を示す構成図であり、図において、28はパルスジェネレータ26a〜26cにより検出された各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値と板速検出器27により検出された板速度との差に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器20に指令する選択器(第5の選択器)である。
【0048】次に動作について説明する。実施の形態6におけるロールスリップの判断基準としては各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4の電流フイードバック値のみを、また、実施の形態7におけるロールスリップの判断基準としては各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値のみを見ているが、図13に示すようなパルスジェネレータ26a〜26cおよび板速検出器27と図14に示すような選択器28を設けることでロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を自動的に行うことができる。即ち、この選択器28は、パルスジェネレータ26a〜26cにより検出された各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値と板速検出器27により検出された板速度との差をバッファリングし、その傾向をみることでロールスリップを検出し、該当するブライドルロールを自動的に補正器20に指令する機構を有するものである。具体的には、図14において板速検出器27から得られる板速度と各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4に取り付けられたパルスジェネレータ26a〜26cから得られるロール周速との偏差がDバンド内である場合、対応するブライドルロールは負荷分担制御を行い、偏差がDバンド外である場合、対応しているブライドルロールがスリップしていると判定して負荷分担制御から切り離すこととする。これにより、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を手動によらず自動的に行うことを可能とする。
【0049】以上のように、この実施の形態9の発明によれば、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択をパルスジェネレータ26a〜26cにより検出された各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値と板速検出器27により検出された板速度との差に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を手動によらず自動的に行うことができると共に、電流フィードバック値のみ、あるいはロール周速値のみでロールスリップを検出している場合よりもより正確にロールスリップを検出できる効果がある。
【0050】実施の形態10.図15はこの発明の実施の形態10による鉄鋼プロセスラインを示す構成図であり、図において、29a〜29cは各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値を検出するレーザ速度計である。また、図16はこの発明の実施の形態10による選択器を示す構成図であり、図において、30はレーザ速度計29a〜29cにより検出された各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値と板速検出器27により検出された板速度との差に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器20に指令する選択器(第6の選択器)である。
【0051】次に動作について説明する。実施の形態9におけるロール周速値の測定は、パルスジェネレータ26a〜26cによって行っているが、図15に示すようなレーザ速度計29a〜29cおよび板速検出器27と図16に示すような選択器30を設けることでロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を自動的に行うことができる。即ち、この選択器30は、レーザ速度計29a〜29cから測定された各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値と板速検出器27から測定された板速度との差をバッファリングし、その傾向をみることでロールスリップを検出し、該当する入側、中側および出側ブライドルロール2〜4を自動的に補正器20に指令する機構を有する。具体的には、図16において板速検出器27から得られる板速度と各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4に取り付けられたレーザ速度計29a〜29cから得られるロール周速値との偏差がDバンド内である場合、対応するブライドルロールは負荷分担制御を行い、偏差がDバンド外である場合、対応しているブライドルロールがスリップしていると判定して負荷分担制御から切り離すこととする。これにより、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を手動によらず自動的に行うことを可能とする。
【0052】以上のように、この実施の形態10の発明によれば、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択をレーザ速度計29a〜29cにより検出された各入側、中側および出側ブライドルロール2〜4のロール周速値と板速検出器27により検出された板速度との差に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を手動によらず自動的に行うことができると共に、電流フィードバック値のみ、あるいはロール周速値のみでロールスリップを検出している場合よりもより正確にロールスリップを検出できる効果がある。また、レーザ速度計29a〜29cはパルスジェネレータ26a〜26cよりも測定精度が高いので、高精度な制御が行える効果がある。
【0053】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によれば、換算器によりブライドルロールの入側と出側との張力比に応じた各ブライドルロールにかかる負荷分担率をデータパターンとして設定し、そのデータパターンに基づいて各ブライドルロールにかかる負荷分担を制御するように構成したので、演算時間の短縮とそれに伴う出力応答性の向上を図ることができる効果がある。また、計算式で求めたときに生じる分母が0になる場合を回避できると共に、ステップ数の減少に従い設計時間およびデバック時間を削減できる効果がある。
【0054】請求項2記載の発明によれば、換算器を、張力比と各ブライドルロールにかかる負荷分担率との関数に基づいてデータパターンを設定するファンクションジェネレータとするように構成したので、張力比と負荷分担率との関数からデータパターンの設定を容易に行うことができる効果がある。
【0055】請求項3記載の発明によれば、換算器により1つのブライドルロール以外のブライドルロールの入側と出側との張力比に応じた負荷分担率をデータパターンとして設定し、減算器により全てのブライドルロールにかかる負荷分担率の和から1つのブライドルロール以外の各ブライドルロールにかかる負荷分担率の和を差し引き、その差し引いた値を残る1つのブライドルロールの負荷分担率とするように構成したので、1つのブライドルロールに対しては換算器を使用しないので、データパターンの設定時間の短縮および設定ミスの削減を図れる効果がある。
【0056】請求項4記載の発明によれば、補正器によりロールスリップしたブライドルロールに対応する換算器に設定されたデータパターンによる負荷分担率または減算器により演算された負荷分担率を0とし、その他の各ブライドルロールにかかる負荷分担率をそれら負荷分担率の比率に応じてロールスリップしたブライドルロールの負荷分担率分を分担するように構成したので、ロールスリップしても影響なく張力を一定に制御でき、これにより張力制御の信頼性を向上できる効果がある。
【0057】請求項5記載の発明によれば、第1の選択器によりロールスリップしているブライドルロールをマニュアル操作により補正器に指令するように構成したので、ロールスリップを検出する検出器の故障によらず、確実に負荷分担するブライドルロールの選択を行うことができる効果がある。
【0058】請求項6記載の発明によれば、第2の選択器により各ブライドルロールを駆動する電動機に供給される電流値の減少に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令するように構成したので、ロールスリップ時に負荷分担するブライドルロールに選択を自動で行うことができる効果がある。
【0059】請求項7記載の発明によれば、第3の選択器により各ブライドルロールのロール周速値の変化に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令するように構成したので、ロールスリップ時に負荷分担するブライドルロールに選択を自動で行うことができる効果がある。
【0060】請求項8記載の発明によれば、第4の選択器により各ブライドルロールを駆動する電動機に供給される電流値の減少とそれら各ブライドルロールのロール周速値の変化とに応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令するように構成したので、ロールスリップ時に負荷分担するブライドルロールに選択を自動で行うことができると共に、電流フィードバック値のみ、あるいはロール周速値のみでロールスリップを検出している場合よりもより正確にロールスリップを検出できる効果がある。
【0061】請求項9記載の発明によれば、第5の選択器によりパルスジェネレータにより検出された各ブライドルロールのロール周速値と板速検出器により検出された板速度との差に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令するように構成したので、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を自動的に行うことができると共に、より正確にロールスリップを検出できる効果がある。
【0062】請求項10記載の発明によれば、第6の選択器によりレーザ速度計により検出された各ブライドルロールのロール周速値と板速検出器により検出された板速度との差に応じてロールスリップしたブライドルロールを検出し、該当するブライドルロールを補正器に指令するように構成したので、ロールスリップ時の負荷をかけるブライドルロールの選択を自動的に行うことができると共に、より正確にロールスリップを検出できる効果がある。さらに、レーザ速度計は検出精度が高いので、高精度な制御が行える効果がある。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成8年(1996)6月10日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭 (外2名)
【公開番号】 特開平9−331690
【公開日】 平成9年(1997)12月22日
【出願番号】 特願平8−147735