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【発明の名称】 車両制御装置
【発明者】 【氏名】吉田 晋

【氏名】中沢 健

【目的】
【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】メモリーカードに格納されたIDコードをカードリーダーで読み取り、制御ユニットによりIDコードを照合判別して適合したときエンジンの駆動回路を電源オンする車両制御装置において、エンジンの駆動回路は、電源オン後メモリーカードをカードリーダーから取り出してもオン状態を維持するとともに、操作スイッチによりメモリーカードと無関係に電源オフすることを特徴とする車両制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動2輪車等の車両において、予めIDコードを格納したメモリーカードを用いて車両の電源をオンにする車両制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平6−247260号及び同6−247359号には、メモリーカードに格納されたIDコードをカードリーダーで読み取り、内蔵されている制御ユニットによりIDコードを照合判別して適合したとき、ハンドルロックを解錠するとともにエンジンの駆動回路を電源オンする車両制御装置が示されている。
【0003】ここでメモリーカードとは、ICメモリー、CPU、入出力処理部並びに通信手段等をカード内に設けた公知のものである。またIDコードとは、車両の使用許可条件として予めカードリーダー側に登録されている識別情報と照合するための暗証情報である。さらにエンジンの駆動回路とは、始動回路及び点火回路を含むエンジンの駆動に必要な回路である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−247260号等に記載の車両制御装置において、エンジンの駆動回路を電源オンしておくには、その間ずっとメモリーカードをカードリーダー内へ挿入した状態で保持しておかなければならず、このためには振動や接触に影響されない信頼性の高い堅固な機械的保持機構が必要になり、重量増加やコストアップを招きやすい。そこでこのような機械的保持機構を省略できることが望まれる。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため本願発明は、メモリーカードに格納されたIDコードをカードリーダーで読み取り、制御ユニットによりIDコードを照合判別して適合したときエンジンの駆動回路を電源オンする車両制御装置において、エンジンの駆動回路は、電源オン後メモリーカードをカードリーダーから取り出してもオン状態を維持するとともに、操作スイッチによりメモリーカードと無関係に電源オフすることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて自動2輪車の電源制御装置として構成された実施形態を説明する。
【0007】図1は、ICからなる公知のメモリーカード1を通過するだけで読み取るカードリーダー2を使用する例であり、カードリーダー2はメモリーカード1を通過させるためのコ字状断面のカード通過溝3を備えている。
【0008】カードリーダー2は通過溝3内にカード挿入検出スイッチ(図示省略)を備えており、メモリーカード1をカード通過溝3へ通過させると、同スイッチにより内部回路がオンになってメモリーカード1に格納されているIDコードを読み取って適合判別し、IDコードが適合した場合はLEDからなる確認ランプ4を点灯させる。
【0009】IDコードの適合判別はカードリーダー2に内蔵された制御ユニットであるECU5において行われる。但し、このECU5はカードリーダー2と別置に構成することもできる。
【0010】ECU5の構成は、メモリー、CPU及び入出力処理部を備えた公知のものであり、さらにカードリーダー2側にはメモリーカード側との通信手段等を備えている。
【0011】ECU5は、読み取ったIDコードを予めメモリー内に記憶されている識別情報と照合することにより判別し、IDコードの判別適合時に前記確認ランプ4を点灯させるとともにエンジンの駆動回路の電源をオンにする。
【0012】エンジンの駆動回路は、一度オンになるとその後はカードリーダー2と関係なく電源オン状態に保持される。なお、このオン状態保持は、ECU5によって行うこともでき、回路側で自己保持することもできる。
【0013】本例の場合、カードリーダー2は自動2輪車のトップブリッジ6上に取付けられ、ハンドル7にはキルスイッチ8が設けられている。
【0014】キルスイッチ8は拡大部に示すように、ノブ9が2段階に押し込まれるようになっており、1段目に押し込むと点火回路をオフしてエンジンを停止させ、さらに2段目に押し込むと駆動回路の電源をオフするようになっている。
【0015】キルスイッチ8は操作スイッチの一例であり、駆動回路の電源をオフする動作はメモリーカード1と無関係である。ECU5によって駆動回路の電源をオン状態に保持する場合は、キルスイッチ8の操作によりECU5が駆動回路の電源をオフする。
【0016】さらに操作スイッチをハンドルロック装置に設けることもできる。すなわち、燃料タンク10の側部等に設けられているハンドルロックレバー11の近傍に押しボタンスイッチ12を設ける。
【0017】図の拡大部に示すように、ロック位置へ回動したハンドルロックレバー11により押しボタンスイッチ12がオンし、ECU5を介してエンジンの駆動回路をオフするように構成する。
【0018】なお、ハンドルロックレバー11は押しボタンスイッチ12をオンすると同時に図示をしないロック装置によりハンドル7の回動を不能に固定し、走行を不能にする。
【0019】したがって、操作スイッチをハンドルロック装置に組み込むと、エンジンの駆動回路をオフするためにハンドルロック操作が必要になるので、ハンドルロックのかけ忘れを防止できる。
【0020】なお、メモリーカード1はエンジンの駆動回路をオンするときに一度だけカードリーダー2を通せば足り、以後はメモリーカード1のみをカードリーダー2と分離して単体で携帯又は別の適当位置に収納できる。
【0021】図2はカードリーダーの別案であり、メモリーカードを抜き差し自在にしたカードリーダー20は、メモリーカード1を挿入する凹部21及びカード挿入検出スイッチ22を有する。
【0022】カードリーダー20を凹部21へ挿入すると、カード挿入検出スイッチ22がオンになってメモリーカード1のIDコードを読み取り、IDコードの判別が適合すれば確認ランプ23が点灯する。
【0023】そこでメモリーカード1をカードリーダー20から抜き取る。しかし、カードリーダー20に内蔵された前の例と同様のECUは、一度IDコードの判別を終われば、以後メモリーカード1を参照しないので、前述と同様にエンジンの駆動回路を電源オンにしてこの状態を持続する。
【0024】図3は、さらに別のカードリーダー30を示し、この例ではカード収納凹部31を開閉自在のリッド32が設けられ、カード収納凹部31にメモリーカード1を収納してリッド32を閉め、読み取り開始スイッチ33を押すとIDコードを読み取る。
【0025】判別適合の確認はこれまで同様に確認ランプ34の点灯で行い、その後はリッド32を開き又は閉めたままで取り出しボタン35を押すことによりメモリーカード1を取り出す。
【0026】なお、この例では、エンジンの駆動回路を電源オン後、ハンドル7に設けたスタートボタン36を押すことによりエンジンを始動するようになっている。
【0027】さらに、ハンドルロックとスタータスイッチを組み合わせた通常のコンビネーションスイッチ37を利用することもできる。この場合は、カードリーダー30にメモリーカード1をセット後、コンビネーションスイッチ37に挿入したキー38をオン位置にする。
【0028】すると、このキー操作がトリガーとなってカードリーダー30に通電し、メモリーカード1のIDコード読み取りと判別を開始し、さらにキー38をスタート位置にするとエンジンが始動する。判別終了後はメモリーカード1を前記同様に取り出す。
【0029】その後、キー38を電源オン位置へ戻すとエンジンの駆動回路を電源オフし、さらにLOCK位置にするとハンドルがロックされ、キー38が抜き取り可能になる。このようにすると、従来のコンビネーションスイッチ37を利用でき、しかもカード挿入検出スイッチを省略できる。
【0030】図4は、このようなカードリーダーの自動2輪車に対する取付位置を例示したものであり、この例では、A,B,C三種のカードリーダー例示し、各カードリーダーはいずれも挿入方向へ抜き取るスロット式である(但し、これまでの各種カードリーダーも可能である)。
【0031】Aで示すカードリーダー40は、取付面に対して斜めのスロット41を有し、上部に取り出しボタン42が設けられており、トップブリッジ6又は燃料タンク10の上部前方もしくは側部等へ取付けるのに適している。
【0032】Bで示す別形状のカードリーダー43は、スロット41の近傍にメモリーカード1の挿入方向と同一方向から操作できる取り出しボタン42が設けられ、側部に設けられた取付突部44でメインフレーム45やその近傍のカウリング46に取付けられる。
【0033】Cで示すさらに別形状のカードリーダー47は、メモリーカード1の挿入方向と直交方向で操作する取り出しボタン42を備え、シート48後方のリヤカウル49の側面へ取りつける場合に適している。
【0034】次に、本実施形態における作用を説明する。 図1等の例において、エンジンの駆動回路を電源オンするとき、メモリーカード1をカードリーダー2・・へ通過もしくは挿入等してIDコードを判別させた後はカードリーダー2から抜き取って分離させておくことができる。
【0035】したがって、走行中メモリーカード1を常時カードリーダー2,・・へ保持しておくための機械的保持機構を設ける必要が無くなるので、コストダウン及び重量軽減に役立つ。そのうえ、走行中の振動によりカードリーダー2,・・内でメモリーカード1が動くようなことが無くなるので信頼性が向上する。
【0036】
【発明の効果】本願発明によれば、エンジンの駆動回路は、電源オン後メモリーカードをカードリーダーから取り出してもオン状態を維持するとともに、操作スイッチによりメモリーカードと無関係に電源オフすることができる。
【0037】ゆえに、エンジンの駆動回路が電源オン後は、メモリーカードをカードリーダーから分離できるので、走行中にメモリーカードを保持するための機械的保持機構を設ける必要が無くなる。
【0038】その結果、コストダウン及び重量軽減を実現でき、かつ、走行中の振動によるメモリーカードの動きが無くなるので、制御装置としての信頼性をより向上できる。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成7年(1995)9月8日
【代理人】 【弁理士】
【氏名又は名称】小松 清光
【公開番号】 特開平9−79121
【公開日】 平成9年(1997)3月25日
【出願番号】 特願平7−231836