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【発明の名称】 石油給湯器
【発明者】 【氏名】好田 達彦

【氏名】田中 昇

【氏名】長谷川 和則

【氏名】樫原 康司

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱交換缶体内の下部空間に燃焼室を設けると共に、該燃焼室の底でもある前記熱交換缶体の底をその底周縁部に対して上げ底部として形成し、前記底周縁部下端の外向きフランジ部で外装ケース内のケース底板上に設置することで、前記熱交換缶体の上げ底部とケース底板との間に断熱用空間を構成し、前記熱交換缶体内で熱交換加熱された温水を供給するようにした石油給湯器であって、前記ケース底板の一部に熱交換缶体の底から前記断熱用空間に漏出した燃焼ガスを熱交換缶体の側方へ導出させる導出路を構成し、該導出路に運転停止用の温度ヒューズを配置したことを特徴とする石油給湯器。
【請求項2】 熱交換缶体の設置範囲をカバーする形でケース底板上に遮熱板を被覆して設けると共に該遮熱板で温度ヒューズの少なくとも先端部を導出路内に保持せしめている請求項1に記載の石油給湯器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油給湯器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、石油給湯器においては、燃焼室を設けた熱交換缶体の底が熱によって劣化し、穴が開く問題があり、穴が開いたまま燃焼等が行われると、燃焼室内の高温の燃焼ガスが漏れ、高熱が外装ケース等に及んで行く問題があった。このため、熱交換缶体の底に穴が開くとこれを検知して運転を停止するための温度ヒューズを設けるようにした石油給湯器が提供されている。図4、図5を参照してその様な温度ヒューズを設けた従来の石油給湯器の一例を説明する。図4は石油給湯器の一部断面概略正面図で、図5は図4のB−B断面図である。外装ケース10内に熱交換缶体20が設置されている。熱交換缶体20の底は上げ底部21として形成されており、底周縁部下端の外向きフランジ部22で外装ケース10のケース底板11に設置されている。また前記熱交換缶体20内の下部空間には燃焼室23が設けられており、燃焼室23の底が熱交換缶体20の上げ底部21となっている。そして前記熱交換缶体20の上げ底部21と外装ケース10のケース底板11との間に構成された断熱用空間Sに温度ヒューズ30が配置されている。熱交換缶体20の上げ底部21に穴Hが開くと、燃焼室23内の燃焼ガスが穴Hから断熱用空間Sに漏れ、その高温によって温度ヒューズ30が溶融せられる。温度ヒューズ30が溶融すると、電気配線が断線し、運転が停止される。また更に、従来は図6に示すような装置も提供されている。図6は今一つの従来例を示す石油給湯器の要部の一部断面概略正面図である。この従来例では、外装ケース10のケース底板11の裏側に断熱材12を設け、温度ヒューズ30を熱交換缶体20の底近く、即ち燃焼室23の底近くの外側周に複数個設ける構成としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記図4、図5に示す従来例のように、温度ヒューズ30を断熱用空間Sに配置する装置の場合には、特に前記断熱用空間Sにおける上げ底部21とケース底板11との間隙が小さい場合に、温度ヒューズ30が早く切れすぎる等の問題があり、一方、温度ヒューズ30の位置と生じた穴Hの位置とが遠く離れている場合には、温度ヒューズ30がうまく作動しないこともあり、温度ヒューズ30による作動が安定しない問題があった。一方、上記図6に示す従来の石油給湯器においては、外側周全体に温度ヒューズ30が配置されているので、熱交換缶体20の上げ底部21のどの部分に穴が生じても、同じ条件で温度ヒューズ30の何れかが作動することができ、作動のバラツキを生じなくすることができるが、その一方、温度ヒーズ30の位置が上げ底部21からかなり離れることになるため、上げ底部21に生じた穴から漏れた燃焼ガスの高熱が温度ヒューズ30まで及んでくるまでに時間がかかり、そのためその間における漏洩熱の設備への悪影響をさけるため、前記断熱材12のような熱の遮蔽設備が余分に必要となる問題があった。また前記温度ヒューズ30も複数個が必要となるため、設備コストがかかる等の問題があった。
【0004】そこで本発明は、上記従来の問題を解消し、熱交換缶体の底に穴が生じる場合に対して、穴開きを検出する温度ヒューズが早く作動しすぎたり、穴開き場所によって作動しなかったりすることなく、確実に且つ安定して熱交換缶体の底の穴開きを検出することができ、且つ簡単な構成で低コストで熱交換缶体の底の穴開きを検出することができる石油給湯器の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため、本発明の石油給湯器は、熱交換缶体内の下部空間に燃焼室を設けると共に、該燃焼室の底でもある前記熱交換缶体の底をその底周縁部に対して上げ底部として形成し、前記底周縁部下端の外向きフランジ部で外装ケース内のケース底板上に設置することで、前記熱交換缶体の上げ底部とケース底板との間に断熱用空間を構成し、前記熱交換缶体内で熱交換加熱された温水を供給するようにした石油給湯器であって、前記ケース底板の一部に熱交換缶体の底から前記断熱用空間に漏出した燃焼ガスを熱交換缶体の側方へ導出させる導出路を構成し、該導出路に運転停止用の温度ヒューズを配置したことを第1の特徴としている。また本発明の石油給湯器は、上記第1の特徴に加えて、熱交換缶体の設置範囲をカバーする形でケース底板上に遮熱板を被覆して設けると共に該遮熱板で温度ヒューズの少なくとも先端部を導出路内に保持せしめていることを第2の特徴としている。
【0006】上記本発明の第1特徴によれば、熱交換缶体の上げ底部に穴が生じると、その穴から吹き出す燃焼ガスは、断熱用空間から導出路を経て熱交換缶体20の外へ流れようとする。従って、その漏れた燃焼ガスの流路となる導出路に温度ヒューズを配置することで、温度ヒューズは漏出燃焼ガスの流路上で確実に高温に触れ、速やかに且つ確実に融断し、運転停止を作動させる。前記導出路は、例えばケース底板の一部を凹ますことで構成することができるが、他の手段で導出路を設けてもよい。導出路は、熱交換缶体の上げ底部に生じた穴から断熱用空間に吹き出した燃焼ガスを確実に温度ヒューズ側へ導く役目を行うと共に、断熱用空間に吹き出した燃焼ガスを外部の外装ケース内の空間に導き出す役目を行う。従ってこのような役目を行う構成であれば、具体的形状等は特に限定されることなく、導出路と言うことができる。上記本発明の第2の特徴によれば、熱交換缶体の設置範囲をカバーする形でケース底板上に遮熱板を被覆することで、熱交換缶体の上げ底部に生じた穴から漏れた燃焼ガスが温度ヒューズを溶融させるまでの時間、外装ケースのケース底板を熱から保護することができる。勿論、導出路に温度ヒューズが配置されることで、温度ヒューズがスムーズに作動するので、前記ケース底板上に配置される遮熱板は上記した従来の断熱材のように大層な材料、構成にする必要はない。また遮熱板を利用して温度ヒューズが導出路内に保持されるので、温度ヒューズの保持の構成が簡単で容易となる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図1から図3を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態を示す石油給湯器の概略断面構成図、図2は図1に示す石油給湯器の要部の詳細断面図、図3は図2のA−A断面図である。
【0008】外装ケース10内に熱交換缶体20が設置されている。熱交換缶体20の底は上げ底部21として形成されており、底周縁部下端の外向きフランジ部22で外装ケース10のケース底板11にビス22a 等で固定されて設置されている。また前記熱交換缶体20内の下部空間には燃焼室23が設けられており、燃焼室23の底が熱交換缶体20の上げ底部21となっている。そして前記熱交換缶体20の上げ底部21と外装ケース10のケース底板11との間が断熱用空間Sに構成されている。前記熱交換缶体20の前記燃焼室23の上方及び燃焼室23の側周を囲む形で貯湯室24が設けられ、更に貯湯室24の上に排気機構25が設けられている。前記貯湯室24には入水管26と出湯管27が接続され、また風呂追い焚き用或いは温水暖房用の循環路28及び熱交換コイル28a が設けられている。また石油噴霧ノズル29a 、送風機29b 等を有する石油バーナ29が設けられている。
【0009】前記外装ケース10のケース底板11には、その一部を凹ませて、導出路40を構成している。導出路40は、その一方が断熱用空間Sと連通し且つ他方が熱交換缶体20の外側方に開口するように、熱交換缶体20の一側を横断して設けられている。そして導出路40に運転停止用の温度ヒューズ30を設けている。温度ヒューズ30は、前記熱交換缶体20から外れて外装ケース10内に開口する側の導出路40部分に配置している。前記ケース底板11上に、熱交換缶体20の設置範囲をカバーする形で、遮熱板50を被覆して設けている。この遮熱板50は前記熱交換缶体20の底周縁部下端の外向きフランジ部22と一緒にビス22a でケース底板11上に固定されて取り付けられている。遮熱板50は前記熱交換缶体20の上げ底部21に対抗する断熱用空間S内では、前記導出路40が開口する部分を除いてケース底板11を全面被覆している。前記導出路40が断熱用空間Sに開口する部分については、熱交換缶体20から断熱用空間Sに漏れ出てきた燃焼ガスの導出路40への入り口にあたるので、開けておく必要がある。勿論、導出路40の底面や側面等に遮熱手段を施してもよい。一方、導出路40が前記熱交換缶体20の外側に開口する部分は、熱交換缶体20から漏れ出てきた燃焼ガスの外装ケース10への出口にあたるが、その出口の一部を遮熱板50で塞ぐことで、前記導出路40に配置されるべき温度ヒューズ30の少なくとも先端部を導出路40内に特別の手段を設けることなく簡単に保持できるようにしている。
【0010】今、燃焼室23内で燃焼が行われているときに、該燃焼室23の底である熱交換缶体20の上げ底部21に穴が生じると、燃焼ガスが上げ底部21から漏出して断熱用空間S内に吹き出してくるが、気体の放出口である導出路40が設けられているので、燃焼ガスは断熱用空間Sから容易に導出路40に導かれ、該導出路40を通って、熱交換缶体20外方の外装ケース10内に放出される。そして導出路40に温度ヒューズ30が配置されているので、高温の漏出燃焼ガスと温度ヒューズ30とは確実に接触せられ、これによって温度ヒューズ30が溶融して、運転が停止せられる。また、断熱用空間Sに漏出した燃焼ガスは導出路40を通って熱交換缶体20の側方の外装ケース10内に排出されるので、熱交換缶体20の上げ底部21に対向して加熱されやすい外装ケース10のケース底板11の加熱が緩和される。また導出路40が設けられ、この導出路40に温度ヒューズ30が配置されることで、熱交換缶体20の上げ底部21のどの部分に穴が生じても、速やかに且つ確実にその穴の発生を検出して運転の停止を行うことができるので、遮熱板50の構成として材料的にまた構造的に複雑、高価なものは必要ではないが、遮熱板50を設けることで、温度ヒューズ30が作動するまでの間、外装ケース10のケース底板11を高温から守る。また遮熱板50の取り付けを利用して、温度ヒューズ30の少なくとも先端部を、特別の手段を設けることなく簡単に、導出路40内に抑え込んで保持することが可能となる。
【0011】
【発明の効果】本発明は以上の構成よりなり、請求項1に記載の石油給湯器によれば、ケース底板の一部に熱交換缶体の底から前記断熱用空間に漏出した燃焼ガスを熱交換缶体の側方へ導出させる導出路を構成し、該導出路に運転停止用の温度ヒューズを配置したので、熱交換缶体の底の何れの場所に穴が生じても、その穴から漏れ出た燃焼ガスを確実に、且つ速やかに導出路を介して温度ヒューズに導くことができる。よって、穴開き場所によって作動しなかったりすることなく、確実に、バラツキも無く安定して、また速やかに熱交換缶体の底の穴開きを検出することができる。また、従来のように複数の温度ヒューズを缶体の回りに配置したり、断熱材を用いた大掛かりな遮蔽機構も必要としないので、よって簡単な構成で、低コストで熱交換缶体の底の穴開きを検出することができる。その他、熱交換缶体の底から漏れた燃焼ガスを導出路を介して熱交換缶体の側方の外装ケース内に排出できるので、熱交換缶体の底部に対向して加熱されやすい外装ケースのケース底板の加熱を緩和することができる。また請求項2に記載の石油給湯器によれば、請求項1の構成による効果に加えて、熱交換缶体の設置範囲をカバーする形でケース底板上に遮熱板を被覆して設けると共に該遮熱板で温度ヒューズの少なくとも先端部を導出路内に保持せしめているので、熱交換缶体の底から漏れた燃焼ガスが温度ヒューズを溶融させるまでの時間、外装ケースのケース底板を熱から保護することができる。また遮熱板を利用して温度ヒューズを導出路内に保持することができ、温度ヒューズの保持の構成を容易、簡単に行える。
【出願人】 【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
【出願日】 平成8年(1996)2月23日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】室田 力雄
【公開番号】 特開平9−229360
【公開日】 平成9年(1997)9月5日
【出願番号】 特願平8−62082