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エンジン始動装置 - 特開平9−329074 | j-tokkyo
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【発明の名称】 エンジン始動装置
【発明者】 【氏名】内▲せ▼ 義文

【氏名】戸高 良一

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 設定時刻に至るか、または設定操作から設定時間を経過したときに、あるいはリモートコントローラから発信されたエンジン始動信号を受信したときにキースイッチのエンジン始動接点をバイパスするエンジン始動用接点手段を閉成し、車両搭載のバッテリをスタータラインに接続してスタータモータを駆動すると共に、該キースイッチのイグニッション接点をバイパスするイグニッションライン用接点手段をも閉成して始動後のエンジンの継続運転を可能にする一方で、上記エンジン始動用接点手段を上記閉成してから一定時間後に、または該エンジンの始動を確認した後に、該スタータモータを停止するため、上記エンジン始動用接点手段を開放する制御回路を有するエンジン始動装置であって;上記エンジン始動用接点手段を上記バッテリと上記スタータラインの間に介在する二つの直列な第一、第二スイッチから構成し;上記制御回路は該エンジン始動用接点手段を上記閉成するとき、該二つの直列な第一、第二スイッチの中、上記スタータラインに近い第二スイッチを閉成してから上記バッテリに近い第一スイッチを閉成し、該エンジン始動用接点手段を上記開放するときには該第一スイッチを開放してから該第二スイッチを開放するように構成されていると共に;該第一、第二スイッチの間の線路部分の電圧を監視することで少なくとも該第一スイッチの開閉状態を抽出する接点状態抽出回路があり;該制御回路は該接点状態抽出回路を介して得られる接点状態信号に基づき、少なくとも上記第一スイッチの故障の有無を判断し、故障と判断したときには上記第一、第二スイッチを共に開放するための動作をなすこと;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項2】 請求項1記載の装置であって;上記制御回路が上記エンジン始動用接点手段を開放する動作をなしたときに、上記接点状態抽出回路を介して得られる上記接点状態信号が上記第一スイッチを通じて上記バッテリ電圧が表れていることを表す信号形態である場合には、該制御回路は上記故障と上記判断すると共に、上記イグニッションライン用接点手段をも開放すること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項3】 請求項1または2記載の装置であって;上記制御回路が上記イグニッションライン用接点手段を閉成してから上記エンジン始動用接点手段を閉成する動作をなしたときに、上記接点状態抽出回路を介して得られる上記接点状態信号が上記第一スイッチを通じて上記バッテリ電圧が表れないことを表す信号形態である場合には、該制御回路は上記故障と上記判断すると共に、上記イグニッションライン用接点手段をも開放すること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項4】 請求項1,2または3記載の装置であって;上記制御回路が上記イグニッションライン用接点手段及び上記エンジン始動用接点手段を閉成する動作をなしていないときに、上記接点状態抽出回路を介して得られる上記接点状態信号が上記第一スイッチを通じて上記バッテリ電圧が表れていることを表す信号形態となった場合には、該制御回路は上記故障と上記判断すると共に、以後、上記エンジン始動用接点手段及び上記イグニッションライン用接点手段を閉成するための動作を生起しないこと;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の装置であって;上記制御回路が上記故障と判断したとき、視覚的警報及び聴覚的警報の中、少なくとも一方または双方を発する警報手段を有すること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項6】 請求項1,2,3または4記載の装置であって;記憶回路、上記イグニッションラインの通電状態を検出するライン電圧検出回路、及び視覚的警報及び聴覚的警報の中、少なくとも一方または双方を発する警報手段をさらに有し;該記憶回路は上記制御回路が上記故障と判断したとき、故障有りの情報を記憶し;該警報手段は、該記憶回路が該故障有りの情報を記憶している状態で該ライン電圧検出回路が上記イグニッションラインへの通電を検出したときに上記警報を発すること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項7】 請求項1,2,3,4,5または6記載の装置であって;上記接点状態抽出回路は、上記第一、第二スイッチの間の上記線路部分が上記バッテリに導通したときに第一の論理レベルの出力信号を発し、そうでないときに該第一の論理レベルとは異なる第二の論理レベルの出力信号を発するスイッチング回路であること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項8】 請求項7記載の装置であって;上記スイッチング回路は単段トランジスタ回路であること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項9】 請求項1,2,3,4,5または6記載の装置であって;上記接点状態抽出回路は、上記第一、第二スイッチの間の上記線路部分の電圧を分圧する分圧回路であること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項10】 請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9記載の装置であって;nを3以上の整数として、上記第二スイッチと上記スタータラインの間にはさらに第三スイッチから第nスイッチまでが直列に介在し;上記制御回路は、上記第二スイッチを開閉するときに該第三スイッチから該第nスイッチまでを同時に開閉するか、または該第二スイッチを閉成するときには該閉成に先立ち該第nスイッチから該第三スイッチまでを順次に閉成し、該第二スイッチを開放するときには該開放の後に該第三スイッチから該第nスイッチまでを順次に開放すること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項11】 請求項10記載の装置であって;上記第三スイッチから上記第nスイッチまでの直列接点手段列においてそれぞれ隣接するスイッチ間の線路部分の一つまたは幾つか、あるいは全てに接続し、それぞれが該接続した線路部分の電圧を監視することで該接続した線路部分よりも上記バッテリ側に位置する接点手段の開閉状態を抽出する追加の接点状態抽出回路を有し;該制御回路は該追加の接点状態抽出回路を介して得られる接点状態信号に基づき、少なくとも上記接続した線路部分よりも上記バッテリ側に位置する接点手段の故障の有無を判断し、故障と判断したときには上記第一、第二スイッチと共に上記第三スイッチから上記第nスイッチを全て開放する動作をなすこと;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項12】 請求項11記載の装置であって;上記制御回路は上記接点状態抽出回路及び上記追加の接点状態抽出回路を介して得られる上記接点状態信号に基づき故障した接点手段を特定すること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項13】 請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11または12記載の装置であって;上記制御回路はマイクロコンピュータを用いて構成されていること;を特徴とするエンジン始動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は使用者の設定した時刻に、または設定操作から設定時間を経過したときに、あるいはリモートコントローラから発信されたエンジン始動信号を受信したときにエンジンを始動させるエンジン始動装置に関し、特に、手動操作されるエンジン始動接点が開放されていても制御回路からの指令に応じてスタータモータを稼働させるため、当該エンジン始動接点をバイパスする接点手段の故障を検出し、対処するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】少し前までの自動車両では、気温が下がる程、エンジン始動後の暖気運転時間は長目に取る必要があったが、最近のものではそれ程暖気運転をなくても、エンジン性能自体への悪影響は殆ど認められないまでになってきた。しかし、エンジンを始動した直後の車内は、冬は凍りつく程寒く、夏は火傷する程熱くなっていることも多い。従って、エンジン性能に関してというより、むしろ運転者の不快感を解消し、予め暖房ないし冷房が程好く利いた頃に車内に乗り込めば良いようにするため、従来からもスタータタイマと呼ばれる商品やリモコンスタータと呼ばれる商品が開発されてきた。前者は、使用者が設定した設定時刻になるか、または使用者による設定操作から設定時間を経過すると、通常は使用者が手動で操作するキースイッチが操作されなくても、制御回路に含まれているタイマ回路が車両搭載のバッテリからの稼働電力をスタータモータ駆動回路に与えてこれを自動的かつ強制的に稼働させ、車両搭載のエンジンを自動始動させる装置であり、後者は無線(特殊な場合には赤外線波長領域等をも含む)を利用し、車両から離れた所、例えば家の中から等でもリモートコントローラに備え付けのエンジン始動スイッチを使用者が操作することでエンジン始動信号を発し、これを受信した制御回路がやはり車両搭載のバッテリからの稼働電力をスタータモータ駆動回路に与え、これを自動的かつ強制的に稼働させ、車両搭載のエンジンを始動させる装置である。
【0003】もっとも、このようなエンジン始動装置は、いわゆるオートマチック車専用の商品として市販される。これは、運転者が車両に乗り込んでいない状態で車両のエンジンを始動する装置としての安全性が確保されねばならないからである。つまり、マニュアル車の場合、一部の車両を除き、セレクタレバー(シフトレバーとかギアチェンジレバー等とも呼ばれる)が中立(ニュートラル:N)位置にあるか否かの検出回路を有している車両はないので、こうしたエンジン始動装置がマニュアル車に搭載された場合、車両のギアが中立以外の位置に入っているときに制御回路によりスタータモータが強制駆動されるようなことがあると、サイドブレーキの引き具合が甘ければ車両が不測にも動いてしまう危険がある。
【0004】その点、オートマチック車の場合には、市販されている全ての形式の車両においてセレクタレバーに連動して開閉する接点手段が備えられ、セレクタレバーが駐車位置(パーキングないしP位置)にあるか中立位置Nにないとこの接点手段が開き、バッテリからスタータモータ駆動回路への通電を阻止するようになっているので、従来のこの種のエンジン始動装置に見られるように、エンジン始動動作時にキースイッチを単にバイパス、短絡するような簡単な構成でも、比較的高い安全性を望むことができる。ちなみに、こうしたセレクタレバー連動の接点手段は、特定の条件の下では強制的にスタータモータ駆動回路への通電を「禁止」すると言う意味から、一般に「インヒビタ接点」ないし「インヒビタスイッチ」等と呼ばれる。
【0005】しかるに、図4には、このような従来のエンジン始動装置30の一構成例が示されている。まず、通常のオートマチック車に搭載されている回路ないし装置部分から説明すると、車両搭載のバッテリ10からのバッテリ電力供給ラインがキースイッチ13の入力側接点(摺動子ないし可動片側の接点)に接続されている。キースイッチ13は極めて周知のもので、いわゆる「車のキー」を差し込んで手動操作され、通常、オフ接点(OFF),アクセサリ接点(ACC.), イグニッション接点(IG),そしてエンジン始動を促すエンジン始動接点(ST)の少なくとも四つの固定接点位置を有している。使用者がキースイッチ13に挿入しているキー(図示せず)を回し、アクセサリ接点ACC.をのみ選択したときには、車両搭載のラジオその他、いわゆるアクセサリ負荷11のみが稼動可能な状態になる。これに対し、さらにキーを回し込み、キースイッチ13をエンジン始動接点STに付けると、後述のスタータモータ動作を経てエンジンが始動し、その後、エンジン始動を確認した使用者がキーを回す手を緩めると、当該キースイッチ13は自動的にイグニッション接点IGを選択した位置にまで戻り、始動したエンジンの回転を持続するに必要な点火系統関係の負荷12に対し、イグニッションライン22を介しバッテリ10から電力を供給し続ける(このとき、周知であるが、一般にアクセサリ接点ACC.も同様に選択され、アクセサリ負荷11にも電力が供給され続ける)。
【0006】エンジン始動接点STは、冒頭に述べたインヒビタ接点COを直列に含む電流ライン(スタータライン)21を介し、スタータモータ駆動回路として代表的な例であるマグネットスイッチ15に接続している。マグネットスイッチ15は、キースイッチ13がエンジン始動接点STに付けられ、かつ、このときにインヒビタ接点COが閉じていれば、バッテリ10からの電力供給を受けることで内蔵の接点を閉じ、これにより、当該閉じた接点を介してバッテリ10からの電力を直接にスタータモータ14に与えてこれを回転させ、エンジン始動を図る。換言すれば、インヒビタ接点COが開いているときは、例えキースイッチ13によりエンジン始動接点STが選択されてもマグネットスイッチ15にはバッテリ電力が供給されず、内蔵の接点も閉じないので、スタータモータ14も回ることがない。
【0007】なお、スタータモータ駆動回路15はマグネットスイッチ構成以外、他の回路形態を取ることもあるし、特殊な場合にはマグネットスイッチ15が設けられず、スタータライン21は直接にスタータモータ14に接続することもある。この場合のスタータモータ駆動回路はスタータモータ周りの配線系と考えることができる。ただ、このような回路構成にすると、一般にスタータライン21には、マグネットスイッチ15等を用いるときよりもさらに大きなスタータモータ駆動電流が流れる。いずれにしても、本書で言うスタータライン21とは、図4に示す回路例に認められる通り、キースイッチ13がエンジン始動接点STに付けられたときに、少なくともバッテリ10からスタータモータ14を回転させる契機となる電流が流れるラインを言う。
【0008】インヒビタ接点COは、先に述べたようにオートマチック車に固有のもので、図示しないセレクタレバーに連動してオンオフする。つまり、オートマチック車において使用者が操作するセレクタレバーは、通常、駐車(パーキング)位置P、後退(リバース)位置R、中立(ニュートラル)位置N、前進(ドライブ)位置Dの四位置を少なくとも有しており、ドライブ位置Dはさらに、セコンドギア選択位置、ローギア選択位置、さらにはウルトラローギア選択位置等に細分化されるのが普通である。本書では簡単のため、前進に関与する上記の各位置は全て画一的にドライブ位置Dで代表させるが、このようなセレクタレバーにはまた、その時々の選択位置に応じた電気接点位置を有するセレクタレバー連動スイッチ16が結合される。
【0009】図示の場合、このセレクタレバー連動スイッチ16はその摺動子接点(可動片側の接点)がインヒビタ接点COの選択駆動用リレーRYo を介しイグニッションライン22に接続しており、対して当該セレクタレバー連動スイッチ16において選択され得る固定接点群P,R,N,Dの中、接点R,Dは開放されるか、または例えば高抵抗を介して接地される等して実質的に開放とされ、接点P,Nのみが接地されている。そのため、図示しないギア選択用セレクタレバーが後退位置Rか前進位置Dに付けられているときには、対応する連動スイッチ16も実質的な開放接点R,Dのいずれかにあるので、仮にこの状態で使用者によりキースイッチ13が操作され、イグニッション接点IGに加えてエンジン始動接点STが選択されてもリレーRYo には駆動するに十分なバッテリ電力が与えられず、インヒビタ接点COも閉じないので、スタータライン21にバッテリ電流が流れず、スタータモータ14は回転しない。
【0010】キースイッチ13の操作によりスタータモータ駆動回路15が稼働するのは、セレクタレバーが駐車位置Pか中立位置Nに付けられていて、セレクタレバー連動スイッチ16も接点位置Pか中立位置Nに付けられている結果、キースイッチ13のイグニッション接点IGからイグニッションライン22を介しインヒビタ接点閉成用リレーRYo にバッテリ電力が与えられ、インヒビタ接点COが閉じられているときに限られる。ただ車種によっては、インヒビタ接点COがリレーRYo により駆動されるのではなく、セレクタレバー連動スイッチ16そのものにより構成されているものもある。すなわち、セレクタレバーが駐車位置Pか中立位置Nに付いているときにのみ、キースイッチ13のエンジン始動接点STからスタータモータ駆動回路15に至るスタータライン21を閉じるように、セレクタレバーに対し直接に連係した機械的連動接点として当該インヒビタ接点COが構成されているものもある。
【0011】このような、車両に本来搭載されているスタータ周りの回路に対し、図4中に仮想線の枠30で囲って示す部分が、一般に簡単な配線作業により、後から取り付けられる従来のエンジン始動装置30である。ただし、枠30の外側にあっても、リレー接点Ca,Cb,Ccは、この装置30により選択的に開閉制御される追加の接点手段である。
【0012】しかるに、図4に示すエンジン始動装置30は、まずもってスタータタイマの機能を有している。もっとも、本発明は、冒頭に述べたように、制御回路の指令により選択的に開閉される接点手段の故障の有無を検出し、それに対処するための改良に関するものであるため、こうしたエンジン始動装置30の持つ基本機能の一つであるタイマ動作それ自体に関してはこれを直接に規定するものではない。図示の構成はあくまで一例である。さらに言うなら、公知既存の、ないしこれから開発されるであろうスタータタイマにおいて、後に述べる問題点が生ずるのであるならば、それらに対し、本発明をなべて適用することができる。
【0013】さて、図示のエンジン始動装置30は、メインスイッチ46が閉じられ、バッテリ10から電源電力が供給されているときに動作する制御回路31を有している。この制御回路31は、昨今では一般にマイクロコンピュータ(以下、単にマイコンと略記し、制御回路と同じ符号31を用いる)を含んで構成されており、この場合にはまた、マイコン31は、以降に説明する演算記憶回路32、タイマ回路33のなすべき各機能をも営むようにソフト的にプログラムされる。しかし、便宜上、制御回路31を含めてこれら各回路31〜33がそれぞれ独立のハードウエアとして構成されているように説明した方が便利なこともあるので、そうすることもある(実際、それらの中の一つまたは幾つか、あるいは全てをハードウエアにより構成することも可能である)。
【0014】使用者は、メインスイッチ46が投入された状態下で例えば適当な入力操作キー群、あるいは入力操作スイッチにより構成できる操作部39を介し、自動的にエンジンを始動すべき設定時刻、または設定操作時から設定時間を経過したときに自動的にエンジンを始動させるべき当該設定時間を対応するデータ形式で入力することができる。入力された設定時刻または設定時間データは演算記憶回路32中に記憶されると共に、液晶型ディスプレイ装置等、適当な視覚的ディスプレイ手段による表示部38にて使用者に表示される。ただし、バッテリ電力節約のため、イグニッションライン22にバッテリ電力が供給されていないときには表示をなさないように、マイコン31には当該イグニッションライン22に電圧が生じている場合にそれを報知するライン電圧検出回路44の検出信号が与えられている。
【0015】ライン電圧検出回路44は、例えば簡単には分圧回路とし、イグニッションライン22にバッテリ電圧が印加されて当該ライン22がオンとなっているとき、当該ライン22に表れている電圧(バッテリ電圧)をマイコン31の取扱える電圧範囲の電圧信号として当該マイコン31に与える構成としたり、あるいはまた、トランジスタを含むスイッチング回路として、イグニッションライン22にバッテリ電圧が印加されているときに特定の形態の信号、例えば論理レベル“H”または“L”の信号をマイコン31に供給する回路として構成できる。いずれにしても、使用者による上記のデータ入力操作は、少なくともイグニッションライン22にバッテリ電力が通電されている状態(キースイッチ13が少なくともイグニッション接点IGを選択している状態)下で行なわれる。
【0016】なお、制御回路31をマイコンを用いて構成する場合には特に、上記したライン電圧検出回路44を分圧回路で構成したような場合の外にも、当該マイコン31に各部のアナログ電圧を取り込むに際しては、必要に応じ入力アナログ電圧をデジタル数値に変換するが、昨今のマイコン31ではそのためのアナログ対デジタル変換器(A/D変換器)を内蔵するものが多い。図示の場合はそうしたマイコンの使用を想定しているため、A/D変換器は図示を省略しているが、A/D変換器を内蔵しないものでは当然、外付けのA/D変換器を使うことになる。さらに、従来装置においても、機種によっては、メインスイッチ46が投入されていてもイグニッションライン22に通電されていない場合、マイコン31のクロック周波数を相対的に低い周波数とし、マイコン31自体での電力消費を抑えるようにしたものもある。このような諸点は、後述する本発明の適用されるエンジン始動装置でも必要に応じ任意に採用することができる。また、これも予め述べておくと、マイコン31に対し外付けの回路として示されている各回路38,39,40,45と当該マイコン31との間には、この種の技術分野で周知のように、必要に応じそれぞれに適当なるインタフェイス回路を設けて良いことは当然である。例えば後述するライン閉成回路45中の各リレーRYa 〜RYc とマイコン31の開閉指令信号の出力端子との間には必要に応じ、トランジスタによるドライバ回路等が挿入されたりもする。
【0017】制御回路31ないしその中の特にタイマ回路33は、通常の各種のタイマ装置と同様、時計機能ないしは計時機能を有し、使用者が設定した設定時刻に至るか、あるいは設定時間を経過すると「タイムアップ動作」を開始し、ライン閉成回路45中、スタータライン閉成用リレーRYc を駆動することで対応するリレー接点Ccを閉じ、キースイッチ13をバイパスしてインヒビタ接点COの上流側にバッテリを接続し、一方でイグニッションライン閉成用リレーRYa にも通電してそのリレー接点Caも閉じ、イグニッションライン22に通ずるイグニッション接点IGをバイパスする。従って、セレクタレバーが駐車位置Pまたは中立位置Nにあって、図示するセレクタレバー連動スイッチ16も対応する位置にある限り、バッテリ10からイグニッションライン22を介しインヒビタ接点COの閉成用リレーRYo に通電されてこのインヒビタ接点COが閉じ、また、エンジンの回転を持続するために必要な各種電気負荷12にも通電される。
【0018】そのため、キースイッチ13がオフ位置にあっても、閉成したリレー接点Cc、インヒビタ接点COを介し、スタータモータ駆動回路15にバッテリ10からの稼働電力が与えられてスタータモータ14が強制駆動される。そして、それから一定時間後(例えば 5秒後)に、もしくは先掲のように分圧回路等として構成されることでイグニッションライン22の電圧(ひいてはバッテリ電圧)を検出可能に構成されたライン電圧検出回路44からの検出電圧がエンジン始動に伴い再上昇したことを検出する等で制御回路31によりエンジン始動が確認されることで、当該制御回路31の指令に基づきリレーRYc の通電が解かれ、エンジン始動接点STをバイパスするバイパス接点手段(リレー接点Cc)が開かれてスタータモータ14の駆動が止められても、それからさらに、少なくとも予め設定された時間の間、リレーRYa は通電を続け、イグニッションライン22への通電が確保されて、エンジンは回転を続ける。この設定時間は、一般にはやはり操作部39における使用者の設定操作により、例えば最大20分を限度とする等、最大設定可能時間範囲内で所望の時間に設定し得るようになっており、かつ、この設定時間も確認のため、表示部38にて表示できるようになっている。また、これも一般に、リレーRYc,RYa に通電するときには同時にリレーRYb にも通電し、そのリレー接点Cbを閉成してキースイッチ13のアクセサリ接点ACC.もバッテリ側に短絡し、アクセサリ負荷11に対してもバッテリ電力を供給する。
【0019】さらに、この種のエンジン始動装置では、一定時間に亙りリレー接点Ccを閉成しても、制御回路31が上述のようなエンジン始動確認手法によりエンジン始動を確認しなかったときには、再度一定時間に亙りリレー接点Ccの閉成を図り、これを所定回数を限度として繰り返すように構成されたものもあるし、例えばディーゼル車に搭載される場合をも想定し、制御回路31は、エンジン始動接点STをバイパスする接点Ccを閉じるときには、それより早くイグニッション接点IGをバイパスする接点Caを閉じるように構成されることが多い。後者は、イグニッションライン22に接続された予熱用負荷等に先に給電すること等を図ってである。
【0020】図4に示した従来のエンジン始動装置30ではさらに、いわゆるリモコンスタータの機能をも有している。すなわち、図示しないリモコンに備え付けられているエンジン始動スイッチを使用者が操作すると、当該リモコンからはエンジン始動信号を適当なる変調手法で変調した電波が輻射される。この電波がアンテナ41を介し電波受信/復調回路40に入力し、復調されてマイコン31に与えられ、当該マイコン31にてそれが個々の装置30とマッチングの採れたエンジン始動信号であること、すなわち社団法人電波産業会の指定するビット同期信号、フレーム同期信号、郵政大臣により指定される呼出符号及び誤り訂正符号に関し個々の装置ごとにエンジン始動信号として確認の取れた信号である場合には、マイコン31は「リモコンスタート動作」を生成し、実質的に、既述したタイマ動作による「タイムアップ動作」時と同様の動作を起こす。
【0021】すなわち、マイコン31は実質的にタイマ回路33中の負荷制御回路を流用する等してライン閉成回路45に作用し、それらのリレー群リレーRYa,RYb,RYc に通電してスタータモータ14の駆動を図り、一定時間の駆動の後、もしくはマイコン31によりエンジン始動が確認されることでリレーRYc の通電が解かれ、当該スタータモータ14は停止させても、さらにそれから所定の設定時間の間、イグニッションライン22とアクセサリラインには通電を続ける。また、これも既述のタイムアップ動作時と同様、マイコン31が一定時間の間にエンジン始動に成功しなかったことを、例えば電圧検出可能に構成されたライン電圧検出回路44から得られるイグニッションライン22を介しての電圧情報等に鑑み、バッテリ電圧に上昇が認められないこと等で検出したときには、再度一定時間に亙りリレーRYc を駆動し、こうした動作を所定回数を限度として繰り返すように構成されていたりもする。
【0022】ただし、スタータタイマに関し既に述べた通り、本発明はこのリモコンスタータに関しても、当該リモコンスタータの基本的動作やその回路構成それ自体に関してはこれを直接に規定するものではない。図示の構成はあくまで一例であり、公知既存の、ないしこれから開発されるであろうリモコンスタータにおいて、後述する問題が生ずる場合にはなべて本発明による改良の対象となる。さらに言うなら、本発明は上述のようにスタータタイマの機能とリモコンスタータの機能を併せ有するエンジン始動装置に限らず、どちらか一方の機能をのみ有するエンジン始動装置にも適用することができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】図4に即し上述した従来のエンジン始動装置において、問題となり易いのがエンジン始動接点をバイパスする接点手段(図示の場合はリレー接点Cc)の故障である。スタータモータ駆動回路ないしマグネットスイッチ15を用いる場合でも、この接点Ccが閉成されるとこれにはかなり大きな電流(通常、十数A程度)が流れるし、車種によりマグネットスイッチ15等がなく、スタータモータ14がスタータライン21に直列に入っているような場合には、さらに大きな電流が流れる。そのため、かなり信頼度の高い接点手段を用いても、当該接点Ccが溶着して開かなくなる短絡故障(オン故障)、逆に閉じなくなる開放故障(オフ故障)を起こす確率は残念ながら零ではない。そしてもし、短絡故障を起こすと、制御回路がスタータモータ14の駆動を停止すべく、ライン閉成回路に作用して当該接点を開こうとしても開かず、スタータモータ14には大電流が供給され続けるようになり、最悪の場合、スタータモータ14の焼損に至ることも考え得る。
【0024】一方、エンジン始動用接点手段Ccが開放故障を起こしたとすると、もとよりスタータモータ14の焼損に繋がるようなことはないが、エンジン始動装置が一見、正常に動作しているように見えるのに、エンジンが始動しないという不具合が生ずる。
【0025】これに対し、本出願人は既に、特開平 6-49771号公報にて、このための対策を一つ、開示した。それでは、基本的なスタータタイマ動作に関与するタイマ回路とは別個に、当該公報中ではリレーオン時間監視回路と呼ぶもう一つのタイマ、言わば安全タイマを設け、この安全タイマが、タイマ回路の出力信号の継続時間(先のリレー接点Ccに相当するエンジン始動用接点手段を閉成させておく時間)を監視し、これが異常に長くなった場合、それ以後、タイマ回路の動作そのものを停止してしまうという構成になっている。従って、この考えを実際の製品に応用する場合、タイマ回路をマイコンで構成したときには、当該マイコンを停止状態ないしリセット状態にラッチすることになり、このリセット状態は、マイコンへの電源供給に関するメインスイッチを切り、再投入しないと解かれないようになっている。ところが、従前の回路では、メインスイッチを再投入すると、再び安全タイマが異常を検出するまで、タイマ回路の動作が可能になってしまうという問題があった。つまり、タイマ回路を別なタイマ回路で監視するということは必ずしも望ましくはなく、回路部品や回路構成を複雑にし、結局は製品コストを押し上げるという点でも不満があった。
【0026】さらに、上述した構成はタイマ回路自体の故障判断に関するものであるが、そうではなく、エンジン始動用接点手段の短絡故障ないし開放故障を検出するための工夫として、当該公報中では次のような構成も開示している。
【0027】まず、図4中に示したリレー接点Ccに相当するエンジン始動用接点手段を直列な二つの第一、第二スイッチから構成する。ここでは便宜上、バッテリ10に近い側のスイッチを第一スイッチ、スタータライン21に近い側をのスイッチを第二スイッチと呼ぶ。これらスイッチは、一般にそれぞれ専用のリレーで開閉制御されりリレー接点であって良い。
【0028】このようにした上で、第一、第二スイッチを接続する線路部分の電位を監視する電位監視回路を設け、タイマ回路が開放指令を発したのに電位監視回路がバッテリ電圧を検出した場合には、第一スイッチが溶着故障を起こしていることになるので、以後のタイマ回路の動作は停止させるように構成する。
【0029】しかし、この構成によると、次の回のタイマ動作は生起させないということであって、直ちに始動したエンジンを停止させる工夫や、そうした異常を警報するための工夫、さらにはどのタイミングでそうした異常警報を発するか等については何等考慮されていなかった。
【0030】また、第一、第二スイッチの駆動順序等についても考慮しておらず、第一、第二スイッチを同時に開閉することをのみ想定していたため、それら第一、第二スイッチの故障確率は同程度であった。ところが第一スイッチに関しては、既述のように、それが溶着故障すると直ちに電位監視回路はバッテリ電圧を検出することになるので、当該第一スイッチの溶着故障は直ちに判別、認識し得るものの、こと第二スイッチに関しては、これが第一スイッチと同程度の故障確率を持っていても、その故障検出は、キースイッチを手動で操作し、エンジン始動接点が選択されない限り、なし得なかった。つまり、キースイッチの手動操作でエンジン始動接点が選択されて始めて、当該エンジン始動接点から溶着した第二スイッチを介し電位監視回路がバッテリ電圧を検出することで第二スイッチの当該溶着故障を判別し得るようになる。
【0031】これを言い換えれば、第一、第二スイッチの故障確率が同じであるならば、その故障検出に関しても同様の条件で当該検出が行なわれることが望ましい。にも拘らず、この従来公報開示の発明では若干、この点に対する配慮が乏しかった。ただ、バッテリ電圧が表れるか否かにより故障の有無を判断するという考え方自体は合理的である。従って、この考えを踏襲するならば、逆に、第一スイッチの方の故障確率を第二スイッチのそれよりも高めれば(第二スイッチが殆ど故障しないようにし得れば)、第一スイッチのみの故障検出としても、実質的にそれら第一、第二スイッチを一つのエンジン始動用接点手段と看做した場合の当該エンジン始動用接点手段の故障検出に関し、検出確率は高められることになる。
【0032】本発明は基本的にこうした知見に基づき、従来のエンジン始動装置における問題点を解消ないし緩和することを目的にしてなされたものであり、エンジン始動装置において制御回路の指令により開閉されるエンジン始動用接点手段の故障検出能力が高く、かつ、簡単な回路構成で故障判断をし、これに対処し得る装置を提供せんとするものである。さらに、この基本的な目的を達成した上で、故障が発生した場合の警報や、この警報を発するタイミングについても効果的な配慮を施さんとする。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため、設定時刻に至るか、または設定操作から設定時間を経過したときに、あるいはリモートコントローラから発信されたエンジン始動信号を受信したときにキースイッチのエンジン始動接点をバイパスするエンジン始動用接点手段を閉成し、車両搭載のバッテリをスタータラインに接続してスタータモータを駆動すると共に、キースイッチのイグニッション接点をバイパスするイグニッションライン用接点手段をも閉成して始動後のエンジンの継続運転を可能にする一方で、エンジン始動用接点手段の閉成から一定時間後に、またはエンジンの始動を確認した後に、スタータモータを停止するため、エンジン始動用接点手段を開放する制御回路を有するエンジン始動装置であって、(a) エンジン始動用接点手段をバッテリとスタータラインの間に介在する二つの直列な第一、第二スイッチから構成し;
(b) 制御回路は上記のエンジン始動用接点手段を閉成するとき、それら二つの直列な第一、第二スイッチの中、スタータラインに近い第二スイッチを閉成してからバッテリに近い第一スイッチを閉成し、逆にエンジン始動用接点手段を開放するときには、第一スイッチを開放してから第二スイッチを開放するように構成されていると共に;
(c) 第一、第二スイッチの間の線路部分の電圧を監視することで少なくとも第一スイッチの開閉状態を抽出する接点状態抽出回路があり;
(d) 制御回路はこの接点状態抽出回路を介して得られる接点状態信号に基づき、少なくとも第一スイッチの故障の有無を判断し、故障と判断したときには第一、第二スイッチを共に開放するための動作をなすこと;を特徴とするエンジン始動装置を提案する。
【0034】本発明ではまた、上記構成要件(a) 〜(d) を有する基本的な構成に加え、(e) 制御回路がエンジン始動用接点手段を開放する動作をなしたときに、接点状態抽出回路を介して得られる接点状態信号が第一スイッチを通じてバッテリ電圧が表れていることを表す信号形態である場合には、制御回路は上記のように故障と判断すると共に(従ってこれに基づき上記のように第一、第二スイッチを共に開放するための動作をなすと共に)、イグニッションライン用接点手段をも開放すること;を特徴とするエンジン始動装置も提案する。
【0035】さらに本発明では、上記構成要件(a) 〜(d) を有する基本的な構成に加え、(f) 制御回路がイグニッションライン用接点手段を閉成してからエンジン始動用接点手段を閉成する動作をなしたときに、接点状態抽出回路を介して得られる接点状態信号が第一スイッチを通じてバッテリ電圧が表れないことを表す信号形態である場合には、制御回路は故障と判断すると共に、イグニッションライン用接点手段をも開放すること;を特徴とするエンジン始動装置や、(g) 制御回路がイグニッションライン用接点手段及びエンジン始動用接点手段を閉成する動作をなしていないときに、接点状態抽出回路を介して得られる接点状態信号が第一スイッチを通じてバッテリ電圧が表れていることを表す信号形態となった場合、制御回路は故障と判断すると共に、以後、エンジン始動用接点手段とイグニッションライン用接点手段を閉成するための動作を生起しないこと;を特徴とするエンジン始動装置も提案する。
【0036】そして、上記の構成要件(a) 〜(d) に加え、構成要件群(e) 〜(g) の中の少なくとも一つまたは幾つか、あるいは全てを有する本発明のエンジン始動装置において、警報の発令に関しては、(h) 制御回路が故障と判断したとき、視覚的警報及び聴覚的警報の中、少なくとも一方または双方を発する警報手段を有すること;
を特徴とするエンジン始動装置を提案し、さらには警報を発するタイミングに関し最適化を図ったものとして、(i) 記憶回路、イグニッションラインの通電状態を検出するライン電圧検出回路及び視覚的警報及び聴覚的警報の中、少なくとも一方または双方を発する警報手段をさらに有し;
(j) 記憶回路は制御回路が故障と判断したとき、故障有りの情報を記憶し;
(k) 警報手段は、記憶回路が故障有りの情報を記憶している状態でライン電圧検出回路がイグニッションラインへの通電を検出したときに警報を発すること;を特徴とするエンジン始動装置も提案する。
【0037】また、上記した接点状態抽出回路は、特定の態様においては第一、第二スイッチの間の線路部分がバッテリに導通したときに第一の論理レベルの出力信号を発し、そうでないときに第一の論理レベルとは異なる第二の論理レベルの出力信号を発するスイッチング回路であることができ、この場合、簡単には当該スイッチング回路を単段トランジスタ回路とすることができるし、そうではなく、接点状態抽出回路はまた、第一、第二スイッチの間の線路部分の電圧を分圧する分圧回路として構成することもできる。
【0038】さらに、上記ではエンジン始動用接点手段は第一、第二の二つのスイッチに限定されており、実際にはそれで十分であるが、本発明の思想に即し原理的な観点からすると、当該接点手段を三つ以上n個のスイッチの直列構成に展開することができる。すなわち、本発明の特定の態様においては、少なくとも上記構成要件(a) 〜(d) を有するのに加え、(l) nを3以上の整数として、第二スイッチとスタータラインの間にはさらに第三スイッチから第nスイッチまでが直列に介在し;
(m) 制御回路は、第二スイッチを開閉するときに第三スイッチから第nスイッチまでを同時に開閉するか、または第二スイッチを閉成するときには閉成に先立ち第nスイッチから第三スイッチまでを順次に閉成し、第二スイッチを開放するときには開放の後に第三スイッチから第nスイッチまでを順次に開放すること;を特徴とするエンジン始動装置も提案できる。
【0039】そしてこの場合には、さらに、(n) 第三スイッチから第nスイッチまでの直列接点手段列においてそれぞれ隣接するスイッチの間の線路部分の全てまたは幾つかに接続し、接続した線路部分の電圧を監視することで接続した線路部分よりもバッテリ側に位置する接点手段の開閉状態を抽出する追加の接点状態抽出回路を有し;
(o) 制御回路はこの追加の接点状態抽出回路を介して得られる接点状態信号に基づき、少なくとも接続した線路部分よりもバッテリ側に位置する接点手段の故障の有無を判断し、故障と判断したときには第一、第二スイッチと共に第三スイッチから第nスイッチを全て開放する動作をなすこと;を特徴とするエンジン始動装置も提案できる。
【0040】当然、このように第一、第二スイッチ間の接点状態抽出回路に加え、追加の接点状態抽出回路を有する場合には、それら複数個の接点状態抽出回路及び追加の接点状態抽出回路を介して得られる接点状態信号に基づき、制御回路は故障した接点手段を特定することも可能になる。なお、制御回路は、既述したように、一般にはマイコンを用いて便利に構成することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図1,2に即し、本発明に従って構成されたエンジン始動装置50の望ましい実施形態につき説明するが、図中において既に図4に即して説明した構成要素と同じか、ないし同様で良い構成要素には同じ符号が付してあり、それらについては原則として先の説明を援用し、ここでの再説は省略するものもある。
【0042】本発明に従う場合、まず、キースイッチ13のエンジン始動接点STをバイパスするエンジン始動用接点手段は、図4に示した従来構成では単一のリレー接点Ccで構成されていたのに対し、バッテリ10の側に近い第一スイッチC1と、スタータライン21の側に近い第二スイッチC2との直列構成に代えられる。そしてこの実施形態では、これら第一、第二スイッチC1,C2は、ライン閉成回路45中に設けられているそれぞれ専用のリレーRY1,RY2 により選択的かつ独立に駆動、閉成される常開接点となっている。
【0043】これら第一、第二スイッチC1,C2の間の線路部分には接点状態抽出回路53の入力端子が接続している。この接点状態抽出回路53は少なくとも第一スイッチC1のオンオフ状態を抽出するもので、図示実施形態の場合には抵抗R1,R2から成る分圧回路と、その分圧回路の分圧電圧Vdにより選択的にオンオフし、望ましくは単段トランジスタ回路で済む npnスイッチングトランジスタQ1とから構成され、このスイッチングトランジスタQ1のコレクタから接点状態抽出信号Sdが取り出されて、マイコン31で構成できる制御回路31に入力されている。
【0044】従って、第一スイッチC1が閉じていると、実質的に接点状態抽出回路53の分圧回路にはバッテリ電圧が印加されるので、分圧電圧Vdをベース電圧として受けることでスイッチングトランジスタQ1はオンとなり、そのコレクタが接地に導通する結果、接点状態抽出信号Sdは第一の論理レベルとして相対的に低レベル、すなわち論理“L”の信号となり、第一スイッチC1がオンであることを制御回路ないしマイコン31に報知する信号となる。逆に第一スイッチC1が開いていると、接点状態抽出回路53の分圧回路に有意の電圧は印加されず、スイッチングトランジスタQ1もオフとなるので、接点状態抽出信号Sdは第一の論理レベルとは異なる第二の論理レベルとして相対的に高レベル、つまり論理“H”の信号となって、制御回路ないしマイコン31に対し、第一スイッチC1がオフとなっていることを報知する信号となる。
【0045】さて、本発明では、キースイッチ13のエンジン始動接点STをバイパスする接点手段を単に二つのスイッチC1,C2の直列構成にしただけではなく、それらの故障確率に意図的な差異を設けるため、これらの動作順序に関しても独自の規定をなす。これについては以下、図2をも参照して説明する。
【0046】既に図4に即して説明したように、タイマ回路33がタイムアップを計数したとき、あるいは使用者の図示しないリモコン操作により発せられたエンジン始動信号を電波受信/復調回路40が受信、復調し、制御回路31がこれを認識したとき、制御回路31はまずライン閉成回路45中のリレーRYa に指令して、その常開接点Caを閉じさせる。これにより、キースイッチ13が手動操作されておらず、それ自体はオフ位置に付けられていても、当該キースイッチ13のイグニッション接点IGがバイパスされ、図2中、最上段に示すように、イグニッションライン22にバッテリ電力が供給され、後述のようにして始動したエンジンをそのまま運転させるに必要な負荷12にバッテリ電力が供給されると共に、もし仮に、本装置50がディーゼルエンジン搭載車に取り付けられたような場合にも、例えばその予熱負荷等にも予め給電しておくことができる。
【0047】図2では、このように常開接点Caの閉成に伴いイグニッションライン22にバッテリ電力が供給される時点をイグニッションライン22がオンとなった時点として示し、エンジン始動動作の開始時点としてある。もちろん、このとき、制御回路31はライン閉成回路45に作用してリレーRYb にも通電し、その常開接点Cbを閉じさせることでアクセサリ負荷11にも予め給電して良く、ここでもそうであるとする。
【0048】しかるに、上述したエンジン始動動作の開始後、所定の時間(例えば先掲の予熱負荷への適用等も考慮して 5ないし 6秒程度)が経過すると、本発明に従って改良された制御回路ないしマイコン31は、まず最初、図2中の上から三段目に示すように、第二の開閉指令信号Sg2 を第二スイッチC2の閉成を指令する信号として出力し、ライン閉成回路45中の対応するリレーRY2 を駆動し(既に述べたように、これに際してはこの種のリレー駆動技術に従い、マイコン31との間に適当なるドライバ回路を介在させて良い)、まずは第二スイッチC2を閉じる。しかし、この時には当然、まだ第一スイッチC1は開いているので、接点状態抽出回路53中のスイッチングトランジスタQ1にはベース電圧(抵抗R1,R2から成る分圧回路の出力電圧Vd)が印加されず、図2中、四段目に「正常動作」として示すように、当該接点状態抽出回路53の出力する接点状態抽出信号Sdはそれ以前の状態と変わらず、第一スイッチC1がオフであることを表す論理レベル“H”の信号を出力し続ける。
【0049】その後、図2中では横軸方向の時間幅を理解のために拡大しているが、少しの時間遅れ、例えば50mSないし 100mS程度をおいてマイコン31は図2中、二段目に示すように、第一の開閉指令信号Sg1 を第一スイッチC1の閉成を指令する信号として出力し、ライン閉成回路45中の対応するリレーRY1 を駆動して第一スイッチC1を閉じさせる(他のリレーに関して述べたと同様、このリレーRY1 と制御回路31の間にも適当なるドライバを介在させて良い)。従って、このときに図示しないセレクタレバーが正しく駐車位置Pまたは中立位置Nに付けられていて、セレクタレバー連動スイッチ16が固定接点PないしNに付けられていれば、インヒビタ接点COも閉じているので、閉成した第一、第二接点C1,C2を介し、バッテリ10からスタータモータ駆動回路であるマグネットスイッチ15に給電されてスタータモータ14が駆動される。そして、これに伴い、接点状態抽出回路53中のスイッチングトランジスタQ1もオンとなり、図2中にあって正常動作を示す四段目に認められるように、当該回路53から出力される接点状態抽出信号Sdは既述した第一の論理レベルである論理“L”の信号に反転する。
【0050】ここで重要なことは、本発明では第一、第二スイッチC1,C2をこのように順序駆動するので、スタータモータ駆動開始に伴うバッテリ10からの突入電流によるストレスは、主として後から閉成される第一スイッチC1に集中するということである。換言すれば、本発明によると、大電流の突入により故障する確率は、第一スイッチC1の方が第二スイッチC2よりも高くなるように意図的に設定されているということ、逆に言えば、第二スイッチC2の故障確率は十分小さくされているということである。そのため、後述の故障発生後の対処に認められるように、第二スイッチC2は、言わば第一スイッチC1がもし故障しても、安全を図るためのバックアップスイッチとなり得る。
【0051】第一スイッチC1が閉じられてから所定時間、例えば通常、スタータモータの駆動に十分と認められる 5秒程度の時間が経過すると、本発明に従う制御回路ないしマイコン31は、同じく図2中、二、三段目の関係に示されているように、第一の開閉指令信号Sg1 を第一スイッチC1の開放(オフ)を指令する信号として出力し、ライン閉成回路45中の対応するリレーRY1 への通電を止めて第一スイッチC1を開かせ、これによりスタータモータ14の駆動をそこで止める。その後、これも例えば50mSないし 100mS程度の適当なる時間遅れをもってマイコン31は第二の開閉指令信号Sg2 を閉成指令信号として出力し、ライン閉成回路45中の対応するリレーRY2 への通電を止めて第二スイッチC2を開かせる。
【0052】このような順序動作から明らかなように、本発明によると、バッテリ電力を遮断するときにも、例えば放電ストレス等、当該電力の急激な遮断に伴うストレスは先に開かれる第一スイッチC1に集中するようにされ、言い換えれば第二スイッチC2が開かれるときには最早バッテリ10からの電源電流は流れていないので、当該第二スイッチC2の故障確率は大幅に低減する。
【0053】つまり、本発明の一つの特徴として、エンジン始動用のバイパス接点手段にもし故障が発生するにしても、それは殆ど必ず、第一スイッチC1に生ずるようにする,ということがある。そのため、以下に述べるように、簡単な回路構成で故障の有無の判断が可能であり、かつ、第一スイッチC1が溶着故障を起こしても、第二スイッチC2が、確実に安全を確保するべく開放する「バックアップ」スイッチとなることができる。これが例えば、先掲の従来公報中に認められるように、第一、第二スイッチC1,C2を同時に開閉させるように構成されていると、いずれのスイッチC1,C2に対しても、同等の故障検出機能を持たさねばならなくなり、既述のように、必ずしも同等の条件下での検出はできなくなる。回路構成も複雑化し易く、総体的に見て故障検出確率が高いとは言えなくなる場合もある。
【0054】さて、本発明に従い、あえてストレスが集中するようにされた第一スイッチC1の故障の態様と、本発明に従うその後の対処例につき説明するに、まず、マイコン31がスタータモータ始動のために必要な時間として設定されている所定時間を経過した後、スタータモータの駆動を止めるため、第一開閉指令信号Sg1 を開放指令信号として出力したにも拘らず、図2中、五段目に「オン故障」として示してあるように、第一スイッチC1が溶着故障を起こし、オンとなったまま開放しなかった場合には、接点状態抽出回路53は第一スイッチC1の出力側(第二スイッチC2との接続側)の線路部分にバッテリ電圧がそのまま表れていることを知ることができ、つまりは当該回路53中のスイッチングトランジスタQ1がオンとなり続けることで当該回路53が出力する接点状態抽出信号Sdは第一スイッチC1がオンとなり続けていることを表す上述の第一論理レベルの信号、すなわち論理“L”レベルの信号を維持し、これをもって制御回路31に「オン報知」をする。ただし、ここでは図面表記上、分かり易くするため、故障判断に関しマイコン31のなす故障判断機能部分を故障判断回路51として独立の回路のように示してある。
【0055】いずれにしても、マイコン31ないし故障判断回路51は、第一開閉指令信号Sg1を開放指令信号として出力したにも拘らず、接点状態抽出信号Sdが第一論理レベルの信号、すなわち第一スイッチC1の「オン報知」をする信号を出力し続けた場合には、故障判断回路51はこの時点で直ちに第一スイッチC1の溶着故障を判断することができ、従って図2中において仮想線の矢印連携線で示すように、故障判断回路51はライン閉成回路45に作用して直ちに第二開閉指令信号Sg2 を開放指令信号として出力し、リレーRY2 の駆動を解いて第二スイッチC2を開放させる。同時に、イグニッションライン22への通電も解いて始動したエンジンも停止させるべく、ライン閉成回路45に作用してリレーRYa の通電を解き、イグニッションライン用接点手段Caを開かせ、また、アクセサリラインに接点Cbを閉じて給電していた場合にはこれも開かせる。
【0056】さらにこのとき、マイコン31ないし故障判断回路51は視覚的な警報手段として使える表示部38や聴覚的警報手段として例えばブザー等から成る適当なる可聴警報部54に作用し、警報を発するようにしても良い。しかし、直ちに警報を発しても無駄なこともある。何故なら、この種の装置は運転者が車両の近くにいないときに動作するからで、むしろ直ちに警報を発すると、車両の運転者がやって来て警報に気付き、例えばメインスイッチ46を切る等の処理をするまで、警報が出たままになる結果、車両搭載のバッテリ10の電力を無駄に消費し続けることにもなるし、特に早朝、夜間等では近所迷惑にもなり兼ねない。そこでこの実施形態では、故障判断回路51(マイコン31)が故障を判断したとき、「故障有り」の情報をとりあえず適当なデータ形式で演算記憶回路32中の適当なる記憶領域に記憶しておく。図2中ではこれを括弧書きで「異常発生記憶」と記してある。
【0057】その上で、故障判断回路51(マイコン31)は、図2中の一段目の右手部分に示すように、その後、ライン電圧検出回路44を介してライン電圧に通電されたことを検出したときに表示部38や可聴警報部54に作用し、警報を発しさせる。視覚的警報手段である表示部38にはもちろん、故障が発生したことや故障内容、故障の手当ての仕方(例えば「サービスに出して下さい」等)ついても文字表示や絵表示をなして良い。ここで、故障有りの記憶がある状態でライン電圧検出回路44がライン電圧を検出するということは、エンジン始動装置50によるイグニッションライン用接点手段Caの閉成によるものではなくて、使用者によるキースイッチ13の手動操作に基づくものである。言い換えれば、その時には車両に運転者が乗り込んでいるか、少なくとも近くに居ることになる。そこで、この時に警報を発すれば、使用者はこれを知ることができると言う理屈である。つまり、このような警報発生のための構成は、バッテリ電力を節約し、有効に警報を伝達する上で極めて合理的なものである。
【0058】次に、マイコン31がスタータモータ始動のためにライン閉成回路45を介しイグニッションライン用接点手段Caの閉成後、既述の順序に従いまずは第二スイッチC2をオンとしてから第一スイッチC1をオンとしたとき、図2中、最下段に示すように、第一スイッチC1が開放故障(オフ故障)を起こしていて閉成しなかったときには、接点状態抽出回路53の出力する接点状態抽出信号Sdはそれ以前の状態と変わらず、第一スイッチC1がオフであることを報知する論理“H”レベルの信号を出力し続ける。このときにも、故障判断回路51は、図2中、当該最下段から始まる仮想線の連携線で示すように、ライン閉成回路45に作用してイグニッションライン用接点手段Caやアクセサリライン用の接点Cbを直ちに開放すると共に、第一、第二回閉指令信号Sg1,Sg2 をオフレベルに付け、対応するリレーRY1,RY2 への通電を絶って、スタータモータ14の駆動を生起しないようにする。
【0059】そして先と同様に、故障判断回路51は異常が発生した旨の故障有りの情報を適当なデータ形式で演算記憶回路32中の適当なる記憶領域に記憶し、その上で図2中の一段目の右手部分に示すように、当該記憶がある状態下でその後、ライン電圧検出回路44を介してライン電圧に通電されたことを検出したときには、表示部38や可聴警報部54に作用して警報を発しさせる。
【0060】さらに、故障判断回路51(マイコン31)は、イグニッションライン用接点手段Caとエンジン始動用接点手段C1,C2を閉成する動作をなしていないとき、つまりはタイマ回路33によるタイムアップがないか、そもそもタイマ回路33が動作していないか、あるいはまた電波受信/復調回路40を介してエンジン始動信号を受信していないかする場合に、接点状態抽出回路53を介して得られる接点状態信号Sdが第一の論理レベル、つまり第一スイッチC1を通じてバッテリ電圧が表れていることを表す信号形態となったときには、やはり故障判断回路51として示した故障判断機能により故障と判断し、それ以後、エンジン始動用接点手段C1,C2及びイグニッションライン用接点手段Caを閉成するための動作を生起することはない。つまり、例えタイマ回路33がその後にタイムアップを指示することがあっても、また、電波受信/復調回路40がエンジン始動信号の受信、復調に成功しても、マイコン31はエンジン始動装置50としてのエンジン自動始動機能を一切、停止した状態にする。そしてこのときにも、故障判断回路51ないしマイコン31は故障有りの情報を適当なデータ形式で演算記憶回路32中の適当なる記憶領域に記憶し、その後、当該記憶が存在している状態下でライン電圧検出回路44を介してライン電圧に通電されたことを検出したときには、表示部38や可聴警報部54に作用して警報を発しさせる。また、このようになっていると、故障を知った使用者が一旦メインスイッチ46を切り、再投入しても、本装置は直ちに故障を再判断することができ、既掲の従来公報に従って構成された装置におけるように、判断までに時間の掛かるようなこともなく、エンジン始動動作を確実に阻止し得る。
【0061】なお、ライン電圧検出回路44は、先に少し述べたように、例えば接点状態抽出回路53中にあって抵抗R1,R2で構成されているような回路のように、適当なる分圧回路で構成することができる。その場合には、当該検出電圧情報はマイコン31に内蔵のA/D変換器52、あるいは内蔵していない場合には外付けのA/D変換器を介しライン電圧が生じているか否かの情報をマイコン31に与えることができる。そうではなく、接点状態抽出回路53に類似の構成とし、イグニッションライン22に有意のデバイスが生じているときに第一論理レベルの信号を出力し、そうでないときに第一論理レベルとは異なる信号を出力する構成としてライン電圧検出回路44を構成することもできる。
【0062】逆に接点状態抽出回路53に関しても、図示のようにスイッチングトランジスタQ1を用いる構成に代えて、例えば抵抗R1,R2から成る分圧回路の出力電圧Vdを直接にA/D変換器52に与え、その電圧換算デジタル数値に基づき、故障判断回路51ないしマイコン31は第一スイッチC1のオンオフ状態を判断するようにすることでもきる。いずれにしても、本発明に必要な外付け回路は極めて簡単な回路構成で済み、製品コストに大きく跳ね返ることがない。
【0063】ところで、これまでの説明では、本発明により順序駆動されるエンジン始動用接点手段は第一、第二の二つのスイッチC1,C2から成っていた。しかし、原理的にはこれをさらに第三スイッチから第nスイッチ(n≧3)をも含む全部でn個のスイッチの直列構成に展開することもできる。図3はそのような場合の要部構成を示しており、バッテリ10の側に接続される第一スイッチC1から順に右に第二スイッチC2、第三スイッチC3と並び、スタータライン21の側に接続される第nスイッチCnまでが直列になっている。
【0064】この場合、制御回路ないしマイコン31は、第一スイッチC1のみ、既述した第二スイッチC2との特定の順序関係で開閉するが、第三スイッチC3から該第nスイッチCnまでは、第二スイッチC2を開閉するときにそれらを同時に開閉するように構成しても良いし、そうではなく、第二スイッチC2を閉成するときにはその閉成の前に第nスイッチCnから該第三スイッチC3までを順次に閉成し、第二スイッチC2を開放するときにはその後に第三スイッチC3から第nスイッチCnまでを順次に開放するようにしても良い。どちらにしても結局、バッテリ電流の供給、遮断に関するストレスは先と同様、第一スイッチC1に集中させることができる。
【0065】そしてこの場合、接点状態抽出回路53は、先と同様、第一スイッチC1と第二スイッチC2のみの間に一つだけ設けても良いし、そうではなく、図3中に仮想線で示すように、この第一スイッチC1と第二スイッチC2間の接点状態抽出回路53を新たに符号53-1で特定するならば、第三スイッチC3から第nスイッチCnまでの直列接点手段列においてそれぞれ隣接するスイッチの間の線路部分の全てまたは幾つかにそれぞれ追加の接点状態抽出回路53-2〜53-k(k≦n-1)を接続することができる。
【0066】このようにすると、それぞれの接点状態抽出回路53-i(i≦k)は、それぞれが接続した線路部分の電圧を監視することで当該接続した線路部分よりもバッテリ側に位置する接点手段の開閉状態を抽出することができ、マイコン31は要すればそれら複数個の接点状態抽出回路を介して得られる接点状態信号に基づき故障した接点手段を特定することも可能となる。例えばマイコン31が開放指令を発したのに三つ目のスイッチの後ろ(スタータライン21の側)に付けられている接点状態抽出回路まで、バッテリ電圧を検出した場合には、それ以前の第一〜第三スイッチC1〜C3が溶着故障を起こしていると判断でき、閉成指令を発したのに接点状態抽出回路53-i以降において始めてバッテリ電圧が検出されなくなるような状況下では、当該接点状態抽出回路53-iの接続されている線路部分の直前のスイッチCiが開放故障を起こしていると判断できる。
【0067】もっとも、一般には複数個のスイッチC1〜Cnの中、どのスイッチが故障したのかを使用者は知る必要がない。どれが故障しても、結局は修理サービスを必要とするからである。ただ、修理する方から言えば、上記のように三個以上の直列スイッチ列構成を採った場合、それらの中でも故障したスイッチが特定できるのであれば、故障スイッチのみを取り替えれば良いという便宜に繋がる。もちろん、そのようにするためには、マイコン31は故障したスイッチを特定する情報を適当なるデータ形式に従いマイコン31に内蔵されているか、あるいは外付けの不揮発性メモリ(図示せず)に格納するようにし、サービスマンがこれを読み出し得るようにする。
【0068】以上、本発明の望ましい実施形態につき詳記したが、本発明の要旨構成に即するかぎり、任意の改変は自由である。例えばエンジン始動用接点手段を構成するスイッチC1,C2や、さらに他のスイッチCa〜Cbも図示実施形態の場合、それぞれリレー接点により構成されていたが、その中の一つまたは幾つか、あるいは全てを半導体スイッチに替えることも可能である。この場合当然、ライン閉成回路45はそれら半導体スイッチのドライバ回路となる。
【0069】
【発明の効果】本発明によると、エンジン始動装置において制御回路の指令により開閉されるエンジン始動用接点手段の故障検出能力が高く、かつ、簡単、低価格な回路構成で故障判断をし、これに対処し得る装置を提供することができる。さらに、本発明の特定の態様では、故障が発生した場合の警報や、この警報を発するタイミングについても効果的な構成を開示することができる。
【出願人】 【識別番号】000174426
【氏名又は名称】阪神エレクトリック株式会社
【出願日】 平成8年(1996)6月11日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】福田 武通 (外2名)
【公開番号】 特開平9−329074
【公開日】 平成9年(1997)12月22日
【出願番号】 特願平8−148840