| 【発明の名称】 |
自由電子レーザ発生装置 |
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【氏名】西原 進
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| 【構成】 |
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【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加速する加速管と、加速された電子を所定の波長で蛇行させるアンジュレータと、前記加速管による第1の加速電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加速電子偏向手段と、前記アンジュレータを通過した前記第1の加速電子の進行方向を偏向して前記加速管に導く第2の加速電子偏向手段と、前記加速管により前記第1の加速電子を再加速した第2の加速電子を前記アンジュレータに導く第3の加速電子偏向手段とを備えた自由電子レーザ発生装置。 【請求項2】 第1の加速電子と第2の加速電子のエネルギーに応じた異なる波長の自由電子レーザを発振することを特徴とする請求項1に記載の自由電子レーザ発生装置。 【請求項3】 電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加速する加速管と、周回軌道上に配置され、加速された電子を異なる周波数で蛇行させる複数のアンジュレータと、前記加速管による加速電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加速電子偏向手段とを備えた自由電子レーザ発生装置。 【請求項4】 電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加速する加速管と、加速された電子を所定の波長で蛇行させるアンジュレータと、前記加速管による加速電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加速電子偏向手段と、前記アンジュレータ内に配列され前記加速電子を蛇行させる電磁石の磁場強度を変化する電源とを備えた自由電子レーザ発生装置。 【請求項5】 電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子の速度を可変に加速する加速管と、加速された電子を所定の波長で蛇行させるアンジュレータと、前記加速管による加速電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加速電子偏向手段とを備えた自由電子レーザ発生装置。 【請求項6】 電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加速する加速管と、真空チエンバーに内包されて加速された電子を蛇行させるアンジュレータと、このアンジュレータ内に周回軌道に面して対向して配置された磁石の間隙を調整する間隙調整手段と、前記加速管による加速電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加速電子偏向手段とを備えた自由電子レーザ発生装置。 【請求項7】 電子銃は、ピアス型の電子銃とサブハーモニックバンチャーと定在波加速管の組み合わせによるものであることを特徴とする請求項1乃至5に記載の自由電子レーザ発生装置。 【請求項8】 電子銃は、RF電子銃のフォトカソードに、他のレーザ装置が出力するRF周波数の整数倍の周波数のレーザ光を照射し、レーザ光の周波数に同期して電子を発生するものであることを特徴とする請求項1乃至5に記載の自由電子レーザ発生装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、主に産業用、医療用などに利用する自由電子レーザ発生装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図9は、日本原子力学会編「入門自由電子レーザ」1995年8月に示された従来の自由電子レーザ発生装置を示す概略図であり、図において、1は電子加速器、2はN極とS極が交互に配置されたアンジュレータ、3は出力ミラー、3aは全反射ミラー、4、4aは偏向電磁石、5は電子加速器1から出力される球状電子ビーム、6はシンクロトロン放射光、7は自由電子レーザ(以後、free electoron laserを略称してFELと称す)である。 【0003】次に従来の自由電子レーザ発生装置の動作について説明する。FELは、光速に近い電子の塊が1対の合わせ鏡(出力ミラー3、全反射ミラー3a)により構成された光共振器の間に置かれたNS極が交互に変わる磁場によって、一定周期で蛇行する毎に発生するシンクロトロン放射が干渉して生ずる位相のそろったコヒーレントな単色光(レーザ)である。原理的にその波長は電子エネルギーの大きさや磁場の強さにより任意に変えられること、特に電子リニアックの場合、高密度で短パルスの電子塊が得られるのでその出力はピコ秒パルスでMW級の高出力という大きな特徴を持つ。静止質量m0 の粒子の静止質量エネルギーも含めた全相対論的エネルギーEが次式で表されることから、質量とエネルギーの等価性を理論的に示すと次式となる。 E=m0 c2 (1− V2 /c2 )-1/2 (1) ここで、cは光速で、粒子の速さVがcに比べて小さいと(1)は次式で近似できる。 E=m0c2+(1/2)m0 V2 +(3/8)m0 V2 *(V2/c2) +(5/16)m0c2*(V2/c2)2 +… (2) これは質量とエネルギーの等価性を示すアインシュタインの関係を示し、化学反応や核反応による熱エネルギーも反応物質の静止質量変化から説明できる。右辺の第1項は粒子の静止エネルギーであり、第2項以下の和は運動エネルギーEk である。すなわち、 Ek =E−m0c2 =(1/2)m0 V2{1+(3/4)V2/c2 +(5/8)*(V2/c2)2+・} (3) V/c=βとし、ローレンツ(Lorentz)因子γを用いて式(1)、(3)を書き換えると、 γ=Ek /m0c2 +1=(1−β2 )-1/2 (4) となり、γは粒子の静止エネルギー、m0c2 を単位とする粒子の全エネルギー(運動エネルギー+静止エネルギー)を表す。図10にアンジュレータ2の交互に配置されたN極とS極による高速電子の規則正しい蛇行によって放射されるシンクロトロン放射光6(以後、synchrotoronradiationを省略しSRと称す)の特徴を示した。電子の振動によって電波が発生する。振動する電子が高速Vで進行すると、ドップラー効果によって電波の振動数は増加して電波の波長は短くなり、条件により赤外光、可視光、あるいは紫外光となる。このように高速電子が周期的に蛇行すると、蛇行毎に放射されるSRの方向が揃い、進行方向に放射されるSRの強さはN回の蛇行で2N倍となる。さらに規則正しい蛇行の回数が増え蛇行毎に放射される光の位相が、特定の波長λR の光の位相と揃い同じになると干渉効果によって波長λR の光の強度は実に4N2 倍となる。また光のスペクトル幅(Δλ/λ)は1/2N程度の準単色光となる。同時に蛇行によって電子は周期的に加速・減速の力を受けて電子群は波長λR の間隔になるマイクロバンチ化(極めて狭い空間領域に集群化)される。アンジュレータ2が長いとマイクロバンチ化された球状電子ビーム5によって図10に示すように光の位相が揃ったコヒーレント光(self ampified sponteaneous emission ,SASE)が発生する。 なお、アンジュレータ2のように電子を蛇行させて高輝度のSRを発生させる装置は、蓄積リングなどの直線部に挿入されて用いられるので挿入装置(insertion device)と呼ばれる。 図10に示した1蛇行周期長λ0 、周期数Nを持つアンジュレータ2内を、速度V、バンチ長σZ の電子群が時間tかかってN回蛇行しアンジュレータ2を通過したとする。この時、球状電子群が最初の蛇行で発生した特定波長λR の光子群は出口に到達した球状電子群より(c−V)tだけ先行しており、この後に2回目以降の蛇行毎に発生した特定波長λR の光子群が続き、結局全部でN個の光子群となる、すなわち、 λR =(c−V)t/N=λ0 (1−β)/β (5) 高速電子の相対速度βが1に近づくと、式(4)から、 (1−β)/β=(1−β2 )/[β(1+β)] 1/(2γ2 ) (6) が導かれ、(5)は次式で表される、 λR = λ0 /(2γ2 ) (7) 正確には蛇行による電子走行距離の伸びを考慮する必要があり、その場合アンジュレータ2得られる共振波長λR は次式で表される。 λR =λ0 (1+K2 /2)/(2γ2 ) (8) ここで、KはK値と称し、電子の蛇行(近似的には正弦波運動)を特徴づけるパラメータであり、 K=93.4B0 λ0 (9) である。ここで、B0 [T],λ0 [m]は、それぞれ、アンジュレータ2のピーク磁場強度、およびアンジュレータの1周期長である。式(8)より、アンジュレータで得られる共振波長λR は、電子のエネルギー(γ)、アンジュレータの1周期長(λ0 )、およびピーク磁場強度(B0 )により任意の波長に選択でき、この点に自由電子レーザは大きな特徴がある。 図9に示すの自由電子レーザ発振装置は、球状電子ビーム5を供給する電子加速器1と球状電子ビーム5を蛇行させるアンジュレータ2、アンジュレータ2を挟むように配置された一対のミラー3、3aを含む光共振器から構成される。 一対のミラー3、3a間の距離を調節することにより、球状電子ビーム5の規則的蛇行によりアンジュレータで発生した波長λR の球状光ビームをミラー3、3a間で共振させ、かつ往復させて、後続する球状電子ビーム5がアンジュレータ2を通過するごとに球状電子ビーム5と光ビームをぴったり重ね合わせ、電子のエネルギーを光ビームのエネルギーへ移すことにより光パワーを増幅する。これにより、一対のミラー3、3aはアンジュレータ2の長さを何百倍にもする働きをする。 球状電子ビーム5がアンジュレータ2を通過するとき光が得るパワー利得をG とし、光がミラー3、3a間を往復すると2回ミラーで反射するが、その際の損失をαとすると、両ビームがアンジュレータを入口から出口まで通過するごとに光パワーは[1+(G−α)]倍になる。したがって、光ビームがアンジュレータ2を球状電子ビーム5と重なり合ってn回往復すると光パワーは徐々に増加し、最終的には[1+(G−α)]n 倍になる。たとえば、G−α=0.16、n=130の場合では光パワーは2.4×108 倍となる。 球状電子ビーム5が連続して供給され、利得も損失もパワーレベルによって変わらないとして、光共振器長(一対のミラー間距離)をLc 、自発放射光パワーをPo 、FEL飽和パワーをPs とすると、光パワーが徐々に増加して、これ以上増加しない、いわゆる飽和に達するまでの時間τsは次式で与えられる。 τs (μs)=2(Lc /c)1n(Ps /Po ) /1n[(1+G)(1−α] (10) FEL出力波形の立ち上がりから(G−α)の値が、また波形の減衰からαの値が実験的に求められるが、周期数Nのアンジュレータの利得GNuは次式のように理論的にも求められる。 GNu ∝λ02N3 K2 γ-3 (11) 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来の自由電子レーザ装置は以上のように構成されているので、短波長のFELを得るためには大規模な電子加速器1が必要となり、異なった波長のFELを発生するためには複数台のアンジュレータ2が必要となるなどの問題点があった。 【0005】この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、コンパクトな装置により短波長のFELを得ることができる自由電子レーザ装置を提供すること、また、異なった波長のFELを発生することのできる自由電子レーザ装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明に係わる自由電子レーザ発生装置は、電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加速する加速管と、加速された電子を所定の波長で蛇行させるアンジュレータと、前記加速管による第1の加速電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加速電子偏向手段と、前記アンジュレータを通過した前記第1の加速電子の進行方向を偏向して前記加速管に導く第2の加速電子偏向手段と、前記加速管により前記第1の加速電子を再加速した第2の加速電子を前記アンジュレータに導く第3の加速電子偏向手段とを備えたものである。 【0007】また、次の発明に係わる自由電子レーザ発生装置は、第1の加速電子と第2の加速電子のエネルギーに応じた異なる波長の自由電子レーザを発振するものである。 【0008】また、次の発明に係わる自由電子レーザ発生装置は、電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加速する加速管と、周回軌道上に配置され、加速された電子を異なる周波数で蛇行させる複数のアンジュレータと、前記加速管による加速電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加速電子偏向手段とを備えたものである。 【0009】また、次の発明に係わる自由電子レーザ発生装置は、電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加速する加速管と、加速された電子を所定の波長で蛇行させるアンジュレータと、前記加速管による加速電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加速電子偏向手段と、前記アンジュレータ内に配列され前記加速電子を蛇行させる電磁石の磁場強度を変化する電源とを備えたものである。 【0010】また、次の発明に係わる自由電子レーザ発生装置は、電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子の速度を可変に加速する加速管と、加速された電子を所定の波長で蛇行させるアンジュレータと、前記加速管による加速電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加速電子偏向手段とを備えたものである。 【0011】また、次の発明に係わる自由電子レーザ発生装置は、電子を発生する電子銃と、前記電子を周回軌道に入射する電磁石と、周回軌道上の前記電子を加速する加速管と、真空チエンバーに内包されて加速された電子を蛇行させるアンジュレータと、このアンジュレータ内に周回軌道に面して対向して配置された磁石の間隙を調整する間隙調整手段と、前記加速管による加速電子の進行方向を偏向して前記アンジュレータに導く第1の加速電子偏向手段とを備えたものである。 【0012】また、次の発明に係わる自由電子レーザ発生装置は、電子銃は、ピアス型の電子銃とサブハーモニックバンチャーと定在波加速管の組み合わせによるものであるものである。 【0013】更に、次の発明に係わる自由電子レーザ発生装置は、電子銃は、RF電子銃のフォトカソードに、他のレーザ装置が出力するRF周波数の整数倍の周波数のレーザ光を照射し、レーザ光の周波数に同期して電子を発生するものである。 【0014】 【発明の実施の形態】 実施の形態1.以下、この発明の一実施の形態を図について説明する.図1は実施の形態1による自由電子レーザ装置を示す構成図である。図中、図9と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。図1において、4ー1、4ー2、4ー3、4ー4、4ー5は偏向磁石であり、偏向磁石4ー1、4ー2により第1の偏向手段を、偏向磁石4ー3、4ー4により第2の偏向手段を、偏向磁石4ー3、4ー4、4ー5により第3の偏向手段を構成する、8はRF周波数(以後、radio freqenceを省略してRFと称す)で電子を加速して出力するRF電子銃、9はRF電子銃8が発生する電子を周回軌道に入射するアルファ電磁石、10は例えば周波数2856MHz,パルス幅10μSのRF電子銃8のRF周波数と同期して電子ビームを加速する加速管であり、例えば周波数2856MHz,パルス幅10μSのマイクロ波の電流により駆動される。11は電子ビームの周回軌道である。 【0015】次に、この発明の自由電子レーザ装置の動作を説明する。RF電子銃8から発生した電子ビームはアルファ電磁石9により曲げられ加速管10に導かれて加速され、エネルギーを増す。偏向電磁石4ー1により軌道を曲げられ、偏向電磁石4ー2により再び曲げられ加速管10と平行になり、アンジュレータ2を通過し、ここで発生したSRによりミラー3、3a間でFELを発生し、出力ミラー3よりFELが出力される。アンジュレータ2を通過した電子ビームは再び、偏向電磁石4ー3、4ー4により曲げられ加速管10により更にエネルギーを増加される。2回目の加速管10による加速により電子ビームの速度は増加しているので、偏向電磁石4ー1による電子ビームの偏向曲率は大きくなるので、この偏向曲率に見合った位置に設置された偏向電磁石4ー5により周回軌道を修正し、更に、偏向電磁石4ー2により曲げられアンジュレータ2に導かれる。電子ビームがアンジュレータ2を再び通過する時はより短波長のFELを発生させる。最後に、電子ビームは偏向電磁石4ー3により偏向され捨てられる。また、1回目の加速管10により加速された電子ビームのアンジュレータ2の通過時軌道をミラー3、3a間中心より、ずらすことにより、2回目の加速管10により加速された電子ビームによる短波長のFELだけを取り出すこともできる。 【0016】尚、この実施の形態では、加速管10により電子ビームを2回加速する例について説明したが、加速管10により3回以上加速して電子ビームのエネルギーEを増すことにより、より短波長のFELを得ることができる。この場合、電子ビームの速度に応じて偏向磁石4の磁界強度を制御して電子ビームを所定の周回軌道上に保つことが必要である。 【0017】また、1回目の加速管10により加速された電子のエネルギーをEとすると、2回目の加速管10により加速された電子のエネルギーは2Eとなる。FELの波長λは、 λ=λw(1+K2)/2γ2 (12) γ=1+E/m0c2 (13) K∝B0λw (14) となる。ここで、λwはアンジュレータ2に配列された磁石のピッチ、Eは電子のエネルギーである。従って、加速管10のエネルギーゲインを調整することにより波長を制御することもできる。 【0018】実施の形態2.実施の形態1では、アンジュレータ2を1つを使用した例を示したが、実施の形態2ではアンジュレータを2台使用した自由電子レーザ装置について説明する。図2は実施の形態2による自由電子レーザ装置を示す構成図である。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。図2において、2aは周回軌道上にアンジュレータ2と直列に設置されたアンジュレータであり、アンジュレータ2とは式(14)に示すK値が異なり、同一エネルギーの電子ビームが通過しても発振するFELの波長λは互いに異なる。このようにK値が異なるアンジュレータ2、2aを周回軌道上に直列に設置して、異なった波長のFELを発生させることができる。 【0019】実施の形態3.実施の形態2では、アンジュレータを2つ使用した例を示したが、実施の形態3では1台のアンジュレータの磁場強度を制御する自由電子レーザ装置について説明する。図3は実施の形態3による自由電子レーザ装置を示す構成図である。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。2bは配列されたN極、S極の磁石が電磁石により構成され、この電磁石の励磁コイルの電流を制御することにより式(14)に示すピーク磁場強度B0を変化することができるアンジュレータ、11はアンジュレータ2bの電磁石の励磁コイルの電流を制御するパルス電源である。図4はパルス電源11が電磁石の励磁コイルに供給するパルス電流とFELの波長λとの関係を説明する説明図であり、パルス電流が大きい時には式(14)のB0が増加しK値が増加するので式(12)によりFELの波長λは長くなり、逆にパルス電流が小さい時にはFELの波長λは短くなる。このようにアンジュレータ2bの発生するピーク磁場強度を制御することにより異なった波長のFELを発生させることができる。 【0020】尚、電磁石の励磁コイルに供給する電流をパルス電流とし、周期的に電流を流すことにより、一定の直流電流を流すより励磁コイルの発熱量が減少し電流量を増加することができるので、磁場強度を増加することができる。 【0021】実施の形態4.実施の形態3では、アンジュレータに異なる強度のパルス磁場を印加するようにしたが、実施の形態4では加速管10の加速エネルギーを制御する自由電子レーザ装置について説明する。図5は実施の形態4による自由電子レーザ装置を示す構成図である。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。 図において、10aは電子ビームの加速エネルギーを可変にできる加速管、12は加速管10aに入力するRF周波数の基準周波数を発生する周波数シンセサイザー、13は周波数シンセサイザー12の出力を増幅するクライトロン、14はクライトロン13に増幅のための電力を供給するパルサー、15は周波数シンセサイザー12、クライトロン13及びパルサー14を制御し、加速管10aに印加する電流位相を制御する加速管制御装置である。図6はRF電子銃8の電子出力位相と加速管10aに印加する電流位相と加速管10aの加速電界との関係を説明する説明図である。図6において加速管入力電流位相(a)はRF電子銃8の電子出力位相とピーク値が一致し、加速管10aの加速電界(a)は最大となり、加速管入力電流位相(b)はRF電子銃8の電子出力位相とピーク値が一致せず、加速電界(b)は加速電界(a)より低下する。このように、上述のように、加速管10aの加速電界を制御することにより電子ビームの速度を変えることにより、異なった波長のFELを発生させることができる。また、加速管入力電流のピーク電流値を時間的に変えて加速管10aの加速電界を制御しても同様の効果がある。 【0022】実施の形態5.実施の形態5ではアンジュレータの電界強度を増加することが可能な自由電子レーザ装置について説明する。図7は実施の形態5による自由電子レーザ装置におけるアンジュレータを示す構成図である。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。図7において、16aは周回軌道11の方向にN極・S極の順に配列された磁石、16bは磁石16aと対向してS極・N曲の順に配列された磁石、17は磁石16a、16bの対向する間隙を調整する間隙調整手段である駆動機構、18は駆動機構17に電源を供給するダクト、19はアンジュレータ2cを内包し真空状態に保つ真空チェンバ、20は電子ビームの周回軌道を真空状態に保つ真空ダクトである。FELの波長はアンジュレータ2cのN極・S極の順に配列された磁石のピッチを狭くしりことにより短波長となる、しかし、磁石のピッチを狭くすると磁石自身の磁力を増すことにより間隙の磁界強度を高めることが困難となり、FELの発振条件を満たすことができなくなる。そこで、磁石16a、16bの対向する間隙を狭めることにより間隙の磁界強度を高めることが必要となる。従来の自由電子レーザ装置では、真空ダクト20が磁石16a、16bの間隙を挿通するように構成されいるため、磁石16a、16bの間隙を真空ダクト20の外形寸法より小さくすることができなかった。しかし、上述の構成とすると、アンジュレータ2c全体を真空チェンバ19内に入れることにより磁石16a、16bの間隙をより小さくすることができるようになり、電子ビームが通過する磁石16a、16bの間隙の磁場強度を強めることができるようになり、磁石、16bは磁石16aのN極・S極のピッチを狭めることにより、より短波長のFELを発振できるようになる。 【0023】実施の形態6.上記実施の形態では、電子を発生する電子銃にRF電子銃8を用いた例を示したが、実施の形態6では電子銃の他の形態について説明する。図8は実施の形態6による自由電子レーザ装置を示す構成図である。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。 図8において、21は熱電子によるピアス型の電子銃、22は電子銃21からの電子をサブハーモニックバンチャで前段バンチさせ更に定在波加速管により電子ビームのエネルギーを約2MeVまで事前加速する入射器である。上述の構成とすると、図いに示すRF電子銃8に代わって、ピアス型の電子銃21と電子をサブハーモニックバンチャで前段バンチさせ、更に、定在波加速管により加速する入射器と組み合わせて、電子ビームを加速することにより、RF電子銃8と同等のエネルギーの電子ビームをより低コストで発生することができる。 【0024】実施の形態7.上記例では、熱電子によるピアス型の電子銃21を利用したものについて述べたが、実施の形態7では電子銃の他の形態について説明する。図9は実施の形態7による自由電子レーザ装置を構成図である。図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示し説明を省略する。 図9において、23は他のレーザ装置からのレーザ光24をRF電子銃のフォトカソードに照射して、このレーザ光の周波数に同期して電子を発生するRF電子銃であり、レーザ光24の周波数はRF周波数の整数倍に設定されている。上述の構成とすると、RF周波数の整数倍のレーザ光24に同期して電子が発生するので、電子量が増加し、自由電子レーザ装置が発振し易くなる。 【0025】 【発明の効果】以上のように、この発明によれば自由電子レーザ発生装置を、加速管による第1の加速電子と第1の加速電子を再加速した第2の加速電子とをアンジュレータにより蛇行させてFELを発振するようにすると、コンパクトな装置により第2の加速電子のエネルギーを容易に増加できるので、短波長のFELを発振できる効果を奏する。 【0026】また、次の発明によれば自由電子レーザ発生装置を、第1の加速電子と第2の加速電子のエネルギーに応じた異なる波長の自由電子レーザを発振するようにすると、コンパクトな装置により、同時に、異なる波長の自由電子レーザを発振できる効果を奏する。 【0027】また、次の発明によれば自由電子レーザ発生装置を、周回軌道上に直列に配置され、加速電子を異なる波長で蛇行させる複数のアンジュレータによりFELを発振させるようにすると、アンジュレータのK値に応じた、異なった波長のFELを発生することができる効果を奏する。 【0028】また、次の発明によれば自由電子レーザ発生装置を、アンジュレータ内に配列され加速電子を蛇行させる電磁石の磁場強度を変化するようにすると、磁場強度に応じて異なった波長のFELを発生することができる効果を奏する。 【0029】また、次の発明によれば自由電子レーザ発生装置を、周回軌道上の電子の速度を可変に加速する加速管により速度を変えられた電子をアンジュレータにより所定の波長で蛇行させてFELを発振するようにすると、加速電子の速度に応じて異なった波長のFELを発生することができる効果を奏する。 【0030】また、次の発明によれば自由電子レーザ発生装置を、アンジュレータを真空チエンバーに内包することにより、電子を蛇行させるアンジュレータの磁石の間隙を狭く設定することが可能となり、N極、S極の間隔を狭めることが可能となり、より短波長のFELを発生することができる効果を奏する。 【0031】また、次の発明によれば自由電子レーザ発生装置を、ピアス型の電子銃とサブハーモニックバンチャーと定在波加速管の組み合わせるて電子を発生するようにすると、RF電子銃と同等のエネルギーの電子ビームをより低コストで発生することができる効果を奏する。 【0032】更に、次の発明によれば自由電子レーザ発生装置を、RF電子銃のフォトカソードにRF周波数の整数倍の周波数の他のレーザ装置が出力するレーザ光を照射し、レーザ光の周波数に同期して電子を発生するようにすると、電子量が増加し、自由電子レーザ装置が発振し易くなる効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006013 【氏名又は名称】三菱電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成8年(1996)2月28日 |
| 【代理人】 |
【弁理士】 【氏名又は名称】宮田 金雄 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開平9−232693 |
| 【公開日】 |
平成9年(1997)9月5日 |
| 【出願番号】 |
特願平8−41315 |
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