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【発明の名称】 エンジン始動装置
【発明者】 【氏名】名和 敏明

【氏名】社本 浩和

【氏名】桜井 武俊

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジン始動の信号を受けると、車両の状態を状態検出手段により検出して入力し、その検出入力があらかじめ設定されている始動条件と合致しているときにエンジンを始動するようにしたエンジン始動装置において、前記始動条件の登録モードを設定するための設定手段と、この設定手段により前記登録モードが設定されている状態で、前記車両の状態を示す状態信号を入力してこれを前記エンジンの始動条件として検出する条件検出手段と、この条件検出手段の検出結果に応じてエンジンの始動条件を更新登録設定する登録手段とを備えたことを特徴とするエンジン始動装置。
【請求項2】 前記登録手段は、前記条件検出手段による結線状態の検出結果が未接続状態である場合に、自動検出モードを設定することを特徴とする請求項1記載のエンジン始動装置。
【請求項3】 前記エンジンの始動条件を記憶する不揮発性の記憶手段を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のエンジン始動装置。
【請求項4】 前記登録モードは、自動車に備えられたスイッチ類の所定操作手順にしたがった操作入力があるときに設定するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のエンジン始動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン始動の信号を受けると、そのときの車両の状態があらかじめ設定されている始動条件と照合して合致しているか否かを各種の入力端子からの信号入力状態から判断して合致している場合にエンジンの始動を行うようにしたエンジン始動装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】自動車のエンジンを遠隔操作により始動したりあるいは停止したりするものがある。これは、リモコンなどの遠隔操作装置によりエンジンの始動信号を送信すると、自動車側に設けられた受信装置により受信してこれに応じてエンジンを始動するもので、このとき、受信装置側では、受信したエンジン始動信号に含まれるIDコードが一致すると共に、そのときの自動車側の各装置の状態があらかじめ登録されている始動条件に合致しているか否かが判定された上でエンジンスタータを駆動するものである。
【0003】この場合、エンジンスタータに始動信号を与える条件としては、次のようなものがある。すなわち、シフトレバーがPレンジ(パーキングレンジ)あるいはNレンジ(ニュートラルレンジ)に入っているか否かという点や、PKB(パーキングブレーキ)が引かれた状態にあるか否かという点などである。これらは、エンジンを始動したときに、不用意に動かないようにするための条件であり、これらが満たされていない場合にはエンジンは始動されない。
【0004】また、エンジンの始動条件以外にも、エンジン始動後の運転条件として、暖機運転を行うような場合にその継続時間を何分にするかという設定条件や、エンジンを始動したことをどのような検出手段で認識するかという点などについても設定できるものがある。
【0005】従来のものにおいては、これらの条件設定については、使用者が必要に応じてマニュアル設定するようになっており具体的には、制御回路につながるDIPスイッチが設けられており、4個のスイッチをプリセット状態から変更する場合には、これに対応した設定状態となるようにスイッチを切り替え設定して制御回路に読み込ませるようになっている。
【0006】しかしながら、このように使用者がDIPスイッチの設定状態を変更するといったマニュアル設定するものでは、具体的な設定内容を対応付けて設定する必要があるが、スイッチが小さくて操作しにくいので設定を誤ったり、あるいは操作すること自体が面倒である。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、エンジン始動のための設定条件の設定作業を簡単にして1回の操作で確実に設定できるようにしたエンジン始動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、エンジン始動の信号を受けると、車両の状態を状態検出手段により検出して入力し、その検出入力があらかじめ設定されている始動条件と合致しているときにエンジンを始動するようにしたエンジン始動装置を対象とするものであり、前記始動条件の登録モードを設定するための設定手段と、この設定手段により前記登録モードが設定されている状態で、前記車両の状態を示す状態信号を入力してこれを前記エンジンの始動条件として検出する条件検出手段と、この条件検出手段の検出結果に応じてエンジンの始動条件を更新登録設定する登録手段とを設けて構成したところに特徴を有する。
【0009】上記構成によれば、エンジンの始動条件の設定を対応する状態に設定しておくことで自動的に検出してそのときの状態に登録設定することができるので、その設定作業が簡単且つ確実に行えるようになり、使い勝手に優れたものとなる。
【0010】また、上記構成において、前記登録手段を、前記条件検出手段による結線状態の検出結果が未接続状態である場合に、自動検出モードを設定するように構成することができる。さらに、前記エンジンの始動条件を記憶する不揮発性の記憶手段を設けるとよい。
【0011】また、前記登録モードは、自動車に備えられたスイッチ類の所定操作手順にしたがった操作入力があるときに設定するように構成することができる。これにより、例えば通常では操作しないような手順を規定しておくことにより、意思をもって操作した場合にのみ登録モードに移ることができるようになり、誤操作や第三者による不用意な登録モード設定をなくすことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をワイヤレスリモコンを用いた自動車のエンジンスタータに適用した場合の一実施例について図面を参照して説明する。図1は、自動車に搭載される受信装置の電気的構成を示すもので、制御回路1は、マイクロコンピュータ,ROM,RAMなどを含んで構成されるもので、条件検出手段および登録手段を兼ね備えたものである。アンテナ2は自動車外部からのエンジン始動信号を受信するもので、高周波回路3を介して制御回路1に接続されており、受信したエンジン始動信号はデジタル信号に変換された状態で制御回路1に入力されるようになっている。
【0013】入力回路4は、エンジンの始動条件に設定された各スイッチの状態を示す信号を制御回路1に入力するもので、各種スイッチに接続可能となるように複数の入力端子が設けられている。PBK(パーキングブレーキ)スイッチ5は、PBKが引かれた状態でオンするもので、その一端子は表示ランプ6を介して電源端子IG1に接続されると共に入力回路4の入力端子に接続され、他端子はアースされている。
【0014】ドアカーテシスイッチ7は、ドアの開閉に応じてオンオフするスイッチで、その一端子は表示ランプ8を介してバッテリの出力端子+Bに接続されると共に入力回路4の入力端子に接続され、他端子はアースされている。P(パーキング)ポジションスイッチ9は、シフトレバーがパーキング位置にあるときにオンするもので、その一端子は電源端子IG1に接続され、他端子は入力回路4の入力端子に接続されると共に表示ランプ10を介してアースされている。
【0015】モード設定スイッチ11は、登録モードの設定動作開始を行うためのもので、その一端子は抵抗12を介して電源端子Vccに接続されると共に抵抗11aを介して制御回路1の入力端子に接続され、他端子はアースされている。表示用LED13は登録モードであることを表示するためのもので、その一端子は電源端子Vccに接続され、他端子は抵抗14を介して制御回路1の出力端子に接続されている。記憶手段としてのEEPROM15は、登録モードで設定された始動条件を記憶するためのもので、電気的に書き換え可能なROMであって制御回路1に接続されている。
【0016】出力回路16は、自動車のエンジンを始動停止するための装置に接続されるもので、これによってそれらの装置に対して制御回路1から制御信号が出力されるようになっている。IGキーシリンダに設けられるロータリースイッチ17a,17bは、挿入されたキーが回動操作されるとこれに応じて接点が移動するように構成されたもので、2個のスイッチ17a,17bは連動して回動されるようになっている。
【0017】ロータリースイッチ17aには可動接点に対してACC,IG1,ST1の各接点が設けられ、ロータリースイッチ17bには可動接点に対してIG2,ST2の各接点が設けられている。そして、これらのロータリースイッチ17a,17bを介して接続されている自動車の各種装置に対して出力回路16の出力端子が接続されており、制御回路1からの制御信号に応じて直接給電可能に構成されている。また、出力回路16には、ホーン18が接続されており、登録モードにおいては報知手段としての機能を果たすようになっている。
【0018】次に、本実施例の作用について図2も参照して説明する。図2は、登録モードの設定を行うための手順・動作(1)〜(6)、および条件登録設定作業の手順・動作(7)〜(11)を示すもので、以下、それらの内容について(1)〜(11)の順にしたがって説明する。なお、登録モードが設定されると、制御回路1により、そのときの始動条件に対応した状態を認識するので、あらかじめ対応する状態を設定しておく。
【0019】すなわち、まず、エンジンの始動条件としてPKBを引いた状態を設定するか否かを登録するために、その条件に対応した状態とする。この場合、寒冷地などの場合には、PKBを引いた状態で駐車すると、PKBのワイヤが凍結して運転時にリリースできなくなる場合があるので、PKBを引かない状態で駐車することがある。この始動条件は、このような状況を想定して設定されるものである。したがって、このような環境にない場合には、通常はPKBを引いていることを始動条件とするので、そのようにPKBを設定しておく。
【0020】次に、シフトレバーをP位置にセットした状態を検出するのに、Pレンジスイッチを利用する場合と、そのような信号が得られない場合とに対応し、利用する場合にはPレンジスイッチに接続すると共に、シフトレバーをP位置に設定する。また、信号が得られない場合には、結線をしない状態のままとする。この場合、結線作業をしない状態とすると、後述するように、他の条件に基づいて自動検出動作を設定するようになる。
【0021】また、エンジンの始動状態の検出方法として、バッテリの端子電圧を検出することで判定するか、あるいはチャージランプの信号を入力して判定するかのいずれかに設定する。この場合、チャージランプの信号を入力する場合には、チャージランプの結線を行う。バッテリの端子電圧を検出する場合には結線をしないでオープン状態とする。
【0022】次に、登録モードの設定作業から説明する。
(1) まず、作業者によりモード設定スイッチ11がオン操作されると、制御回路1は、その後ドアが閉状態から開状態に変化するか否かを所定時間待機して検出するようになる。このとき、制御回路1は、ドアの開閉をドアカーテシスイッチ7のオンオフに対応した信号を入力回路4を介して検出することにより判断する。そして、ドアが開かれたことが検出されると、次の手順(2)が実施されるかを待機するようになる。
【0023】(2) 上述の手順に続いて、5秒以内にIG(イグニッション)スイッチがオンされるか否かを検出する。制御回路1は、作業者がIGキーシリンダにキーを挿入してIGオン位置まで回動すると、これを検出して次の手順(3)が実施されるのを待機するようになる。
【0024】(3),(4) 続いて、5秒以内にIGスイッチがオフされ、その後、5秒以内にIGスイッチがオンされるか否かを検出する。制御回路1は、作業者が上述の動作に続けてIGオフすると共に再びIGオンするように回動操作すると、これを検出して次の手順(5)が実施されるのを待機するようになる。
【0025】(5) この後、20秒以内に、ドアの開閉動作が5回連続して行われるか否かを検出する。制御回路1は、ドアカーテシスイッチ7の信号がドアを閉状態から開状態にする操作を5回検出すると、これによって登録モードの設定作業が正しくなされたことを認識する。
【0026】(6) 上記の認識をすると、制御回路1は、ホーン18を鳴動させてアンサホーンとして報知する。この場合、アンサホーンの鳴動回数を現在の暖機運転時間の登録状態が10分であるか20分であるかに応じて1回あるいは2回として報知する。これによって、作業者は、登録されている暖機運転時間に対して続く始動条件の登録作業において変更するか否かに応じて設定作業が必要となるか否かを認識することができる。
【0027】続いて、始動条件の登録動作について説明する。
(7) 制御回路1は、まず、PKBの状態をPKBスイッチ5の状態を示す信号を入力して設定する。つまりPKBが引かれている状態では、PKBスイッチ5がオンして表示ランプ6に通電された状態となるので、入力回路4を介してロウレベルの信号が入力されることになり、これによって制御回路1はPKBが引かれた状態にあることを判断する。
【0028】(8) 次に、制御回路1は、入力回路4の入力端子はチャージランプの端子に結線されているか否かを判断する。結線されている場合には、制御回路1は、エンジンの始動状態を判定するのに、このチャージランプ信号を入力して行う。つまり、エンジンが始動状態となってオルタネータが動作することによりチャージランプが消灯するのでこれをもってエンジンの始動状態にあることを判定するのである。
【0029】一方、チャージランプの端子に結線されていない場合には、制御回路1は、バッテリの端子電圧を入力してその変動状態からエンジンの始動状態を判定する自動設定となる。この場合、エンジンが始動される時には、バッテリの端子電圧が急激に低下し、始動された後にはオルタネータが動作することにより、もとの端子電圧程度に復帰することになるので、これによってエンジンの始動状態を判定するのである。
【0030】(9) 続いて、制御回路1は、エンジン始動条件としてのPレンジの検出を行う際の検出対象をPポジションスイッチ9が結線されているか否か、つまり、入力回路4を介してハイレベルの信号が入力されているか否かを判断し、入力されている場合には、以後、これをPレンジの検出に用いるように設定し、ロウレベルの信号が入力されている場合には、Pポジションスイッチ9が結線されていないとしてこれをPレンジの検出対象とせず、他のニュートラルスイッチなどの信号を利用する自動検出モードを設定するようになっている。
【0031】(10) 次に、制御回路1は、ドアが閉状態から開状態に変化したか否かをドアカーテシスイッチ7から入力回路4を介して得られる信号に基づいて判断する。この場合、ドアの開閉動作は、登録作業を行っている作業者が行うもので、前述したエンジン暖機運転の時間が10分に設定されている場合には20分に変更する場合、あるいは20分に設定されている場合には10分に変更する場合に行われるものである。
【0032】(11) そして、以上の検出動作および操作が登録モードになってから10秒以内に実施されるようになっており、この後、制御回路1は登録設定の動作が終了したことをアンサホーンとしてホーン18に報知信号を出力して鳴動させるようになる。このとき、アンサホーンの鳴動回数は、いま登録設定された暖機運転の時間が10分である場合には1回とし、20分である場合には2回行うようになっており、これによって、作業者が暖機運転の時間をどのように変更設定したかを認識することができるようになる。
【0033】このようにして、アンサホーンの動作を終了すると、制御回路1は、登録モードのプログラムを終了する。この場合、プログラムの終了は、IGスイッチがオフに切り替わった時点や、タイマ設定動作により所定時間が経過した時点、あるいは暖機時間の切り替え設定動作があった時点で行うようにすることができるものである。なお、上述のようにして入力されたエンジン始動条件などの種々の条件について、制御回路1は、EEPROM15に登録記憶するようになっており、すでに登録されているデータを消去して新たなデータを記憶する。
【0034】次に、上述のようにして登録設定されたエンジン始動条件に基づいたエンジン始動の動作について簡単に説明する。図示しない遠隔操作装置のエンジン始動スイッチが操作されると、内蔵されている送信回路は、エンジン始動の信号とこれにIDコードを付加した電波信号として出力される。自動車側の受信装置は、そのエンジン始動の信号をアンテナ2を介して受信すると、高周波回路3によりデジタル信号に変換して制御回路1内に入力するようになる。
【0035】制御回路1は、入力したデジタル信号に基づいて、そのIDコードが自己に登録されているIDコードと一致するか否かの照合動作を行い、一致しているときにはそのエンジン始動の信号を受け付ける。そして、エンジン始動の信号に対応する制御信号を出力する前に、エンジンの始動条件を満たしているか否かを判断する。
【0036】すなわち、制御回路1は、入力回路4を介して入力される信号の出力状態を検出し、それらの検出信号がエンジン始動条件として登録されている状態と一致しているか否かを判断し、一致している場合にはエンジン始動信号を出力してエンジンを始動させる。また、一致していない場合には、エンジン始動には不適合な状態であるとして無効化するようになる。
【0037】このような本実施例によれば、エンジン始動条件を登録設定する際には、登録モードの設定を行うと、制御回路1によりそのときの入力信号の状態を検出して自動的に登録することができるので、DIPスイッチの切り替え設定などの煩わしい操作を行う必要がなく、登録操作が簡単になって使い勝手が良くなる。また、エンジン始動条件としての結線を行っていない場合に、制御回路1により、自動検出モードを設定することができるので、登録作業を行いやすくなる。
【0038】本発明は、上記実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。操作手順(1)〜(6)を省略して、モード設定スイッチ11の操作ですぐに登録モードに設定されるようにしても良い。モード設定スイッチ11を設けない構成とし、操作手順(1)〜(6)が実施されることを条件として登録モードに設定するように構成しても良い。自動検出モードについては適宜使用すれば良い。他の条件を始動条件として設定することができる。実施例中で示した始動条件は適宜選択的に採用すれば良い。
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、エンジンの始動条件の設定作業が簡単且つ確実に行えるようになり、使い勝手に優れたものとなる。請求項2の発明によれば、未結線状態の場合の条件設定を自動的に行わせることができるようになり、使い勝手が向上する。請求項3の発明によれば、エンジンの始動条件を不揮発性の記憶手段により記憶するので、一度登録すれば、給電が停止されても復帰後にその情報を再び利用して始動条件を利用することができ、使い勝手に優れる。請求項4の発明によれば、登録モードの設定を所定操作手順で行うようにしたので、誤って設定してしまうことを防止できる。
【出願人】 【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
【出願日】 平成8年(1996)6月12日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強
【公開番号】 特開平9−329075
【公開日】 平成9年(1997)12月22日
【出願番号】 特願平8−150844