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【発明の名称】 エンジン始動装置
【発明者】 【氏名】内▲せ▼ 義文

【氏名】佐々木 裕

【氏名】岩切 隆幸

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも駐車位置、中立位置、後退位置、前進位置のいずれかの位置を手動選択できるセレクタレバーが該駐車位置または該中立位置にあるときにのみ、キースイッチの手動操作でエンジン始動接点が選択されたときにエンジン始動用のスタータモータを駆動するため、車両搭載のバッテリから該エンジン始動接点を介し該スタータモータの駆動回路に供給されるバッテリ電流の流れるスタータライン中に介在し、該セレクタレバーが上記駐車位置か上記中立位置以外の位置に付けられているときにはこれに連動して該スタータラインを開放し、上記キースイッチの操作で上記エンジン始動接点が選択されても上記スタータモータの駆動を阻止するインヒビタ接点を有するオートマチック車両を取り付けの対象とし,上記キースイッチにより上記エンジン始動接点が選択されていなくても、稼働モード下において設定時刻に至るか、または設定操作から設定時間を経過したときに、あるいはリモートコントローラから発信されたエンジン始動信号を受信したときにエンジン始動動作を生起し、閉成指令を発して上記エンジン始動接点をバイパスするバイパス接点手段を閉成する制御回路を有するエンジン始動装置であって;上記制御回路への電源投入後、該制御回路が上記稼働モードに入る前のテストモード下において、上記セレクタレバーが上記駐車位置か上記中立位置以外の位置に付けられている状態で上記キースイッチの操作により上記エンジン始動接点が手動選択されるか、または該制御回路の上記閉成指令により上記バイパス接点手段が閉成されたとき、上記バッテリの電圧に電圧降下が生じたか否かの検出動作をなす電圧降下判断回路と;該電圧降下判断回路が該電圧降下を検出しなかったときには該制御回路における上記テストモードを終了し、該制御回路が上記稼働モードに入るのを許可する一方、該電圧降下を検出したときには該制御回路が該稼働モードに入るのを禁止する動作許可/禁止回路と;を有して成るエンジン始動装置。
【請求項2】 請求項1記載の装置であって;上記制御回路が上記稼働モードに入るのを上記動作許可/禁止回路が上記禁止するときにその旨の表示をなし得る表示部を有すること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項3】 請求項1または2記載の装置であって;上記電圧降下判断回路が上記電圧降下を検出しなかったとき、取り付けられた車両がオートマチック車両であると看做した認識情報を揮発的に記憶する記憶回路を有し;上記動作許可/禁止回路は、該記憶回路に該認識情報が記憶されているときにのみ、上記制御回路の上記稼働モード下における上記エンジン始動動作を許可すること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項4】 請求項1,2または3記載の装置であって;上記制御回路は車両に備えられているフットブレーキの状態を検出する機能をもを有し;上記テストモードの開始後、該制御回路は該フットブレーキの踏み込みを検出しなくなったときに該テストモードを中止し、かつ、上記稼働モードにも入らないこと;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項5】 請求項4記載の装置であって;上記制御回路が上記テストモードを中止するときにその旨の表示をなし得る表示部を有すること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項6】 請求項4または5記載の装置であって;上記テストモードの初期の段階で出される上記制御回路の指令によりフットブレーキの踏み込みを依頼する表示をなし得る表示部を有し;該制御回路は、該表示がなされてから一定時間の間に上記フットブレーキの踏み込みを検出しなかったとき、該表示部にエラー表示を出すと共に該テストモードを中止し、かつ、上記稼働モードにも入らないこと;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項7】 請求項4,5または6記載の装置であって;上記テストモード下において上記制御回路から発せられる上記バイパス接点手段の上記閉成指令は、上記リモートコントローラから発信された上記エンジン始動信号の受信に基づいて発せられ;ただし、該制御回路が上記車両の上記フットブレーキの踏み込みを検出していないときには、上記エンジン始動信号を受信しても該制御回路は該閉成指令を発しないこと;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項8】 請求項7記載の装置であって;上記制御回路の指令により上記リモートコントローラの上記発信の操作を依頼する表示をなし得る表示部を有し;該表示がなされてから一定時間の間に該制御回路が該リモートコントローラからの上記エンジン始動信号を受信しなかったときには該制御回路は該表示部にエラー表示を出すと共に、該テストモードを中止し、かつ、上記稼働モードにも入らないこと;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項9】 請求項4,5または6記載の装置であって;;上記テストモード下において上記制御回路から発せられる上記バイパス接点手段の上記閉成指令は、該制御回路が上記フットブレーキの踏み込みを検出するに伴い該制御回路から自動的に発せられること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項10】 請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9記載の装置であって;上記制御回路、上記電圧降下判断回路、上記動作許可/禁止回路の中、一つ以上または全てがマイクロコンピュータを用いて構成されていること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項11】 請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9または10記載の装置であって;上記セレクタレバーが上記駐車位置または上記中立位置にあるときと上記後退位置または上記前進位置にあるときとで上記スタータラインにインピーダンスの変化が生ずるか否かの検出動作を行なうインピーダンス変化判断回路をさらに有し;該インピーダンス変化判断回路は上記制御回路への上記電源投入後、上記テストモードに先立って該検出動作をなし;該インピーダンス変化判断回路の該検出動作により上記インピーダンスの変化が検出されたとき、該制御回路は上記テストモードを経ることなく上記稼働モードに入る一方;該インピーダンス変化判断回路の該検出動作により該インピーダンスの変化が検出されなかったとき、該制御回路は上記テストモードに入ること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項12】 請求項11記載の装置であって;上記インピーダンス変化判断回路はマイクロコンピュータで構成されていること;を特徴とするエンジン始動装置。
【請求項13】 請求項4,5,6,7,8または9記載の装置であって;上記制御回路が上記稼働モード下において上記エンジン始動動作を生起し、上記閉成指令を発して上記エンジン始動接点をバイパスするバイパス接点手段を閉成する際、該制御回路の発する閉成指令により一緒に閉成される接点手段であって、該バイパス接点手段の閉成によりエンジンが始動し、該バイパス接点が該制御回路の開放指令により開放された後も、該エンジンを回転させ続けるためにイグニッションラインに対し上記バッテリからの電流を供給し続けるため、該イグニッションラインに直列に入った上記キースイッチの手動操作で選択されるイグニッション接点をバイパスし続けるべく閉成状態を保つイグニッションライン用バイパス接点手段をさらに有し;上記エンジンが始動した後、上記制御回路は上記フットブレーキの踏み込みを検出すると該イグニッションライン用バイパス接点手段を開放すること;を特徴とするエンジン始動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオートマチック車両をのみ正規の取り付け対象とし、使用者の設定した時刻に、または設定操作から設定時間を経過したときに、あるいはリモートコントローラから発信されたエンジン始動信号を受信したときにエンジンを始動させるエンジン始動装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】少し前までの自動車両では、気温が下がる程、エンジン始動後の暖気運転時間は長目に取る必要があったが、最近のものではそれ程暖気運転をなくても、エンジン性能自体への悪影響は殆ど認められないまでになってきた。しかし、エンジンを始動した直後の車内は、冬は凍りつく程寒く、夏は火傷する程熱くなっていることも多い。従って、エンジン性能に関してというより、むしろ運転者の不快感を解消し、予め暖房ないし冷房が程好く利いた頃に車内に乗り込めば良いようにするため、従来からもスタータタイマと呼ばれる商品やリモコンスタータと呼ばれる商品が開発されてきた。前者は、使用者が設定した設定時刻になるか、または使用者による設定操作から設定時間を経過すると、通常は使用者が手動で操作するキースイッチが操作されなくても、制御回路に含まれているタイマ回路が車両搭載のバッテリからの稼働電力をスタータモータ駆動回路に与えてこれを自動的かつ強制的に稼働させ、車両搭載のエンジンを自動始動させる装置であり、後者は無線(特殊な場合には赤外線波長領域等をも含む)を利用し、車両から離れた所、例えば家の中から等でもリモートコントローラに備え付けのエンジン始動スイッチを使用者が操作することでエンジン始動信号を発し、これを受信した制御回路がやはり車両搭載のバッテリからの稼働電力をスタータモータ駆動回路に与え、これを自動的かつ強制的に稼働させ、車両搭載のエンジンを始動させる装置である。
【0003】しかし、このようなエンジン始動装置は、いわゆるオートマチック車専用の商品として市販される。これは、運転者が車両に乗り込んでいない状態で車両のエンジンを始動する装置としての安全性が確保されねばならないからである。つまり、マニュアル車の場合、一部の車両を除き、セレクタレバー(シフトレバーとかギアチェンジレバー等とも呼ばれる)が中立(ニュートラル:N)位置にあるか否かの検出回路を有している車両はないので、こうしたエンジン始動装置がマニュアル車に搭載された場合、車両のギアが中立以外の位置に入っているときに制御回路によりスタータモータが強制駆動されるようなことがあると、サイドブレーキの引き具合が甘ければ車両が不測にも動いてしまう危険がある。
【0004】その点、オートマチック車の場合には、市販されている全ての形式の車両においてセレクタレバーに連動して開閉する接点手段が備えられ、セレクタレバーが駐車位置(パーキングないしP位置)にあるか中立位置にないとこの接点手段が開き、バッテリからスタータモータ駆動回路への通電を阻止するようになっているので、従来のこの種のエンジン始動装置に見られるように、エンジン始動動作時にキースイッチを単にバイパス、短絡するような簡単な構成でも、比較的高い安全性を望むことができる。そのため、こうしたセレクタレバー連動の接点手段は、特定の条件の下では強制的にスタータモータ駆動回路への通電を「禁止」すると言う意味から、一般に「インヒビタ接点」ないし「インヒビタスイッチ」等と呼ばれる。
【0005】ところがユーザの中には、「オートマチック車専用」と明確に注意を喚起して店頭に並べているにも拘らず、誤ってにしろ意図的にしろ、こうしたエンジン始動装置を購入し、マニュアル車に搭載する者もいる。また、そのような誤用ではなくとも、先にも述べた通り、この種の製品の性格上、安全性は高いに越したことはない。そこで本出願人は、これまでにも特公平 7-68934号公報や、さらにその改良としての特公平 7-92034号公報に認められる通り、搭載されている車両がオートマチック車であるかマニュアル車であるかの判断をスタータラインのインピーダンス変化に着目して検出するエンジン始動装置を提案した。もとよりその内容は当該各公報中に詳しいが、簡単に言えば、車両搭載のバッテリからキースイッチのエンジン始動接点を介しスタータモータ駆動回路に供給されるバッテリ電流の流れる電流ライン(スタータライン)中に、オートマチック車では上記のようにセレクタレバー位置の如何により開閉するインヒビタ接点が存在することから、セレクタレバーが駐車位置Pまたは中立位置Nにあるときと後退位置Rまたは前進位置Dにあるときとで当該スタータラインのラインインピーダンスが変化する事実に鑑み、セレクタレバーの切り替え操作に伴い当該インピーダンスの変化を検出したときにのみ、オートマチック車と判断して制御回路によるエンジン始動を許可せんとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような工夫により、確かにそれ以前の装置に比せば格段に安全性は向上したが、車両に搭載する上での若干の問題も生じた。それは、車両メーカの相違により、ないしは車種毎の相違により、インヒビタ接点が開いているときと閉じているときの各場合におけるインピーダンス自体にかなりな違いがあること、そして、ただ単に違いがあるだけならば、例えば先掲の特公平 7-92034号公報に開示の工夫等により、予め初期設定モード下にて各車両ごとに最適なインピーダンス変化の検出のための判断閾値を設定することができるが、車種によってはインヒビタ接点が開いているときにも車両搭載の特定の制御回路が当該インヒビタ接点に並列に入っている等の理由により、スタータラインのラインインピーダンスが上がり切らず、そのため実質的にインピーダンスの変化を検出できない車種も極く一部にではあるが存在したことである。例え極一部であろうと、そのような車種に対応できないことは望ましいくなく、装置の提供者としては無視し得ない事実である。
【0007】本発明は基本的にこの点に鑑みて為されたもので、セレクタレバーの位置の如何によるスタータラインのインピーダンス変化の検出では、それがオートマチック車であると明確に同定、判断できないような車両に対しても適用でき、正しくオートマチック車に取り付けられたときにのみ、エンジン始動を許可し得るエンジン始動装置を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では上記目的を達成するため、オートマチック車では上記のようにインヒビタ接点があるので、セレクタレバーが前進位置Dや後退位置Rにあるときに仮にキースイッチをエンジン始動接点に付けたり、あるいはこのエンジン始動接点をバイパスするバイパス接点手段を閉成してスタータモータの駆動を図ったにしても、インヒビタ接点が開いているのでスタータモータの駆動は行なわれず、バッテリからの大電流の流出がないため、このときにバッテリ電圧の降下は認められないことに着目した。逆に、もしマニュアル車であれば、これに無理やりエンジン始動装置を取り付けた場合、セレクタレバーがどの位置にあっても、キースイッチをエンジン始動接点に付けたり、あるいはこのエンジン始動接点をバイパスするバイパス接点手段を閉成すると、インヒビタ接点がないので必ずスタータモータが回り、この時にバッテリ電圧は大きく降下する。
【0009】そこで本発明は、装置を車両に取り付け、装置に電源を投入した段階においてテストモードに入るようにし、このテストモードにおいて上記のようなバッテリ電圧降下の発生の有無を検出し、これに基づき、装置の取り付けられた車両が正しくオートマチック車であるのか、そうではなくマニュアル車であるのかを判断するようにした。すなわち、(A) 少なくとも駐車位置、中立位置、後退位置、前進位置のいずれかの位置を手動選択できるセレクタレバーが駐車位置または中立位置にあるときにのみ、キースイッチの手動操作でエンジン始動接点が選択されたときにエンジン始動用のスタータモータを駆動するため、車両搭載のバッテリからエンジン始動接点を介しスタータモータの駆動回路に供給されるバッテリ電流の流れるスタータライン中に介在し、セレクタレバーが駐車位置か中立位置以外の位置に付けられているときにはこれに連動してスタータラインを開放し、キースイッチの操作でエンジン始動接点が選択されてもスタータモータの駆動を阻止するインヒビタ接点を有するオートマチック車両を取り付けの対象とすること,(B) キースイッチによりエンジン始動接点が選択されていなくても、稼働モード下において設定時刻に至るか、または設定操作から設定時間を経過したときに、あるいはリモートコントローラから発信されたエンジン始動信号を受信したときにエンジン始動動作を生起し、閉成指令を発してエンジン始動接点をバイパスするバイパス接点手段を閉成する制御回路を有していること,と言う前提条件的構成要件(A),(B) を有するエンジン始動装置において、さらに下記構成要件(a),(b) を有するエンジン始動装置を提案する。
(a) 制御回路への電源投入後、制御回路が稼働モードに入る前のテストモード下において、セレクタレバーが駐車位置か中立位置以外の位置に付けられている状態でキースイッチの操作によりエンジン始動接点が手動選択されるか、または制御回路の閉成指令によりバイパス接点手段が閉成されたとき、バッテリの電圧に電圧降下が生じたか否かの検出動作をなす電圧降下判断回路.
(b) この電圧降下判断回路が当該電圧降下を検出しなかったときには制御回路におけるテストモードを終了し、制御回路が装置本来のエンジン始動動作をなし得る稼働モードに入るのを許可する一方、電圧降下を検出したときには制御回路が当該稼働モードに入るのを禁止する動作許可/禁止回路.
【0010】本発明ではさらに、上記構成要件(a),(b) を有した上で、制御回路が稼働モードに入るのを動作許可/禁止回路が上記禁止するときには、その旨の表示をなし得る表示部を有することを特徴とするエンジン始動装置も提案する。ここで例えば、表示部はいわゆる液晶ディスプレイ装置等で構成でき、ここに例えばこの装置は使用できないとの表示か、少なくともオートマチック車と認識できなかった旨のエラー表示を視覚的に表示することができる。
【0011】また、本発明では、上記構成要件(a),(b) に加えて、電圧降下判断回路が電圧降下を検出しなかったとき、取り付けられた車両がオートマチック車両であると看做した認識情報を揮発的に記憶する記憶回路を有し、動作許可/禁止回路は、当該記憶回路に認識情報が記憶されているときにのみ、制御回路の稼働モード下におけるエンジン始動動作を許可することを特徴とするエンジン始動装置をも提案する。ここで、記憶回路が「揮発的」に情報を記憶するものであると言うことは、装置電源が断たれると記憶回路に記憶されている認識情報が消え、次に電源が再度投入されたときには再びテストモードを経ねばならないことを意味する。これはつまり、例えば装置が他の車両に取りつけ直されたりすることもあり得ることをも考慮したもので、取り付けられた車両ごとにオートマチック車であるか否かの確認を要するということであり、装置としての安全を確保する上で望ましい配慮である。
【0012】本発明のまた別な態様では、上記の構成要件(a),(b) を有した上で、制御回路が車両に備えられているフットブレーキの状態をも検出し得る機能を有し、テストモードの開始後、当該制御回路はフットブレーキの踏み込みを検出しなくなったときにテストモードを中止し、かつ、稼働モードにも入らないエンジン始動装置も提案し、この際、制御回路がテストモードを中止するときにはその旨の表示をなし得る表示部を有するエンジン始動装置も提案する。
【0013】そしてこうした場合、より下位の概念に従う本発明の態様として、テストモードの初期の段階で出される制御回路の指令によりフットブレーキの踏み込みを依頼する表示をなし得る表示部を有し、制御回路はこのような表示がなされてから一定時間の間にフットブレーキの踏み込みを検出しなかったときには当該表示部にエラー表示を出すと共にテストモードを中止し、かつ、稼働モードにも入らないエンジン始動装置も提案される。
【0014】さらに、本発明の別な態様では、テストモード下において制御回路から発せられるバイパス接点手段の閉成指令は、リモートコントローラ(以下、リモコンと略称)から発信されたエンジン始動信号の受信に基づいて発せられ、ただし、制御回路がフットブレーキの踏み込みを検出していないときには当該エンジン始動信号を受信しても当該制御回路はバイパス接点手段の閉成指令を発しないことを特徴とするエンジン始動装置も提案し、またこのようにリモコンを利用するときには、制御回路の指令により当該リモコンによる発信操作を依頼する表示をなし得る表示部を有し、制御回路はその表示がなされてから一定時間の間にリモコンからのエンジン始動信号を受信しなかったときに当該表示装置にエラー表示を出すと共にテストモードを中止し、かつ、稼働モードにも入らないエンジン始動装置も提案する。
【0015】本発明ではまた、テストモード下におけるリモコンの利用に代えて、当該テストモード下において制御回路から発せられるバイパス接点手段の閉成指令は当該制御回路がフットブレーキの踏み込みを検出するに伴い自動的に発するエンジン始動装置も提案する。
【0016】さらに、本発明の特定の態様においては、少なくとも上記の構成要件(a),(b)を有した上で、(c) セレクタレバーが駐車位置または中立位置にあるときと後退位置または前進位置にあるときとでスタータラインにインピーダンスの変化が生ずるか否かの検出動作を行なうインピーダンス変化判断回路をさらに有し;
(d) このインピーダンス変化判断回路は制御回路への電源投入後、テストモードに先立って該検出動作をなし;
(e) その検出動作によりインピーダンスの変化が検出されたとき、制御回路はテストモードを経ることなく稼働モードに入る一方;
(f) 逆にインピーダンスの変化が検出されなかったとき、制御回路はテストモードに入ること;を特徴とするエンジン始動装置も提案する。これは、先掲の公報に開示されたインピーダンス検出原理に従うオートマチック車の判断が失敗したときに、本発明の構成要件(a),(b) にて明らかな本発明に特徴的な手法であるバッテリ電圧の降下検出に係るオートマチック車判断を行なうということを意味する。
【0017】上記に加えて、本発明によるエンジン始動装置が稼働モードに入った場合においても、本発明によるまた別の態様として、(g) 制御回路が稼働モード下においてエンジン始動動作を生起し、閉成指令を発してエンジン始動接点をバイパスするバイパス接点手段を閉成する際、同じく当該制御回路の発する閉成指令により一緒に閉成される接点手段であって、上記のバイパス接点手段の閉成によりエンジンが始動し、当該バイパス接点が制御回路の開放指令により開放された後もエンジンを回転させ続けるためのイグニッションラインに対しバッテリからの電流を供給し続けるため、イグニッションラインに直列に入り、かつキースイッチの手動操作で選択されるイグニッション接点をバイパスし続けるべく閉成状態を保つイグニッションライン用バイパス接点手段をさらに有し;
(h) エンジンが始動した後、制御回路はフットブレーキの踏み込みを検出したとき、イグニッションライン用バイパス接点手段を開放すること;を特徴とするエンジン始動装置も提案する。これはつまり、本発明のエンジン始動装置でエンジンが始動した車両を、キーを差し込まないまま運転する不都合を避ける上で意味がある。この構成要件(g),(h) がないと、既にエンジンが始動している車両に乗り込んだ運転者は、その気になればそのまま車両を運転して行くことができる。これに対し、この構成要件(g),(h) があると、車両に乗り込んだ運転者がそのまま運転しようとしても、セレクタレバーを前進または後退位置に付ける前には必ずフットブレーキを踏むので、その時にイグニッションライン用バイパス接点手段を開放することでエンジンを停止することができ、キーを差し込まないまま運転するのを防ぐことができる。その一方で、車両に乗り込んだ運転者が通常の運転の仕方に従い、まずキーをキースイッチに差し込んでから運転を始めようとすると、当然、キースイッチを少なくともイグニッション接点を選択する位置には回すので、それによりイグニッションラインの閉成状態は確保され、その後にセレクタレバーを前進または後退位置にシフトするためにフットブレーキを踏んだときに、それによってイグニッションライン用バイパス接点手段が制御回路の指令により開放されてもエンジンは停止せず、運転者は正規の仕方で運転を始めることができる。そして同時に、本エンジン始動装置はその回のエンジン始動動作をそこで全うすることができる。
【0018】なお、既述した制御回路、電圧降下判断回路、動作許可/禁止回路、インピーダンス変化判断回路は、それぞれ個別のハードウエアとして構成することももちろんできるが、それぞれの機能を実現する上では、それらの中、少なくとも一つまたは幾つか、あるいは全てを、昨今の制御技術に従ってマイクロコンピュータを用いて構成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図1,2に即し、本発明に従って構成されたオートマチック車用エンジン始動装置の望ましい実施形態につき説明するが、本発明のエンジン始動装置30は、車両に本来搭載されているスタータ周りの回路に対し、図1中に仮想線の枠で囲って示すように、簡単な配線作業で後から取り付けるようになっている。換言すれば、仮想線の枠の外側部分は、後付けのエンジン始動装置30を有さない、既存のオートマチック車両におけるスタータモータ周りの代表的な回路例を示している。ただし、枠30の外側においても、リレー接点Ca,Cb,Ccは本装置30により選択的に開閉制御される追加の接点手段である。
【0020】まず、通常のオートマチック車に搭載されている回路ないし装置部分から説明すると、車両搭載のバッテリ10からのバッテリ電力供給ラインがキースイッチ13の入力側接点(摺動子側接点)に接続されている。キースイッチ13は極めて周知のもので、いわゆる「車のキー」を差し込んで操作され、通常、オフ接点(OFF),アクセサリ接点(ACC.), イグニッション接点(IG),そしてエンジン始動を促すエンジン始動接点(ST)の少なくとも四つの固定子接点位置を有している。使用者がキースイッチ13をアクセサリ接点ACC.にのみ付けたときには、車両搭載のラジオその他、いわゆるアクセサリ負荷11のみが稼動可能な状態になり、エンジン始動接点STに付けた後、エンジンが始動したことで使用者がキースイッチ13に挿入しているキーから手を放すと、当該キースイッチ13は自動的にイグニッション接点IGを選択した位置にまで戻り、エンジンの回転を持続するに必要な点火系統関係の負荷12に対し、イグニッションライン22を介しバッテリ10から電力を供給し続ける(このとき、周知であるが、アクセサリ接点ACC.も同様に選択され、アクセサリ負荷11にも電力が供給され続ける)。
【0021】エンジン始動接点STは、冒頭に述べたインヒビタ接点COを直列に含む電流ライン(スタータライン)21を介し、スタータモータ駆動回路として代表的な例であるマグネットスイッチ15に接続している。マグネットスイッチ15は、キースイッチ13がエンジン始動接点STに付けられ、かつ、このときにインヒビタ接点COが閉じていれば、バッテリ10からの電力供給を受けることで内蔵の接点を閉じ、これにより、当該閉じた接点を介してバッテリ10からの電力を直接にスタータモータ14に与えてこれを回転させ、エンジン始動を図る。換言すれば、インヒビタ接点COが開いているときには、例えキースイッチ13によりエンジン始動接点STが選択されてもマグネットスイッチ15にはバッテリ電力が印加されず、内蔵接点は閉じないので、スタータモータ14も回ることがない。なお、スタータモータ駆動回路は他の回路形態を取ることもあるし、特殊な場合にはマグネットスイッチ15が設けられず、スタータライン21は直接にスタータモータ14に接続することもある。この場合のスタータモータ駆動回路は、スタータモータ周りの配線系となる。いずれにしても、本書で言うスタータライン21とは、図1に示す回路例に認められる通り、キースイッチ13がエンジン始動接点STに付けられたときに、少なくともバッテリ10からスタータモータ14を回転させる契機となる電流が流れるラインを言う。
【0022】インヒビタ接点COは、先に述べたようにオートマチック車に固有のもので、図示しないセレクタレバーに連動してオンオフする。つまり、オートマチック車において使用者が操作するセレクタレバーは、通常、駐車(パーキング)位置P、後退(リバース)位置R、中立(ニュートラル)位置N、前進(ドライブ)位置Dの四位置を少なくとも有しており、ドライブ位置Dはさらに、セコンドギア選択位置、ローギア選択位置、さらにはウルトラローギア選択位置等に細分化されるのが普通である。本書では簡単のため、前進に関与する上記の各位置は全て画一的にドライブ位置Dで代表させるが、このようなセレクタレバーにはまた、その時々の選択位置に応じた電気接点位置を有するセレクタレバー連動スイッチ16が結合される。
【0023】図示の場合、このセレクタレバー連動スイッチ16はその摺動接点がインヒビタ接点COの選択駆動用リレーRYo を介しイグニッションライン22に接続しており、対して当該セレクタレバー連動スイッチ16において選択され得る固定子側の接点群P,R,N,Dの中、接点R,Dは開放されるか、または例えば高抵抗を介して接地される等して実質的に開放とされ、接点P,Nのみが接地されている。そのため、図示しないギア選択用セレクタレバーが駐車位置Pか中立位置N以外の位置、すなわち後退位置Rか前進位置Dに付けられているときには、対応する連動スイッチ16も実質的な開放接点R,Dのいずれかにあるので、仮にこの状態で使用者によりキースイッチ13が操作され、イグニッション接点IGに加えてエンジン始動接点STが選択されても、リレーRYo には駆動するに十分なバッテリ電力が与えられず、インヒビタ接点COも閉じないので、マグネットスイッチ15ないしスタータ駆動回路15にもバッテリ電力は供給されず(スタータライン21にバッテリ電流が流れず)、スタータモータ14は回転しない。
【0024】キースイッチ13の操作によりスタータモータ駆動回路15が稼働するのは、セレクタレバーが駐車位置Pか中立位置Nに付けられていて、セレクタレバー連動スイッチ16も接点位置Pか中立位置Nに付けられている結果、キースイッチ13のイグニッション接点IGからイグニッションライン22を介しインヒビタ接点閉成用リレーRYo にバッテリ電力が与えられ、インヒビタ接点COが閉じられているときに限られる。ただ、車種によってはインヒビタ接点COがリレーRYo により駆動されるのではなく、セレクタレバー連動スイッチ16そのものにより構成されているものもある。すなわち、セレクタレバーが駐車位置Pか中立位置Nに付いているときにのみ、キースイッチ13のエンジン始動接点STからスタータモータ駆動回路15に至るスタータライン21を閉じるように、セレクタレバーに対し直接に連係した機械的連動接点として当該インヒビタ接点COが構成されているものもある。以下の説明から明らかなように、本発明はそうした車種にも適用が可能である。
【0025】してみるに、以上の構成から理解される通り、既存のオートマチック車両においてインヒビタ接点COを直列に含むスタータライン21のインピーダンスは、キースイッチ13のエンジン始動接点STが開放されている条件の下で、インヒビタ接点COが開いているか閉じているかにより異なる。駐車位置Pまたは中立位置Nにあるときにはインヒビタ接点COは閉じるので、例えばインヒビタ接点COのバッテリ側端子位置で見たとき、この部分はスタータモータ駆動回路15に見込まれる比較的低い第一の値のインピーダンスを介して接地されることになる。一方、セレクタレバーが後退位置Rまたは前進位置Dに付けられていてインヒビタ接点COが開いていると、インヒビタ接点COのバッテリ側端子位置で見たインピーダンスは相対的に高い第二のインピーダンスとなる。従って、キースイッチ13のエンジン始動接点STに対し、インヒビタ接点COを介してスタータ駆動回路15しか接続されていなければ、当然、インヒビタ接点COが開いているときの当該バッテリ側端子位置で見た上記第二のインピーダンスは原理的に無限大になる。
【0026】しかし実際には、当該図1中に併示のように、一般にはインヒビタ接点COとスタータ駆動回路15との直列回路に対して並列に、エンジン始動に関与する各種制御回路等、何らかの車載の回路17がすでに設けられていることが多いので、その回路17の入力インピーダンスの如何により、上記の第一、第二インピーダンスも車種ごとに異なり、場合により第一、第二インピーダンスに殆ど差のない車両も極く一部にではあるが存在した。そしてこのことが、先掲の各公報の教示に従うインピーダンス検出に伴うオートマチック車であるか否かの判断を不能にする場合も生んだ。すなわち、インヒビタ接点COのバッテリ側端子からスタータライン21に対し、エンジン始動装置30内に設けられている電流供給制御回路34の指令の下、電流供給回路(一般に定電流供給回路)42から例えば数mAないし数十mA程度の微小電流を流し込み、適当なバッファ43を介し当該端子に現れる電圧に化体してスタータライン21のインピーダンスを検出しようとしても、車種によってはインヒビタ接点COが閉じているときはもちろん、開いているときにさえ、ラインインピーダンスが上がり切れず、ために検出される電圧も検出閾値にまで上がらないものがあって、取り付けた車両がオートマチック車であるにも拘らず、そうでないと誤判断することがあった。これに対し本発明では、後述の手段により、取り付けた車両が正しくオートマチック車であるか否かを多くの車種において単一の回路構成で判断することができるようにしている。
【0027】さて、図1に即し、本発明のエンジン始動装置30の一実施形態における内部回路構成例を参照すると、本装置30はメインスイッチ46が閉じられ、バッテリ10から電源電力が供給されているときに動作する主たる制御回路31を有し、この制御回路31はまた、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略記し、制御回路と同じ符号31を用いる)を含んで構成されており、このマイコン31は、以降に説明する、本実施形態におけるエンジン始動装置30にとって必要な演算記憶回路32、タイマ回路33、電流供給制御回路34、動作許可/禁止回路35、インピーダンス変化判断回路36、電圧降下判断回路37の各機能をも営むようにソフト的にプログラムされている。しかし、便宜上、これら各回路31〜37がそれぞれ独立のハードウエアとして構成されているように説明した方が便利なこともあるので、そうすることもある(実際にも、それらの中の一つまたは幾つか、あるいは全てをハードウエアにより構成することも可能である)。
【0028】本実施形態におけるエンジン始動装置30は、装置の本来の「稼働モード」下において、既存のスタータタイマにおけると同様、使用者に提供すべき基本機能の一つである、タイマを利用した自動エンジン始動機能を有している。ただし本発明は、既に述べた通り、装置を稼働モードに入れる前においてこの種のエンジン始動装置が正しくオートマチック車に取り付けられたか否かの認識に関する改良であり、こうしたエンジン始動装置の稼働モード下における基本機能の一つであるタイマ動作それ自体に関してはこれを直接に規定するものではない。図示の構成はあくまで一例である。さらに言うなら、公知既存の、ないしこれから開発されるであろうスタータタイマにおいて、それを使用に供する前に(稼働モードに入れる前に)オートマチック車であるか否かの認識動作を要求するものには本発明をなべて適用することができる。
【0029】この前提の下に図示のスタータタイマに関する回路構成例につき説明すると、使用者はメインスイッチ46が投入された状態下で例えば適当な入力操作キー群、あるいは入力操作スイッチにより構成できる操作部39を介し、自動的にエンジンを始動すべき設定時刻、または設定操作時から設定時間を経過したときに自動的にエンジンを始動させるべき当該設定時間を対応するデータ形式で入力することができる。入力された設定時刻または設定時間データは演算記憶回路32中に記憶されると共に、液晶型ディスプレイ装置等、適当なディスプレイ手段による表示部38にて使用者に表示される。表示部38は、後に説明するように、使用者ないし運転者に対し各種の情報を表示する装置としても使うことができ、ただしバッテリ電力節約のため、イグニッションライン22にバッテリ電力が供給されていないときには表示をなさないように、マイコン31には当該イグニッションライン22に電圧が生じている場合にそれを報知するライン電圧検出回路44の検出信号が与えられている。ライン電圧検出回路44は、例えば簡単には分圧回路とし、イグニッションライン22にバッテリ電圧が印加されて当該ライン22がオンとなっているとき、当該ライン22に表れている電圧(バッテリ電圧)をマイコン31の取扱える電圧範囲の電圧信号として当該マイコン31に与える構成としたり、あるいはまた、トランジスタを含むスイッチング回路として、イグニッションライン22にバッテリ電圧が印加されているときに特定の形態の信号、例えば論理レベル“H”または“L”の信号をマイコン31に供給する回路として構成できる。いずれにしてもこれにより、使用者による上記のデータ入力操作は、少なくともイグニッションライン22にバッテリ電力が通電されている状態(キースイッチ13が少なくともイグニッション接点IGを選択している状態)下で行なわれる。
【0030】なお、制御回路31を本実施形態におけるようにマイコンを用いて構成する場合等では特に、上記したライン電圧検出回路44を分圧回路で構成したような場合の外にも、後述するように当該マイコン31に各部のアナログ電圧を取り込むに際しては、必要に応じ入力アナログ電圧をデジタル数値に変換するが、昨今のマイコン31ではそのためのアナログ対デジタル変換器(A/D変換器)を内蔵するものが多い。図示の場合はそうしたマイコンの使用を想定しているため、A/D変換器は図示を省略しているが、A/D変換器を内蔵しないものでは、当然、外付けのアナログ対デジタル変換器を使うことになる。さらに、従来においても、機種によっては、メインスイッチ46が投入されていてもイグニッションライン22に通電されていない場合、マイコンのクロック周波数を相対的に低い周波数とし、マイコン31自体での電力消費を抑えるようにしたものもあるが、本発明の適用されるエンジン始動装置でもそうした工夫は任意に採用することができる。また、予め述べておくと、図示の場合、マイコン31に対し外付けの回路として示されている各回路38,39,40,42,43,44,45や、後述するフットブレーキ連動接点18,サイドブレーキ連動接点19と当該マイコン31との間には、この種の技術分野で周知のように、必要に応じそれぞれに適当なるインタフェイス回路を設けて良いことは当然である。例えば後述するように、ライン閉成回路45中の各リレーRYa 〜RYc とマイコン31の閉成指令信号の出力端子との間には必要に応じ、トランジスタによるドライバ回路等が挿入されることもある。
【0031】制御回路31ないしその中の特にタイマ回路33は、通常の各種のタイマ装置と同様、時計機能ないしは計時機能を有し、使用者が設定した設定時刻に至るか、あるいは設定時間を経過すると「タイムアップ動作」を開始し、ライン閉成回路45中、スタータライン閉成用リレーRYc を駆動することで対応するリレー接点Ccを閉じ、キースイッチ13をバイパスしてインヒビタ接点COの上流側にバッテリを接続し、一方でイグニッションライン閉成用リレーRYa にも通電してイグニッションライン22に通ずるキースイッチのイグニッション接点IGをバイパスするリレー接点Caも閉じる。従って、セレクタレバーが駐車位置Pまたは中立位置Nにあって、図示するセレクタレバー連動スイッチ16も対応する位置にある限り、バッテリ10からイグニッションライン22を介しインヒビタ接点COの閉成用リレーRYo に通電されてこのインヒビタ接点COが閉じ、また、エンジンの回転を持続するために必要な各種電気負荷12にも通電される。そのため、キースイッチ13がオフ位置にあっても閉成したリレー接点Cc、インヒビタ接点COを介し、スタータモータ駆動回路15にバッテリ10からの稼働電力が与えられてスタータモータ14が強制駆動され、一定時間後に、もしくは先掲のように分圧回路等として構成されることでイグニッションライン22の電圧(ひいてはバッテリ電圧)を検出可能に構成されたライン電圧検出回路44からの検出電圧がエンジン始動に伴って上昇したことを検出する等で制御回路31によりエンジン始動が確認されることで、当該制御回路31の指令に基づきリレーRYc の通電が解かれ、エンジン始動接点STをバイパスするバイパス接点手段(リレー接点Cc)が開かれてスタータモータ14の駆動が止められても、少なくとも予め設定される時間の間、リレーRYa は通電を続け、エンジンは回転を続ける。この設定時間は、やはり操作部39における使用者の設定操作により、例えば最大20分を限度とする等、最大設定可能時間範囲内で所望の時間に設定し得るようになっており、かつ、この設定時間も確認のため、表示部38にて表示できるようになっている。また、リレーRYc,RYa に通電するときには一般にリレーRYb にも通電し、そのリレー接点Cbを閉成してキースイッチ13のアクセサリ接点ACC.もバッテリ側に短絡し、アクセサリ負荷11に対してもバッテリ電力を供給する。ここで、従前の装置では、一定時間に亙りリレー接点Ccを閉成しても、制御回路31が上述のようなエンジン始動確認手法によりエンジン始動を確認しなかったときには、再度一定時間に亙りリレー接点Ccの閉成を図り、これを所定回数を限度として繰り返すように構成されたものもある。当然、本発明の適用されるエンジン始動装置においてもそうした構成は任意に採用可能である。
【0032】本実施形態のエンジン始動装置30では、さらに、稼働モード下においていわゆるリモコンスタータの機能をも有している。すなわち、図示しないリモコンに備え付けられているエンジン始動スイッチを使用者が操作すると、当該リモコンからはエンジン始動信号を適当なる変調手法で変調した電波が輻射される。この電波がアンテナ41を介し電波受信/復調回路40に入力し、復調されて制御回路31に与えられ、当該制御回路にてそれが個々の装置30とマッチングの採れたエンジン始動信号であること、すなわち社団法人電波産業会の指定するビット同期信号、フレーム同期信号、郵政大臣により指定される呼出符号及び誤り訂正符号に関し個々の装置ごとにエンジン始動信号として確認の取れた信号である場合には、マイコン31は「リモコンスタート動作」を生成し、実質的に既述したタイマ動作による「タイムアップ動作」時と同様の動作を起こす。すなわち、制御回路31は実質的にはタイマ回路33中の負荷制御回路を流用する等してライン閉成回路45に作用し、それらのリレー群リレーRYa,RYb,RYc に通電してスタータモータ14の駆動を図り、一定時間の駆動の後、もしくは制御回路31によりエンジン始動が確認されることでリレーRYc の通電が解かれ、当該スタータモータ14は停止させても、さらにそれから所定の設定時間の間は、イグニッションライン22とアクセサリラインには通電を続ける。また、これも既述のタイムアップ動作時と同様、制御回路31が一定時間の間にエンジン始動に成功しなかったことを、例えば電圧検出可能に構成されたライン電圧検出回路44から得られるイグニッションライン22を介しての電圧情報等に鑑み、バッテリ電圧に上昇が認められないこと等で検出したときには、再度一定時間に亙りリレーRYc を駆動し、こうした動作を所定回数を限度として繰り返すように構成されていて良い。
【0033】ただし、スタータタイマに関し既に述べた通り、本発明はこのリモコンスタータに関しても、こうした装置が正しくオートマチック車に取り付けられたか否かの認識に関する改良であるので、当該リモコンスタータの動作やその回路構成それ自体に関してはこれを直接に規定するものではない。図示の構成はあくまで一例であり、公知既存の、ないしこれから開発されるであろうリモコンスタータにおいて、それを使用に供する前にオートマチック車であるか否かの認識動作を要するものには本発明をなべて適用することができる。さらに言うなら、本発明は図示実施形態におけるように、スタータタイマの機能とリモコンスタータの機能を併せ有するエンジン始動装置に限らず、どちらか一方の機能をのみ有するエンジン始動装置にも適用することができる。
【0034】なお、図中に示されているサイドブレーキ連動接点19は、図示しないサイドブレーキが引かれているか否かを制御回路31に報知するためのもので、車両に既搭載のこの種のサイドブレーキ連動スイッチからそうした情報を、例えば電圧信号の変化として取り出すことができる。そしてその用途は、容易に想像されるように、サイドブレーキが引かれていない場合には、安全確保のため、上述した「タイムアップ動作」や「リモコンスタート動作」時におけるエンジン始動(ライン閉成回路45の稼働)を禁止し、さらには後述する本発明のテストモード下でのバイパス接点手段Ccの閉成を阻止するためのものである。
【0035】しかるに、上述して来たスタータタイマやリモコンスタータの基本機能を満たす稼働モード下での構成だけであると、本装置30がマニュアル車に搭載された場合でも上記のタイムアップ動作ないしリモコンスタート動作は生起可能となってしまう。マニュアル車に搭載され、ギアが入っているときにリレーRYa,RYc に通電され、スタータモータ14が強制駆動されるようなことがあると、これは危険である。そこで本装置30では、稼働モードに入る前に、以下のようなテストモードを経ることにより、取り付けられた車両が正しくオートマチック車であるか否かの判断をなし得る機能を有している。
【0036】まず、本装置30を車両に取り付けた後には、メインスイッチ46を投入して車両搭載のバッテリ10から装置30に電源電力の供給を受けると共に、取り付け作業者にキースイッチ13を操作して貰い、エンジンを始動するか、始動しないまでも、少なくともイグニッション接点IGを選択した位置に付けて貰って、イグニッションライン22に通電して貰う。この実施形態における本装置30は、先に述べたように、バッテリ電力の無駄な消費を防ぐ意味から、ライン電圧検出回路44の検出信号に基づきイグニッションライン22の状態を監視し、表示部38における表示が少なくともイグニッションライン22に通電されているときにのみ行なわれるようになっているからである。
【0037】この状態が満たされると、本実施形態における装置では、まず最初、本発明独自のテストモードに入る前に、既掲の公報により教示された手法に従うインピーダンス変化の検出をなす初期テストモードに入り、表示部38にテストスイッチの操作を依頼する表示(表現法はどうであっても良い)をなし、作業者にテストスイッチを操作して貰う。制御回路ないしマイコン31ではこのテストスイッチが操作されたことを検出することで、本装置30を初期テストモードに入れる。このテストスイッチはそれ専用に設けられたスイッチであっても良いが、先に少し述べたように、タイマ回路33に対し設定時間ないし設定時刻を入力するための入力操作キー群あるいは入力操作スイッチ群から成る操作部39があるので、これらキー群ないしスイッチ群の中、特定のキーまたはスイッチをテストスイッチとして利用するか、それらの中の特定の組合せを特定の仕方で操作することでインピーダンス変化検出モードに入れるようにすることができる。
【0038】テストスイッチ操作に続いては、作業者にシフトレバーを駐車または中立位置に付けて貰うように依頼する。この依頼は取扱説明書の記載のみでも良いが、表示部38があるので、これを利用してその旨の指示を行うこともできる。この一方で、シフトレバーが正しく操作されたか否かには関わりなく、電流供給制御回路34が動作して電流供給回路42に指令し、当該電流供給回路42からインヒビタ接点COを直列に含むスタータライン21に対し数mAないし数十mA程度の微弱な試験電流を流し込ませ、この時に当該スタータライン21に表れるインピーダンスに比例する電圧をバッファ43を介して制御回路31中に取り込み、演算記憶回路32に記憶させる。
【0039】次に、表示部38に、作業者に対しシフトレバーを駐車または中立以外の位置、例えば後退とか前進位置に入れて貰うことを促す表示をなす。この表示を出した後、本装置30中に設けられているインピーダンス変化判断回路36は、一定時間に亙ってバッファ43を介して取り込まれる電圧(対応するインピーダンス)を監視し、先に演算記憶回路32中に記憶してある電圧ないしインピーダンスに対し、変化が生じたか否かを判断する。既述の理由により、この変化が認められれば、本装置30は正しくオートマチック車に搭載されたものと看做して良いので、望ましくは表示部38を介し、作業者に対しては装置が使用可能に取り付けられたことを知らせ、必要ならばテストスイッチを元に戻すか、終了の操作をして貰う一方で(一般にこの手動操作は不要にし得るが)、本装置30中に設けられている動作許可/禁止回路35は本装置30に稼働許可を与え、以後、稼働モードに付けて、既述したスタータタイマないしリモコンスタータの機能を利用し得るようにする。
【0040】これに対し、インピーダンス変化判断回路36がインピーダンスの変化を検出できなかったときには、従前の装置ではそこでマニュアル車と判断し、装置を稼働させなかったが、先に述べた通り、正しくオートマチック車に取り付けられているにも拘らず、車載の回路17の入力インピーダンス等の影響でインピーダンス変化が検出できない車両もあるので、本発明ではこの点に鑑み、直ちに装置30を稼働禁止状態にすることなく、以後、本発明による独自のテストモードに入る。
【0041】図2には、インピーダンス変化が検出できなかったとき以降の本装置30のテストモード下の動作に関するフローチャートが示されているので、以下の説明ではこれをも参照するが、まず、表示部38にステップ101 で示すようにフットブレーキの踏み込み依頼表示をなす(表現方法は任意である)。フットブレーキが踏まれたか否かの情報は、車両に標準搭載されているフットブレーキ連動接点18等から単なる配線の追加等で容易に取り出すことができる(ただし制御回路31への入力部分には既述したように適当なインタフェイス、例えば電圧検出回路とか分圧回路等を要することもある)。
【0042】ここで、ステップ102,103 で示すように、制御回路31が一定時間以内にフットブレーキの踏み込みを確認できなかったとき、当該制御回路31はステップ103 においてタイムアップと判断し、ステップ104 に示すように表示部38にエラー表示(表現方法は同様に任意)を出すと共に、そこでテストモードを中止し、当然、稼働モードには入らない。メインスイッチ46を切り、再投入しない限り、制御回路(マイコン)31はリセットせず、一旦電源が落とされ、再投入されるに伴い、既述してきたテスト動作を最初からやり直す。
【0043】対して、制御回路31がフットブレーキの踏み込みを確認すると当該制御回路31はステップ105 に移り、表示部38にセレクタレバーを位置Dまたは位置Rに付けるべき旨の依頼表示(表現方法は任意)を出し、次いでキースイッチ13のエンジン始動接点STをバイパスするバイパス接点手段Ccを閉じる動作に移る。本実施形態では、リモコンスタータ機能をも有するエンジン始動装置30を想定しているので、リモコン機能の動作確認を含めて、図示しないリモコン操作によるバイパス接点手段Ccの閉成を図る。そのため、表示部38には、スタータモータ駆動のための操作依頼表示(同じく表現方法は任意)も出す。
【0044】ステップ106,107 に示されるように、一定時間以内に作業者がリモコンを所定の仕方で操作することがなければ(制御回路31が既に述べた稼働モード下での動作に準じ、電波受信/復調回路40を介し所定のエンジン始動信号の検出に成功しなければ)、ステップ108 に示すように制御回路31は表示部38にエラー表示(表現方法は任意)を出すと共に、そこでテストモードを中止し、稼働モードには入らない。すなわち、先と同様に、メインスイッチ46を切り、再投入しない限り、制御回路31はリセットせず、一旦電源が落とされ、再投入されるに伴い、既述してきたテスト動作を始めからやり直す。
【0045】これに対し、一定時間以内に制御回路31が所定のエンジン始動信号の検出に成功した場合は、ステップ109 で示すように、既に述べた稼働モード下における動作に準じ、制御回路31はライン閉成回路45を介しバイパス接点手段Ccを一定時間に亙って閉じ、この状態でステップ110 に示すように、電圧降下判断回路37により、バッテリ電圧に電圧降下が生じたか否かを判断させる。これに関し、この実施形態では先述のように、イグニッションライン22の電圧を取り込むライン電圧検出回路44が設けられているので、これを利用し、当該電圧降下の検出判断に要するバッテリ電圧を監視、検出することができる。ここで、正しく装置30がオートマチック車に取り付けられており、かつ先の表示に従い、この時に作業者が正しくセレクタレバーを位置Dまたは位置Rに付けているのであれば、インヒビタ接点COは開いている筈であるので、当然、スタータライン21を介しての電流の流出、ひいてはスタータモータ14に供給される大電流の流出はなく、バッテリ電圧は殆ど降下しない。
【0046】従ってこの場合には、実質的には制御回路31の一部としても構成できる動作許可/禁止回路36はステップ113 に示すように表示部38に望ましくは正常にテストが終了したことを表示し(表現方法は任意)、その後、このテスト「終了」という認識に基づき、ステップ114 に示すように装置に稼働許可を与えて上述したエンジン始動装置本来の動作をなすための稼働モードに入るのを許可する。
【0047】逆に、無理してでもマニュアル車に本装置30が搭載されている場合には、例えセレクタレバーを中立位置N以外の位置に入れても、バイパス接点手段Ccの閉成に伴いスタータモータ14に大電流が供給されてしまうので、電圧降下判断回路37は必ずやバッテリ電圧の降下があったことを検出する。従ってこの場合には、望ましくはステップ111 で示すように、装置が正しく取り付けられていないか、作業者が指示に従わなかったこと(例えばセレクタレバーを位置Dまたは位置Rに付けなかったこと)を知らせる表示を表示部38にてなした後、ステップ112 で示すように、以後、制御回路31ないし本装置30が既述した稼働モードに入るのを禁止する。
【0048】この禁止状態を解くには、一旦メインスイッチ46をオフにする。その後、メインスイッチ46を再投入すると、制御回路31は改めて既述して来たテストモードの最初の段階になる。従って、作業者の作業ミスにより稼働モードの禁止がなされたときには、再度、既述のテスト作業をやり直すことができるし、そうではなく誤って、ないし意図的にマニュアル車に取り付けられていた場合には、何度テスト操作をやり直しても本装置は稼働モードに付くことがなく、装置としての安全性が確保される。
【0049】なお、上記のステップ110 で電圧降下判断回路37により電圧降下が生じなかった場合には、取り付けられた車両がオートマチック車両であると看做した認識情報を演算記憶回路32中の対応する「揮発性」の記憶回路に格納し、動作許可/禁止回路35は当該揮発性記憶回路に認識情報が記憶されているときにのみ(記憶されている限り)、制御回路31の本来の稼働モード下におけるエンジン始動動作を許可するようにするとなお良い。これはつまり、装置電源が断たれると記憶回路に記憶されている認識情報が消えることを意味し、次に電源が再度投入されたときには再びテストモードを経ねばならないことを意味する。従って、例えばバッテリ交換を行なったとき等、搭載車両に変更のない場合にも電源の遮断により再びテストモードを経る必要が出る点では面倒であるが、例えば装置が他の車両に取りつけ直されたりするときには、取り付けられた車両ごとにオートマチック車であるか否かの認識のためのテストモードを必ず経ることになり、装置としての安全を確保することができる。
【0050】また、上述したテストシーケンスでは、フットブレーキ連動接点18の状態を見ることでフットブレーキの踏み込み確認を行なっているが、これも当然、安全性のために望ましい配慮である。むしろ、フットブレーキの踏み込み確認はテストモードの開始後、テストモード下にあるときには継続して行ない、フットブレーキの踏み込みを制御回路31が確認しなくなったときにはそこでテストモードを中止し(中止であって終了ではないので当然、稼働モードに入ることはない)、表示部38にその旨の表示(表現方法はやはり任意)をなすようにして良い。この場合にも、メインスイッチ46を一旦オフにし、再度投入する手続を経なければ、テストモードは再開しない。
【0051】なお、上述のテストシーケンスでは、バイパス接点手段Ccの閉成は作業者のリモコン操作によっていたが、そうではなく、バイパス接点手段Ccの閉成指令は、その前の段階102 で制御回路31がフットブレーキの踏み込みを検出するに伴い当該制御回路31から一定時間に亙り自動的に発せられるように変更することもできる。この場合、引き続くステップ105 における表示部38での表示は、当然、セレクタレバーのシフト依頼だけにし得る。さらに、場合により、ステップ105 にて表示部に作業者自身によりキースイッチ13を操作し、エンジン始動接点STを選択して貰う旨の表示に変えることもできる。この場合には、当該表示をなしてから一定時間の間に電圧降下が検出されたときにはステップ111 に移って装置稼働を禁止するように構成し、そうでない場合にはステップ113 に移って装置稼働を許可するように構成することができる。
【0052】また、上述した各段階において各種の表示をなす表示部38は、もちろん、部品として単一、共通の表示装置であっても良いし、それぞれに専用に設けられたものであっても良い。一般には既述したような液晶ディスプレイを利用した単一装置とするのが便利である。
【0053】上記に加えて、本発明ではまた、上述したテストモードにおける工夫だけではなく、エンジン始動装置30が稼働モードに入った場合においても安全を保証するためのもう一つの工夫を開示する。それは、エンジンが始動した後に、制御回路31がフットブレーキの踏み込みを検出したときには、そこで少なくともイグニッションライン用バイパス接点手段Caを開放する,ということである。これはつまり、本発明のエンジン始動装置でエンジンが始動した車両を、キーを差し込まないまま運転する不都合を避けるためである。エンジン始動装置30によるエンジン始動は、キーを差し込まなくても行なわれる。従って、このように構成しておかないと、既にエンジンが始動している車両に乗り込んだ運転者は、その気になればそのまま車両を運転することができる。これはある意味で危険であるし、キーがなければエンジンを手動で止めることもできない。
【0054】これに対し、エンジン始動装置30で始動された場合には、フットブレーキを踏むことでイグニッションライン用バイパス接点手段Caが開放されるように構成されていれば、車両に乗り込んだ運転者がそのまま運転しようとしても、セレクタレバーを前進または後退位置に付ける前にフットブレーキを踏んだ時にエンジンを停止することができ、キーを差し込まないまま運転して行くのを防ぐことができる。その一方で、車両に乗り込んだ運転者が通常の運転の仕方に従い、まずはキーをキースイッチ13に差し込んでから運転を始めようとするならば、極く自然にキースイッチ13を少なくともイグニッション接点IGを選択する位置には付けるので、それによりイグニッションライン22の閉成状態は確保され、その後にセレクタレバーを前進または後退位置にシフトするためにフットブレーキを踏んだとしても、そして、それによりキースイッチ13をバイパスするイグニッションライン用バイパス接点手段Caが制御回路31の指令により開放されたとしても、エンジンは停止せず、運転者は正規の仕方で運転を始めることができるので、何等の不都合も生じない。さらに、本エンジン始動装置30は、要すればイグニッションライン22を閉成しているべき所定時間の経過を待たず、その回のエンジン始動動作をそこで全うすることができる。
【0055】以上、本発明によるエンジン始動装置の望ましい実施形態につき詳説したが、明らかなように、本発明は従前のインピーダンス変化に伴う判断手法の幇助として用い得るのみならず、本発明の回路構成よる判断手法だけを搭載したエンジン始動装置30をも提供することもできる。また、既述した各場合におけるエラー表示時等において、単に表示部38における視覚表示のみならず、適当なる可聴報知手段(図示せず)を利用しての可聴報知を併せて採用する等も自由である。さらに、図示する実施形態ではライン閉成回路45はリレーRYa,RYb,RYc を含んで構成され、キースイッチ13の各接点を選択的にバイパスするべく当該ライン閉成回路45により選択的に閉成される接点手段はリレー接点Ca,Cb,Ccにより構成されているが、これを半導体スイッチ等、他のスイッチ手段に置き換えることも可能である。
【0056】
【発明の効果】本発明によるエンジン始動装置では、当該装置が取り付けられた車両が正しくオートマチック車であるか否かの判断機能に優れ、高い安全性を保つことができるし、正しくオートマチック車に搭載されたのに従来のインピーダンス検出に伴う判断手法ではオートマチック車と認め得なかったような車両に対しても取り付け利用が可能になる。
【出願人】 【識別番号】000174426
【氏名又は名称】阪神エレクトリック株式会社
【出願日】 平成8年(1996)5月29日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】福田 武通 (外2名)
【公開番号】 特開平9−317612
【公開日】 平成9年(1997)12月9日
【出願番号】 特願平8−156407