トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F02 燃焼機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの




【発明の名称】 減速機構付スタータ
【発明者】 【氏名】加藤 雅浩

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】内燃機関のリングギヤを駆動するための減速機構付スタータにおいて、スタータモータと、このスタータモータにより回転させられ、前記リングギヤに噛み合うピニオンと、前記スタータモータの回転を減速して、前記ピニオンに伝達するための減速機構とを備え、前記スタータモータは、一端が開口した筒状の金属製のヨークと、このヨーク内に設けられ、前記ヨークの開口部側にサーフェス型整流子を有する電機子と、前記ヨークの開口部を覆うリヤフレームと、前記サーフェス型整流子に軸方向から当接するブラシと、前記ブラシを保持すると共に、外周部が前記ヨークおよび前記リヤフレームとの間に挟持される略円板状で、かつ金属からなるブラシ保持体とを備え、前記ブラシ保持体を前記サーフェス型整流子の前記ブラシ当接面に近接配置すると共に、前記サーフェス型整流子は、遠心方向への風の流れを発生するように構成されていることを特徴とする減速機構付スタータ。
【請求項2】請求項1に記載の減速機構付スタータにおいて、前記リヤフレームの内周側には、前記電機子の回転軸を支持する軸受を保持する軸受部および前記ブラシを前記サーフェス型整流子側に押圧するためのブラシスプリングを収納する収納部を有していることを特徴とする減速機構付スタータ。
【請求項3】前記ブラシ保持体は、前記サーフェス型整流子との対向面に凹凸形状が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の減速機構付スタータ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電機子に整流子が設けられた減速機構付スタータに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、実開昭63−167365号公報に開示されたブラシホルダ構造では、ブラシと対向するブラシホルダの内壁面にモータ室内へ通じる通気路を形成し、その通気路を通ってブラシの熱をモータ室内側へ積極的に放出することでブラシの温度上昇を低減する技術が提案されている。また、実開昭63−174183号公報に開示されたブラシ装置では、ブラシホルダのブラシ摺接面に貫通穴を開けて放熱性を向上することでブラシの温度上昇を抑制する技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年のモータの小型化要求に伴ってブラシを小型化した場合、整流子に対するブラシの当接面積が小さくなってブラシの電流密度が高くなることから、ブラシの温度上昇が大きくなってしまう。このため、さらにブラシの温度上昇を抑える必要が生じるが、上述の従来方法では十分な放熱性能が得られないため、小型化したブラシの温度上昇を抑制することは困難である。本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、放熱性の向上を図ってブラシの温度上昇を抑制した減速機構付スタータを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1及び2の発明によれば、金属製のブラシ保持体により、ブラシと整流子面との間に発生する熱を奪うと共に、ブラシ保持体自身が整流子面に近接していることで、上述の熱の発散、且つ風の流れにより、ブラシ保持体がシュラウド効果を発揮して、風の流れが強く、冷却に適したものとなる。
【0005】請求項3の発明によれば、ブラシ保持体の整流子との対向面に凹凸形状を設けたことにより、ブラシ保持体自体の放熱面積が増加して放熱性が向上する。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の減速機構付スタータの実施例を説明する。図5は減速機構付スタータの断面図である。本実施例のスタータ1は、図5に示すように、通電を受けて回転力を発生するスタータモータ2、このスタータモータ2の回転速度を減速する減速装置3、この減速装置3を介してスタータモータ2の回転力が伝達される出力軸4、この出力軸4の外周に嵌合するピニオン5、出力軸4の回転をピニオン5に伝達する一方向クラッチ6、この一方向クラッチ6と一体にピニオン5を前方へ押し出す押出力を発生するとともに、スタータモータ2の電流回路に介在されたスタータモータ2接点(図示しない)の開閉を行うマグネットスイッチ7、このマグネットスイッチ7のピニオン押出力を一方向クラッチ6に伝達するレバー8等より構成されている。
【0007】スタータモータ2は、ヨーク9、固定磁極10、電機子11、およびブラシ装置(後述する)等を備える。ヨーク9は、円筒形状を成し、ヨーク9の前端に配されるプレート12およびヨーク9の後端に配されるホルダプレート13とともにフロントハウジング14とリヤフレーム15とに挟持されている。固定磁極10は、例えば複数の永久磁石から成り、ヨーク9の内周面に固定されて磁界を形成する。
【0008】電機子11は、固定磁極10の内周に配されて、シャフト16の前端が出力軸4の後端に形成された凹所に軸受(図示しない)を介して回転自在に支持され、シャフト16の後端がリヤフレーム15の円筒部15aに軸受17を介して回転自在に支持されている。電機子11の後端側には、図3に示すように、絶縁溝18を介して互いに絶縁された複数のセグメント19aをシャフト16と略直角を成す平面上で円形に並べたフェイス型整流子19が設けられている。各セグメント19aは、その平面形状が円形を周方向に等分して得られる略台形形状を成し、それぞれ電機子コイル11a(図2参照)に接続されている。
【0009】ブラシ装置は、ブラシ20、21、スプリング22、ブラシ保持体23、24、インシュレータ25、および前記ホルダプレート13より構成される。ブラシ20、21は、図1に示すように、正極ブラシ20と負極ブラシ21とから成り、それぞれシャフト16の外周に配されて、整流子19に対して軸方向の後方側から当接している。スプリング22は、各ブラシ20、21の後端側に配されてリヤフレーム15に支持され、ブラシ20、21の先端面が整流子19に適当な荷重で摺接できるようにブラシ20、21の後端面を付勢している。
【0010】ブラシ保持体23、24は、図4に示すように、ブラシ20、21を軸方向に沿って摺動自在に収納する箱状の収納部23a、24aと、この収納部23a、24aと一体に設けられたベース部23b、24b(本発明の平板部)とから成る。そのベース部23b、24bは、収納部23a、24aの整流子19側端部で整流子19と正対して(対面して)円周方向へ平板状に延びて設けられている(図1参照)。このブラシ保持体23、24の材料は、放熱性の点で銅やアルミニウム等の高熱伝導材が望ましいが、グラファイトやアルミナを配合した樹脂や、高熱伝導セラミック等でも良い。
【0011】インシュレータ25(絶縁板)は、正極ブラシ20を保持するブラシ保持体23を絶縁支持するもので、そのブラシ保持体23が鳩目かしめ26によって固定されている。ホルダプレート13は、金属板で形成されて、負極ブラシ21を保持するブラシ保持体24およびインシュレータ25が、それぞれ鳩目かしめ27、28によって固定されている。
【0012】次に、本実施例の作用を説明する。なお、スタータ1の作動は極めて公知であるため、その説明は省略する。電機子11の回転によって整流子19に摺接するブラシ20、21が発熱すると、その熱は高熱伝導材から成るブラシ保持体23、24へ伝わる。ここで、ブラシ保持体23、24には、整流子19と正対するベース部23b、24bが設けられているため、電機子11の回転によって発生した風(主に絶縁溝18により整流子19表面上に凹凸が形成されることによって風が発生する)をベース部23b、24b全体で受けることができる。これにより、ブラシ20、21からブラシ保持体23、24に伝わった熱が素早く外気に放出される。また、ベース部23b、24bを収納部23a、24aと一体に設けたことにより、ブラシ保持体23、24全体の熱容量が増加するため、その分、ブラシ20、21からブラシ保持体23、24への熱伝達が素早く行われる。
【0013】(本実施例の効果)本実施例では、ブラシ20、21からブラシ保持体23、24への熱伝達が素早く行われ、且つ電機子11の回転により発生した風をベース部23b、24bが受けることにより、ブラシ保持体23、24(主にベース部23b、24b)から外気へ素早く放熱することができる。この結果、ブラシ20、21の温度上昇を効果的に抑えることができる。また、放熱性の向上によってブラシ20、21を小型化できる(ブラシ20、21を小型化してもブラシ20、21の温度上昇を抑えることができる)ため、減速型スタータ1のスタータモータ2に適用することができる。
【0014】(変形例)整流子19は、図6に示すように、平面形状が螺旋形状を成すセグメント19aで構成しても良い。この場合、電機子11の回転により発生する空気の流れが強くなるため、ブラシ20、21およびブラシ保持体23、24の冷却効果が一層高くなる。また、整流子19と正対するベース部23b、24bの対向面に凹凸形状を設けて放熱面積を増加することで放熱性の向上を図ることもできる。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成8年(1996)5月31日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 健二
【公開番号】 特開平9−317610
【公開日】 平成9年(1997)12月9日
【出願番号】 特願平8−138103