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【発明の名称】 ブレーン自動測定表示方法
【発明者】 【氏名】高橋 治雄

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】U字形管の一方の管の上端にセル接続部を有し、他方の管の上端が自由端で構成されており、該セル接続部の下部に開閉部材を備えた空気排出装置を接続してなり、前記U字形管には液体が導入されているブレーン測定装置を用いてブレーン値を求め、該ブレーン値を表示する方法において、前記U字形管中の液頭が降下している間に上限レベルと下限レベルの各信号を検出し、得られた検知信号間の時間をシーケンサで演算し、得られたブレーン値を表示装置に表示することを特徴とするブレーン自動測定表示方法。
【請求項2】請求項1に記載のブレーン自動測定表示方法において、セル接続部に試料を詰めたセルを挿入すると、それを感知して空気排出装置が作動すると共に開閉部材が開き、液頭の上昇停止レベルの信号を検知して開閉部材が閉じることを特徴とするブレーン自動測定表示方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーン自動測定表示方法に関し、更に詳しくはエラー発生の危険性がなく、効率的に作業ができるブレーン自動測定表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントの諸性質の中で重要なものの一つに粉末度があり、セメントの粉末度試験には比表面積試験と網ふるい試験とがあり、ここで、JIS−R−5210〜5213に規定されている比表面積は、ブレーン方法による比表面積試験によって求めることと決められており、比表面積(cm2/g)は規格6.1.1に規定されているブレーン空気透過装置を使用することによって容易に求めることができる。また、この方法は、セメントに限らず調合原料などの一般の粉末度試験にも使用できる。
【0003】図5及び図6の断面図に示されるように、従来、JISに規定されている方法は、一定量の試料8を詰めたセル3を接続部2に挿入し、コック4を開きゴム球5によりマノメータ中の空気21を排除し、液頭をA標準線まで上昇させてからコック4を閉じる。空気がセル3内のセメントベッド(試料8が設置された場所)を通じて流入し、液頭がA標準線から降下してB標準線に達したときスットプウオッチをスタートさせ、C標準線に達するまでの時間を測定する。粉末の比表面積Sは次式のよって求められる。
【0004】
【数1】

【0005】〔式中、Kは比表面積がわかっている標準試料を比較試験することにより決定される。)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の如きマノメータをそのまま現場で使用するとなると、測定のための熟練者が必要であるばかりでなく作業効率が悪く、その上品質の安定化が十分でなく問題となっていた。そこでこのマノメータを自動化するべく研究を重ね、液頭の感知に光ファイバー式光スイッチを用い、かつ液頭の降下時間を積算形ディジタルタイマーを用いることにより測定し得るようにした装置を製作した。
【0007】図4の断面略図に示されるように、前述のブレーン自動測定装置において、液頭Bの標準線に達した時点でセンサ11bが液頭Bを検出することにより、高精度の積算形ディジタルタイマー13をスタートさせ、液頭Cの標準線に達した時点でセンサ11cが液頭Cを検出し、それと同時にタイマー13をストップさせ降下時間を測定しディジタルカウンタの表示部17に表示させる。この装置を使用する際、予め表面積のわかっている標準試料を比較試験することによって決定された係数Kと降下時間tを使用してブレーン値を計算し換算表が作成されているので、このディジタルカウンタの表示部17に表示された降下時間と換算表でブレーン値を求めることができる。
【0008】前述の如きブレーン自動測定装置を用いて日常の工程における品質管理に使用する場合、最初の作業(図5に記載のA標準線までの液頭上昇)を実施した後は、ブレーン測定装置から離れて他の作業も可能となり、作業能率の向上と試験業務の省力化並びに品質の安定化が可能となる。しかしながら、測定完了後のディジタル・タイマのデータを読取り、電卓による計算を行なったり、換算表からブレーン値を求めたりする過程でこれらの作業のわずらわしさを伴うばかりでなく、その過程でエラー発生の危険性が存在し得るという問題があった。
【0009】そこで、本発明者等は、前記装置にディジタル・タイマに対する演算処理をさせるためにマイクロ・シーケンサを採用し、光ファイバー式光スイッチと積算形ディジタルタイマーと共に有機的に結合させることにより、前述のようなエラー要因を極力減少させると共に測定ごとの作業のわずらわしさを軽減し得ることを見出し、ここに本発明をなすに至った。したがって、本発明が解決しようとする課題は、エラー発生の危険性がなく、品質の安定化が可能となり、更に効率的に作業ができるブレーン自動測定表示方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、以下の各発明によって達成される。
(1)U字形管の一方の管の上端にセル接続部を有し、他方の管の上端が自由端で構成されており、該セル接続部の下部に開閉部材を備えた空気排出装置を接続してなり、前記U字形管には液体が導入されているブレーン測定装置を用いてブレーン値を求め、該ブレーン値を表示する方法において、前記U字形管中の液頭が降下している間に上限レベルと下限レベルの各信号を検出し、得られた検知信号間の時間をシーケンサで演算し、得られたブレーン値を表示装置に表示することを特徴とするブレーン自動測定表示方法。
(2)前記第1項に記載のブレーン自動測定表示方法において、セル接続部に試料を詰めたセルを挿入すると、それを感知して空気排出装置が作動すると共に開閉部材が開き、液頭の上昇停止レベルの信号を検知して開閉部材が閉じることを特徴とするブレーン自動測定表示方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、ブレーン測定装置を用いてブレーン値を求め、該ブレーン値を表示する方法において、前記U字形管中の液頭が降下している間に上限レベルと下限レベルの各信号を検出し、得られた検知信号間の時間をシーケンサで演算し、得られたブレーン値を表示装置に表示することを特徴とするもので、これによりブレーン値を直接ディジタル・カウンタに表示することができ、エラー要因を極力減少させることもでき、更に測定ごとの作業のわずらわしさを軽減することができるという優れた効果を奏するものである。またセル接続部に試料を詰めたセルを挿入すると、それを感知して空気排出装置が作動すると共に開閉部材が開き、液頭の上昇停止レベルの信号を検知して開閉部材が閉じるという機構を設けたことにより完全自動化が可能となり作業効率が一段と向上する。シーケンサとしては、好ましくはマイクロ・シーケンサを用いるのがよく、このマイクロ・シーケンサ15の内部ではブレーン値計算により時間測定値とK値によりブレーンを32ビットの倍精度演算により算出することができる。
【0012】以下、本発明を更に図面を参照して説明すると、図1は、ブレーン測定装置の一部を示すフローチャートであり、U字管1の液体9の液頭がレベルA(図示せず、図2参照)から降下し、レベルBに達した時、光ファイバ・センサ10の上限レベル検出器11aでそのレベルBの光信号を検出し、ついで液頭がレベルCに達した時、下限レベル検出器11bでそのレベルCの光信号を検出する。上限レベル検出器11a及び下限レベル検出器11bで検出したそれぞれの光信号を電気信号に変換し、これらの電気信号をマイクロ・シーケンサ15で演算処理して得られたブレーン値を直接デジタル・カウンタ16に表示する。これによりデータ入力や換算表等の使用の際に発生するよるエラー要因を極力減少させることができ、測定ごとの作業のわずらわしさを軽減することができる。また演算に使用される係数もシーケンサ内部に持っており、標準試料との比較構成の結果、修正が必要となった場合でも装置自体で簡単に変更ができ、長期的な装置安定度が強化される。更に測定・較正それぞれの場合でも原料・セメントの銘柄切替が簡単にできる利点がある。測定試料の種類が増加してもシーケンサの増設ユニットを付加するだけで対応が可能となる。また係数の変更も可能となり機能を拡大することもできる。なお、較正とは、前記の数1で示される一般式〔I〕のK値を標準試料によりチェックする機能である。標準試料は、本発明では原料及びセメントの2種類から選択されるが、必要に応じてその種類を増加させることもできる。
【0013】更に本発明の別の実施態様においては、セル接続部に試料を詰めたセルを挿入すると、それを感知して空気排出装置が作動すると共に開閉部材が開き、液頭の上昇停止レベルの信号を検知して開閉部材が閉じるという機構を設けることができ、この機構は図2に示されるブレーン測定装置の一部を示すフローチャートであり、U字管の上部の接続部2にセル3をセットすることによりスイッチ20がオンになり、その信号がマイクロ・シーケンサ15で感知され、真空ポンプ18をオンにし、同時に開閉器4のコック(又は電磁弁でもよい)が開き、U字管1の21が減圧され、液頭がレベルAに上昇する。これをレベル検出器11aで検出し、マイクロ・シーケンサ15に伝達され、開閉器4のコックが閉じられ、同時に真空ポンプがオフとなる。ついで液頭は降下しレベルBで光ファイバ・センサ10の上限レベル検出器11bでそのレベルBの光信号を検出し、ついで液頭がレベルCに達した時、下限レベル検出器11cでそのレベルCの光信号を検出する。上限レベル検出器11b及び下限レベル検出器11cで検出したそれぞれの光信号を電気信号に変換し、これらの電気信号をマイクロ・シーケンサ15で演算処理して得られたブレーン値を直接デジタル・カウンタ16に表示する。更に液頭がレベルDに達した時、レベル検出器11dがレベルDを検出し、その信号によりマイクロ・シーケンサ15を通じ測定が終了となる。レベルCからレベルDまでの時間は短くてよく、0〜5秒でよい。
【0014】次に、図3にシーケンサのフローチャートを示して説明する。図3において、スタートにより、マイクロ・シーケンサ15の電源オンにして、一連のプログラムを開始する。ついで初期設定において、マイクロ・シーケンサ15の電源オンによりブレーン表示カウンタ16およびマイクロ・シーケンサ15の内部のカウンタ・リレーを初期化し、データをゼロクリアする。これはイニシャライズと称し、立ち上がり時の不確定な取り込むことの防止のためである。その後、測定か較正かをスイッチにより選択する。
【0015】較正の場合は、標準試料としては、原料又はセメントの2種類の選択が可能であり、原料のK値は、426.67であり、セメントのK値は、323.62である。標準試料により較正を実施することでマイクロ・シーケンサ15の内部の定数Kを増減し、新たなK値に書き換える。なお、変更設定されたK値はブレーン表示用ディジタルカウンタで確認できる。ディジタルカウンタの表示方法は、表示する数値分のパルスを1kHzで送出し、カウントさせる。
【0016】測定の場合は、較正と同様に原料かセメントかの種類を選択し、K値が固定される。ついで測定の開始でNOであれば、表示割り込みへ、またYESであれば、時間測定、測定終了と進み、ここでNOであれば、再度時間測定へ戻り、YESであれば、マイクロ・シーケンサ15の内部でブレーン値計算により時間測定値とK値によりブレーンを32ビットの倍精度演算により算出する。算出されたブレーン値は、較正の場合と同様にパルスにより送出され、ディジタルカウンタ16で自動表示される。
【0017】
【発明の効果】本発明は、マノメータでブレーン値を測定する際、光ファイバ・センサとマクロク・シーケンサとを組み合わせて用いて自動化したので、このブレーン自動測定表示方法によりエラー発生の危険性がなく、品質の安定化が可能となり、更に効率的に作業ができるという優れた効果を得ることができる。また本発明のブレーン自動測定表示方法において、セル接続部に試料を詰めたセルを挿入すると、それを感知して空気排出装置が作動すると共に開閉部材が開き、液頭の上昇停止レベルの信号を検知して開閉部材が閉じる機構を用いたので、いっそうの作業効率を上げることができる。
【出願人】 【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
【出願日】 平成8年(1996)2月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】中島 幹雄
【公開番号】 特開平9−229843
【公開日】 平成9年(1997)9月5日
【出願番号】 特願平8−35968