トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F17 ガスまたは液体の貯蔵または分配




【発明の名称】 複数階層建築物のガス配管及びガス配管方法
【発明者】 【氏名】宇梶 正明

【氏名】奈良岡 臣剛

【氏名】木村 真鉄

【氏名】福島 修司

【氏名】森田 和明

【氏名】藤吉 稔

【氏名】恩田 和昌

【目的】 複数階層の集合住宅、事務所用建築物その他のビルのガス配管で、極めて施工性がよくまた接続箇所の少ないもので、メンテナンス性や耐震性の増進も図れる複数階層建築物の各階または供給ガス器具群までのガス配管を提供する。
【構成】 本発明は、複数の分岐口を持った分岐ヘッダーが供給ガス内管に設けられており、この分岐ヘッダーの複数の分岐口からガスを使用する建物の各階層またはJY住戸等供給給水器具群までの間を1本または複数本の分配管を用いて直接にガス供給配管した複数階層建築物のガス配管である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の分岐口を持った分岐ヘッダーが給ガス内管に設けられており、この分岐ヘッダーの複数分岐口かガスを使用する建物の各階層または供給ガ器具群までの間を分配管を用いて直接にガス配管していることを特徴とする複数階層建築物のガス配管。
【請求項2】 前記分岐ヘッダーの複数の分岐口からガスを使用する建物の各階層または供給ガス器具群までの間を複数の分配管でガス供給は移管していることを特徴とする請求項1記載の複数階層建築物のガス配管。【請求項3】 前記分岐ヘッダーの複数の分岐口からガスを使用する建物の各階層または供給ガス器具群までの間を2本の分配管でループ配管してガス供給配管していることを特徴とする請求項1乃至2記載の複数階層建築物のガス配管。【請求項4】 前記建築物に複数個の分岐ヘッダーを配置し、この各分岐ヘッダーの分岐口から前記分配管を経由して各階層または供給ガス器具群ガス配管していることを特徴とする請求項1乃至3記載の複数階層建築物のガス配管。【請求項5】 前記分岐ヘッダーの各分岐口からガス配管している分配管は可撓管を用いていることを特徴とする請求項1乃至4記載の複数階層建築物のガス配管。【請求項6】 前記可撓性のある分配管はステンレス鋼コルゲイテッド管であることを特徴とする請求項5記載の複数階層建築物のガス配管。
【請求項7】 前記分配管は、外周部に予め被覆材が装着されていることを特徴とする請求項1乃至6記載の複数階層建築物のガス配管。
【請求項8】 前記分岐ヘッダーの分岐口と分配管との間にガス流量計を設け、このガス流量計を介して前記分配管でガス配管してあることを特徴とする請求項、2と4乃至7記載の複数階層建築物のガス配管。
【請求項9】 複数の分岐口を持った分岐ヘッダーを給ガス内管に接続する工程、ガスを使用する各階層またはガス器具群から前記ヘッダーまで別々の分配管でパイプシャフト内を通して配管する工程、これらの分配管各々を前記ヘッダーの各分岐口に接続する工程とを有することを特徴とする複数階層建築物のガス配管方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は集合住宅、ホテル、各種ビル等複数階層建築物におけるガス配管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数階層建築物のガス供給配管は建物のパイプシャフトの部分に共用の供給ガス内管が縦方向に配管されていて、この供給内管から各階で分岐して集合住宅の各住戸、事務所用建築物の厨房、湯沸かし室などガスを使用する場所へ供給している。供給内管及び分岐管として、ガス配管用鋼管が使われている。これらの管は輸送や現場での施工性の問題から定尺(約5.5m又は4m)の鋼管を現場に搬入して現場においてフランジやねじ接続等の接合により、曲がり部分、直管延長・分岐部分を接続するといった施工が採用されている。
【0003】8に集合住宅の各住戸へのガス配管を、図9に事務所用建築物のガス配管の例を示している。埋設ガス本支管1からのガスは、建物のパイプシャフトのところに縦に供給内管8が通っていてこの供給内管8に送られる。この供給内管は各階で分岐7−2を取っており、この分岐から各階の住戸や事務所用建築物の台所、湯沸かし室等へ供給される。各住戸、事務所等では各戸のガス流量計5を経由して住戸配管9へ供給される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなガス配管は、定尺管を継ぎ合わせる接合及び曲がり部分の接合により接合箇所が多く、隠蔽部等のガス漏れ確認がしにくい場所にも接合箇所が発生してしまい、ひとたび漏れが発生すれば被害は複数階に及ぶことがある。また、建物内配管の改修時に供給内管を交換する場合、配管系統全体を工事期間中供給停止しなければならず、全居住者との供給停止期間の全体調整が必要になり、場合によっては工事の一時中断が必要となる。また、管径の太いガス管を現場で接合する手間が多大で工期が長くかかり、分岐継手7ー2を多く必要とし、工費が増加する。またねじ切り等の特殊技術、特殊工具を使用しなければならないところから、熟練工の不足による施工の不備によるガス漏れの恐れがある。
【0005】また、建物内建築工事の進み具合のタイミングを見て配管することになるが、建築途中の建物の中に長い管を搬入して配管するという煩わしい作業となっている。パイプシャフトを最小面積にすることは、建物の限られた床面積を有効に使用するために必要であるが、上記のようにガス配管に分岐継手部が多くあると、配管と周囲壁の間に現場接合時の工具の旋回半径を確保しなければならず、デッドスペースが生じる。コンクリート造りの建物において、配管を最下階から最上階まで真っ直ぐに通すためには、各階の床や壁のコンクリートを打設する度に、床及び壁を貫通するための貫通穴を精度よく設けていく必要がある。
【0006】また、集合住宅の場合、各住戸内に入る配管入口部のところにガス流量計5が設けられている。中高層の集合住宅では、ガス使用料の検針を行うのに分散された各住戸のガス流量計を見て回る必要がある。
【0007】そこで本発明は、複数階層の建築物へのガス配管において、きわめて施工性およびメンテナンス性がよく、また接続箇所を少なくできるガス配管で、耐震性の増進も図れるものを提供することを目的としている。また、本発明のガス配管では、集合住宅等で各戸のガス流量計を集中して設け、検針作業を容易にできるガス配管を提供することを他の目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のガス配管では、複数の分岐口を持った分岐ヘッダーが供給ガス内管に設けられており、この分岐ヘッダーの各分岐口付近からガスを使用する各階層または事務所や住戸等の供給ガス器具群までを分配管を用いて直接にガス配管している。分岐ヘッダーから分配管で直接ガス配管される供給ガス器具群とは、建物内に配置された同じ料金支払単位の住戸や事務所内等の複数のガス器具の集団単位をいい、例えば建物内の各階層にある場合、また同じ階内に複数の供給ガス器具群がある場合、あるいは1つのガス器具群単位が複数階層に渡って配置される場合がある。分岐ヘッダーの各分岐口からガスを使用するそれぞれの階層またはガス器具群までを1本ずつの分配管で配管してもよいし、また分岐ヘッダーの分岐口から各階またはそれぞれのガス器具群までを複数本の分配管でガス配管して供給するようにしてもよい。また2本ずつの分配管でループ配管して供給するようにしてもよい。この複数本の分配管でガス供給配管した場合は、多量のガス供給が安定して行なわれ、また分岐ヘッダーから供給配管される分配管の口径を1本ずつの配管で行なう場合よりも更に小径の管を用いることができる。分岐ヘッダーは、ガスの入口に対応して出口が複数口ある継手をいい、例えばねじ込み式管継手のチーズを用いてもよく、またねじ込み式管継手のチーズとニップルを組み合わせて設けてもよく、更に入口と複数口の出口を有する継手を一体の鋳物や射出成形品で形成してもよい。分岐ヘッダーに接続する分配管は可撓性のある管を接続してもよく、またガス配管用鋼管等の直管を接続してもよい。また分岐ヘッダーとこの分配管との間にガス流量計を接続してもよい。分岐ヘッダーは建築物の状況に応じて最下層階、地上階または建物の途中階に設置し、分岐ヘッダーの各分岐口から分配管を経由して各階層または供給ガス器具群へガス配管される。例えば10階等高層建築物の場合は、1つの建築物に対して3個所に分岐ヘッダーを設置し、下段の分岐ヘッダーで例えば1階から4階層分のガス器具群をまかない、他の分岐ヘッダーで5階から7階層分及び8階から10階層分をまかなうようにそれぞれの分岐ヘッダーから分配管を経由して直接ガス配管してもよい。更にガスを使用する各階層あるいは各住戸のガス流量計を分岐ヘッダーの近くに設けることで分岐ヘッダーから各供給ガス器具群へ供給する分の検針が集中して行なえる。
【0009】本発明で使用する分配管は可撓性のある管が好ましく、可撓性のある合成樹脂管、例えばポリエチレン管やポリブテン管、その他軟質銅管やステンレス鋼コルゲイテッド管が配管の施工性の面で適している。なおベンダーで容易に曲げることができる屋内配管用薄肉ステンレス管であってもよく、またガス配管用鋼管を用いてもよい。この可撓性のある管は比較的小口径のもので賄うことができるので、柔軟で軽量なので、ドラム状に巻いて現場搬入・施工が容易にできる。また予め不燃性または難燃性の被覆材を巻いた分配管を使用することができ、配管施工時の管表面の傷付きを防止できる。本発明の配管方法では、複数の分岐口を持った分岐ヘッダーを供給ガス内管に接続する工程、ガスを使用する各階層ガス器具群から分岐ヘッダーまで別々の分配管をパイプシャフト内または天井裏等に通して配管する工程、これら配管した分配管各々を前記ヘッダーの各分岐口に接続する工程とを有する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明によるガス配管の実施例を図1及び図2に示す。図1は店舗付き集合住宅の場合のガス配管例を示すもので、2階から4階部分は各階層に2戸ずつの住戸が配置されている。埋設ガス本支管1と接続した供給内管8は、集合住宅の下層部、地階部にあるヘッダー11で各住戸への分岐が取られている。このヘッダー11は建物内の他、屋外に設けても良い。分岐ヘッダー11の各分岐口から1つのガス器具群9としての各階の各住戸のガス配管の受け口までを直接、小口径の分配管10例えば20Aのステンレス鋼コルゲイテッド管で途中に分岐部無しで配管を行い、各ガス器具群9に設けたガス流量計5を経て各住戸内等のガス器具群9の配管につながれている。尚、分配管10は工事工程、施工事情等により継手を用いて継ぎ足し配管しても良い。また住戸等ガス器具群9内の配管は分岐配管やヘッダー配管、転がし配管等従来から行なわれている配管によって末端の各ガス栓、ガス器具等へ配管される。
【0011】図2に示す実施例では事務所用建築物の例で、各階層には各1つのガス器具群9があり、図1と同様に供給内管8は、地階部にあるヘッダー11でガスを使用する各階層への分岐が行われ、この分岐ヘッダー11から厨房、湯沸かし室等を含めた1つのガス器具群9までを小口径の分配管10で途中に分岐部無しで直接配管されている。図4に本実施例のガス配管の詳細を示す。供給内管8の末端が分岐ヘッダー11に接続され、分岐ヘッダーによって複数本の小口径の分配管10に分岐され、各分岐管10は住宅などガス器具群9の配管まで直接、途中に分岐部無しで接続される。分配管10は薄肉ステンレス管や可撓性のあるステンレス蛇腹管が用いられる。分配管10は予め床スラブ15に設けられた貫通穴13を貫通して配管され、支持金具12を介して壁や床等に固定支持される。図4では各階に1本ずつの分配管でガス供給配管しているが、これは各階に2〜3本等複数本の分配管で配管するようにしてもよい。図5は更に別の実施例のガス配管の詳細を示す図である。この実施例の場合、供給内管8の端部に接続された分岐ヘッダー11の分岐口は偶数口有しており、各ガス器具群9へ供給する分配管は2本ずつの分配管10、10で配管され、図5では各住戸等ガス器具群9の受け口でループ配管してあり、この受け口からガス流量計5を介して住戸内に供給されている。このように複数本の分配管10を用いてガス供給配管した場合、同時に全部のガス栓を開いて多量のガスを使用する場合等においても、複数本の分配管から同時に供給されるので、多量のガス供給が安定しておこなわれる。また例えば複数本の内の1本に故障が生じた場合等においても、供給先に使用不能等の迷惑を掛けずにメンテナンスすることができ、更に分岐ヘッダー11から各1本の分配管で各ガス器具群に配管する場合に比べて小口径の分配管10、10を用いることができ、配管の施工が容易になる。
【0012】本実施例において分岐ヘッダー11の設置個所は、屋内でもよいし、図6に示すように建築物の状況に応じて屋外の複数箇所に設置してもよい。また建築物複数階の途中まで立ち上げて複数階の途中に分岐ヘッダー11を設け、分岐ヘッダーの各分岐口から分配管10を経由して上層階及び下層階へガス配管するように設けてもよい。これらの場合に、図6のごとく分岐ヘッダー11と分配管10との間にガス流量計5を設けることにより、流量計5の検針が集中して行なえるので都合がよい。また図7に示すように、供給内管8を複数本に分岐した副供給ガス内管81、82、83を設け、この副供給内管を建物の途中階に設置した分岐ヘッダー11に接続して、分岐ヘッダー11から分配管10を経由して各住戸等ガス器具群9へ供給するように設けてもよい。このように建築物の途中に分岐ヘッダー11を複数箇所設置してそれぞれの供給ゾーンに分けてガス供給ることにより、メンテナンスが容易になり、効率よくガス供給することができる。
【0013】次にこのガス配管をする場合の施工法を述べる。
1.型枠工事、床、壁、梁等の型枠パネルに、コンクリート打設前に予め挿入するさや管(スリーブ)挿入のための墨出しを行う。型枠パネルはコンクリート打設時の振動などで数センチ移動することがある。墨だしに基づき、さや管を型枠パネルに固定する。この時使用するスリーブは精度の誤差を見込んで大きくする必要はなく使用する可撓性のある管が挿入でき、隙間を充填できる径が有ればよい。
2.コンクリート打設工事3.型枠脱型工事 スリーブのさや管は一般的に可燃物なのでさや管を除去する。
4.配管工事 床、壁、梁等のコンクリートに、配管施工のための墨出しをする。図3に示すように、ドラム状に巻いた長尺で可撓性のある分配管10を現場に搬入するが、軽量でコンパクトなので運送、搬入が容易であり定尺管のような加工は不要である。ドラム状に巻いた可撓性のある分配管を引き延ばしながら分岐ヘッダーから各階配管、各住戸配管まで、各階の貫通穴を貫通させる。各階の壁に支持金具を用いて配管を支持固定する。各階スリーブ穴と配管の隙間の空間をモルタル等の不燃材で穴埋めをするか、貫通処理器具を装着する。また、分配管10を適当な長さに調節し、継手を用いて各階配管、各住戸配管に接続する。また予め外周部に被覆材を装着した分配管を用いて配管した場合は、配管施工時の管表面の傷付きを防止できる。
【0014】
【発明の効果】本発明により以下の効果が得られる。
1、建物内の各階や各住戸等各ガス器具群に直接1本ないし複数本の分配管でガスが供給されるため、故障が生じた際などのメンテナンスが容易に行なえる。
2、従来配管に比べて1本当たりの配管口径が小さくて済み、このため軽量で可撓性及び柔軟性のある管が使用でき、ドラム状に巻いた管を用いて現場への搬入や配管施工時の支持等が容易で、工期や工費の減少が図れる。
3、分配管が長尺管なので、現場での接合は原則的に分岐ヘッダー部及び各階配管または各住戸配管との接合部だけであり、管継手や管の接続部が少なくて済むので、手間がかからず工期が短縮でき、工費の減少が図れる。
4、また接続箇所数が基本的に少ないため、漏れ発生の危険箇所も基本的に少なくなり、漏れが発生しても確認が容易で被害の影響の少ない場所に接合箇所を限定できる。
5、原則的に曲がり部分、直管延長、分岐部分での接合がないので、配管と周囲壁との間の現場接合時の工具の旋回半径が不要となり、壁に配管を接触させて設置することができ、配管スペースをコンパクトに収めることができる。
【0015】6、分岐ヘッダーから建物内の各ガス器具群へ容易に複数本の分配管を用いてガス供給配管することができ、安定したガス供給を行なうことができる。
7、分配管に可撓性及び柔軟性を有した管を用いることができるので、床及び壁を貫通する貫通穴やスリーブの位置に多少の誤差があっても対応することができ、配管施工が容易である。
8、各階や各ガス器具群毎に分けて給水配管されるので、建物改修等で配管を交換する場合、各階・各住戸毎の交換が可能で、他の住戸等に迷惑を掛けずに改修施工が行なえる。また新規配管工事においても、建物内建築工事との施工工程の調整が容易におこなえる。
9、分配管を可撓性及び柔軟性を有する管にした場合、配管全体の耐震性にも優れている。
10、ヘッダーの分岐口付近にガス流量計を設けることにより、各ガス器具群毎のガス流量計の検針を集中して行なうことができ、検針作業が容易となる。
11、小口径の分配管を用いることができるので、配管施工が容易になり、工期が短縮される。
【出願人】 【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
【出願日】 平成8年(1996)10月8日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
【公開番号】 特開平9−166299
【公開日】 平成9年(1997)6月24日
【出願番号】 特願平8−267568